2023年11月11日ソワレ 劇団四季『クレイジー・フォー・ユー』@山形




クレイジー・フォー・ユー
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ゆうき
ゆうき

通算250回目の岡村美南さんでした!

日時:2023年11月11日ソワレ公演
場所:やまぎん県民ホール
座席:S席1階1列センター




はじめに

宇都宮公演以来の約2ヶ月ぶりのCFYです!岡村さんに会いに行きたかったのですが家の事情とか色々あり、なかなか遠出する機会がありませんでした。先週久しぶりに岡村さんがCFYに戻ってきて、そしたら11月6日から萩原さん×萌さん×渡久山さん×岡村さんという今まで実現しなかった組み合わせがついに実現したので、これは行くっきゃない!と思って比較的近場の山形公演に行くことを決断したのですが…。いつの間にか萌さんがまちまりさんに変わっていてビックリ。

全国公演ではまだ一度も萌さんポリーにお会いできていないので、やっと観られる~!と思ってワクワクしていたところだったのでちょっと動揺してしまったのですが、萌さんに何かあったのかと心配になっちゃうような唐突なキャス変だったので複雑ですね。でも、どちらにしても岡村さんのお芝居がずっと観たくて恋しかったし、大好きな人には会える!ということでワクワクしながらやってきました山形!

今は東京じゃなくて栃木の実家にしばらく帰省中なので、宇都宮からは2時間かからないくらいで山形に着きました。全国公演として山形に降り立つのは初めて。そして私にとって今回が通算250回目の岡村美南さん観劇、30代になって初めての岡村美南さん観劇なのでちょっと思い入れもあり、しっかりと見届けてきました。ぜひぜひ最後までご覧ください!

総評

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

2ヶ月も経つと俳優さんたちのお芝居ってかなりブラッシュアップされるんだな~というのを痛感した観劇でした。特に萩原さんや渡久山さんは横浜公演以来なのでかなり久しぶりだったんですけど、もう全然違うお芝居を観ているかのようでした。予想していないところで思わぬカウンターを食らうような感覚で、不意打ちを食らいまくってめちゃくちゃ笑っちゃいましたよ(笑)

ちゃんとコメディとして作品が成立しているというか、、、無理してコメディやっている感じではなく、自然と作品の中にコメディが存在していて、そんな忙しない世界観の中で自然とキャラクターたちがドタバタな数日間を過ごしているので、なんか非常にまとまりを感じたというか…上手く言葉にできないほどの満足度があります。コメディが上手い人たちが集まったんだな~と思いました。特に萩原さんはコメディ上手すぎて、間合いにしても声の出し方にしても人の感情を引き出すのが上手すぎるなと思いました。

昔、俳優さんの誰かが言っていたんですよね。「人を笑わせることが一番難しい」って。今回の山形公演のお客さんは凄く反応が良くて、たくさん笑いが起こっていました。私も久々の観劇ということもあってたくさん笑ったし、こんなにも人を笑わせることができるコメディの才能がある俳優さんたちが本当に凄いな~と感じた観劇になりました。

横浜公演以来の萩原さんボビーは、コメディやっぱり上手いな!と思いました。ガラッとお芝居が変わったところも多く、たとえばポリーの真似をして瓶キャッチをしようとするシーンでは以前みたいにキザっぷりを見せつけるというよりヘラヘラするような態度を取って失敗をごまかそうとしていたのが印象的でした。あとは声量の大きさを活かして笑いを取る場面もあって、2幕でポリーがザングラーにキスするシーンで、気絶から立ち上がってポリーに声をかけようとしたときに「ポリポリポリキャーーーッ!!!」ってめっちゃでかい声で叫び出したので不意打ちでめっちゃ笑いました(笑)

萩原さんボビーの勢いと振り切りっぷりがとにかく面白くて、これまで何度も観てきたのにそれでも笑っちゃうので改めて萩原さんって凄いよな~と感じた観劇でした。こんなにコメディに振り切ったお芝居もできるのに、締めるところはしっかり締めることができるのが本当に素敵です。

まちまりさんポリーは宇都宮公演以来でしたが、さらにお芝居に磨きがかかっていてとても良かったです。まちまりさんポリーの良さが爆発していたのがBut Not For Meで、萌さんポリーとはまた違った切なさがあって、とても胸を締め付けられました。ただ強がるだけじゃなくて、初めて恋を知ったことで心がこんなにも苦しくて悲しいものだったんだ…と自分で気付いた瞬間に、苦しそうだった表情が少し和らいだという表情の変化がとても印象深かったです。苦しいのに表情はとても穏やかというチグハグさが逆にポリーの心の痛みを凄く表しているようで、ヒシヒシ伝わってきました。表情も凄く素敵でしたがセリフを発するまでの間の取り方も良くて、ポリーのセリフ一つひとつに重みを凄く感じられて、とてもポリーに感情移入ができました。

萩原さんボビーとまちまりさんポリーの組み合わせも久々に観ましたけど、お2人ともお芝居がそもそも上手なので安定していたし、何よりコメディがとても上手いのでその相乗効果でさらに笑いを生み出していたように思います。間の取り方が本当に上手い。王道なボビーとポリーの関係性。Shall We Dance?ではわちゃわちゃしながら踊ったりもしていて、「観る」のが楽しかったです。目で観て楽しい、耳で聞いて楽しいボビポリでした。

そして横浜公演以来の渡久山さんランク!ずっと会いたくてウズウズしていたので、やっと会えて嬉しいです。相変わらず動きがうるさいし何もかもうるさくて最高でした(笑)萩原さんボビーもやかましいけど、渡久山さんランクもやかましいからステージ上がすげえうるさくて面白かったです(笑)

ランクって不憫でアホでどこか憎めないキャラクターではありますけど、渡久山さんが演じることで愛くるしさのあるランクになるから凄いな~と思います。アホっぷりが100倍強調されるのでどんなに悪さをしても憎めないし、アホながらもがきまくってボビーに対抗心燃やすし、その子供っぽい部分がとにかく愛しくて好きでした。渡久山さんランク、何も喋らなければ高身長のスタイル抜群なイケメンなのに、喋り出すと残念すぎるところがたまらないです。

特にお芝居がガラッと変わった部分があったわけではありませんでしたが、「正義は勝利するってことだ!」のあとの高笑いは、両腕をワカチコワカチコ!ってやるみたいな動きをさせながら高笑いしていたのがあまりにもやかましくて笑いました。アホすぎる…(笑)ランクもここまで振り切ってくれると凄く面白いし観ていて楽しいです。渡久山さんランク大好きなので、戻ってきてくれてありがとうの気持ちでいっぱいでした。

そして岡村さんアイリーン!言葉で説明するのはとても難しいけど、お芝居のニュアンスが結構変わっていたような印象があって新鮮でした。なんだかとても憎たらしくなっていたのかな(笑)ポリーに向けるセリフの言い方とか、以前はまだ優しさを含んだような上品な言い方でしたけど、久々に観た岡村さんアイリーンは結構嫌味を含んだ言い方をしていて、すげえ嫌な女感が出ていて良かったです。悪ではないけど、悪に見える立ち位置。岡村さんアイリーンの丸みを帯びたお芝居にトゲが出始めていて、それが凄く新鮮で個人的にとても好きでした。

1幕序盤の原田真理さんボビママとの掛け合いは相変わらず原田さんボビママに頭上がらずで、いちいち言葉を遮られてしまうのでアイリーンの不憫さがとても強調されていて良かったです。悔しそうに「もう…!」ってぷんすかする表情は可愛くてキュンとしっぱなしでした。

それからポリーとの初対面シーンでの言い合いも、どこまでも強気なまちまりさんポリーに押され気味な岡村さんアイリーンが「古着になったらあげてもいいのよ」の言い方を口を大きく開けずに歯をギリギリさせながら言うような負け惜しみのような言い方をしていて、こんな小娘にも勝てない不憫なアイリーンすぎて凄く可愛かったです。嫌な女感が強調されたからこそ、そのくせ言い合いになると小娘にすら勝てないという弱さのギャップがより目立つようになっていて、アイリーンの魅力が凄く出ていたように思います。とことん可愛すぎて私の心臓が持ちそうにありませんでしたよ。

2幕でランクに「赤毛のバカ女なんです!」って言われた直後、振り返ってから「あなたみたいに、無礼で…粗野で…」って言うところまでは凄く静かな怒りをあらわにしながら声を震わせて言っていて、怒りがじわじわと込み上げているのが凄く伝わってきました。からの「乱暴な人は、はじめてよ!」で泣き叫ぶような言い方になったのが直前までとのギャップを感じられて心を鷲掴みにされちゃいました。ただ大声あげるというより、すがるようなニュアンスも含まれた言い方になっていたので、可愛さ増し増しでした。あまりにも可愛いね…。からの突然のキスの落差に、お客さんも大笑い。岡村さんってやっぱり間合いが上手いな~って改めて思いました。

Naughty Babyもちょっと歌い方が変わっていて、「お、よ、び、じゃ、な、い~わ~」みたいなスタッカートの歌い方を以前はしていたんですけど、「お~よ~び~じゃ~な~い~わ~」って感じの歌い方になってより艶めかしさが出ていたので思わずドキッとしちゃいました。不意打ちはあかんですね…。改めて聴いてみても歌がめちゃくちゃ上手いし、マジで出番少ないのもったいないよ(笑)

ボビポリがラストで結ばれたのを見て、嬉しさのあまり渡久山さんランクの首に腕を回してぎゅーってしながらぴょんぴょん抱き着いていたのが可愛すぎて昇天。渡久山さんランク相手だと身長差が出るので、岡村さんアイリーンの可愛さがさらに増すのもたまらないし、2人がハグするのって全国ツアーオリジナルでもあるので渡久山岡村ペアのハグが可愛すぎてトキメキが止まりませんでした。私の今期の推しカプ、やっと観れて感無量です。山形まで来て良かったです( ;∀;)

そして、今回とても印象に残ったのが恒川愛さんテスでした。恒川さんテスを観るのは8年ぶりでしたが、過去に2回くらいしか観たことなくてそこまで覚えてなかったのでほぼ初見です。今期ずーっとアイリーンをやっていただけにテスで拝見することになるとは…って感じなんですけど、凄く恒川さんらしいテスで良かったです。宮田愛さんテスとは全然アプローチもタイプも違うので新鮮でした。

宮田さんテスって厳しさの中に愛があって、ダンスもめちゃくちゃ上手いしリーダーシップもあるのでダンスディレクターとしての説得力を凄く感じられるテスでしたが、恒川さんテスは「私についてきて!」というタイプではなく「みんな一緒に頑張るよ!」と声をかけながらみんなと足並みを揃えるタイプのテスだな~という印象でした。なので、パッツィはもちろん、他のフォーリーズに対しても凄く気さくで上下関係をあまり感じさせない仲の良さが感じられました。全体的に凄くわちゃわちゃしたフォーリーズでした。宮田さんテスは突出していた印象があったけど、恒川さんテスはみんなに馴染むタイプだったので、フォーリーズにおけるテスの存在感や立ち位置という意味でも恒川さんテスは凄く新鮮で観るのが楽しかったです。

何より、恒川さんテスがとてもムードメーカーなのが凄く印象的でした。みんなと馴染んでいるところもそうですけど、たとえばIGRでは「みんな行くわよー!」って声かけながら踊り出したり、ポリテスパツィの3人でセンターで踊るところではポリーがやってくるときに「ポリー!」って声をかけて、まちまりさんポリーが「はーい!」って返事しながら3人で踊り始めたりして、そういうところに恒川さんテスらしさを感じられて凄く好きでした。

そしてパッツィのことを凄く溺愛しているテスだったので、両手を広げて濱さんパッツィをハグしたり、ほっぺむぎゅ~ってしていたり、スキンシップの取り方がとても可愛くてキュンとなっていました。恒川さんテスは身長も高いので、テスパツィの凸凹具合も相まって凄く可愛い組み合わせでした。

一方、荒川さんザングラーとの掛け合いも新鮮な部分が多くて観るのが楽しかったです。やっぱり恒川さんテスって男性に対して優位な印象があって、2幕で「あなたなら、できるでしょ?」ってザングラーに懇願するところは恒川さんテスが荒川さんザングラーの顎を指でひょいひょいと触りながら誘惑するように言っていて、色気~~~~!ってなりました(笑)恒川さんテスと荒川さんザングラーだと、常にザングラーがテスに弄ばれていてテスの尻に敷かれてそうだな~と思いました。恒川さんテスがあまりにもザングラーの扱い方を心得ていて…(笑)凄く新鮮な組み合わせでした。

今回一番印象的だったのが、But Not For Meの合間のテスとザングラーのシーン。「そんな、あなたらしくない…」とテスが言ったあとにザングラーが「自分でもおかしいと思っとる」と言いますが、その直後にテスはザングラーの目の前まで来てしばらく見つめ合ったあとに舞台中央奥に歩いていく…という流れなんですけど、恒川さんテスは荒川さんザングラーの目の前まで来たときにおろしていた手をあげてザングラーに触れようとしたんです。でも、ちょっと手を動かして、思いとどまるようにその手を下ろしました。そのちょっとした動作なんですけど、テスの心の揺れ動きが凄く伝わってきて心を鷲掴みにされました。

多分だけど、自分のためにすべてを捨てたザングラーに凄く戸惑ったし、彼らしくないと思ったから、心配な想いもあって彼に手を伸ばして宥めるつもりだったのかもしれません。でも、彼の目を見て、「それでも構わない、君のためなら」という彼の本気に気付いて、彼の覚悟を受け止めて触れることをやめたのかな…と思いました。このちょっとした手の動きがあるだけでも、そのあとテスが振り向いて微笑むことに凄く説得力が感じられるようになるので、めっちゃ良いな~と思いました。恒川さんテスのお芝居も宮田さんテスとはまた違った良さがあったので、このタイミングで観られて良かったです。

それから、恒川さんテスは踊るときニコニコしながら踊っていてそれが凄く好印象でした。恒川さんの屈託ない笑顔、本当に好きなので観れて嬉しかったです。アイリーンも凄くハマり役で似合うけど、テスは出番も多いしニコニコ笑っている瞬間も多いし、今回は恒川さんにとても癒やされました。

演じる俳優さんの数だけキャラクターの解釈があるので、自分がまだ知らなかったそのキャラクターの一面を知ることができるのが楽しいですよね。恒川さんテスを観て、私まだまだテスの知らない部分たくさんあるんだな~って思いましたもん。だからこそ、俳優さんにこだわりすぎないで色んなキャストでお芝居を観るっていうことも大切なんだなと再認識できた観劇でした。

今回は2ヶ月ぶりの観劇ということもあって色んな発見があったりお芝居の変化を観られたりして、作品そのものを凄く楽しめました。たった1公演のみの遠征となりましたが、観に行けて良かったです。横浜公演開幕の頃に比べるとカンパニーのまとまり具合もかなり良くなっているし、お芝居がどんどん柔軟になっていくのでコメディ要素もかなり強くなって、凄くハイレベルな作品になっていました。ここ最近は『ウィキッド』で凄く感情を揺さぶられまくりだったので、純粋に笑えて楽しめてハッピーになれるCFYを観られて凄く心が救われた気持ちになりました!

まとめ

久々のわりに詳細なことをあまり書けませんでしたが、なんか今回は作品の細かな部分を楽しむというより純粋に楽しむ!っていう感じだったので、とても表面的な感想になっちゃいました。でも、楽しかったのでオールオッケー。来年には岡村さんは悪役を演じることになりますし、こんな幸せな気持ちで終われる作品にはしばらく出られないだろうから、今のうちにしっかり目に焼き付けておきたいなと思います。

間辺さんがどうされちゃったのか分かりませんが、テスとして出演できないのであれば、『ひばり』が終わるまで恒川さんはずっとテスとして出演することになるだろうし、そうなると岡村さんはずっとアイリーンかな…。まあ、アイリーンはそこまで出番が多いというわけではないから千穐楽まで完投するのも無理ではないだろうけど、それにしても心配は尽きませんね。

ただ、元気に舞台に立ち続けてくれていたらそれでいいので。ひとまず私にとって30代最初の岡村さんであり、250回目の岡村さんでもありました。素敵な席から見届けられて幸せでした。

次回はいよいよ岡村さんの地元凱旋も含めた北陸公演遠征です!しっかり楽しんできます!

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