【ネタバレ】2024年5月9日&10日 劇団四季『ゴースト&レディ』




ゴースト&レディ
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ゆうき
ゆうき

My初日!岡村美南さんついに悪役デビュー!

日時:2024年5月9日ソワレ、10日マチネ
場所:四季劇場秋




はじめに

めっちゃ久しぶりの更新!2024年初めましてです。

昨年末に身内が亡くなり、同時に体調を崩して年明けの1月中旬までずっと治らず…という泣き面に蜂状態でCFYを見届けることもできず、という日々でした。1月に『ウィキッド』は観劇したんですけど、そのときのレポも結局書かずじまい。ごめんなさい~~~。

ですが!ついに岡村美南さんが新たに出演する『ゴースト&レディ』が開幕し、無事に観劇してきましたので、このブログも再始動でございます。ブログ内で書くことはネタバレを大いに含みますので、ネタバレ厳禁な方は今すぐ引き返してくださいね。

私にとっては昨年のCFY富山公演ぶりの岡村美南さん。なんと半年ぶりです。本当は開幕初日に見届けたかったんだけど、チケット全然取れなくてね…。その分、開幕2日目にまずしっかりと目に焼き付けてきました。

久しぶりの秋劇場。

そういえば秋劇場といえば岡村さんがよくステージに立たれていた劇場だったな~というのを思い出しました。新設後の出演は今回が初めてとなりますが、旧秋劇場は岡村さんにとっても私にとっても馴染みの劇場だったので、こうして再び岡村さんを秋劇場で観られることが感慨深い気持ちです。

岡村さんにとってデジタルキャスボも初…!初めてなこと尽くしで嬉しいねぇ~!デオン・ド・ボーモン役にてついに悪役デビューです!

そしてロビーには原作者さんが寄贈されたボードなどがたくさん飾られていました。

原作者さんのメッセージとサインもありました!

凄い豪華!劇団四季がオリジナルミュージカルとして力を入れているのも伝わってきて良いですね。ワクワクしました。

そんなわけで、レポ始めていきますのでよろしくお願いします~!

総評

原作も読まず特に予習もせず、ほぼまっさらな状態で観劇しました。ナイチンゲールも名前を知っているくらいで何をした人なのか全然知らないレベルでしたし(それはそれでヤバい)、そんなんで理解できるかな~なんて不安もあったんですけど、ちゃんと理解できました。

原作ミリしら状態ですが、戦争を扱っている作品なだけあってもっと重めというかシリアスな感じの作品なのかなと思っていたんですけど、意外とそんなこともなくて。結構明るいシーンやナンバーも多く、笑いどころもあり、エンタメに寄った演出もあったりして、予想外で驚きでした。エンタメ要素については作中の時代や作品そのもののテイスト的に若干の違和感というか浮いている印象がないわけではなかったですけど、でもそれを超えるくらいにこの作品が持つ「美しさ」に魅せられて圧倒されたので、トータルとして凄く良かったです。

ただ、エンタメ寄りな部分でここそんなに長い尺必要かな…?みたいなシーンがちょこちょこあるのは若干気になりました。グレイの生い立ちからゴーストになるまでの半生を回想するところでお酒を飲み交わすシーンがあるんですけど結構尺長いので、個人的にはお酒のシーンで使った尺をもうちょいシャーロット(生前グレイが惚れ込んだ女性)と育んだ別の時間に焦点当てて使ってもいいのでは~とも思いました。物語に緩急つけるのは大事ですけどね。あと、グレイとシャーロットの愛の物語~回想~を萩原さんとまちまりさんが演じるので、一気に雰囲気がCFYになってオタクの脳内パニックでした(笑)

それと、曲数が凄く多くて素敵なナンバーも多いんだけど、複雑なメロディラインゆえか全体的にインパクトや印象強さがそこまで感じられなかったな~というのは正直な感想です。デオンが歌うナンバーも2回観たけど全然思い出せないし(笑)良くも悪くも「劇団四季のオリジナルミュージカルらしい音楽」っていう印象。まあ、これは慣れかな。でも、日本人が好きそうなナンバーも結構ありましたし、俳優さんの歌声は素敵だし感情を乗せて歌うから物凄く心に響くし、物語を紡ぐうえでめっちゃ重要な要素にはなってはいます。特に、フローが高らかに歌い上げる終盤のナンバーは圧巻です。志音ちゃんのパワフルな歌声も相まって、フローの圧倒的な輝きがすべて込められていて最高でした。

ちなみに、今作では開演前に大きな音が鳴るよ~というアナウンスがわざわざロビーに置いてありました。

正直、めちゃくちゃビビります(笑)でもこれが演出の一部でもあって、ゴーストが出る作品ならではの開演の仕方だな~~~!!!と物凄く納得しました。まあね、それでも怖いもんは怖いから開演前の緊張感半端なかったですけど(笑)

でね、この作品の何が良いって、とにかくフローとグレイの絆の美しさだなと感じました。人とゴーストが絆を深め、愛を育んでいくわけで。寿命も生き方も違う2人が惹かれ合い、共に生きていくことの美しさがめっちゃくちゃ綺麗に描かれているなと思いました。「絶望」から始まったフローとグレイの出会いが、最後には「希望」へと変わる。キャッチコピーの「この愛は、絶望を知らない」はまさにその通りだと納得できました。

そして「生きている者」と「死んでいる者」が交わることで、生前はできなかったことが死後にできるようになる。たとえば、触れ合うことができるようになるとか…。そういうのも凄く上手に取り入れながら作り上げたなと思いました。本当にね、日本人が好きな要素を凄く上手に取り入れられている気がします。日本人の感情を揺さぶる構成というかさ。凄く上手い気がする。

作中では、負傷して生死をさまよう傷病兵のボブというキャラクターが登場するんですけど、生死をさまよったことによってグレイの姿が見えるようになります。終盤でフローの死を看取ったあとも死後のフローが見えるようになり、唯一ボブだけが死後のフローとグレイの行く末を見届けるんです。人によってゴーストが見えるようになるトリガーは異なるらしいですが、あえてボブという一人の兵士にその力が授けられるっていうのも上手くて。ある意味、フローとグレイにとってのお助けキャラポジションです。ボブが凄く重要な役割を果たすキャラクターなのも良くて、キャラクターの活かし方が凄く上手な作品でもありました。

キャラクターそれぞれの設定も物凄く緻密に作られているからこそ、展開に全然違和感がないの。だから凄く作品に没入できました。

ナイチンゲールの生涯を描くという意味では結構『エビータ』に近いものもあって、まずナイチンゲールがどんなことをした人なのかについては丁寧に描かれていたと思います。そんな彼女がなぜグレイと手を組むのか、その動機づけもしっかり説明があったし、決してグレイの存在がナイチンゲールの本来の人生を邪魔しないわけですよ。もちろん史実だけでなく創作の部分も多いにあるわけだけど、全体を通してキャラクターに関する設定の説得力は素晴らしかったです。

まず、フロー。ナイチンゲールって実際に「クリミアの天使」と呼ばれていたそうですが、確かに「天使」と呼びたくなるほど慈愛の精神に溢れていて、人として一切欠点がなくて、凄い人だったんだ…というのが深く理解できました。でも同時に、芯の強さがあって真っ直ぐで絶対的な使命感と正義感が強いからこそ、みんなを明るく照らすことができる「希望」の存在でもある。終盤でジョン・ホールと対峙するシーンがあるんですけど、そこでフローが歌い上げるパワフルなナンバーがフローを覚醒させるんですよ。でね、谷原志音ちゃんがもう凄まじい歌唱力で歌い上げるんです…。劇場にいた全員が志音ちゃんフローの圧倒的な歌唱力と眩しすぎる希望の光に飲み込まれたんじゃないでしょうか…。やっぱり志音ちゃんすげえやと再認識した瞬間です。

そんなフローは、裕福な家庭に生まれながらも家族からの絶対的な阻害によって看護の道が閉ざされかけていて絶望していました。どん底のスタートからこの物語は始まっているので、グレイと出会ったことでフローが希望を見いだし、多くの人の希望になっていくという変化が凄く分かりやすくていいなと思いました。志音ちゃんのお茶目なお芝居と芯の強さを感じさせるお芝居はフローにとても合っていたし、久々に志音ちゃんのお芝居を観たけど日本語も凄く上手になっていて、もう言うことなし。エビータを演じていたときもそうだったけど、カリスマ的存在として歴史に名を遺した女性を演じるのが本当に上手いです。

その一方で、フローとは対照的に貧乏な家庭に生まれたのがジョン・ホール。デオンと手を組む悪役ですが、彼は貧乏な家庭環境に生まれ育った逆境に打ち勝つために医者になりました。そして、軍医長官という現在の地位へと昇り詰めています。努力して掴んだ地位と名誉が、突然現れたフローによって奪われかねないことに危機感を覚えたジョン・ホールは、フローを消すことを計画します。

単に自分の私利私欲のためだけにフローを邪魔者扱いする悪役ではないのが良いところ。自分は貧乏育ちでそこから這い上がって必死に権力や名誉を築き上げたというのに、一方で裕福な家庭に育ったのに権力や名誉に固執せず戦地に赴いて身分の区別なく病人を手当するフローに対して、どこか嫉妬心もあったのかなと思います。2人が対峙したときにジョン・ホールがフローに対してそのことを糾弾しつつも、フローが放つ圧倒的な希望の光に打ち負かされてしまい、降伏状態になるのが個人的には凄く好きでした。

他の作品でもよくある展開ですが、一般的に悪役は正義に負けて成敗されるじゃないですか。でもそうじゃないのがこの作品の良いところです。フローとジョン・ホールの家庭環境における経済格差、そのうえで2人がそれぞれ選んだ道の違いによる対比が描かれるからこそ、努力して今の地位を築いたジョン・ホールが危機感を抱くのは当然だし、そんな彼のことはなぜか憎めないんですよね〜。ただの悪役に終わらないところが凄く魅力的なキャラクターだなと思いました。

また、フローとジョン・ホールという人間の違いだけでなく、グレイとデオン・ド・ボーモンというゴーストの違いの描き方も秀逸でした。

グレイに関しては、ゴーストっていうからもっとダークなイメージだと思いきや、とてもひょうきんな性格をしていて、ボビーのようなコメディ要素を持つキャラクターでもありました。そりゃ萩原さんが演じるの大正解だわ…というハマり役です。もちろん真面目なお芝居もカチッとはめてくるので、緩急が上手い。ストーリーテラーとしての役目も果たすんですけど、観客をいざなうような小粋な話し方も凄くマッチしていて、引き込み方が本当に上手でした。

そんな彼は、生前から決闘代理人として華々しい活躍をしていましたが、当時愛したシャーロットという女性に裏切られ、シャーロットが依頼した騎士・デオンによって殺されてしまいます。そしてゴーストになり、劇場に住み続けては100年もの間ずっと芝居を観るという日々を過ごしてきました。

グレイは生前に何度も人から裏切られてきたため、人から裏切られることを凄く恐れています。なので、誰かを信じることすら恐れているわけなんですけど、フローと出会ったことによってグレイ自身心境に変化が起き、最後には「俺は信じたいものを信じる」とまで言い切るのがめちゃくちゃかっこいいんです。フローを殺すはずが、それどころかフローに心を絆され、フローを守ろうと自分の命まで懸けるのがね。フローとグレイの絆を感じられて泣けます。

ゴーストといっても凄く優しくて正しい正義を全うするのがグレイであり、私が知っている一般的なゴースト像の真逆を行くキャラクターでした。

その一方で、デオン・ド・ボーモンは「ゴースト」と聞いてイメージする通りの雰囲気をまとったゴーストでした。めっちゃ悪役。グレイが良いやつだから、余計にデオンの悪さが引き立つし、デオンがめっちゃ悪いやつだからグレイの良い部分が引き立つ。相乗効果ですわ。

デオンは生前、眉目秀麗の騎士として華々しく活躍していました。男性として生きていましたが、実は性別は女性。女性として生まれたことを悔い、女性というだけで見下される世の中に生きづらさや屈辱を感じ、男性として生きることを決めたキャラクターです。実際にデオンのモデルとなった史実の人物も、人生の前半は男性、後半を女性として生きたらしいので、まさにデオンの設定そのままだったので驚きました。

そんなデオンを岡村美南さんが演じたんです…。男役を演じる岡村さんもいつか観てみたいな~なんて思っていたので、まさか実現するとは思っておらず、めちゃくちゃ興奮しました。ゴーストとしてのデオンも美しさとかっこよさが共存していたし、生前のデオンもガッツリ男役なのでこんなかっこよすぎる贔屓を観られるなんて…!と大興奮。岡村さんをデオンにキャスティングしてくださった方、本当にありがとうございました。

岡村さんってもともと声はやや低めだし、そこからさらに男っぽさを足した発声方法でいつもと違った声色でデオンを演じていたのも新鮮でした。背も高いしスタイルも良いので男装も似合うし、デオンのカツラについては衣装合わせの写真を見たときは「マジでこれなの…?」とちょっとショックを受けてしまったんですけど、いざステージ上で動いているデオンを観れば特に違和感もなく。姿勢も良いから剣を持ったときの立ち姿すら美しくて、とても様になっていました。

何より、悪役のお芝居がとても新鮮で思った以上に悪な感じが出ていたのも良かったです。岡村さんって持ち前の包容力というか頼りになるお姉さんらしさが滲みやすいので、悪役をどう演じるんだろう…?ってドキドキしていたんですけど、1幕で高笑いの声が響き渡るところだけでも「怖!」となって凄く衝撃を受けました。岡村さん、こんなお芝居もできるんだ…とゾクゾク。

2幕はやや穏やかな口調になる瞬間もあるので、そこはめっちゃ岡村さんらしさがあるんですけど、それでも普段の優しさや温かさを感じられる声色とはどこか違っていて、常に霊気を漂わせている冷たさのある喋り方だったので「ああ、本当に悪役を演じているんだな…」としみじみしてしまいましたね。岡村さん、2019年に生放送の番組に出演された際に「今後は悪役を演じてみたい」とお話しされていて、私ちょうどそのとき現地で観覧していたので、生でその目標を聞いていて…。だから、岡村さんがあのときの目標を達成されたお姿をこうして見届けられたことが本当に嬉しかったです。

歌も結構歌うしダンスもあるし、1幕はほぼ出番ないですけど2幕はたくさん出番も見せ場もあって嬉しい限りでした。こんなかっこいい悪役を演じてくれて、ファンとしてはただただ幸せ。この一言に尽きます。

そんなデオンにも「自身の性」という部分で苦しみがあって…。フローは「家族関係」、グレイは「裏切り」、ジョン・ホールは「貧困」、デオンは「性」というそれぞれに違った苦しみがあり、共感できる部分があるのが凄くいいなと思いました。ジョン・ホールもデオンもただの悪役では終わらない。抱える苦しみがあったからこそ、そんな苦しみから脱却するためにもがいてきた人たちなので、嫌いにもなれなかったし憎むこともできませんでした。

特にグレイとデオンのライバル関係は凄く良くて…。グレイもデオンもそれぞれの過去を知っているだけに、互いの弱みも知っているわけです。相手の痛い部分を突きながら、物理的にも剣で攻撃する。四季の殺陣アクションは正直そこまで期待していませんでしたが、思った以上にガッツリ殺陣をやっていて良かったです。腕前としてはデオンのほうがグレイよりも上らしいですが、まあそこはね…俳優さん的にはお互いに本格的な殺陣アクションは初めてでしょうし、互角な感じにも見えましたけども(笑)でも、大胆かつ繊細に殺陣をやられていたのは凄くかっこよくて最高でした。しかも、萩原さんと岡村さんの組み合わせですよ。興奮しないわけがない(笑)

グレイとデオンはお互いゴーストになる前、生前の人間だった頃から因縁がある関係なんですね。それから2人ともゴーストになり、それぞれ長い年月をゴーストとして生きてきました。立ち位置としては「ライバル」。そんな2人が再会し、フローをめぐって決闘する。これまで恋人役を何度も演じてきた萩原さんと岡村さんが、今回は因縁の相手として対峙する役を演じるのが個人的に激エモでした…。

別に俳優さん同士の仲の良さとかはステージの上では関係ないですけど、長年色んな作品で共演してきた「戦友」のような萩原さんと岡村さんが役で決闘するのはさすがに興奮しました。最期はお互いに差し違える形で消えていっちゃうんですけど、そのときにデオンがグレイに言う「僕の最期はシアターゴーストか、悪くない…」みたいなセリフの説得力が萩原×岡村の組み合わせだと増すのよね…。

デオンは生前、不名誉な最期を遂げたそうです。だからゴーストとして自分が名誉ある最期を遂げるというリベンジのために、フローの命を狙います。この作品においてゴーストは人間を殺すと自分も死ぬ運命らしく、自分が最期を遂げるために殺す相手として「クリミアの天使」と崇められているフローを選ぶんです。それでフローに付きまとい、殺す機会をずっと狙っていました。デオン→フローのクソデカ感情が美味しすぎて最高でした。女と女のクソデカ感情、大好物です。

でも、デオンはフローを殺すことはできず、フローを必死で守るグレイと刺し違えて最期を迎えてしまいます。そのときに放つのがさっきのセリフ。名誉ある最期を望んでいたデオンが、グレイに刺されるという誤算をしたわけだけど、それでも「悪くない」というのが凄く好きで…。グレイのことを認めていなかったらそんな言葉出てこないじゃないですか。きっとどこかでグレイのことをだから、グレイとデオンも長い時間をかけて戦ってきた相手なんだよな…という意味で、萩原さんと岡村さんが演じることに凄く説得力が感じられて最高でした。

あ、そういえばグレイとデオンがフライングしながら戦うシーンもあるんですけど、思った以上にフライングが「お、おう…」って感じのもので笑っちゃいそうになりました(笑)なんだろうな、フライングしたことによってグレイとデオンの戦闘能力が一気に低くなったように見える(笑)そりゃフライングとなるとスピード感のある殺陣は難しくなるので、お互いにふわふわ~と宙に舞いながらスローモーションのように戦うので、ちょっと脳がバグりました。これも慣れですかね…(笑)

グレイはデオンとともに退場となりますが、デオンが刺した剣が心臓からちょっとズレていたおかげでグレイは一命をとりとめ、45年ぶり?くらいにフローと再会します。デオン様、ちょっとわきが甘かったですな。

この終盤のフローとグレイの再会シーンは泣けました。グレイが消えた直後、フローは大きく絶望して泣き叫びます。でもその後、90歳まで生き続け、人生をまっとうしました。クリスチャンは自殺ができないというのを物語の冒頭でフローが言っていたので、絶望してもなおちゃんと生き続けたんだな~というのもここに繋がってきますね。伏線回収もしっかりやるのが抜かりなくて良いです。そして、フローが一人で死なないように、グレイがちゃんと迎えに来てくれたのも伏線回収になっていて。作中に散りばめられた色んな布石をしっかり最後に回収するのがこの作品の構成の上手さです。

でもグレイはフローと一緒に旅立つことはできない。生前にフローと交わした約束を果たすために、「まだやることがある」と言ってフローを先に旅立たせます。そして、グレイがやりたかったこととは、フローの人生をお芝居にすること。この『ゴースト&レディ』はフローが作った物語そのものだったという演出なんです。それが1幕冒頭のグレイの語りと繋がっていきます。私たちは、グレイが作った物語を観ていたというわけなんですね。いやもう点と点が線になっていく素晴らしさにひたすら鳥肌が立つラストでした。凄く綺麗にまとめられていて、こんなに完成度の高い作品が劇団四季のオリジナルミュージカルとして始まったのかと思うと、四季のさらなる可能性も感じられましたよ。

まだ2回しか観劇していないし、原作も読んでいない段階なので、色々と取りこぼしもあるだろうし見当違いな感想を言っているところもあるかもしれませんが、私としては物凄く素敵な作品だったしキャラクター設定も構成面も大満足です。今後さらにブラッシュアップできる点もあるだろうし、今後がますます楽しみになりました!

まずはね、次回の観劇に向けて原作をしっかり読んでおこうと思います!

5月9日(木)ソワレ公演

My初日でした。座席は2階席6列センター。初見の作品なので、まずは2階席から全体を見渡すことができて良かったです。2階6列センターは2階席の前方ブロック最後列なのですが、ほとんど見切れはなく見やすかったです。一部、セットの上段に人がいると見えなかったりしたこともありましたが、メインのキャラクターに関しては一切見切れなかったので凄く良かったです。

この日は中盤でアレックス役のぺ・ジェヨンさん(五十嵐春さん)がセリフ飛んじゃって、何度も言い直してて…というミスがあってヒヤヒヤしました。ここまでセリフが飛ぶ瞬間を四季で観たのは初めてだったんですけど、完全に俳優さん側もパニクってただろうし、結局正しいセリフがなんなのかよく分からないまま舞台が進行してしまったのでモヤモヤ…。開幕2日目でこれだとなぁ…というのが正直な感想です。

ただ、フローも凄く難しい言葉の数々を喋ったりと内容的にも難易度の高いセリフが多いので、俳優さんも大変だな~なんて思いながら観ていました。

あと、1幕でジョンホールが折り畳み式の椅子に座るシーンがあるんですけど、瀧山さんジョンホールが座ってたら突然椅子が壊れたんですよ。で、何事もなかったかのようにアンサンブルの方に椅子を渡して捌けさせてたんですけど、このやりとりがあまりにも自然で…。しかも曲中でジョンホールの無理難題に軍隊の人たちが応えていくっていうややコメディな要素もあったので、正直まったく違和感がなくて…。無理難題するからジョンホールにもバチが当たったみたいな、そういう流れなのかと思ったくらいでした。普通に演出の一部だと思っていたんですけど、これガチのハプニングだったそうです。

瀧山さんにケガがあったりしたら心配なハプニングではありますけど、俳優の皆さんのフォローが本当にただただ素晴らしくてビックリしちゃいました。さすが劇団四季、プロ中のプロです。

2階席から観るとステージ床の照明が綺麗に見えるのはもちろんなんですけど、キャラクターが幽体離脱したときの演出が凄く見やすくて良かったです。特にラスト、フローが天国へ旅立つ瞬間の生身の俳優さんが演じるフローとベッドに伏した状態の老いたフローが同時に視界に映るので、幽体離脱の説得力が増しました。

あと、ラストのランプのライトに溢れた演出、2階席にもランプがたくさん吊るされているのでもうめっちゃ綺麗でした…。まるでラプンツェルの世界観みたいな…分かるかな。幻想的で美しくて、これは2階席に座る価値あるわとなりました。座って良かったです。壁をも使ったあの空間はそれだけでも見ものでした。

こんなに美しく感動し圧倒された本編が無事終わってのカテコ。キャストが全員出てくるカテコ2回目のときに、本来なら特に手振ったりとかせずに捌ける流れなんでしょうけど、岡村さんが段取り把握してなくて一人だけ手振って「あ、違った」となってすぐさま手をおろしてたのが面白かったです(笑)相変わらずカテコの段取りを把握していない岡村さん、2024年も平常運転でした(笑)

初見なのもあるけど久しぶりに岡村さんを拝見できたことに興奮が止まらなくて、もうアドレナリンがドバドバと出まくっていた観劇になりました。

5月10日(金)マチネ公演

前予が成功して、1階9列センターからの観劇でした。前回が2階席だったのでめっちゃ近い!となりましたし、やっぱり近い席だと表情を堪能しやすいからいいですね。ただ、1階席からだと幽体離脱のシーンはほとんど元の体は視界に映らないのでもったいなく感じました。あの幽体離脱の凄さは2階席で観ないとそこまで実感しづらいかもしれません。

今回は9日のような大きなハプニングやミスもなく、比較的にスムーズに進んだので安心しました。ちなみにアレックスが噛みに噛みまくって結局何を言いたかったのか分からなかったセリフは作中においてとても重要な内容を話していたので「この事実を観客に伝えられなかったら事の重大さが分からんやろー!」となりました。まあね、人間ですからセリフが飛んじゃうことだってあるでしょうけどさ……。限度があるよね、とも思います、うん。

2幕ラストのランプがたくさん灯る演出も、正直1階席から観るより2階席から観たほうが圧倒的に綺麗。もう劇場全体が幻想的な美しさでいっぱいになるので、一度2階席からも観てみてほしいです。1階席からも2階席からも楽しめる作品ってなかなかないですし、いいなと思いました。

そして何より2回目となると、結末を知っているからこそ冒頭のグレイの一人語りからグッと来てしまいます。初見ってどんなに重要なことを言っていたとしても無意識に聞き流しちゃうんですよね…。2回目ですべてが分かった状態で観ることでようやくそれらの情報をキャッチできて理解できるので、作品を深く理解するうえで反復することの重要さを改めて感じました。

あと、単純に私が悪役をかっこよく演じる岡村さんデオンに興奮しすぎて記憶がほとんど残っていない状態だったのもあって、「え、そんなこと言ってたの!?」となっていた部分も大いにあります(笑)贔屓の過剰摂取による観劇中の記憶喪失、あまりにも狂気なオタクすぎる。

今回は学生団体も入っていて9日とは客層がやや違ったのもあってか、笑いは全体的に控えめ。それでも拍手は鳴り止まず、凄く盛り上がった公演でした。周りには終盤で鼻をすする人も多く、私自身も今回はフローが生涯を閉じるシーンでグッと涙腺に来てしまいました。やっぱり志音ちゃんフローが圧巻すぎるし萩原さんグレイが素晴らしすぎるんだよな。萩原さんグレイ、客席を降りるところはもう目が真っ赤になっていて、そんな萩原さんグレイの姿にも思わず涙。

改めて、この作品が持つ美しさに心を打たれた観劇となりました。色々思うところもないわけではないんだけど、やっぱり「美しい」んだよ…。天使とゴースト、相容れないはずの存在が絆を育んでいくことがこんなにも美しくて儚いものなのだと…。生き方や価値観が違っても、同じ生き物として「分かり合える」はずなんですよね。「絶望」から始まるこの作品が、「希望」を託して終わるという構成も本当に美しかった。『ゴースト&レディ』は、私たちに絶望ではなく、希望を感じさせてくれる素晴らしい作品でした。

まとめ

久しぶりのブログなのでちょっといつもと書き方違っているかもですが、ひとまず私が書きたいことはだいたい書けたかなと思います…。いやもう本当に素晴らしい作品でした。生きることの素晴らしさをしっかり描いた、劇団四季の渾身の最新作。これはぜひとも色んな方に観てほしい作品です。

キャストも豪華だしさ、色んな組み合わせで観られるのが今から楽しみで仕方ありません。

岡村さんにとって「悪役を演じる」というのは目標の一つであってゴールではないと思いますけど、夢を叶える瞬間を見届けられることはファンにとって何よりの幸せでした。四季はそもそも女性が悪役を演じられる作品が非常に少ないので、まあ可能性があってもアースラかなぁ…なんて思っていたんですけど、まさかこんなかっこいい悪役を演じられるとは。岡村さんのために用意された悪役なのでは、と思うくらい、岡村さんの魅力がたくさん詰まっていて素敵でした。

これから11月まで上演されるのか~。半年なんてあっという間でしょうけど、悔いのないように最後までしっかり見届けたいと思います。

ひとまず今回はこんな感じで!

また次回観劇したときにレポ頑張ります!最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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