キャストの感想
キャストの感想です!
オペラ座の怪人:飯田洋輔
今週も安定の歌唱力と演技力で素晴らしいファントムを演じられていました。洋輔さんファントムは観るたびに弱さが増していくんだけど、進化が止まらないですね。どんどん子供っぽくなっていくし、どんどん切なくなっていくので、観ていると胸がギュッと掴まれたような感覚になりました。
1幕の地下室シーンではクリスティーヌの歌声に法悦な表情を浮かべつつ、「私のために歌ってほしい、どうか」という歌詞の部分では焦がれるような懇願するような声色で時々掠れさせながら歌っていたのがとても印象的でした。洋輔さんファントムは想いが強くて、その想いが歌声に深く滲み込む印象があります。だからただ綺麗に歌うだけでなく、クリスティーヌと対峙しながら彼女に求めることをすべて歌声に詰め込んでいてとても重厚感がありました。そして、この懇願の仕方が常に寂しさを抱えていた人間の弱さを感じさせて、ファントムがどれだけクリスティーヌに対して愛情や信頼を求めているのかも伝わってきて良かったです。
そしてクリスティーヌに仮面を剥ぎ取られてからの洋輔さんファントムのお芝居が本当に好きで、怒りが爆発したあとに悔しさと寂しさが綯い交ぜになったような声色で歌い始めるのが、置いて行かれた子供のようで切なさ増し増し。さすがの紗衣さんクリスも驚いたような眼差しで洋輔さんファントムを見つめていて、そんなクリスティーヌのところまで這いつくばって彼女に触れようとして、一瞬笑顔を見せるのも凄く好きです。怒りや悲しみがありつつも、美しい彼女への愛情も込み上げてくるのが感じられて、余計にファントムへの愛しさが募りました。
天使像で歌うAIAOYも、座席的に表情はほぼ見えませんでしたけど歌声だけ聴いていても寂しさがダダ洩れで子供みたいでした。成人している男性とは思えないくらい寂しさを滲ませた頼りない歌声で、これが音楽の天使の本当の姿なんだよなぁ…って思うと居たたまれませんでした。
怪人だなんて恐れられているけど、本当は凄く弱くて寂しくて子供みたいな人っていうギャップがたまらないし、洋輔さんファントムは強引なところもあるから誰からも愛されずに育ってきたことや人と関わらずに生きてきたことの説得力がありました。人付き合いが究極に下手。佐野さんファントムは理性がしっかり働く大人なイメージがありましたけど、その点でも洋輔さんファントムのほうが幼稚なので、拗らせ感が半端ないし切なさも倍増するんだと思います。
PONRでもクリスティーヌの腕を掴む手は相当強引だし、布を剥ぎ取られてしばらく背中を向けているときも凄く動揺していて寂しさも滲ませていたし、クリスティーヌに指輪を渡しながら歌うAIAOYはやはり声が掠れ気味で懇願するような想いを込めた歌い方で、まさに子供そのもの。愛しい女性への愛の告白というよりも、大好きなお母さんに縋る子供のようでした。
そしてラスト。クリスティーヌに向けられた怒りや憎しみの感情に戸惑いを抱きつつも乱暴に交わして見ないフリをする洋輔さんファントム。ヤケになりながら怒りの感情をぶん回すことで相手を支配しようとするも、紗衣さんクリスが本当に逞しいんですよ…。その逞しさに負けそうになり、ラウルの前に立って彼を守ろうとする紗衣さんクリスに近づいていって指をさして指図しようと思っても手が震えてしまって後ずさってしまって力なく腕を振り下ろしてしまう姿はあまりにも弱すぎました。
強く大きく見せているだけで洋輔さんファントムは本当はとっても弱いのがたまらないです。紗衣さんクリスが逞しすぎるから余計に洋輔さんファントムの情けなさが強調されてしまって、どうもがいても良い方向に転がれない追い詰められた感じが出ていて凄く良かったです。彼女は絶対に自分のものにならないと分かっているのにそれを認めたくなくて、最後まで必死にもがいているのが切なかったです。必死なのが余計につらい。
とにかく必死に言葉を吐き捨てて繋ぎ止めるしかできなかった洋輔さんファントムが、クリスティーヌにキスをされて優しく触れられた瞬間に思考硬直して何も考えられなくなって、一気に寂しさでいっぱいになるのがマジでもううううううつらい…。「行ってくれ!お願いだあああ!」って叫ぶ、この叫び方も胸が抉られそうになるんですよ。悲痛の叫びをあげたあとにボロボロになった洋輔さんファントムが振り返って、泣きそうな声でマスカレードを歌うのもたまらないし、クリスティーヌに告げる「I love you」も声が掠れまくりで拙くしか伝えられないし…。感情の起伏がヤバい。
結局今回も洋輔さんファントムのお芝居に泣かされて化粧全部落ちたし、なんでこんなにも切ないんだろうなぁ…。単なる怪人なんかじゃなくて、寂しさをずっと抱き続けてきたのが全身から伝わってくるから心を揺さぶるんでしょうなぁ…。最後、クリスティーヌのヴェールに目をやったときのハッとした表情もたまらなかったです。一気に顔を歪めてヴェールを抱き寄せる姿も、あんなに恐ろしくて強く見えた人とは思えないくらいちっぽけに見えました。今回も本当に熱すぎるお芝居で、素敵なファントムを演じてくださいました。
子供みたいに寂しさを滲ませた感情的なファントムが大好きなので、自分にとって特別な日に大好きな洋輔さんファントムを観られて嬉しかったです。素晴らしいお芝居をしてくださって、ありがとうございました!
クリスティーヌ・ダーエ:山本紗衣
紗衣さんクリスの安定感といい貫禄といい存在感といい、さすがでした。やっぱり紗衣さんって凄い人だなぁ…ってつくづく感じた観劇でした。なんだろうなぁ、紗衣さんの持つ不思議な空気感とかオーラが好きなんだと思います、私。紗衣さんクリスを観ながら、どんどん紗衣さんクリスに対する愛情が込み上げてきて愛しさでいっぱいでした。
3週間の連投ではありましたがお疲れの様子ではありませんでしたし、TOMも墓場も圧巻の歌声で美しかったです。濁りも穢れも一切ない、神様のような歌声。厚みもあって優しさも温かさもある、聴いていると浄化されそうになるほど神聖な歌声。クリスティーヌを演じるにはピッタリの歌声…。本当に美しすぎて、聴き惚れてしまいました。
表情で感情を剥き出しにするお芝居をしていたのも印象的で、誰が観ても分かりやすい感情表現ではないのですが、凄く繊細で天才的な芸術センスを持ったクリスティーヌなんだろうなぁ…というのが伝わってきました。でも紗衣さんに関しては喜びや幸福感といったプラスの感情よりも、怒りや憎しみといったマイナスの感情のほうが表に出すの上手かなぁ…。だから凄く逞しくて強い女性に思えるのかもしれません。
もちろん自分自身が危険に晒されている身として手放しでは喜びに浸れないのかもしれないけど、AIAOYも全身で喜びを感じるほどの余裕がないというか、凄く落ち着きながら静かに喜びに浸っているイメージでした。相手役の光田さんラウルも比較的大人な雰囲気の方だったので、温度感的にも釣り合っていて良かったです。迪さんラウルは手を取って引っ張りながら新しい世界を見せてくれるようなアプローチの仕方で、光田さんラウルは寄り添いながらゆったり同じ歩幅で新しい世界に向かってくれるようなアプローチ方法に思えたので、紗衣さんクリスはきっと後者のほうが合っているのかな…なんて。
紗衣さんクリスは誰かに守ってもらわないといけないほど弱い人ではないので、なんならラウルよりも逞しいんじゃないかとすら思っています。PONRでファントムが入れ替わっていると気付いてからの表情の変化は特に見もので、キッと睨みつける表情がたまりませんでした。怯えるでも不安がるでもなく、もう戦闘態勢。ファントムがのこのこと現れたことへの怒り、自分を囮にしようとする周りの人たちへの怒り、そして自分から奪い取った指輪をさも自分がプレゼントするかのように左手の薬指にはめてくるファントムに対しての怒りが沸々と高まって、ヅラを剥ぎ取るときも怒りと憎しみを手に込めて思い切り剥ぎ取っていたので、凄く強くて逞しいなぁ…と思いました。
そして2幕ラストで地下室に連れていかれてからも怒りと憎しみをぶつけ続けていて、感情を惜しみなく出してファントムを睨みきかせていました。でも実力行使でラウルを人質に取られてしまい、どうすることもできなくなったとき。ファントムに「選べ!」と迫られたときの紗衣さんクリスの悲しみと諦めが入り混じったような表情も秀逸でした。顔をしかめながら目をゆっくり閉じて、荒ぶる息を必死に整えて、そうして何秒くらい目を閉じていたんだろうなぁ。体感としては1時間に感じるくらい、一生懸命自分の心と葛藤しながら答えを導き出して、覚悟を決めたときの紗衣さんクリスの表情も素晴らしかったです。
紗衣さんクリスはずっと強くて逞しい姿を見せてきたからこそ、ここで諦めるように闘うことをやめて受け入れようとする決断がよりグッと来ます。強さは何も相手に噛みつくことだけではなく、相手の要求を呑むことで大切なものを守ろうとするという行為も、相当な覚悟がないとできません。紗衣さんクリスは最後まで強かったけど、ここで覚悟を決めたときの苦痛な表情は観ていて胸をギュッと掴まれそうでした。最後の最後で言葉通りの「強さ」を手放そうとする紗衣さんクリスがとても切なくて、その慈悲深さが余計にファントムを苦しめていて、なんかもうどうすることもできないんだろうなぁ…という修復の可能性のなさに打ちひしがれました。
紗衣さんクリスはとても芸術を心から愛しているのが伝わってくるから、こんな形で音楽の天使と決別しなければならないのは相当悔しかっただろうと思います。だから最後、ファントムがラウルを殺さなかったことにも戸惑っていて驚いていて呆然と立ち尽くしてしまったんだろうな。今目の前にいるのは自分の知っている音楽の天使ではないのに、でも彼を信じたいという気持ちも僅かに残っていて、凄く複雑な気持ちが感じられました。
ラスト、指輪を渡しに戻ってくるときも泣き崩れそうになりながらファントムからの告白を聞いていて、とてもつらいんだろうということが伝わってきました。紗衣さんクリスの負の感情の表現力は本当に凄いです。観ているこちらにまで、つらさや苦しさが伝染するかのようでした。昔から紗衣さんはそういうお芝居が上手い。だから、2幕ラストにかけてのお芝居と感情の激しい揺れ動きの表現は常に息を呑むし、勢いも迫力もあるからこそファントムを追い詰められるほどの強さを見せていて激アツでした。洋輔さんファントムも負けないくらい激アツなお芝居をするので、ラストの兄ファントムと紗衣さんクリスの感情と感情のぶつかる掛け合いは本当に最高でした!
そんな激アツなお芝居はもちろん素晴らしかったけど、可愛らしい紗衣さんクリスもたくさん堪能できたのでとてもキュンキュンしまくりでした。ハンニバルの稽古中に抜け出そうとする紗衣さんクリスは、松尾さんメグに「すぐ戻ってくるから!一瞬!」とオフマイクで告げていました。さすがに一瞬では戻ってこないやろ~とも思いましたけど、メグを説得させるための言葉としてとても有効的で面白かったです。
また、その後戻ってきて稽古が終わって上手側にメグと行ったときは、乱れているメグの髪の毛を綺麗に整えてあげていてめっちゃお姉さんらしさを出していてキュンとなりました。紗衣さんクリス×松尾さんメグの組み合わせだと、紗衣さんクリスがめっちゃお姉さんになるのがたまらなかったです。
あと可愛いといえばカテコのお辞儀!紗衣さんって凄く独特なお辞儀をするんですよ。普通は頭を下げながらお辞儀をすると思うのですが、紗衣さんは上半身を下げつつもずっと顔は正面を向いたままで客席を眺めていて、最後の瞬間にやっと頭を下げるんです。だからお客さんに後頭部を見せるのって1秒あるかないかくらいだと思います。とにかくずーっと客席を見ていました。これはぜひオペラ座で紗衣さんが出演されている公演のときに注目してみてほしいです!
そんな独特なお辞儀をする紗衣さんも可愛かったですが、最後のカテコで上手側に捌けていくときに舞台袖の奥のほうまで行ってもずっと客席を向いて手を振り続けてくれていました。ちょうど今回下手寄りだったので最後の瞬間まで見届けることができて、もう…どんだけお客さんのこと好きなんだよぉぉぉおお!ってなりましたよね。紗衣さん可愛すぎ(笑)
そんな感じで、本編では白熱したお芝居を繰り広げていた紗衣さんもカテコでは可愛らしい一面を見せていて本当に終始魅力的でした。やっぱり紗衣さんは素敵。可愛い。20日のキャス変で抜けられてしまったので、しばらく見納めかなと思うのですが、改めて紗衣さんクリスを観ることができて幸せでした!3週間の連投お疲れ様でした!
ラウル・シャニュイ子爵:光田健一
2ヶ月ぶりくらいの光田さんラウルかな?ここ最近はずっと迪さんラウルを観ていたので、全然迪さんラウルとお芝居の雰囲気とか違うことに気付けてとても楽しかったです。
迪さんラウルは感情的で焦ったりファントムに対して警戒したり怒りの感情をぶつけていたり…と凄く分かりやすいくらい感情を表に出すラウルでした。一方の光田さんラウルはポーカーフェイス。表情が変わらないとまでは言わないですが、そんなに感情を表に出さない方だなぁ…と思いました。なので良く言えば余裕があるように見えるし、逆に何を考えているのかまったく読み取れない掴みどころのなさもありました。迪さんラウルよりも凄く落ち着いていて大人なラウルです。
だから、個人的には紗衣さんクリスと組むなら光田さんラウルのほうが合っていると思いました。迪さんラウルはとても情熱的な方なので、同じように情熱的に愛を伝えてくれる久保さんクリスや海沼さんクリスのほうが釣り合っている感じがあります。紗衣さんクリスと光田さんラウルはお互いとても大人で落ち着いていて、AIAOYもしっとりした大人の恋愛のような温かさと静けさがあって素敵でした。
でも凄く落ち着きがあってポーカーフェイスだからこそ、満面の笑みを浮かべたときのギャップがたまらんです。光田さんラウル、笑うとめっちゃ可愛くてキュンとなりました。凄く優しそうな笑顔。背も高くて手足も長いので、優しく包み込んでくれそう…。
TOMではボックス席でクリスティーヌの歌唱を観ているときに、オペラグラスを何度も覗いて「彼女は…そうか」と歌っているのが誰なのか理解して嬉しそうに微笑んでいたのも印象的でした。
あとは前にも書きましたが、2幕ラストで地下室に着いたときに柵の向こうから「いれーろー!」と原曲キーより高いキーで叫ぶように歌うのがめっちゃ好きです。必死感が伝わってきて、ここの光田さんラウルの「いれーろー!」は毎度クセになりますね…めちゃくちゃかっこいい。
でもあまりにも背が高すぎて、ファントムが縄を首にかけるも普通にすり抜けられそうなくらい縄の高さに余裕があって思わず笑っちゃいそうでした(笑)さすがに安全性を取るためにもこれ以上縄を高い位置にやることはできないでしょうけど、あまりにも光田さんラウルが背高すぎたので縄の意味がなさすぎて笑いました。光田さん、本当に背高すぎてかっこよすぎました(笑)
久々に光田さんラウルを拝見できて、迪さんラウルとの違いも再認識できたし、凄くかっこよくて色気たっぷりの光田さんラウルのお芝居を堪能できて嬉しかったです!
カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
安心と安定の河村さんカーラ。野球で言うなら4番エースですよ…。本当に河村さんカーラの放つ圧倒的オーラと存在感と安心感は半端じゃありませんでした。歌に関しても声量あるし音程も安定しているし何より上手すぎるし、プリマドンナとしての絶対的説得力が凄まじかったです。
ハンニバルで歌い終えたあとに下手側で秋山知子さんに衣装を直してもらっている間、ずっと右耳のイヤリングをいじって気にされていました。さすがに周りもザワザワとうるさかったので何を喋っているかまでは聞き取れませんでしたが、秋山さんにも話しかけながらずっと触っていたのでなんかあったのかな?その後稽古を再開し出したときには何事もなかったかのように堂々と歌われていたので、さすがプリマドンナ…!という感じでした。
そしてやっぱり平良さんフィルマンの粗相にキッと睨みつける河村さんカーラはプライドが高くて大好きです。一方の増田さんアンドレにはニコニコとご機嫌そうにレスを送っていて、自分を褒めてくれる人のことが大好きで仕方ないのがとても可愛かったです。
これは1幕のマネージャーシーンでも同じで、ファントムからの手紙にご立腹だったのですが、「プリマドンナ」でマネージャーたちが一生懸命おだてて気を良くさせる言葉ばかりを呟くから、だんだん気を良くし始めちゃう河村さんカーラが観られました。もちろんぷくっと怒った表情をしているのですが、増田さんアンドレが跪いた瞬間にはそちらを見てふにゃぁ…と笑顔になりかけて、すぐにハッとしてぷくっとした表情に戻っていました(笑)ちょろい…とてもとても、ちょろい…(笑)
相当プライドが高いだけに、自分の邪魔をしてくる人は徹底的に嫌うタイプなんでしょうけど、それにしても自分のことを認めて褒め称えてくれる人にはこんなにもちょろくなってしまうのがあまりにも可愛すぎて笑いそうになりました。
そのまま椅子に座ってマネージャーたちに回されて、その後も椅子に座りながら投げキッスをしまくっていてとてもご機嫌の様子な河村さんカーラが可愛かったです。観れば観るほど河村さんカーラのキュートな部分を発見できるので、ただただ威圧的な嫌な人という印象ではなく実は可愛さもある魅力的な人という印象に変わっていきました。本当に可愛い。
そういった強欲な態度ができるのも実力あってこそですから、ちゃんと圧倒的な歌唱力でその場を席捲する河村さんカーラはさすがでした。劇団四季が誇るプリマドンナ・河村彩さんのカルロッタをたっぷり堪能できて嬉しかったです!
メグ・ジリー:松尾優
今回は松尾さんメグの可愛らしさにキュンとなった観劇でした。五所さんメグみたいにお姉さんな感じではなく、松尾さんメグは妹みたいな可愛さがあってクリスティーヌのことをお姉ちゃんのように慕っているのがとても可愛かったです。とっても元気で明るくて、クリスティーヌのことが大好きなのも伝わってきてクリメグの尊さに頭が禿げそうになりました。
皮肉を込めた「お稽古ばっかり」も聞けば聞くほど病みつきになりますね(笑)「はいはい、分かったわよ」って聞き流すタイプの五所さんメグとも全然違うお芝居の仕方なので、指図されるのが嫌いそうなところとかも凄く現代的な女の子で可愛かったです。
そして松尾さんメグにキュンとさせられたのが、イルムート直後のバレエシーン。そもそもこのバレエにメグがいるっていうことすら今回初めて気づいたのですが、ブケーが首吊りの状態で見つかって悲鳴を上げているときに木村さんマダムが松尾さんメグの手を取って逃げるように連れていくのですが、そのときに松尾さんメグが「ママ!」って叫んだんですよ…。ま、ママ!?ってなりました。頭パニック!
まさかメグがマダムのことをママ呼びしていると思わなかったので聞き間違いかなと思ったのですが、メグはママ呼びで間違いないそうです。だから咄嗟のオフマイクの「ママ!」は破壊力が凄すぎて、大変なシーンでありながらキュンとしちゃいました。ママ呼びのメグちゃん可愛すぎる…。
また、ドン・ファンリハでは不安そうなクリスティーヌに手を差し伸べて「大丈夫?」と声をかけて、クリスティーヌが「大丈夫」と答えたあともしばらく不安そうにクリスティーヌのことを見続けていました。心配なのも分かるし、めっちゃクリスティーヌのこと大好きやん…っていうのも伝わってきて、またまた大変なシーンでありながらキュンとしていました。松尾さんメグ、可愛いポイントが多すぎる。
あとはカテコで最後客席に手を振るときにぴょんぴょん飛ぶようにはしゃいで手を振っていたのが可愛すぎて、一気に心掴まれましたよね…。今までそんなに松尾さんメグに注目して観ることがなかったので気付けなかったポイントもたくさんあったのですが、今回松尾さんメグの魅力と可愛さに存分にやられたのでとても好きになれました!
マダム・ジリー:木村智秋
先週に引き続き、今週も熱量の高いお芝居をしていた木村さんマダム~!初めて観たときは言い方が冷たく感じたりキツく感じたりしたのですが、観れば観るほど愛情に溢れていて優しい一面を持ったマダムであることが分かってどんどん好きになっていきます。今回も言い方が鋭いところはありつつも、全体的に少し言い方が穏やかになっていて、以前のように突き放す言い方じゃなくなっていたのが印象的でした。
メグに言う「あなたダンサーでしょ」も以前は冷たかったけど、今回は言い聞かせるような言い方に変わっていました。そしてクリスティーヌに向けて言う「本当に素晴らしかったわ」とか「あなたに届けるように言われたのよ」とかは凄く優しい言い方で、クリスティーヌを温かく見守っているお母さんのような安心感がありました。もうクリメグのお母さんです、木村さんマダムは。
TOMで歌い出し、声が震えて上手く歌えない紗衣さんクリスに向けて、紗衣さんクリスが持っているスカーフ?みたいなものを指して「それを見なさい」とでもアドバイスしているように感じました。それから紗衣さんクリスがスカーフ?に目線を落として、少し心が落ち着いてきて上手く歌えるようになってきたので、実はちゃんとここでのマダムとクリスティーヌのアイコンタクトって意味があったんだなぁ…と思いました。多弁ではない代わりに視線や仕草で伝えてくれる木村さんマダムがとても素敵でした。
そして優しい一面もありつつ、怒りで感情をぶつけるお芝居も圧巻。一言一言がとても強くて必死にラウルやマネージャーたちを止めようとしているのが伝わってきて良かったです。血相を変えるように眉を吊り上げて目をグッと開いて、2幕のマネージャーシーンではヒートアップするラウルたちを見て歯を食いしばり、持っていた手紙を握り潰すほど手に力がこもっていて、相当焦りと怒りとでいっぱいになっているのが感じられました。こんなに本気で守ろうとするマダムがいてくれることが凄く心強いし、木村さんマダムなら守ってくれそうな感じがあって本当に安心感がヤバいです。
ドン・ファンリハでも不安そうに見つめてくる紗衣さんクリスに対して「大丈夫」と強く頷いて、そのあと「できる」みたいなことも合わせて言っていて安心させていたのがとても素敵でした。感情的になりがちだけど、冷静な大人がいることが救いだったと思います。
木村さんマダムはミステリアスで掴みどころがない女性ですが、実は凄く優しくて熱い一面を持っていて、しかもちゃんと教え子たちを危険から守ろうとする強さも持ち合わせているので、観れば観るほどかっこいい部分が見えてくるようになってギャップにやられてしまいます。どんどん木村さんマダムの魅力に憑りつかれているので、今回もたっぷりと木村さんマダムを堪能できて幸せでした!
ムッシュー・アンドレ:増田守人/ムッシュー・フィルマン:平良交一
今回はマネージャーたちが目の前に来ることも多かったので結構観る機会があったのですが、この2人の安定感とじわじわ来る面白さに完全に引き込まれました。平良さんフィルマンがまあ態度悪いので粗相しまくりで、一方の増田さんアンドレは常にニコニコしていて、この真逆な感じがたまらなかったです。
でも増田さんアンドレって北澤さんアンドレよりも神経質そうな感じがします(笑)北澤さんアンドレは寛容で優しそうなのがビシバシ伝わってきますが、増田さんアンドレは表面上はニコニコしているけど結構こだわりもあって神経質で意外と裏もありそうな感じがしました。自分より立場が上の人たちにはニコニコしているけど、自分より立場が下の人たちには色々と厳しそう(笑)世渡りが上手なイメージです。
一方の平良さんフィルマンは本当にぶっきらぼうで自分のペースを崩すこともなくて、むしろなぜそんなにも芸術に興味なさそうな顔しているのに支配人になったんだ?と問いたいくらいでした。だけどお金のことには凄くシビアなので、目の色を変えてしっかり問題と向き合おうとする姿は愛らしかったです。フィルマンさんって嘘つけない人なんだろうなーって思いました。アンドレさんのように相手に合わせて下手に出ることができない人だと思うから、隣にアンドレさんがついていないとダメですね(笑)
そんな2人ですが、イルムート上演中に上手側のボックス席で観劇していたのですが、観劇中の態度が極端で面白かったので残しておきます。増田さんアンドレはニコニコしながら音楽に合わせて首を振っていて、その様子がめっちゃ可愛すぎました。そして平良さんフィルマンはふんぞり返って大きなあくびをしたり目を閉じて寝ていました(笑)態度が悪い(笑)もうこの2人が面白すぎて、イルムートはそっちばかり観ちゃいましたよね…。
マネージャーシーンも面白かったですが、2幕のマネージャーシーンでは怯え切っているクリスティーヌを見て心苦しそうな表情をしていた増田さんアンドレが印象的でした。平良さんフィルマンも1幕はあんなに態度が悪かったのに、ここのシーンでは同じく驚いて心配するようにクリスティーヌのことを見守っていて、何だかんだで憎めなくて愛らしい支配人たちだな~と思いました。
こんなにガッツリとマネージャーたちを観たことなかったので、色んな発見ができてとても楽しかったです!一気に平良さんフィルマン×増田さんアンドレの組み合わせが大好きになりました!
ムッシュー・ルフェーブル:青羽剛
いつぶりの青羽さんだろう?もしかして2016年の『クレイジー・フォー・ユー』千穐楽以来かしら…。それくらいかなり久しぶりの青羽さんでした。ルフェーブルさんデビューしたのを知ったときは退団していなかったことの安心感と共に絶対観たい!と思っていたキャスティングだったので、このタイミングで来てくださって嬉しかったです。
志村要さんのニコニコした胡散臭いルフェーブルとも違うし、ちょっと不気味でぶっきらぼうな勅使瓦武志さんのルフェーブルとも違っていて、めっちゃ良い人感満載のルフェーブルでした。良い人なんだけどちょっと抜けているというか、若干コミカルな感じもあって、最高に可愛すぎました。
青羽さんの喋り方だったり間の取り方だったりがCFYのザングラーさんのときとまったく同じで、懐かしくなっちゃいましたよね。本当に青羽さんだ~!って嬉しくなっちゃいましたし、ルフェーブルさんとてもお似合いで良かったです。
一方、オークショナーのお芝居も緩急のつけ方や声の高低差を利用して不気味な雰囲気を醸し出していて、良い味を出していました。久しぶりにたっぷり青羽さんのお芝居を堪能できて嬉しかったです!やっぱり青羽さん大好きです~!
まとめ
最高すぎるバースデー観劇ができました!キャストも大満足だし座席も大迫力で素晴らしかったし、こんなにも解像度高くオペラ座を観劇できたことってなかったので、本当にどの瞬間も最高に楽しかったです。贔屓には会えませんでしたが、バースデー観劇にオペラ座を選んで正解でした。
終演後、鏡を見たら化粧が全落ちしていたのでそれくらい泣いてしまいましたし、本当に感動で胸いっぱいの切なすぎる公演を観られて幸せでした。やっぱりお兄ちゃんファントムが大好きです。こんなにも愛しくて切なくて苦しいファントムを観てしまうと、なんとかしてあげられなかったのか…とつい考えてしまいます。それくらい、愛しさでいっぱいだし、私の心の琴線に触れるファントムでした。
改めてこんな素敵なファントムに出会えて幸せでしたし、紗衣さんや青羽さんといった岡村美南さんとゆかりのある俳優さんたちも観られて嬉しかったです。皆さんお元気そうに舞台に立っていてくださって何より。この舞台に立ってくださって、ありがとうございました。
そんなわけで、今回は自分の誕生日プレゼントとしてクリスティーヌベアをお迎えしてきました。
ファントムベアと比べると目がかなり近いんだけど、これは仕様なのかな?でも無事にクリスティーヌもお迎えできたので、ファントムと一緒にしてあげることができて良かったです。
あとはいつも通り、3列センターから撮った写真も載せておきます。また最前列座れたらいいなぁ。
28歳最初、素敵なバースデー観劇になりますように!
『オペラ座の怪人』(11回目)
本日(ソワレ)のキャスト!🎭#20210919Sオペラ座 pic.twitter.com/OdZXigMfF9— ❄️ゆうき@観劇垢🌻 (@yunkyand) September 19, 2021
本当に素敵な28歳の幕開けになりました。TwitterやLINEなどでもお祝いくださった皆様、本当にありがとうございました。これからも充実した観劇ライフを過ごせたらと思いますので、ぜひよろしくお願いします!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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