2020年10月31日マチネ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

ロボット・イン・ザ・ガーデン
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ゆうき
ゆうき

うぶちゃんタングに会いに来ました!

日時:2020年10月31日マチネ公演
場所:自由劇場
座席:1階S席6列10番

はじめに

前回は斎藤洋一郎さん&長野千紘さんペアのタングだったこともあって、生形理菜さん&渡邊寛仲さんペアのタングが恋しくなってしまい、今週もやってきてしまいました。贔屓が出ていない作品を毎週観るなんて相当久しぶりです。

今回は原作の続編『ロボット・イン・ザ・ハウス』を読んだうえでの観劇だったので、前回からまたさらに違った心持ちで観劇することができました。その辺も踏まえて、今回は詳しくレポしていこうと思います。

総評

全体の感想です。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

キャストはタング以外変わらないので前回と感想としてはほぼ変わらないですけど、やっぱりどのキャストも本当にドンピシャ。原作を読んでいても俳優さんたちのイメージとピッタリだなと思いました。そんな中で物語のキーマンであるタングは演じる人が変わると物語そのものが大きく印象変わって、前回と全然違う公演だったと思います。

個人的にうぶちゃんタングが凄く大好きなのもあるし、田邊さんやゆきみさんも前回とまたちょっとお芝居の雰囲気が変わっているところもあったりして、同じキャストなのに毎回新鮮な気持ちで観劇できることも嬉しかったです。とにかくキャストのレベルが高すぎて完成度が高い!

座席も今回は3列目のセンターで凄く観やすくて大満足でした。やっぱり俳優さんの表情がはっきりと見える席での観劇ってそれだけで全然また感じ方が変わるので凄く充実していました。客席の環境も良かったし、笑いも起きたしいつもより拍手も起きたしでいつも以上に私自身としても楽しめた観劇になった気がします!

キャストの感想

気になったキャストの感想を書いていきます。

ベン:田邊真也

前回、前々回とまた違ったお芝居をされている印象があってとても新鮮でした。ベースのお芝居はもちろん変わらないんですけど、言い方や抑揚の付け方を変えてきてちょっとずつ変化をもたしていて、「必ずこういうお芝居をしよう!」っていうよりも「今感じていることをそのまま歌に、セリフにしよう」というイメージでしょうか。至って自然に変化をつけていて、さすが田邊さんだなぁ…と思いました。本当にベンが生きているみたいで、そのリアリティな佇まいも含めてより魅力的に感じられて素晴らしかったです。

だからオフマイクであったり台本には書かれていないであろう声出しだったり、そういうところもベンがそのまま田邊さんの身体に命を宿して舞台上に立っていたんだなと思いました。原作のベンの雰囲気が田邊さんに近しいのもあるだろうけど、それ以上に役と一体になっている感じが言葉では上手く説明できないけど本当に凄くて、説得力があるんですよね。

タングのことを可愛がっているんだなとか、エイミーのことを大切に想っているんだなとか…対誰かとのやりとりでもベンの自然さは残っていました。キャラクターに立体感が出たことで、この作品がとても温かくて深くて優しい物語になっているんだと思います。また田邊さんのクシャっとした笑顔が大好きで、どんどん顔立ちがパパになっていく姿も最高でした。

タング:生形理菜/渡邊寛仲

ちょっと期間が空いて、かつ別ペアを観たあとに観るうぶちゃん&渡邊さんペアのタングはやっぱり凄く大好きで愛しかったです。声が女性っぽくなるのも可愛さの1つだと思うし、なんだか前回に観たときより凄く幼さが強調されている気がしました。うぶちゃんの出す声がより子供っぽくなっていて、だからタングがまだ生まれたての赤ちゃんみたいに思えて凄く愛しさが増しました。

うぶちゃんボイスのタングは凄く自然体で、とにかくやっぱり声が可愛いんですよね…。特筆すべきはそこなんだけど、最初こそカタコトで機械みたいな喋り方だったのに、いつの間にかとても滑らかで感情が含まれるようになって、最後は本当の人間みたいに喋っていて。その変化が凄く自然でしかも違和感が全然なくて、とっても不思議なんです。すべてを受け入れてしまうほど愛嬌があって、絆されてしまいました。

また「うぃー」っていう鳴き声?も可愛いし、「イヒヒヒヒ」ってぼのぼのに出てくるシマリスくんみたいな笑い方するのもすっごく可愛い!渡邊さんとの声の高低さもバランスが良いので機械らしさも出るし、すべてにおいて完成度の高さが際立つタングでした。

そして何より、タングとして声をあてるうぶちゃんの表情もたまらなかったです。まるで自分がタングそのものになったみたいに、嬉しいときは笑って寂しいときは寂しそうな顔をして…とタングの心に合わせてうぶちゃんの表情も同じように動いていました。タングが嬉しそうだったり幸せそうだったりしたときのうぶちゃんの優しい笑顔が本当にたまらなくて、そんなうぶちゃんの表情を観ているだけで涙腺が崩壊しそうになりました。

特に2幕のタイトル曲リプライズ。ベンが歌っているときもそうですし、タングとして歌うときもうぶちゃんが一生懸命泣くのをこらえていて、その泣き顔にもグッと心を掴まれてしまいました。泣き虫なのはベンだけじゃないねって思っちゃいました(笑)それくらい、うぶちゃんとタングが一心同体になっていて泣かずにはいられなかったです。こうやって演じる役者さんによってタングの印象が大きく変わっていくのって面白くて、私的にはうぶちゃんの温かくて柔らかくて愛嬌たっぷりな子供みたいなタングが大好きでした。

今回は完全にうぶちゃんタングを目当てで観劇したのでじっくり堪能しましたけど、やっぱり凄く良くて心が温まりました。セリフも歌もメインがうぶちゃんなのでボイス的な意味で渡邊さんの出番はかなり少ないんですけど、それでもちゃんとバランスが取れているから2人で1体のロボットとして確立していて本当に素晴らしかったです。ちゃんとタングが生きていました。もう今回はうぶちゃんタングに泣かされたと言っても過言ではありません。

エイミー:鳥原ゆきみ

ゆきみさんも所々前回とお芝居やセリフの言い方が変わっているところがあって、またちょっとエイミーの印象が変わりました。あとは私自身が原作続編の『~ハウス』を読んだことでエイミーに対する印象が大きく変わったのもあり、本当にこれまでとは違う感じ方や見方ができた気がします。

「ふたりのことば」でベンと付き合いたての頃の幸せな記憶をたどりながら歌っているとき、本当に幸せそうな表情だったのにそのあとに「それなのに~」と今の状況を嘆くときに一気にその笑顔が消え去っていたりして、とにかく表情が細かいなぁ…って思いました。感情がそのまま表情として出ちゃうゆきみさんエイミーがとても可愛くて、旅の道中のベンと電話するときもどこか安心したようで嬉しそうな笑みを浮かべていたし、ベンと再会したときも凄く嬉しそうな表情をしていたし、ベンのこと大好きじゃん!!!ってなりました。

実際原作の続編を読んでみるとエイミーがどれだけベンのことを好きなのかが伝わってきて、実際に舞台でもその関係性はしっかり描かれていて悶え死にそうでした…。ベンと再会してからの「あなたじゃないとダメなの」と気持ちを伝えるときに、涙が込み上げてきて泣き顔を隠すように一度両手で顔を覆ってから告白をし出して、そんな仕草もとてもリアルで愛しかったです。もう終盤はずっと涙目で、そういう泣き虫なところも原作そっくりなんですよ…。ゆきみさんマジでエイミーそのものでした。可愛い…。

あとは「ラストリゾート」でサンボとして登場するときに「パラオ~~↑↑↑」って叫んでたゆきみさんがめっちゃくちゃ可愛くてハート撃ち抜かれました。可愛すぎ。観るたびにゆきみさんのこと好きになっちゃうから困っちゃいますね~。今回も可愛くて綺麗で最高の癒やしでした。

観劇の感想・考察

気になったポイントについて書いています。

ラブダイバー

ずっと思ってたんですけど、1幕の「ラブダイバー」というナンバーがかなり激しめのロック調でイントロの感じとかがすっごく劇団☆新感線っぽいなぁ…と思っていました。なかなかこれまでの四季にはないようなテイストで凄く新鮮でしたし、何より本城裕二さんのかっこよすぎる歌声とダンサーさんたちのかっこよすぎるダンスがたまらないです。

ダンサーとして本格的に踊っている萩原隆匡さんを観られることも感動でしたし、男性ダンサーさんに交じって激しく踊る加藤あゆ美さんにも衝撃を受けて目が離せなかったですし、とにかく目が足りない状況でした。そんな中で今回目を引いたのが渡邉寿宏さんです。ダイナミックでありながらしなやか、かつスマート。スーツ姿もかっこよくて、すべてにおいて芸術を体現しているような美しさがありました。渡邉さんはポラリスのときの動きも凄くカチカチしていて機械っぽさがあって、身体能力の高さが半端じゃなかったし、声もダンディーで好きでした…。

あとは女性アンドロイドに交じっている女装?アンドロイドの桒原駿さんも印象が強かったです。見た目的に印象が強いのは確かなんですけど、人間側とアンドロイド側とで分かれてダンスするときにめっちゃ体を大きく使ってダンスしているのが凄いんだけどちょっと面白くて毎回観てしまいます(笑)でも力強いダンスは本当にかっこよかったです!

そして何より、ラブダイバーの凄いところって人間とアンドロイドが肉体関係を持つことが描かれているところももちろんなんですけど、男×男、女×女の組み合わせも存在していることだと思いました。LGBTとして大きく取り上げることもせず、当たり前のように描いていることがとても現代的で好感を持てました。そういうところも含めて四季ちゃんにしてはかなり攻めたなぁ…と思うナンバーなんですよね。個人的には「ラブダイバー」が来るとめっちゃテンション上がるので、凄く大好きなナンバーです。

人間とロボットの絆

観るたびにボロボロに泣いてしまうんですけど、なんでこんなにこの作品は心の琴線に触れるんだろう…と考えてみました。もちろん物語が素晴らしいのもあるんだけど、やっぱり一番は人間とロボットの絆が描かれていることかなと思います。

カトウが歌う「絆を信じて」の歌詞にある通り、ロボットに心はないはずなのに心があるように感じる…それがまさにタングでした。旅を通して、ベンとの交流を通して、タングがどんどん人間らしく成長していく姿に母性が働く部分もあります。子供みたいな可愛らしさとペットのような愛らしさ。そんなタングの魅力に観客たちはきっとベンを通して気付くだろうし、ベンもタングに愛情が芽生えて「君と家族になりたい」と思うようになる…もうタイトル曲の歌詞を聞いているだけでも涙が込み上げてきます。

今回はリジーとカイルの出会いにも泣いてしまいましたし、人間とロボットという違う存在でも心を通わせることができる。そして生まれた絆は固くて温かくて優しい。人間同士の絆を描く話よりもなぜか涙が込み上げるのは、相手が心を持たないはずのロボットだからなんだなと思いました。

タングが「タングなるよベンと家族に」とか「泣き虫のベンには絶対タング必要そうだよね」って歌うことも大きな変化だったと思いますし、見た目がスクラップみたいに汚いロボットだけど、ちゃんと周りに愛されて家族の1人として受け入れられることが純粋に温かいな…と感じました。タングに感情移入すること、そしてタングをまるで親になった気持ちで見守り続けてきたことが、涙を誘う理由なんだと思います。何度観ても泣けるし、観れば観るほど好きな作品だなと実感できました。

原作続編を読んで

今回の観劇に向けて読んだ『ロボット・イン・ザ・ハウス』。劇団四季の舞台で描かれている物語の続きにもなるお話でした。ベンとエイミーの子ども・ボニーが生まれてからのチェンバーズ一家を中心としたお話で、私個人的には凄く読み応えがあって面白かったです。

簡単なネタバレになるのでこの原作を読みたいという方はすっ飛ばしても大丈夫です。

原作ではベンとエイミーは復縁せずに一緒の家で子育てをするっていう結構複雑な関係性のまま続編までやってくるんですけど、とはいえベンはエイミーとよりを戻したい気持ちがとても強くて、でもそれを本人にはなかなか言い出せなくて…というもどかしい描写が何度もありました。ブライオニーやデイブからは「よりを戻してないの?」って何度も突っ込まれて、そのたびにベンははぐらかしていました。舞台では旅の終わりに再会してその場でお互いに気持ちを伝えて復縁、という綺麗な流れだったから、原作は本当にもどかしいです。マジで全然復縁しないんだもん…(笑)

でもこの複雑な関係のまま話が進むことで、ベンにとっていかにエイミーが大切な存在か、エイミーにとってベンがどれほど愛しい人なのか、がかなり掘り下げられているので読んでいてとってもキュンとしました。出会った頃の話とか初デートの話とかもちょっと出てきて、よりチェンバーズ夫妻に関する理解は深まると思います。そして、この続編の終盤でようやくベンとエイミーが復縁するんですけど、ベンの心理描写が凄く細かく描かれていて恋愛小説か!と思いました(笑)でもそれくらい細かくて丁寧な描写なので、読んでいてとってもドキドキしました。あとは個人的に、原作のよりの戻し方も凄く可愛らしいのでぜひ舞台版で田邊さんとゆきみさんの掛け合いで観たいです…。

もちろんベンとエイミーの関係性だけじゃなくて、舞台では説明されていないことも結構明らかになっていて凄く大きな発見がありました。たとえば原子力発電所の爆発事故は実はボリンジャーによって引き起こされたものであるということ、そしてその原子力発電所の破片か何かがタングには埋め込まれていることなど…。舞台ではそれぞれ別個に描かれていたシーンが、実は繋がりを持っていたということが描かれていたりしてかなり面白かったです。そういうのを踏まえたうえで観劇をすると全然感じ方が違ってきました。

もう個人的には原作続編を読んだことで、ベンとエイミーのカップルにめっちゃ心を掴まれてしまって推しカプになるくらい好きになりました。だから、今なら劇場に行けば動いているベンとエイミーに会えるんだ、しかも美男美女の!という気持ちになって、とても不思議な感覚でもありました。マジで今回の観劇は、ベンとエイミーのシーンは特にニヤニヤが止まらなかったです。

ぜひ公演が上演されている期間中に、可能な方は原作を読んでみてください!きっとより作品への理解も深まりますし、舞台を違った角度から観て感じることができるはずです。

まとめ

そういえば、1幕のタイトル曲ではベンから手を出してその手をタングが重ねて…という流れだったのが、2幕のタイトル曲ではタングから手を出してその手をベンが重ねて…と逆転していたのが凄く美しいなと思いました。ロボットから人間に手を差し伸べるってきっと大きな進歩だったと思うし、ベンとタングの絆に今回もかなり泣かされてしまって大変でした。

本当に凄く美しい物語で、キャストの方々もマジでピッタリすぎて完成度が高すぎて毎回ビックリします。でもだからこそ説得力があって、物語にもキャラクターにも深みが増すんでしょうね。

そして何より、うぶちゃん&渡邊さんペアのタングで観られたことは私にとって大きかったです。うぶちゃんのタングが大好きなので、今回は注目したいポイントもたくさんあって、好きっていう気持ちが高まったうえで観劇できて最高に幸せでした!

さすがに毎週来ているからちょっとお休みでもいいかな…と思いつつ、またきっと近々来てしまうんだろうなと思います。それくらい、『ロボット・イン・ザ・ガーデン』は沼です!

素敵なマチネ観劇ができて充実していました!

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