観劇の感想
ここからは作品ごとの感想を書いていきます!
1部『シャーロックホームズ-The Game Is Afoot!-』の感想
冒頭でも結構感想書いちゃったのですが、脚本も演出も凄く練りに練られていて面白かったです。コナン・ドイルの小説は読んだことがないのでちゃんとした世界観は知らないですが、私の知っている『名探偵コナン』経由で得たシャーロックホームズのイメージにはピッタリでした。そこに加えて宝塚らしい豪華絢爛さとコミカルさを織り交ぜ、より初心者にも優しい『シャーロックホームズ』になっていたんじゃないかなと思います。
ホームズ、アイリーン、モリアーティ、ワトスン、メアリー、レストレード警部といったメインキャラクターは外見的にも見せ場的にも粒立っていてとても分かりやすかったですが、逆にそれ以外のキャラクターは誰が誰だか分からないことも多かったので、そこの差別化をするためには「誰が演じているか」を理解できないと見分けるのは難しいのかなぁ…とも思いました。なので途中で男役の人がいっぱい出てくるようなシーンは一体誰が登場しているんだ…というのが瞬時に理解できず、少し頭を使いながら観ることが多かったです。
そんな中でモリアーティ側にスパイとして潜入していたフレッド・ポーロックは個人的にビジュアルが好きだったので見分けられました(笑)瑠風輝さんという方だそうです。かつて同室の暁千星さんをビンタして起こしていた方だそうです。こうやってちょっとずつ宝塚の知識を得ていくんやな、私は…。
まあでも物語が進むためのキーとなる人物以外はそこまで見分けがつかなくても物語を理解できますし、基本的にはホームズ、アイリーン、モリアーティの3人を中心に進んでいくのでそういう意味でも初心者に優しい作品だなと思った次第です。中心となるトップさんと2番手さんがしっかり安定したお芝居をするので、キャラクターのイメージがブレることもなくて作品に没頭して観ることができました。
細かいところで行くと、比較的冒頭の221Bでのホームズとワトスンの掛け合いで、真風さんホームズが「退屈だー」って嘆くシーンがあるんですがここが日替わりのアドリブっぽいです。ちなみに今回は「退屈ダァ退屈ダァ」って子供みたいな高めの声を出していて、オウムみたいな感じをイメージしてなのかずっと退屈ダァっ~て嘆いてました(笑)ゴルフクラブをいじったりもしていて、やりたい放題な真風さんホームズを傍観していた桜木さんワトスンが一生懸命笑いをこらえるっていうシュールなやりとりがめちゃくちゃ面白かったです。
こういうちょこちょことしたコミカルなシーンもあったおかげで、ホームズがただの気難しい推理オタクじゃなくてユーモアセンスのあるキャラクターとして浮き立っていて馴染みやすくて良かったです。宝塚ならではのキャラクター作りも個人的には凄く好きでした。
また、ミステリーとは言っても決して話も難解ではないので物語を追いやすかったです。オリジナル要素をくわえつつ、ライヘンバッハの滝での決闘シーンを最後に持ってきたりと原作に忠実な場面もあり、宝塚オリジナルな部分と原作に忠実な部分のバランスも絶妙だったので世界観が壊れることも話の展開的に無理が生じているようなところもそんなにはありませんでした。
最後の最後がライヘンバッハの滝の決闘シーンだったのは個人的に凄く興奮しました。ちょうどコナンの映画でも登場したエピソードなので実際にミュージカルでそのシーンを観られたのは嬉しかったです。からの無事に生還したホームズが変装してアイリーンの前に現れるっていう演出も最高だったし、実はモリアーティも生きていた…っていう衝撃のラストもゾクッとしてたまりませんでした。
あのあとホームズとモリアーティはどうなるんでしょうなぁ…。色々と想像を掻き立てられます。完全なハッピーエンドではなく、ホームズとモリアーティの闘いはこれからも続くことを示唆するような終わり方も個人的に凄く好きでした。
題材的には重くなったり暗くなったりどんよりした雰囲気になることは避けられないだろうに、エンターテインメント要素を取り入れることでとても手を付けやすい作品に生まれ変わっていたのが本当に評価したい点でした。ジェンヌさんたちのキャスティングも絶妙でそれぞれのキャラのイメージにピッタリだったので、説得力もあって自然に観られました。観てみたいと思っていた作品なだけに期待値も高かったですが、期待をはるかに超えてきてくれて大満足です!
2部『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』の感想
マカロンペンライト(2500円)買っちゃったよ!皆さん自分なりにデコレーションされているみたいなので私は買ったばかりで何も装飾なくて寂しかったです(笑)でも念願のマカロンペンライトを振って一緒に踊りに参加できたので良い思い出になりました!こういう観客参加型のショーっていいですね…。皆さんマカロンペンライトを振っていて、2階席から観ていても綺麗でした。
本編に関してはスイーツをテーマにしたショーで、最初から最後までめっちゃくちゃ可愛すぎました…。宝塚って豪華絢爛なイメージだったり和な感じだったり西洋のオシャレな感じだったり…という印象があったのですが、こんなメルヘンで可愛らしいショーもやるんだなぁっていうのが新鮮で楽しかったです。
宝塚ってショーに関してはオリジナルの楽曲ではなくわりとメジャーな曲を持ってくること多いんですかね…?結構聞いたことあるような曲が使われていて、おかげですんなりと耳に音楽が入ってきたのでパフォーマンスも合わせて楽しく観ることができました。
一応、ショーと言ってもただ歌とダンスを披露するだけではなく、ショーの中にストーリーが組み込まれているそうです。全編を通してストーリーが進んでいるのか、それともシーンごとに違ったストーリーが始まるのかまでは分からなかったのですが、どのシーンもストーリー含め可愛かったです。マカロンのダンベルが出てきたときはさすがに可愛すぎてキュンとなりました。小道具も全部スイーツなのが可愛すぎる…。とても美味しそうでした。1部であんなにシリアスな作品を上演していた組とは思えないくらいのギャップですよね(笑)
そしてすでに何度も書いているように、『デリシュー』では2番手さんも3番手さんも女性役で登場してくるので色々と凄すぎました。インパクトが凄い。こういうキャスティングって何かしらの意図があるのかな?娘役さんがいるにも関わらず男役さんが女性を演じるって、きっと何かしらの意図があっての演出だとは思うので、凄く興味深いです。
とにかくショーはひたすら可愛い!もうこれは問答無用で沼落ちしますわな!1部と2部の構成があまりにも良すぎるので、みんな沼落ちします!!!
最後は107期生によるロケットがあったり大階段を使ってのダンスがあったりデュエットダンスがあったり…と「これぞ宝塚!」というような演出の連続なので、めちゃくちゃ大興奮でした。やっぱり宝塚を観に行くからにはロケットとか大階段の演出とかデュエットダンスとかを目の当たりにしたいもんですね…。本当に最高でした。1部でじっくりお芝居を堪能して、2部でショーを堪能できる今回の構成はマジで神。『デリシュー』も観ることができて良かったです!
まとめ
伝えたいことが上手く伝えられたような伝えられなかったような…。宝塚に関してはまだまだ分からないことだらけなので、知識があればもっと詳しく伝えられたのに…と思うような場面もたくさんあったので、勉強不足さを実感しております。
基本的にお芝居って「誰が演じているか」はそんなに重要ではなく、台本をしっかり再現できているか、キャラクターをしっかり演じられているか…というところが求められていると思っています(劇団四季がそういう方針なので、私の中には演劇というものの評価軸がそのように染みついています)。
でも宝塚はジェンヌさんあっての劇団というところもあり、やはり誰が演じているのかって凄く大事なんだろうなぁ…って感じました。ジェンヌさんのために当て書きする作品もある?なんて話ですし、そういうところも含めて宝塚って独特な劇団ですよね。スターを生み出さない劇団四季とは180度違う…。だからこそ、もっと宝塚の知識を得たうえで観劇したいです!
分からないなりに必死にパンフ読んでみたり公式サイトでキャスト一覧を見てみたりして食らいついていますが、時々振り落とされてしまうこともあるので、いつか宝塚の知識を詰め込んだうえで観劇に望めるようになりたいなという目標が持てました。次回は雪組さんの『シティーハンター』を観劇するので、そのときまでに雪組さんのことたくさん調べておこうと思います。
そんな抱負もありつつ、今回は今回で本当に楽しい観劇ができました。どちらの作品もめっちゃ私好みで、宙組さんのレベルの高さを強く感じられました。本当にお芝居が上手い人ばかりで凄かったです。「宝塚を観ている」っていう感覚以上に「お芝居を観ている」という感覚が強くて、それだけ芝居力の高い方々の掛け合いを観られたんだと思っています。こんな感覚初めてでした。
なので宙組さんの公演は今後も定期的に足を運びたいです!めっちゃ良かったから色んな公演観たくなりました。それこそ今回が真風さんと潤花さんのトップお披露目公演とのことなので、今後この「まかじゅん」?の組み合わせをたっぷり観られたら嬉しいです。
ということで、まだ観ていない方に向けて布教用にPVを置いておきます(笑)
かなり長くなりましたが、とても素敵な組、素敵な公演、素敵なジェンヌさんたちに出会えて幸せでした!初心者ゆえ至らない部分などもあったかとは思いますが、最後までご覧いただき本当にありがとうございました!
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