2020年2月15日マチネ BW版『FROZEN』レポ




FROZEN
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ゆうき
ゆうき

前から5列目のほぼドセン観劇!

日時:2020年2月15日14時開演
場所:セント・ジェームズ劇場
座席:1階オーケストラ席C列107番




はじめに

大興奮の初回観劇から一夜明けた2月15日、元々取っていたチケットを握りしめて再び劇場に足を運びました。前日時差ボケの関係もあり全然眠れず、恐らく寝られたのが朝5時とか。それもあって逆に寝坊をかまし、14時開演なのに13時過ぎまでぐっすり寝ていました…ヤバかったです。

本当にヒヤヒヤしすぎて急いで15分で着替えと化粧と軽食を済ませて劇場に急いで向かいました。

今回は1階C列のセンターで、前から5列目。席に着いてみると、かなりドセン寄りの位置で大興奮でした。チケット代は227.5ドル。チケット購入時にパンフレットとオラフのキーホルダーがついてくる特典を選んでいたのでパンフレット代20ドルも含め、日本円で約3万円です。

ちなみにパンフレットはほぼほぼ写真集のようなもので、文字はほとんどありません。しかし美しいヴィジュアルの写真がたくさん載っていて、ファン必見の内容になっています。ページ数は50ページ近くあると思うので、見応えも抜群だと思いますよ!

総評

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

初回は金曜日の夜ということもあって仕事終わりの人たちが多かったのかもしれませんが、今回は土曜日の昼なので子連れも多くてかなりワイワイとした雰囲気でした。中にはエルサとアナの格好をした子供もいて、とてもほっこりしました。ブロードウェイもやはり土日の昼が一番混むんですかね。

そして今回の座席は5列目のほぼ正面で、しかもラッキーなことに前に座っていたのが子供だったのでほぼ視界が開けた状態で観劇することができました。やはり前日のH列に比べて距離が近い分迫力もありましたし、逆に近すぎることでどういう弊害が起きるのかも理解しやすかったです。

またOBCのエルサ役Caissie Levyとアナ役Patti Murinの卒業まで残り4公演。徐々に高まりつつある熱気と緊張感を抱きながら、今回の熱い公演を楽しむことができました。チケット代はバカ高かったけど、絶対に一度はCaissieやPattiをはじめ、キャストの表情をしっかり観たいと思っていたのでそこも堪能できて嬉しかったです。

観劇の感想・考察

今回の観劇で感じたことをつらつらと書いていきまーす。

イドゥナには秘密があることの暗示…?

エルサが魔法で誤ってアナを傷つけてしまった夜、母・イドゥナが突然歌い出すんですよね。「Hidden Folkを呼ぶのよ」って言いながらおどろおどろしい呪い(まじない)のような曲を歌い出すイドゥナ。すると、Hidden Folkと呼ばれる民族が現れ、アナの様子を診てくれます。要するにこのHidden Folkは映画で言うところのトロールたち。


映画では書物を調べていたら、トロールに呪いを解いてもらうというヒントが出てきて家族一向がトロールの元へ向かいました。しかしミュージカル版では突然イドゥナが窓を開け出し、その様子を見た父・アグナルが「何をしているんだ」と問うていることから、アグナルにはHidden Folkという発想もなかっただろうし、その対比としてよりイドゥナとHidden Folkとの関係に何か秘密があるのかな…と感じました。

それを感じたのはこの演出だけでなく、イドゥナの胸元に光るブローチもヒントとなりました。Hidden Folkの衣装は暗闇で黄色に光るんですけど、実はイドゥナの胸元についているブローチがHidden Folkが現れた瞬間同じく黄色に光っていたんです。これってどういうことなんだろう…と凄く気になって、思わずガン見してしまっていました。

『アナと雪の女王2』ではイドゥナがノーサルドラの人間だったことが明らかにされますが、続編を意識しての演出なのかそれとも続編とは別物としての新たな設定なのか…諸々謎が深まりました。その辺、詳しく解説されているサイトがないかなーって時間があれば調べたいです。

【追記】このイドゥナの謎について、@westergaadさんのブログにて詳しく解説されている記事があったのでご紹介させていただきます…!


エビデンスも含め、しっかり記述されている記事なので大変参考になりました。共有いただき、ありがとうございます…!

戴冠式のエルサの表情が見えない

今回この席に座って良かったなと感じたのが、逆に見えないシーンがあることの発見でした。それこそ自分が特に注目して観たいと思っていた、エルサの戴冠式のシーンでそれは起きました。

「Danderous to Dream」を歌いながらパーティーの輪の中に恐る恐る足を踏み入れるエルサ。その動線はまさにドセンへ向かって真っ直ぐ歩いてきます。しかし、司教たちがエルサに王笏と宝珠を差し出すとき、1人がエルサの真正面にひざまずく形で待機するわけです。

するとその方に被ってしまって、エルサの表情が全然見えなかったんですよ。恐らくこれが起こるのは前方1~6列くらいのドセンとその2~3席両隣くらいまでかと思いました。セント・ジェームズ劇場は傾斜がゆるやかなので、段差が激しい劇場であればある程度免れるかもしれません。


かなり雑ですが、イメージとしてはこんな感じです。

見えなかった瞬間としては、司教のお付きの人?が王笏と宝珠を差し出してエルサがそれを一度手袋を着けた状態で取ろうとし、「Your Majesty. The glove.」と司教に窘められて、手袋を外した状態で王笏と宝珠をエルサが受け取り、それを戻すまでの瞬間。時間にするとほんの30秒程度かもしれませんが、ここってエルサにとってかなり重要なシーンなのでエルサ好きの方なら表情は見逃せないでしょう。

ちなみに翌日、E列112番で観ましたけどさすがに7列目のやや下手にズレた席ならこのシーンは見切れることがありませんでした。動線を把握したはいいものの、どの席がベストかはやや悩ましいところです。

前方席の「Let It Go」は大迫力

この曲は視界一面に広がる魔法の世界を堪能できると、より楽しめることに気付きました。幕を何重にも使うし、プロセニアムアーチも含め舞台の空間すべてを使って魔法が再現されます。そのため、アーチにプロジェクションマッピングが投影される瞬間は逆に前方席だと見えにくいです。当然、舞台の床に投影されているであろうプロジェクションマッピングも前方席からは観ることができません。

しかしその分、視界いっぱいに広がる「Let It Go」の世界観は圧巻で美しくて、言葉にできないほどでした。私なんかはそうなのですが、後方席であればあるほど俯瞰で観てしまって物語に没頭しにくいんです。逆に前方席って視界のほとんどを舞台の空間を占めるので、情報量も多いし、集中しやすいのではないかって考えています。

で、「Let It Go」ではエルサの動作に合わせてプロジェクションマッピングが幕に投影されていきます。なので、エルサの立ち位置から魔法が発動されているように位置調整もされています。これをたとえば前方席でもサイドから観ると、エルサの動作とプロジェクションマッピングが連動していないように見えるのかなーと。この舞台あるあるの仕掛けですが、贅沢なことを言いますけど「Let It Go」は特にセンター寄りの場所から観るのが一番綺麗です。

そういった視覚的な美しさも相まって、Caissieエルサの大迫力の歌声を間近で浴びたのも相まって鳥肌が立ちまくりでした。1回目観劇時のレポでも書きましたが、今回はラスト2公演に比べてやや控えめな歌い方。それでもCaissieすげー!って思わされるので、本当にこの方はいい意味でMonsterだと思います…。

エルサがアナに秘密を打ち明ける演出

1回目の観劇レポでちょっと書き忘れた内容でもあったのですが、ミュ版ではエルサがアナに「あなたを傷つけた」と過去の事実を伝える台詞が追加されていました。シーンとしては、エルサが作った氷の宮殿にやってきてアナがレリゴー後のエルサと再会するタイミングです。

具体的に台詞をすべて聞き取れたわけではないのですが、「あなたの髪にその証拠が残っている」「これは生まれつきよ」「違うわ、私が傷つけたの。あなたが6歳のときに」みたいなことを言っていたんですよね。

ミュ版って年齢設定、映画と違うのかな…?映画は確かアナが5歳だったはずですけど、エルサの口から「6 years old」という言葉が聞き取れたので恐らくアナの年齢のことを言っているのではないかと思いました。しかし、こうしてエルサから直接自分の犯した罪をアナに告白するといった演出は映画ではなかったので、アナがどうしてエルサが自分を避けるのか分からなくてしつこく迫ってしまうっていうのも納得でしたし、逆にミュ版でエルサの口から打ち明けられたっていうのが個人的にかなり好きな改変でした。

だから「もう傷つけたくないから、早く帰って」と願うエルサにも納得できたと思うんですよ。加えて、それを知った上で「エルサなら大丈夫。私が助けるから」とまで言ってしまうアナの気持ちも理解できるし。「For the First Time in Forever(Reprise)」でアナが「I can help you」と言うのですが、この台詞は映画では使われていません。ミュ版からの仕様でした。この台詞はまさにエルサがアナを傷つけた過去を恐れていることを、アナ自身が理解したからこそ言える言葉なのかなと思います。だってアナは「姉さんはあたしを傷つけない」と確信しているから。

この両者のすれ違いがより濃く描かれるようになったミュ版演出はかなり好きでした。ここのCaissieエルサの不安そうだけど、「1人でいられる」と言ったときの少しだけホッとしたような表情は忘れられません。

カーテンコールの模様

前日の反省を活かし、なるべくズームにするときは気をつけようと思いながら撮影に挑みました。

どちらにしても距離が近かったのでそこまでズームにする必要もありませんでしたし、比較的しっかり綺麗に撮影できたのでぜひ観てほしいです。何より今回のカテコで、最前列に座っていた子供にCaissieとPattiがデレデレだったのでその姿も観てみてください(笑)

今回もきっちり1回で幕が閉じるので、ブロードウェイは素晴らしいです…。そしてキャストが子供にデレデレになっちゃうのは日本もブロードウェイも変わらないんだなーって思いました。逆にこんなデレデレなCaissieとPattiを観れる機会もそうそうなかったでしょうし、貴重な経験ができたと思います。

手を繋ぎながら登場するCaissieとPatti。

お辞儀の時点で最前列にいる女の子に気付いて、そっちばかり見てるCaissieとPatti。

デレデレのCaissieとPatti。

爆レスしまくりのCaissieとPatti。

幕が閉じる最後の瞬間までその子だけをひたすら見続けていたCaissieとPatti。

むしろここまで爆レスくらう女の子も凄いなってくらい、本当に最初から最後までそこしか観ていませんでした。逆にこんなカテコも珍しいですし、本当にある意味貴重なカテコに遭遇できたのではないかと思っています(笑)

まとめ

初回に感じた違和感は2回目ですっかりなくなっていて、今回は単純に最初から最後までしっかり楽しむことができました。やはり最初って情報量も多すぎて頭の中を整理できませんし、予想外のことが起こるとパニックを起こしてしまうのだと思います。

だからある意味、すべての展開や演出をしっかり飲み込んで自分の中で咀嚼して、ゆっくりと受け入れた状態で観ると凄く面白い作品だなって感じることができるのかなーって気付きました。もちろん作品の合う合わないは人それぞれだと思うのですが、私は少なくとも2回目以降の観劇で『FROZEN』の魅力をより客観的かつ主観的に感じられましたし、心の底から楽しむことができました。

初回で全部を受け入れられないっていうのも逆にどうなの?ってところもあるとは思いますけど、『FROZEN』に対して少しでも興味や期待を抱いているのであればぜひ2回目以降も観劇してみてほしいです。きっと見方が全然変わると思いますし、キャラクターに感情移入ができるとこの作品は凄くハマるはずです。

私も思い切ってバカ高い前方席を確保しましたけど、結果としてこの席で観られたことによってキャラクターの心情とか演出の細部における発見が多々あったので決断して良かったなって思いました。同時に、自分が最初に抱いていた『FROZEN』への期待は間違いではなかったと確信できたのもこの公演から。本当に素敵な公演を観劇できて、幸せでした!

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