2020年12月27日ソワレ 劇団四季『コーラスライン』@名古屋

コーラスライン
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ゆうき
ゆうき

5年ぶりのACLです!

日時:2020年12月27日ソワレ
場所:日本特殊陶業市民会館フォレストホール
座席:1階S席4列35番

はじめに

今期の『コーラスライン』をようやく観ることができました!ずっと観たいなとは思ってはいたのですがなかなか都合がつかず…我が地元の栃木公演も行くことができなかったので、このまま観られず終いかなと思っていました。そしたら突然の驚きすぎなキャス変…。

まさかの三平果歩ちゃんが4年ぶりに『コーラスライン』に入ったんですけど、24日まで普通に『マンマ・ミーア!』福岡公演に出演していたんですよね。恒川愛さんもですけど。でも急なピンチヒッターとして翌日にこっちに入ったのが凄すぎて、しかもぺーちゃんヴァルを前に観たときに凄く良かったのもあって「観たい!」となって急遽チケットを確保。

いやもうマジでいる…。

マジで凄すぎて訳が分からないですね。三平果歩ちゃんって5人くらいいるんじゃないかな…って思わされました。恒川愛さんもね…(笑)

さて、話題は変わりますけど『コーラスライン』といえば休憩なしの2時間半ぶっ続けの舞台。

本気でトイレが心配でしたし、毎回観劇するたびに腰がやられて死んでたのでそれが不安でもありました。でもあの集中した舞台を続行するためにも必要なことなんですよね。休憩あればもっと通えるんだけど…致し方ないです。

でもそれを除けば久しぶりの『コーラスライン』だし久しぶりの名古屋遠征だし…ということでとてもワクワクでした。そんなわけで、今回の『コーラスライン』は観たいキャストがたくさんいすぎて目が足りないんですけど、感じたことなどを書いていきますのでどうぞ最後までお付き合いくださいませ!

総評

全体の感想を書いていきます。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★
全体:★★★★★

今回は突然のキャスティングとなった三平果歩ちゃんが主な目当てではありましたが、それ以外にも上川一哉さん、竹内一樹くん、岩崎晋也さんといった歴代のキャストが戻ってきて本当に豪華。ぺーちゃんと仲良くこっちに戻ってきた恒川愛さんもいるし、今期のデビュー組で最も期待が高かった宮田愛さんもいるしで正直目が足りなかったです。やっぱりベテラン勢がいるACLって凄く安心して観られるし、お芝居における説得力だったり魅力だったりが凄いなって感じました。今回はもう完全にキャストの豪華さにつられて観に行っちゃいましたけど、期待を裏切らなかったです…マジで名古屋に行って良かったです。

そんな中で座席は3列目センターの最上手だったんですけど、三平果歩ちゃんヴァルがラインに立つとき目の前で驚きでした。あまりにも目の前すぎて堪能どころじゃない…こんな神席があるかってくらいドンピシャにヴァル堪能席ですっごく楽しかったです。だけど、やっぱり専用劇場じゃないから音響は良くないし、千鳥配置じゃないし前方は段差もないから前の人の頭が時々邪魔になるし…で劇場的な部分で100%は楽しめなかったかもなぁ。あとは周辺の人が落ち着きない人いたりでそれもちょっとだけ残念。

でも、それを含めたとしても名古屋のお客さんの熱気が凄くて驚きました。ほぼ満席ということで拍手の音が大きすぎるし、キャシーのナンバー終わりには拍手が鳴りやまない…ということもありました。こんな体験、ブロードウェイの『FROZEN』観劇以来です。凄かったし、放心状態でした。そういった熱気のこもった舞台を久しぶりに観ることができて、それも幸せでした。

ちょっと気になる部分もあったりはしましたけど、今回はもうひたすら楽しかったです。これまでの『コーラスライン』観劇の中でもっとも楽しめたし、初めて「また観たい!」って思えました。本当にすっごく楽しかったし、こんな素敵な公演を観劇することができて良かったです。無理やり名古屋遠征をねじこんで正解でした。最高の観劇になりました!

キャストの感想

気になったキャストの感想を書いていきます。ACLのレポでは毎回恒例となるのですが、自分がキャラ混同して分からなくなるので簡単なキャラ紹介も合わせて…。

ザック:荒川務

演出家兼振付家。ブロードウェイの新作に出演させるコーラスダンサーを選ぶためオーディションを開催。受験者に「写真や履歴書、舞台経験ではわからない君たちの個性が知りたい」と話す。

5年ぶりの荒川さんザック。荒川さん自体を拝見するのがとても久しぶりかもしれません。荒川さんってとても柔らかそうな物腰で優しそうな方だからこそ、ザックという厳しいキャラクターを演じることの難しさと、ザックがみんなのためにあえて厳しく審査しているっていうことの優しさをより一層強く感じました。

前に観たときは、9年前に観た飯野おさみさんザックの印象があまりにも強すぎて荒川さんザックが少し弱く感じた部分もあったんですけど、今回はまっさらな気持ちで観ることができました。だからなのか、凄く荒川さんなりの厳しさと不意に見え隠れする優しさに凄く安心したというか、グッと引き込まれていました。ザックは姿が見えずにほとんど声だけのお芝居を観ていることになりますが、声だけのお芝居でもしっかり相手に語りかけていて、相手をしっかり見ようとしているのが伝わってきてとても良かったです。

一方でキャシーに対しては他の誰よりも強く当たってしまうのが、彼女をまだ愛しているからっていうのも感じられて、そのもどかしさに揺れている姿も見応え抜群でした。年齢差はあれど(笑)そういう部分も含めて、凄く新鮮に荒川さんザックを堪能できたので個人的には大満足でした!

マイク:上川一哉

ニュージャージー州トレントン出身。24歳。イタリア系移民で大家族、12人兄弟の末っ子として育つ。4歳の頃、姉の代わりにダンスレッスンでステップを披露して以来ダンスに夢中。

5年前、観劇当日にキャス変があってマイクが上川さんから高橋伊久磨くんに変わってしまったので観られなかったんです。でもこうしてまさかの5年越しに上川さんのマイクを観られるとは…!と嬉しさでいっぱいでした。

上川さんの元来の真面目さや堅さが結構全面に出てはいるものの、こんなに弾けた上川さんを観るのがほぼ初めてに近いくらいだったので凄く新鮮でした。最初にマイクが指名されたときに「端から行きましょうよ!」と叫ぶやりとりは客席の笑いを誘っていましたし、ユーモアも抜群で面白かったです。明るい一面が多くて、ニッコニコしている上川さんがとても可愛かったですし、軽やかに踊っている姿も新鮮で観ていて飽きませんでした。

上川さんってどうしても爽やかで王子様気質な役が多いだけに、こういう人間らしい役どころって見慣れなくて、それこそ思春期真っ盛りな青年らしさが『春のめざめ』のメルヒを思い起こさせるくらい若々しくて良かったです。バレエを踊っているのも貴重でしたし、上川さんマイクをようやく観ることができて大満足でした。

コニー:髙野唯

ニューヨークのチャイナタウン出身。幼い頃から「チビ」と言われ続け、いろいろ努力したが、まったくダメ。プリマ・バレリーナやチアリーダーにも憧れたが、今まで子役一筋。

5年前に引き続き髙野さんのコニーです。わりと背が小さい人が何人かいたので、取り立ててチビ感があまりなかったかも…(笑)でも童顔で子役をいまだにやらされるという話には凄く説得力がありました。小さいながらに全身を使ってエネルギッシュに踊っていらっしゃったのがとても印象深かったです。

キャシー:宮田愛

かつてザックの恋人であり、有名なダンサーだった。しかしスター女優を夢見てハリウッドに飛び込み、挫折。自分にはダンスしかないと実感し、ゼロからスタートするため、再びブロードウェイに戻ってきた。

今期デビューながらとても評判が良かったので期待していた宮田さんキャシー。結論から言うと期待を大きく超えすぎるくらいに良かったですし、宮田さんの実力と魅力を最大限に発揮できる役柄だったと思います。折れそうなほどに細くて華奢なのに、お芝居やダンスから溢れ出るパワーは誰よりも大きくて、抜群の存在感を放っていました。

荒川さんとだと年齢差もあってかザックとキャシーが元恋人だったという設定のリアリティはちょっと欠けるんですけど、それでもザックに対する強い想いはしっかり感じられるくらい芯の強さもありました。そんな中で今回宮田さんキャシーで一番良いなぁ…って思ったのがダンスでも歌でもなく演技です。キャシーがどれだけダンスを愛していてこの世界を愛しているか、仕事を欲しているかがすっごく伝わってきました。とにかく芯が強くて、必死にしがみつこうとしてるのがたまらなく心に響きました。

そういうキャシーのオーディションにかける想いが凄く伝わってくるくらい、宮田さんのお芝居が本当に凄くてマジで驚きました。これまでキャシーってダンサーさんが演じることが多かったですけど、宮田さんのようにベルやポリーやエスメやマイロといったお芝居も多い役柄を演じてきた女優さんがやると、やっぱりお芝居の魅せ方も上手だなって思います。ただ叫ぶんじゃなくて、ただ台本に書かれていることを言ってるんじゃなくて、キャシーの魂の叫びが聞こえてくるようでした。間合い、抑揚、表情…どれをとっても秀逸で、思わず魅せられました。ダンスももちろんダイナミックだし軽やかだししなやかだし美しかったけど、私的には今回宮田さんのお芝居にとても感動したし、こんなに宮田さんってお芝居上手いんだって認識できた観劇にもなりました。

そして宮田さん、歌も凄く上手になっててビックリ。歌いやすい音域だったのかもしれないけど、力強くて伸びのある歌声にも魅せられて、ひたすらミラーは息を呑んでしまったし、宮田さんキャシーのすべてが凄すぎて本当に感動がとまらなかったです。曲が終わっても拍手が全然鳴り止まなくて、それくらいあの場にいた全員が宮田さんキャシーのパフォーマンスに魅了されたんだなぁって鳥肌が立ちました。いや、お世辞抜きで本当に素晴らしかった。

今回宮田さんのパフォーマンスをここまで純粋に楽しめたのは、キャシーを岡村美南さんが演じていないのも理由としてあります。どうしても宮田さんと岡村さんって、ポリー、エスメ、マイロと役が被ってしまうことがあって、私自身も宮田さんを観るときは無意識に岡村さんと重ねてしまったり比べてしまったり…ということがありました。だから宮田さんのパフォーマンスをこんなにまっさらな気持ちで観られたのって実は初めてで、お芝居、歌、ダンスどれをとってもパワフルでかっこよくて美しくて素晴らしくて…こうやってようやく宮田愛さんをしっかりと拝見できて自分としても凄く嬉しかったです。本当に、キャシーはハマり役だなと思いました!ようやく観られて良かったです。

シーラ:恒川愛

コロラド州コロラドスプリングス出身。29歳。母はダンスの才能があったが夫に止められたため、娘に夢を託した。父は家庭を顧みず、冷たい家庭から逃れるように美しいバレエの世界に没頭。

先週福岡で観ていたはずなのに普通に名古屋で舞台に立ってる恒川さんに驚きです。今期のACLにはずっと出演されていましたし、急な出演でも全然対応できるのかもしれないですが、それにしてもターニャからシーラへの切り替えは素晴らしいです。本当なら福岡マンマ千秋楽まで出演だったんでしょうけど、こればかりは仕方ないですね…。またターニャで拝見できる日を楽しみにしています!

そして恒川さんシーラも5年ぶり!やっぱり前回演じていただけあって安定感が素晴らしいですし、謎の年増感も凄くてユーモアもあって笑わせられました。落ち着いていて声も低くて色気もあるからか、29歳という設定だけど若さに憧れている感じが滲み出ていて、その必死さにもリアリティがあってとても面白かったです。劇中でバチバチ火花散らし合う三平果歩ちゃんヴァルが若々しくてピチピチしてるだけに余計その対比が顕著になっていました。

しかしながら、踊っているときに「笑って」「楽しそうに」とディレクションを受けて、わざとらしく笑う恒川さんシーラが凄く子供っぽくて、大人げない一面も可愛いなって思いました。何かとやらかしてザックの目を引いてしまうのも愛しいし、それでも一生懸命もがこうとしている姿は眩しく映るし。でもやっぱりどこか諦めの気持ちも見え隠れしていて、それがオーディションに合格した人たちとシーラとの大きな違いなんだろうなぁ…って思いました。必死のはずなのに必死じゃないのが、なんかとても居た堪れなかったです。

そういうシーラの本気なのか本気じゃないのか分からない気だるさを表現するのが恒川さんとても上手で、本当に凄く目を引かれました。やっぱりシーラを恒川さんが演じていると謎の安心感があります。

あとは個人的に髪を下ろせとザックに言われて、見せつけるようにまとめていた髪を下ろすときの恒川さんシーラが色気大爆発でドキドキしました。凄く色っぽさ全開で、オーディション受験者の中でも特異な存在だからこそシーラをつい応援したくなっちゃって、不思議な感覚でした。でもこうして恒川さんシーラをまた観ることができて本当に良かったです。やっぱり素敵でした!

ボビー:竹内一樹

ニューヨーク州バッファロー近くの出身。29歳。学校でいじめられ、家庭でも両親に理解されず孤独だった。常に人に注目されることを願い、派手な自殺の方法も考えていた。

竹内くんもついこの前まで福岡で観てたはずだが…?となったのでとても不思議な感覚だったんですけど、上川さんと竹内くんを同時に観られるのなんて今じゃもう珍しいことだったし、凄く貴重だったしで嬉しかったです。竹内くんって爽やかな役もしっかりこなすけど、こういうちょっと変わった地味めな役も凄く似合うんですよね。落ち着いていて根暗な感じが出てはいるものの、だからこそ抑圧されたものから解放されたときの狂いようも異常に見えるし、そういうギャップの出し方がとても上手だなと思いました。

そしてボビーとシーラの関係性も凄く好きで、恒川さんシーラを常に気にかけていて、たまにおちょくることもあるんだけど彼女を愛してる感じが凄く伝わってきて素敵でした。最後に合格者が発表されたときに立ち去ろうとするシーラの手を掴もうとしてほどかれてしまうときの竹内くんボビーの表情も凄く複雑で、本人としては喜びたい気持ちと悲しい気持ちとでいっぱいなんだろうなっていうのが伝わってきたし、とにかく切なかったです。

大人な一面も見せれば、ちょっと子供っぽい無邪気な一面も垣間見えるし、純粋なのかなって思います。もちろんむっつりな部分もあって思春期らしさも見えて若々しい印象もあって、丹下さんのボビーとはまた印象全然違うなぁ…って思いました。竹内くんが演じるからこその若者の苦悩とか勢いが表現されていて、ポールとはベクトルは違うけど「悩んでることがあるなら聞くよ」って声をかけてあげたくなりました。そういう母性をくすぐる一面もあって新鮮でした。竹内くんのボビーも観ることができて良かったです!

ジュディ:多田毬奈

テキサス州エル・パソ出身。26歳。容器だが少々荒っぽく、喧嘩をして妹の髪を全部剃ってしまったことも。少女時代は父親が失業中だったため、街から街へと転々としていた。

ジュディは自分の番号を忘れちゃうおっちょこちょいなところがすっごく可愛くて大好きです。前回の観劇では川井美奈子さんが演じていらっしゃってて、川井さんジュディの可愛さに打ちのめされていたんですけど、多田さんのジュディは可愛い一面がありつつもしっかりしている部分も強調されていて、どちらかと言えば荒っぽい性格が目立つ印象でした。それはそれで凄くジュディらしさがあって良かったし、荒々しい一面の中に垣間見える抜けてる部分もギャップが凄く感じられて良かったです。あとは髪型も相まって、モアナみたいだなって思いました(笑)

リチー:岩崎晋也

ミズーリ州出身。26歳。学生時代は学校一のヒーローで、大学には特待生で入学。何でも一番だったが、就職先は幼稚園の先生だった。「渡る世間に奨学金なんてありゃしない」。

なんと9年ぶりの岩崎さんリチー。まさか今期岩崎さんのリチーが観られるなんて思わなかったので、とても嬉しかったです。

リチーの突っ走っちゃう感じとか体のうちから漲るパワーとかが全身から溢れていて、絶対にこの人から目を離してはいけないと思わせられるくらい問題児らしさ(?)があって良かったです。本当はとても優秀な人のはずなんだけどね(笑)

箍が外れて衝動的になってしまう感じは『ウェストサイド物語』のアクションを思い起こさせました。岩崎さんってこういう役やるの本当に上手いんですよね。青年の思春期真っ盛りな感じ、そして抑圧された何かから解放されたように弾けるダンスや佇まいが本当に最高でした。ダンスのパワフルさとダイナミックさはやっぱり岩崎さん素晴らしいです。歌も上手いし音域も幅広いし、安定して観ていられたのでこうやってまた岩崎さんリチーに出会えて幸せでした!

アル:手島章平

ニューヨークのブロンクス出身。30歳。昨年、同じダンサーであるクリスティンと結婚した。このオーディションにも2人で参加。いつも彼女を保護者のように見守り、アドバイスし、フォローしている。

川口雄二さんが玉突きキャス変で抜けてしまったので、今期デビューの手島さんアルを観ることができて嬉しかったです。若さに溢れつつしっかりクリスティンをサポートしていて、優しそうな感じも漂っていて、良い旦那さんなんだろうなって思いました。歌も上手だし歌声もかっこいいし、もっと歌う場面とあると良かったな〜と思うくらいポテンシャルが感じられて良かったです。

クリスティンとのバカップルさも面白かったですし、どちらかと言うとクリスティンのほうが目立つからか、縁の下の力持ちって感じで支える側に完全に回って、自分が自分がと前に出過ぎない佇まいも凄くアルらしくて良いなと思いました。

クリスティン:濱綾音

ミズーリ州セントルイス州出身。21歳。神経質であがり症。小さい時からラジオをつけると踊り始め、映画スターに憧れていた。スタイル抜群でダンスも得意だが、音痴で歌がダメ。

濱さんクリスティン、あがり症な感じの怯えたお芝居がとても上手でした。アルに一生懸命フォローしてもらってるのに全然話を聞いてなくて、ひたすら空回りしちゃってるのも可愛かったです(笑)

でも、肝心の歌の部分は外し方が凄く際どいというか…CD聴いてると坂本里咲さんのクリスティンはかなり外しちゃってて音痴どころの問題じゃない印象があったんですけど、濱さんクリスティンの場合はなんか音程取れそうなのに取れない…っていう絶妙のラインなんですよね。歌わせないほうが絶対いいんだけど、もう少し訓練したら上手くなりそう…?っていう際どすぎる歌い方で、なんかとてももどかしくなりました(笑)クリスティンまだチャンスあるよって思わず手を差し伸べたくなってしまうから、いっそもっと大胆に外してくれたほうが清々しいのかもしれませんね(笑)でも逆に絶妙なラインで歌える濱さんが凄いなと思いました!

ヴァル:三平果歩

ヴァーモント州アーリントン出身。25歳。18歳の時スターを夢見てニューヨークへ。ダンスは抜群だが、オーディションはルックスで全滅。覚悟を決め形成外科へ飛び込み、大変身。

5年ぶりのぺーちゃんヴァル!つい先日まで福岡でソフィやっていたのに、4年ぶりに演じる役を見事にこなしていたのが本当にさすがすぎました…。三平果歩ちゃん天才すぎます。本当にポテンシャルが高すぎて、毎回毎回驚かされています。5年前と全然変わらない、元気で明るくて可愛い愛嬌抜群のヴァルでさすがでした!

とにかくぺーちゃんはソフィでもそうなんですけど、持ち前の明るさとニッコニコの笑顔が本当に素敵で太陽みたいな存在なんですよね。その場にいる誰もを虜にしてしまうような明るさを持っていて、その場にいる誰もを笑顔にしてしまうほど愛嬌があって、その場にいる誰もを魅了してしまうほどパフォーマンスが最高。もう完璧です…。ヴァルも整形を繰り返して最高のルックスを手に入れたから自信に溢れていて、自尊心がとても高くて「みんな私を見て!」ってアピールするんですけど、その通りに周りを巻き込んでしっかり自分をアピールしまくっていたのがあまりにも自然でした。単純に胸やお尻を強調するだけじゃなくて、自分の可愛さとダンススキルもしっかりアピールして一気に自分に視線を向けさせるのがマジで上手い。立ち居振る舞いが完璧すぎて、どうしたら周りの人たちが自分を見てくれるのかをちゃんと分かっていて、凄いんです…。天性のものだと思いました。

今の自分にひたすら自信があるから、他の人たちの話を聞いているときも笑っていたり驚いていたり頷いていたり、ちゃんと相手の話もしっかり聞いてリアクションできるだけの余裕がありました。覇者の佇まいです(笑)でもそうやって人の話に対してリアクションできるっていうのがもうヴァルの可愛いところだし、憎めない部分でもあります。ぺーちゃんがやっているから全然嫌味がなくて、むしろ愛しさすら芽生えてしまうから不思議ですね。これも愛嬌の1つなんだなって思うと、三平果歩ちゃんマジで恐ろしい子…。

シーラに対しても対抗心剥き出しで、でも嫌な視線を送るんじゃなくてちょっと見下す感じで余裕たっぷりに見ているのがまた可愛いんですよね。演じているのが恒川さんだから、ついこの前まで一緒にエーゲ海にいた2人のこの絡みには笑っちゃったんですけど(笑)シーラからしたら「何この生意気な小娘」って感じかもしれませんけど、本当に憎めない可愛さがあってついつい許したくなっちゃいます。本当にただただ可愛い。自信たっぷりだからこそマウント取りまくっているぺーちゃんヴァルがマジで最高でした。

そして何より、「ダンス10、ルックス3」のパフォーマンスが素敵すぎてキュンキュンでした。歌が上手いのは当然だけど、まず声が可愛い…。「モンタージュ」の「胸はペチャンコで卒業チェーッ!」も可愛かったんだけど、声がアニメ声…っていうと語弊なんですけどそれくらい特徴的で女性らしい可愛い声で、たまにドス効かせるように歌うのもインパクトあって…聞かせるところは聞かせるし、魅せるところはしっかり魅せるし、メリハリがついていて素敵でした。ダンスも軽やかだし、ヴァルが楽しそうに歌って踊っている姿に説得力があって本当に良かったです。そりゃザックに選ばれるよね、分かる!ってなるくらい、120%の自信で勝負しているのがすっごく伝わってきました。さすが三平果歩ちゃんです。もう頭のてっぺんから足のつま先までヴァルそのものでした。

改めて、数年ぶりでブランクもあっただろうにここまで完璧なヴァルを演じ切った三平果歩ちゃんは天才だと思いました。ぺーちゃんヴァルはもう観られないと思っていたので、突然のキャス変で大変だったとは思いますけど観られて良かったです。カテコの満面の笑みも最高に可愛かったし、キラキラ輝いているぺーちゃんをこっちの舞台でも観ることができて幸せでした。

マーク:松本拓也

アリゾナ州テンピ出身。20歳。11歳の時、書庫にある父親の医学の専門書に夢中になっていた彼は、医学書を参考に自信で診断した病名に驚き、教会に駆け込み懺悔した。その病名とは…。

隣に立っている三平果歩ちゃんヴァルの胸元を何度も覗いていてちょっと変態ちっくな感じで、背の小ささも相まって、とても可愛らしかったです。自分のことを話すときにコミカルに話すのがとても上手で、客席を地味にざわざわさせる笑いをとっていたのが絶妙でした。思春期真っ盛りな感じのエネルギッシュさとフレッシュさを兼ね備えていたのも好印象です。

ポール:村田晃一

ニューヨークのハーレム・スペイン町出身。30歳のプエルトリコ人。幼い頃からダンスが好きだったが、女性的だった彼は皆にからかわれ、高校を中退。どうしたら男らしくなれるのかわからなかった。

村田さんポール、とっても良かったです。村田さんをここまで意識して観たのは初めてだったんですけど、ポールの自信なさげな感じだったり苦しんでいる様子だったりをすっごくリアルに演じていらっしゃって、思わず私も涙が込み上げました。中性的であるっていうのもなんか分かるというか、自分を主張できないゆえに縮こまっちゃっていて声も小さくて、それで余計にどんどん女性的になっていってしまうっていう負のサイクルに陥っている感じもあって、とても切ない佇まいをしていて良かったです。

ポールの独白は完全に芝居だけで勝負する部分なので演技力が凄く問われると思うんですけど、話し方、間合い、息遣い、表情…すべてを含めてとっても上手で見入ってしまいました。ポールがどんなことに悩んでいるのか、どんな生き方をしてきたのか、それが台詞を聴きながらしっかりと情景を思い浮かべることができたし、ポールがそのことを話しながらどれだけ苦しい想いをしているのかっていうのも感じられて胸が締め付けられそうでした。

つい手を差し伸べてあげたくなるような庇護欲も掻き立てられるし、ザックがつい優しさを見せてしまうくらい村田さんポールに対しては優しくなりたくなってしまうし、なんか凄く心を揺さぶられるんですよね。本当に、独白のシーンはとっても村田さんの演技力の高さで一気に客席を引き込んだと思いますし、作品の雰囲気と流れを一気に変えたと思いますし、素晴らしかったです。だからこそ、ラストの「ワン」で満面の笑みで登場してくるのがとっても愛しく感じました。もう今回はどのキャストも当たりで凄くレベルが高いですね。村田さんのポールも観られて良かったです!

ディアナ:原田千弘

ニューヨークのブロンクス出身。26歳。プエルトリコ人。演技派の舞台女優に憧れ、芸能コースがある高校に進学する。即興演技の授業に納得がいかず、先生からは劣等生のレッテルを貼られてしまう。

前評判が非常に良かったのでとても期待大だった原田さんディアナ!いやもう期待をはるかに超えたディアナでとっても素晴らしかったです。何が良いってお芝居も歌もディアナとしての佇まいもすべてが良くて、彼女が凄く一生懸命で必死にもがきながら仕事を勝ち取ろうとしていて、何より舞台を愛しているのが伝わってきたのが最高に素敵でした。宮田さんと同じく、芯の強さを感じさせるディアナでした。

なんかもう何がどう上手いって言葉で説明ができないんですけど、その場の情景がしっかり浮かんでくるし感情が歌声に乗るし、歌で魅せるお芝居が本当に上手でついつい引き込まれてしまいました。感情を爆発させるくせに、先生が死んじゃったことに対しては何も感じなかったという自分への絶望感だったり喪失感だったり、それすらも見えてこない虚無なディアナの切なさが表情や歌声で表現されていてとても良かったです。

そして何より、みんなを鼓舞して引っ張っていこうとするエネルギーも凄まじかったし、「愛した日々に悔いはない」の直前の舞台への愛を語るお芝居は、間合いが絶妙で、1つ1つの言葉に対してしっかりこちら側も聞き入れようとしてしまうんですよね。それくらいすんなりと頭に入ってくる話し方で、だからディアナにこんなにも感情を揺さぶられるんだなって実感しました。

こんなに原田さんのことを注目しながら観たのって初めてだったんですけど、凄く素敵な女優さんだなって思いました。ラストにザックから名前を呼ばれて「ディアナじゃない」と言われて後ろに下がるときの複雑な表情も秀逸だったし、お芝居をしているんだけどお芝居をしているように見えないリアリティのある佇まいが最高でした。原田さん自身がディアナと同じ立場になって舞台に立っているんだなっていうのが伝わってきました。こんなに素敵なディアナに出会うことができて、今回名古屋まで来た甲斐があったなって思えました!

観劇の感想

今回は細かい部分について触れていくというより、作品全体の感想について書いていきます。

この作品は舞台のオーディションを扱っていて、このご時世に観るからこそグッとくる台詞がたくさん散りばめられていました。私が今回『コーラスライン』にこんなにも心揺さぶられたのは、キャストのレベルが高かったことももちろんだとは思うんですけど、同時に舞台の世界に生きる人たちの苦しさや厳しさ、そして喜びや幸せを感じられたっていうのも大きいなって思いました。

ポールが膝を負傷して病院に運ばれたあと、ザックがオーディション受験者に「もし踊れなくなったらどうする?」と問いかけます。それに対する回答は人それぞれで、諦めちゃうっていう人もいれば別の道を探す人もいれば悔やまないっていう人もいました。受験者たちの舞台に対する想いの大きさの違いがここで露呈してしまうわけですけど、でもみんなこうしてオーディションに来ているのは舞台が好きだからで舞台に立ちたいからっていう、その根本的な部分は変わらないわけで。キャシーのように一度成功していて挫折も味わって、ゼロからリスタートしようという決意のもとオーディションを受けている人もいて…。みんなが命がけで舞台に立とうとしているということが、なんか今のご時世と重なって凄くグッと来ました。

今は劇団四季ですら苦境を強いられていて、舞台に立ちたくても立てない人もきっと中にはいるんだと思います。もちろん、コロナに感染してしまうかもしれないリスクと隣り合わせの状況で覚悟を決めながら舞台に立ち続けてくれている俳優さんもたくさんいます。それでも、1人でもコロナ感染者が出たら公演は中止になってしまう世の中です。いつ公演ができなくなるかも分からないし、いつ舞台に立てなくなってしまうかも分からない。だけど、舞台が好きだからここにいるんだっていう作中の登場人物たちの想いを聞いて、舞台の世界に生きる人たちの舞台への想いを凄く間近で感じられた気がしました。だから、やっぱり舞台に立っている人たちって凄いんですよね。「観る天国、やる地獄」って言われる世界ですけど、それでも舞台が好きだから立ち続けるって本当に凄いことだし尊いことだと思いました。そういう当たり前のようで当たり前ではないこと、そんな奇跡の積み重ねで今こうしてこの作品も観劇できているということを再認識させられた気がします。大切なものに気付かせてもらえて、だからこんなにも舞台に対して気持ちが揺らいだのかなと思いました。

そしてもう1つ。キャシーの台詞で、「みんな特別よ」っていう言葉が凄くグッと来ました。特に劇団四季は作品主義の劇団なので、スターを作りません。プリンシパルもアンサンブルも同じ大きさでパンフレットには写真が掲載されています。誰もが舞台上では特別な存在として立っていて、優劣がないっていうのが素晴らしいなぁ…っていうことを改めて再認識させられた台詞でした。もちろん誰かにとっての「特別」はそれぞれいて当然なのだと思うんですけど、舞台上ではみんなが特別だっていうこの言葉は舞台においてもっとも大切だなって気付かされた気がします。キャシーだって一度成功していた経験があるから、今更他の人たちと並ぶのは耐えられないっていうザックの気持ちもすっごく分かります。キャシーだって他の人を見下したりすることもできたでしょう。でもそれをせずに、自分も彼らの1人であるという自覚を持って、舞台上ではみんなが平等であるということ、なぜ舞台に立つのかということに対する答えはみんな同じであることを信じて、舞台に立とうとしているのが本当にかっこいいなって思いました。

この作品は、舞台において大切なことは何なのかを教えてくれます。だから、私みたいに特定の人目当てで大切なものを忘れたように狂ったように当たり前のように観劇しちゃっている人間が色々なことを気付かされて初心に戻ることもできる作品でもあると実感しました。舞台に立つ人たちの並々ならぬ覚悟、そして激しい競争…。色んなものがあって夢を掴んで舞台に立っている人たちを私たち観客は観ているんですよね。凄いなって思いました。

だから、結局何が言いたいって、この作品を観て改めて私は舞台が好きだなぁ…って感じられたんです。何だかんだで三平果歩ちゃん目当てで遠征決めちゃったし、ほぼ三平果歩ちゃんを観ていたのは否めないんですけど、でもやっぱり舞台において誰もが特別で主役で、この舞台はたくさんの人の覚悟と夢が詰まっていて、たくさんの奇跡の上に成り立っていて、そんな公演を私が観ているんだっていうことの幸せを強く実感できました。あー、舞台っていいなって強く思わされた2時間半でした。なんかね、マジでこのタイミングで観ることができて良かったです。色々な大切なことに気付かせてくれてありがとう、『コーラスライン』。

まとめ

ということで突発で遠征を決めてしまった今回の『コーラスライン』全国公演。結果的に、行って良かったです。元々どこかで行きたいと思ってはいたものの、作品に対する苦手意識も正直ありましたし、関東をことごとく逃してしまったのでもう観る機会はないな…って諦めていました。そしたらまさかの三平果歩ちゃんヴァルの再来。しかも27日は福岡行く予定もなかったしフリーだった…となったら行かない選択肢がありませんでした。

観たいキャストが揃っている状態だったのも個人的に嬉しかったですし、今回このご時世に観たからなのか以前と感じ方も全然変わったし、すっごく作品の魅力を感じられた観劇になりました。こんなにも『コーラスライン』を面白いと感じたことはなかったです。だから、ある意味自分にとって革命的な観劇にもなりました。苦手意識は消えて、それ以上に放心状態になるほどの感動で鳥肌が止まりませんでした。

大好きな三平果歩ちゃんヴァルをまた観れたこと、そして衝撃的なパフォーマンスで客席をどっと湧かせた宮田愛さんキャシーを観れたこと、それが何よりも大きな財産となりました。

本当に素晴らしかったです。ようやく観ることができて良かった…!

そんなわけで、あっという間の日帰り遠征でしたけど凄く楽しかったです。三平果歩ちゃんがこのまま続投するのであれば大阪公演も観たいなぁ…なんて思い始めていますが、今後のキャス変がどうなっていくのかも期待ですね。

本当に来て良かった!素敵な最高の時間をありがとうございました!

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コメント

  1. 山本純 より:

    ゆうきさんお疲れ様です。たいへん読み応えのあるレポをありがとうございました。
    まさか名古屋遠征をキメるとは思いませんでしたがw、本当に今の時代にこの作品を見られて良かったですね。
    自分は9月末の富山公演を観ましたが、その時のFBレポを貼っておきます。その時の文章に付け加える事は何も無いので。

    https://www.facebook.com/611641509/posts/10157336561301510/?d=n

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