2024年5月28日~6月2日 劇団四季『ゴースト&レディ』




ゴースト&レディ
この記事は約26分で読めます。
ゆうき
ゆうき

たくさん観劇してきました!

日時:2024年5月28日ソワレ公演、30日マチネ公演、31日マチネ公演、6月1日マチネ公演、2日マチネ公演
場所:四季劇場[秋]




はじめに

1週間ずつキャスト交替していくのかなと思いきや岡村美南さん続投だったので行ってきました!

怒涛の観劇週間(そして別件で内田有紀さんのイベントのほうにも参加するなど…)で毎日推し活状態だったのでとてもとても幸せな日々でした。おかげさまで仕事が全然進まず非常にヤバい状態なんですけど、休日に取り返そうと思います。

今週は結構観劇したので大ボリュームですが、良かったらぜひ最後までご覧ください~!

総評

開幕4週目に入り、キャストの方々のお芝居も変化が出てきましたね~。この時期が一番楽しい。どんどん変化していくお芝居、初期の頃ならではの初々しさのあるお芝居、色んなものがごちゃごちゃとしていますけど、変わっていくのを目の当たりにできる瞬間のワクワク感はたまらないです。

今回は色んなことを考えながら観劇していました。特に、志音ちゃんフローと萩原さんグレイがなんでこんなにしっくり来るのかとか、岡村さんデオンについてなど。漫画原作の舞台化って、キャスティングが本当に大事だな…と改めて感じたんですよ。特に最近は漫画原作の実写化について色々と大きなニュースにもなっているから、世間の人たちにとってもかなり敏感な話題だと思います。原作ファンの人たちから観たときに、四季の『ゴースト&レディ』はどう映るのかも気になるし、キャストのお芝居や雰囲気はどうかな?っていうのも凄く気になるしね。

一応毎日Twitterで「岡村美南」でパブサはしてますが、ひとまず四季ファンの方からも原作ファンの方からも岡村さんデオンは好評で嬉しいです。原作のデオンとは設定も違うから、イメージが違うと感じる方もいるかもしれませんけど、四季版ゴスレとしては岡村さんデオンはまず間違いなくハマり役だなと感じています。なんならもう岡村さんのためのキャラクターといってもいいくらい、岡村さんにピッタリだな~と再認識した1週間でした。

そして志音ちゃんフローと萩原さんグレイも好評で、皆さんの感想読んでても共感しまくりなので、皆さん感じていることが一緒でホッとしました。

まず志音ちゃんフローなんですけど、なんでこんなに凄いんだろう…って考えても言語化するのが難しいんですよ。観るたびに引き込まれるの、とにかく。まさにグレイをはじめ登場人物たちがフローに魅了されるのとまったく同じように、私も志音ちゃんフローに魅了されるんです。特に、志音ちゃんの歌声は人を引き付ける力を持っているんだよね。なんでだろう…と感じたときに、「生命力」という言葉が浮かんで個人的にとてもしっくり来ました。

志音ちゃんフローの歌声って生命力を感じるんです。心が震えて感情が揺れ動く瞬間って、「生きてるなぁ」と感じるじゃないですか。志音ちゃんフローのパワフルな歌声を聴くと心に響いて感情が揺さぶられて、なぜだか生きる希望が湧いてくるんですよね。それってフローを演じるうえで非常に重要なポイントだと思うし、フローがみんなにとっての希望の存在であることの説得力がとても感じられました。だから志音ちゃんフローは凄いんだなと思ったんです。

原作のフローは巨大な生霊を抱えていて、最終対決はフローの巨大な生霊によってジョン・ホールが圧倒されるという描写でフローの強さを表現していました。四季版ではフローに生霊が現れるシーンはありませんが、終盤のホールとの対決のなかでフローがハイトーンボイスで「心の羅針盤~」を高らかに歌い上げる瞬間に、まさに志音ちゃんフローの背後に原作で描かれていたような巨大な生霊が見えた気がしたんです。歌の力でフローの圧倒的な強さを表現するのは舞台ならではの表現で凄く好きなんですけど、志音ちゃんフローが圧倒的な歌唱力で「強さ」を提示するのが本当に凄いなと感じました。

それだけじゃなく、志音ちゃんフローは強さと同時に脆さも持っている「諸刃の剣」なのが非常に好きです。周りの人たちのことを気にかけながらも一人でどんどん突き進んでしまう孤高の存在であり、同時に強すぎるからこそ自分の支え方をまったく知らない脆さを持っているように感じます。なので、アレックスに「きっと大丈夫、君は一人でも」と言われたときにフローもようやく自分の弱さや脆さに気づいたんだなと納得しました。

なんかの作品で「本当に強いのは負けたことがある人だ」みたいなセリフを言っていたのを聞いたことがあるんですけど、フローはこれまで幾度となく困難を乗り越えてきた人なので、本当の意味での「絶望」を知らなかったんだろうなと思います。絶望したなんてフローは何度も言うけど、正直どれも乗り越えられる程度の絶望だったわけで。

がむしゃらに頑張ってきたのに、気付いたときには周りに誰もいない孤独な状態。ようやく本当の弱さを知る、という悲しみや寂しさの滲んだ絶望の演技は、志音ちゃんフローが本当に上手に表現されているなと思いました。

そしてそんな自分の脆さを知ったフローのそばにいてくれたのが、グレイ。萩原さんグレイは非常に包容力を感じられる温かいグレイでした。なので、志音ちゃんフローを優しく包み込んで支えてくれるような存在として、とても説得力を感じられました。逆に、萩原さんグレイはどこか消えてしまいそうな儚さを持っていて、志音ちゃんフローの真っ直ぐで揺るぎない強さがそんな萩原さんグレイを支えてくれるということに、とても説得力がありました。

お互いに強さと弱さを補い合える存在。「この人がいるから強くなれる」ということに説得力のあるグレフロの組み合わせでした。志音ちゃんフローと萩原さんグレイ、チグハグなようで実はとても似ているんですよね。観れば観るほど、志音ちゃんフローも萩原さんグレイもお互いに「この人しかいない」と感じさせるような運命的なものがあって、関係性の説得力が凄い。ホンモノのグレフロだ……としか言えなくて。この2人をキャスティングした人、マジで天才だと思いました。

グレフロについては色々と考えながら観劇していましたが、今回自分なりに感じたこととしては、フローが天国へと旅立つときに持って行くあのランプ、そして最後にフローが去っていくグレイを見届けるときに天井から降りてくる数多のランプたち。あれって、グレイが最後に歌い上げる「瞬く星、夜空にある限り」の部分の「瞬く星」なのかなぁ…なんて思ったんです。

フローがいるのは天国。天国をどのように解釈するかは人それぞれだと思いますが、空ですよね、きっと。亡くなった人はお星さまになるなんて話もありますけど、あのランプたちが灯す光は夜空に瞬く星となって生きる人たちに届いているのかなと感じました。人の命が星や光となって輝く、という概念ってそれこそ劇団四季のオリジナルミュージカルの「夢から醒めた夢」とか「ロボット・イン・ザ・ガーデン」とかでも出てきますよね。だから本作でもそのように解釈しても違和感はないのかなと思いました。

それに星の光って、地上からでも見えるじゃないですか。要は、ランプを通じてフローとグレイは離れていても心が繋がっているということの表現なのかなって。

ランプがフローとグレイを繋ぐ絆や愛の証であるように、ラストで降りてくる数多のランプもきっと誰かと誰かの絆や愛の証なのかもしれない。そして、星となって地上にいる人たちを明るく照らしながら、空から見守ってくれている。そう感じたら、フローがいるあの場所はとても温かい光に包まれているなぁ…と思いました。グレイがたとえ天国に行けなくても、地獄に落ちたとしても、地上を彷徨い続けることになったとしても、ランプの灯りがある限り、フローとは決して心は離れないんだと思えたらある意味ハッピーエンドじゃないか…ってね。あくまで私の個人的な解釈ですけどね。

ラストのグレフロの結末については本当に色んな解釈があっていいと思います。グレイが客席を降りたっていうのも原作とは違う結末を意味しているかもしれないしね。結末は観る人たちに委ねられるっていうのがまたこの作品の素敵なところだと思いました。

あと、これは俳優さん関係なくなんだけど、フローが作中においてどれほどの偉人だったかを示すうえでフロー以外のキャラクターたちの配置が完璧だな~と感じたんです。フローに憧れるエイミーもそうだし、フローによって命を吹き返したボブもそうだし、なんやかんや言いつつもフローの功績を認めてくれたアレックスもそうだし…。この3人は長生きしてフローの最期を看取ってくれました。

特にアレックスとエイミーは結婚という普通の幸せを掴むために、フローから離れていきます。「女性が守るのは家庭だ」とアレックスは冒頭でフローに言いますけど、戦地に自ら赴くフローと結婚して普通の幸せを手に入れるエイミーの対比はあの時代におけるフローの突き進む道の特異さを表しているようで良いなと思いました。オリキャラなりにちゃんと役割があるっていうのがやっと理解できて、唐突に2人が結婚することにもそこまで違和感を抱かなくなったので良かったです(笑)

でも個人的には、メンジーズとフィッツジェラルドの配置がいいなと思ったんです。メンジーズは最初こそ看護婦を追い返そうとしていましたが、次第に看護婦たちの働きを認めてくれるようになり、フローがデオンの剣に倒れたときはボブや他の看護婦たちと一緒にフローのもとに駆け付けてくれていました。このメンバーのなかにメンジーズがいるのとても良いなと思って。フローに大きく心を動かされた証拠だと思うし、特にセリフがあるわけじゃないけどこのメンジーズの行動だけでフローに対する尊敬の念が感じられて好きな瞬間でした。

フィッツジェラルドも原作では最後までホールの忠誠な部下として描かれていましたが、四季版ゴスレではホールに不満を抱きつつ、一方でフローに対しては尊敬の気持ちがあるキャラクターになっています。ホールの前では「あの女」とかそういう言い方をしていましたけど、彼女と2人きりになったときに放つ「ミス・ナイチンゲール」の呼び方はフローへの敬愛を感じられました。ホールを裏切るっていうのも原作との大きな違いですが、フローの存在がフィッツジェラルドを正しい道へと戻してくれたっていうのが感じられるので、フローの偉大さが強調されるような改変で個人的にはとても好きでした。

あと、原作よりも四季版ゴスレのほうがグレイはフローにゾッコンな感じがするのも可愛くて…。四季版はグレフロの愛がかなり強まった印象があり、これは好みが分かれるところかもしれませんけど、私としては凄く好きなんですね。そのうえで、グレイが作中で唯一フローに贈ることができたランプをまるで自分の身代わりとでもいうように、フローに対して「ランプ、持っていけよ」「ランプ、忘れんなよ」「お前にはこれが似合ってる」ってランプを持って行くことを促す描写が多いのがめっちゃくちゃ好きなんです。

グレイにとって、ランプはフローを明るく照らしてくれる道しるべのようなものなのかなと思って。グレイがフローのためにしてやれることは少ない中で、唯一ランプはプレゼントできて。彼女のそばにいてやれないときでも、ランプが守ってくれる。彼女を温めてくれる。彼女のそばにいたい・彼女を守りたい彼なりの愛情表現の一つでもあるのかな~と深読みしていますけど、とにかく何度も何度もランプを持って行くことを促すグレイが本当に可愛くて好きです。独占欲とはまた違うけど、自分が彼女のために選んできたものを持っていてほしいと思う気持ちが、あまりにもピュアで可愛くてたまんなかったです。

グレフロ尊い…。でも、グレフロが大好きなのは大前提としたうえで、私はグレデオにも萌えてるので節操ないです(笑)だって演じているのが萩原さんと岡村さんっていう私の大好きな組み合わせなもんでね。もちろん、グレデオは恋愛感情なしで公式基準の関係性に萌えているんですけどね。

そういえば、今週の萩原さんグレイはデオンと相討ちになるときに言う「俺は信じたいものを信じた!」のセリフの言い方が若干変わっていました。以前は叫ぶように語気を強めて言っていましたが、今週は「俺は、信じたいものを信じた…」みたいなニュアンスで言っていたんです。どっちの言い方も好きなんですが、息も絶え絶えに言う感じのほうが、その後デオンが言う息も絶え絶えの「僕の最期は~」と同じバランスになって個人的に好きなんです。どっちも命懸けで戦ったんだなと感じられて。

そして何度観てもグレデオの背中合わせがめちゃくちゃ好きです。やっと2人が「戦友」になったような…、対立していた2人が最後に仲間になる少年ジャンプのような展開は激アツですね。別にグレイとデオンは仲間になったわけじゃないですけど、フローという存在を通して2人の想いが重なったっていう感じなのかな。

デオンは生前のグレイを知っているわけなので、大昔に女に裏切られて絶望していた彼が今ではフローをどこまでも信じ、自分の命を懸けて守り抜いたという事実に打ちのめされたんだと思います。それほどまでにフローという存在は偉大なのかとデオンも身をもって実感しただろうし、そんなフローに魅了されたグレイに殺されるのもまあ悪くないか…っていう意味での「僕の最期は~」なんだろうな、と思いました。グレデオ、出会い方が違っていたら絶対に良い友達になれたよきっと…。

それに、グレイとデオンは作中唯一のゴーストなので、本来なら分かり合える存在なんだと思います。背中合わせのシーンって、グレイとデオンがお互いの「重み」を実感できているわけじゃないですか。人間のものには触れられないゴーストは、ゴーストが相手なら重みを実感できるんだなと思ったら凄くグッと来るものがありました。

前回のブログにも書いたけど、背中合わせって「最大級の信頼の証」という意味もあるらしくて。デオンがグレイに全体重をかけるように背中を預けるのはもちろん瀕死状態だからっていうのもあるけど、グレイに寄り掛かることでやっと自分の肩の荷を下ろせた意味合いもあるのかなと思いました。ずっと一人で己の宿命を背負いながら孤独に生きてきたデオンが、最期にやっと誰かを頼れたっていうね。その相手が天使を信じたグレイだったから、デオンも安心できたというか…。互いに生前から知っている仲で、決闘士としての宿命を背負いながらゴーストとして彷徨ってきた2人だからこそ、最期にようやく分かり合えた瞬間がまさにあの背中合わせなのかな~と思いながら、いつも感慨深く観ていました。もうね、グレデオを語るにはあの背中合わせのシーンだけで十分なんです。原作にはないシーンですけど、私が一番好きなシーンです。あんな素敵なシーンを入れてくれて、本当にありがとうございました。

そして岡村美南さんデオンについてですが、いやもうかっこよかったね。観るたびに悪役が様になっていくんです。声はだんだん低く邪悪になっていくし、女デオンと男デオンとで声色を使い分けているのも器用だし、何より殺陣のスピードがどんどん速くなっていくの。岡村さんのことは長く観てきたつもりですけど、こんなにアクションができる俳優さんだとは思っていませんでした。だから毎回衝撃を受けています。

グレイもそうなんですけど、デオンも演技力や歌唱力のほかに殺陣とワイヤーのアクションスキルが求められるじゃないですか。ここで女性が~男性が~という話をするのはあまり良くないかもしれませんが(デオンも嫌がるだろうな)、女性にここまでアクションを求める作品って四季のラインナップだとないですよね…。「リトルマーメイド」のフライングだったり、「アナと雪の女王」のアナのアクロバティックだったり、確かに女性にも高度なスキルが求められる役はあることはあるんだけど、デオンはそれとはまた別ベクトルのえぐさがあるんですよね。

だってデオンはグレイよりも戦闘能力が高い設定なので、グレイ以上の殺陣スキルが求められるんだろうしさ。そしてそれを見事に演じ切る岡村美南さんが本当にすげえやと毎回ビックリしているし感動しています。あれほどのスピードでグレイ相手に容赦なく互角以上に殺陣ができるので、「凄腕の騎士」としての説得力が感じられるし、そりゃもう観客全員がデオンに魅了されますよね。大変そうな顔も一切見せず、涼しい顔して華麗に殺陣をやるところが大変かっこいいです。デオンというキャラクターにとても説得力が感じられました。

デオンという役を演じるために岡村美南さんは四季に入ったんじゃないかと思うくらいのハマり役。岡村さんが四季にいなかったら、四季が岡村さんを手放していたら、こんな巡りあわせはなかったですもんね。本当に魅了されました。かっこよすぎてさ。

そして岡村さんデオンの何が凄いって、殺陣において迷いがないところなんです。デオンが扱うのはスモールソードという剣らしくて、非常に細い剣です。万が一当たってもケガのないように、先端はちょっと丸いクッションのような感じになっていました。だからなのかもしれないけど、岡村さんデオンはとにかく容赦なく殺陣をやりますね。相手に当たっても構わないとでもいうように、グレイに対しても容赦なく剣を突き刺していて凄い迫力でした。

そもそも殺陣ってそういうものなんでしょうけど、岡村さんデオンの殺陣は非常にリアリティがあって好きです。お芝居だからって遠慮することも当たらないように気を付けることもしない、しないというかそう見せない。私は殺陣アクションに定評のある劇団☆新感線の舞台をよく観るんですけど、新感線の殺陣とも遜色なく、レベルの高い殺陣のアクションだな~と思いながら感動していました。

終盤でホールに「次はしくじるな!」と言われた直後に、ブチギレてデオンがホールの首に向かってスモールソードを振りかざすんですが、ここでも岡村さんデオンは容赦なく振りかざし、ホールの首に当たる直前でピタッと寸止めするんです。これも凄いなと思って…。勢いがあるから反動で首に当たったりしちゃいそうなものですが、マジでピタッと止めるんですよ。萩原さんグレイがフローの首に向かって剣を振りかざすときは、当たらないようにフローの首に近づくにつれて剣のスピードを緩めるんですね。一方で岡村さんデオンはホールに対して容赦なくて、全然スピードを緩めないんです。いつか勢い余ってホールの首ちょん斬るかもしれませんが(笑)、迷いのない剣捌きは本当に凄いなと思っています。

他にもデオンについては分かってきたことが色々あって、知れば知るほどデオンのことが好きになってます。他作品に登場するヴィランと違って、死に方もかっこいいじゃないですか。かっこいいというか、華々しく散ったなぁ…と感じる、まさにデオンらしい最期がしっかり用意されていて、ヴィランとしては非常に好待遇ですよね。

デオンは権力や名声を得るためにフローを狙うんじゃなくて、自分にふさわしい最期を飾るためにフローを狙います。そもそものゴールが「死ぬこと」なのが、他作品のヴィランと違うじゃないですか。「自分が美しく死ぬために戦う」ってなんかめちゃくちゃかっこいいヴィランじゃありません?「どのように死ぬか」がデオンのテーマの一つでもあるから、最期の瞬間にしっかり焦点が当てられて、ちゃんとした死に場所と最期のセリフが用意されているのが凄くありがたいです。グレイと一緒に消えるっていうのもね、デオンは今度こそ孤独に死んでいかずに済んだんだなって思えてさ。

なので、デオンは凄くかっこいい悪役のままで退場できるのが好きです。他作品のヴィランはあっけなく成敗されることが多いので。改めて岡村さんにこんなかっこいい悪役が巡ってきたの運命でしかないなと思いました。本当にありがとう…。ずっと四季にいてくれたから今こんなかっこよすぎるデオンを観られていますよ…。ありがとう…。

この1週間はとにかくグレフロの尊さとデオンのかっこよさにただただ心が満たされていました。観れば観るほどこの作品のことが好きになるし、マジで沼だよ。抜け出せないわ。

東京公演、岡村さんがデオンを演じてくださることに感謝をしながら通えるだけ通いたいです。しっかり目に焼き付けて、脳で心で覚えておきたいなと思いました。

5月28日(火)ソワレ公演

1階8列センターからの観劇でした。俳優さんの表情も観やすくて、全体も観やすい席で良かったです。

そして週明けということもあって俳優さんたちのコンディションが最高潮。何より、先週からお芝居の雰囲気に変化も出てきてブラッシュアップされているのを感じました。特に志音ちゃんフローのお芝居は凄く柔らかくなっていて、優しさと温かさが増したフローになっていました。岡村さんデオンは声がより一層低くなって、めちゃくちゃかっこよさが増して軽率に「恋」でした……。

なんだろうね、土曜日ぶりの観劇だったからか岡村さんデオンの声のかっこよさにとにかく衝撃を受けたんです。邪悪っぽさが増してヴィランとしての説得力が増していました。しかも声量が凄くて、1人だけマイク3つついてます…???って感じの迫力でした(笑)

俳優さんたちのコンディションは絶好調だった一方で、2幕のグレイの回想シーンで上手から登場する幕が下手側に広がらず、ワイヤーだけが下手側にブチィィィッて飛んでいくというハプニングがありました。このシーンで幕が上手く広がらないハプニングは結構頻発しているらしく、今回は幕が広がらないのが分かってすぐにスタッフさんたちが小さい幕を棒にくくりつけて代用する形で対応していました。

このミスをカバーする対応がかなり迅速で、滞りなくスムーズに芝居が続行したのが凄かったですねぇ…。四季ちゃんのハプニング時の迅速な対応はさすがです。ただ、幕が通常時より一回り小さいので、左右のアンサンブルさんたちの出入りは客側に見える形にはなってしまいました。ま、仕方ないね…!

5月30日(木)マチネ公演

1階6列センターからの観劇でした。この日は私にとって岡村美南さんを初めて舞台で観た日から14周年という記念日でもあったので、岡村さんを観られて嬉しかったです。ちなみに14年前に観たのは『55steps』宇都宮公演で、岡村さんは当時ダンスパートでの出演でした。

この日は入場時のシステムエラーでQRが読み込めず、スタッフさんたちが席番を確認して手書きで対応する形での入場となりました。スタッフさんたちも大変だぁ……。

前方席の下手寄り久しぶりに座ったんですけど、観やすいことは観やすいんですがデオンを堪能するには意外と上手寄りのほうがいいのかも…?という気付きを得た観劇でもありました。作中でグレイとデオンが対峙するとき、デオンが上手側奥のほうにいてグレイが下手側の手前にいるという構図が多いので、上手側からのほうが2人の対峙をバランス良く観れるんですよね。カテコは下手のほうが岡村さんを堪能できるんですけどねぇ…。なかなかどの席で観るのが一番デオンを堪能できるかは自分のなかで定まっていないです。

ただ、この席から観るラストのグレフロのシーンは最高でした。とにかく萩原さんグレイの表情があまりにも良すぎてね…。必死に泣くのをこらえるように泣き笑いの表情をしていて、目も唇も震えていて、それでいてフローへの揺るぎない信頼と愛情を感じられる柔らかい笑顔をしていて…とにかく凄く良かったんです。唇を震わせながらフローとキスする萩原さんグレイの表情はもう絶対に忘れたくないです。まさに原作で最後にグレイが見せた笑顔そのものでした。本当に志音ちゃんフロー×萩原さんグレイの組み合わせ最高だなぁ…と実感した観劇になりました。

5月31日(金)マチネ公演

1階5列センターからの観劇でした。ドセン寄りの上手側だったんですけど、これくらいの位置が一番デオンを堪能するにはいいかも!?となりました。デオンは生前は上手側にいるし、グレイとの対峙シーンはさっきも書いたように上手側からのほうがバランス良く見えるし…ということで、中央寄りのやや上手センターくらいのほうが一番いいかもというのが今のところの個人的ベスト席です。

志音ちゃんフローのカツラ、この日はサイドの髪の毛が外ハネしていたんですね。クリスマスのシーンで平田さんボブと話していた志音ちゃんフローが外ハネした髪の毛を持って左右に広げるようにしていて、それが凄く可愛かったです(笑)もしかしたら平田さんボブに髪の毛ハネてるよって言われたのかな~なんて。こういうお茶目なところ、フローというより志音ちゃんらしいな~と思った瞬間でした。

で、この日は2幕中盤までほぼミスやハプニングなしでイイ感じに進んでいたんですけど、2幕終盤で怒涛のハプニングが起こってヒヤヒヤが止まりませんでした…。まず、クリミアに到着してからの吹雪のシーンで、誰かのマイクがずっと入っているような気配がしたんですね。それに気づいたのはフローとフィッツジェラルドの対峙シーンだったので、おそらくその直前までステージに立っていたアンサンブルのどなたかのマイクだと思うんです。

舞台袖に捌けてからもマイクがオンになったままぽくて、カチャカチャ金具の音が響くし、しまいにはグレイとデオンの対峙シーンでシュッシュッとスプレーを噴射する音まで聞こえてきちゃって、全然芝居に集中できませんでした(笑)スプレーの噴射音はさすがに勘弁してくれ(笑)

マイクが入ったままのハプニングは過去にも何度か遭遇していますが、スプレー噴射音は初めて聞きましたね。まあでもこの噴射音でようやくスタッフさんも気付いたのか、それ以降はマイク切られたっぽかったので良かったです。

そしてグレイとデオンが捌けた直後にフローとホールが対峙しながらホールが歌い始めるんですけど、音楽が鳴っても万寿夫さんホールが全然歌わないのでもしかしてマイクトラブル!?とヒヤッとしたんですけど、こっちは多分万寿夫さんがただただ歌詞ド忘れしちゃったっぽいんですよね…。

2幕終盤怒涛のハプニングで全然集中できなかった観劇になりました。でも、その後の志音ちゃんフローのパワフルな歌声で持ち直し、グレフロの別れのシーンでは涙腺やられたので、最後にはしっかり物語に没入する形で終えられたので良かったです…。でもこの日の観劇は別の意味で一生忘れられそうにないな(笑)

6月1日(土)マチネ公演

1階6列センターでの観劇でした。マチソワしたかったのですが、この日は夜に内田有紀さんが出演するテレビ番組の放送があったのでソワレの観劇は見送り…(笑)

席としては非常に近くて見やすい席なんですけど、今回は前方にめっちゃ座高の高い男性が座っていて結構視界を遮られてしまいました。実際、この作品は男性客も凄く多いですし、男性客をターゲットにするという四季の目的はわりと成功していると思うんですよね。ただね、やっぱり体格差があるからさ~、せっかく高いお金を払って観劇しに行ってもステージが見えなかったら悲しいよね……っていう。色々と複雑な気持ちになった観劇でもありました(笑)

この日は小道具まわりでちょっとしたプチハプニングみたいなものもあり、俳優さんたちが上手く対処しながらお芝居を続けられていたのでさすがでした。

たとえば、1幕冒頭のフローの家のシーン。アレックスがフローのお姉さんから紅茶を受け取った際に、カップがお皿のうえで倒れてしまって。寺元さんアレックスが紅茶をこぼしちゃったていでお芝居をされていて、膝にかかった紅茶を拭き取るような仕草などもしていました。アレックスの両サイドに座る近藤きららさんフローママも持田紗希さんフローお姉さんも、同じようにアレックスの膝にこぼれた紅茶を拭うような感じでアドリブのお芝居をしていて、さすがだな~と思いました。自然に対処するところはさすがプロです。

2幕のグレイ回想シーン終わりに、グレイがジャケットを羽織るところは上手くジャケットが広がらず、萩原さんがいったん着るのを諦めて「気付いたら劇場に座ってた、ゴーストになって」みたいなセリフを先に行ってから落ち着いてジャケットを着て着席していました。セリフ待ち状態になっちゃうから、先にセリフを言って物語を進行させる判断を瞬時にしたのさすがだな~と思いました。

『ゴースト&レディ』はちょこちょこハプニングが起こりますが、毎回のようにとても自然に落ち着いて対処されているので本当に凄いです。こちらもハラハラせずに舞台に集中できるし、改めて四季のプロ意識の高さを感じた1週間でもありました。

で、この日はカテコの萩原さんと岡村さんが可愛くて(笑)手を振らないタイミングのときに手を振りそうになった萩原さんがパッと手を下したんです。で、隣にいた岡村さんがその瞬間を目撃していて、萩原さんをニヤッと見たんですよ。その後下手に捌けていくときに岡村さんが後ろを歩く萩原さんを振り返るようにしながら2人で笑って捌けて行って、それがもうあまりにも可愛すぎてキュンとなりました。

もうこの関係性が、デオンに弱みを握られたグレイの構図すぎて面白かったです。岡村さん、先輩に対してもこういうところあるからな~(笑)萩原さんと仲良しなのも可愛いし、私自身この2人の絡みが死ぬほど好きなので大興奮でした。ただね、萩原さんのこと笑ってたけど岡村さんもしょっちゅうカテコの段取り間違ってるから人のこと笑ってる場合じゃないぞ!とは思いました(笑)

6月2日(日)マチネ公演

1階最前列センターからの観劇でした。しっかりと目に焼き付けてきました。秋劇場はステージとの距離がめちゃくちゃ近くて、ステージ前方に俳優さんが来るときはかなり見上げるような形でしたが、もう大迫力。とにかく凄かったです。解像度が一気に上がりました。

クリスマスのシーンでは、フローとエイミーが後ろのほうでわちゃわちゃしているのでいつも観ているんですが、今回は長尾さんラッセルが持ってる手帳を2人で覗いては「よく分かんないねー」みたいな感じで首をかしげながら笑ってました。可愛すぎる……。

中盤のゴーストナンバーでは、ゴーストのマスクをかぶったアンサンブルさんのマスクが取れかけちゃって、必死にマスクをかぶり直そうとしながら踊ってて内心ヒヤヒヤしました。今週は本当に色々ありますな~~~。

2幕冒頭、グレイに「マダーム・デオン!」と言われたときにデオンが振り返ると同時に剣を抜いて振りかざすシーンがあるんですけど、今回は岡村さんデオンが剣を上手く抜けなくて、シャキーンという効果音だけが鳴っちゃったんですね。でも岡村さんデオンは焦って剣をサッと抜くのではなく、ゆっくり抜いてじっくりとグレイに剣を振りかざすという形でアドリブ対応しました。これが逆にかっこよくて、個人的にかなりファインプレーだなと思いました。

もちろんサッとスピード感のある剣の振りかざしをしたほうが「凄腕の騎士」として鋭さを感じるんだけど、ゆっくり抜いて振りかざしたことによって強者感が増したんですよねぇ…。完全に岡村さんデオンにとって「剣が手に馴染んだ」動きだったな~と思いました!そもそも岡村さんデオン、殺陣のスピードが日に日に速くなっていてすげえんですよ…。かっこよすぎです、姐さん…。

今回の席はまさにドセン近くの上手センターなので、個人的ベスポジ。もうデオンを堪能するには最高の席でした。私、生前デオンがめちゃくちゃ好きなんですけど、ちょうど倒れたグレイを踏みつけるシーンが目の前だったので死ぬかと思いました。かっこよすぎて…。下から照明を浴びた岡村さんデオンの邪悪すぎる顔が本当に良すぎてゾクゾクしました。もう一生の悔いはありません。

そしてラストのグレフロのシーンを堪能するにも最高の席でした。やっぱりドセン付近から観るラストシーンは画角が綺麗ですね。青空をバックに愛と別れを告げる2人が本当に美しくて素敵でした。

志音ちゃんフロー、エイミーたちが去っていくシーンも泣いていたけど、ここでも涙を流していて…。左目から流れた涙が顎を伝って下に落ちていって、もうそれだけで情緒が死んだんですけどね。「俺が惚れてんのはフロー、お前だけだ」って言った萩原さんグレイが泣き笑いをしながら体を震わせていてその姿にも泣いたし、その後の志音ちゃんフローの表情でも泣きました。

グレイからランプを手渡された志音ちゃんフローが、寂しさを湛えた表情でランプをじっと見つめるんです。それから顔を上げてグレイを見る志音ちゃんフローは、もう覚悟が決まったような決意をしたような表情をしていて…。あ、グレイと二度と会えないってフローも分かっているんだ、と思いました。そのうえで、「私、待っていますね。いつまでも」と言う志音ちゃんフローの表情にやられました。

この揺るぎない真っ直ぐな瞳…ああ、したたかでたくましい生前の志音ちゃんフローそのものだと思いました。でも同時に、グレイのことを愛しているからこそ彼をただ信じて待ち続けるという、フローならではの愛情表現も感じられて、凄く良かったです。「信じたいものを信じる」というグレイの言葉をまさに体現しているようで。もう会えないと分かっていても、グレイを待ち続ける。もう特大の愛じゃないですか……。志音ちゃんフローの真っ直ぐで揺るぎない瞳と、愛情の深さを感じられたあの表情は忘れられないです。

そして、萩原さんグレイ。開幕2週目で突然キャス変があり、それ以降ずっと続投されていましたけど相当お疲れなようで、正直こんな萩原さんは観たことがありませんでした。もう声が枯れて出ないというか、音程も合わなくて苦しそうに歌っていた印象があります。それで、今回ばかりは四季も終演まで駆け抜けるためにおそらく最終手段を使いましたね…。いやもう致し方ないと思います…。分かる人には分かっちゃうだろうけど、それでも声が出ずに歌えないとかよりはいいんじゃないかな…。

でも、最後のフローとのシーン、そしてラストに劇場で一人残って歌うナンバーは萩原さんが最後のありったけの力を振り絞って歌われていて、もうそれだけで胸がいっぱいでした。声が掠れながらも最後にもうひと踏ん張りして全力を出し切って駆け抜けた萩原さんグレイに、ただただ拍手を送る以外ありませんでした。最後の「きずーなーーー!」のところなんか絶唱に近くて…。すべてを出し切られたな、と思いました。最後まで役者として舞台に立ち続けた。その事実はまさに「あっぱれな舞台俳優だった!」としか言いようがありません。

正直、フローもグレイもほぼ出ずっぱりだし歌うし、グレイに関してはアクションもあるし、連投はかなりきついと思うんですよね。萩原さん先週もお疲れなご様子だったし、本当にゆっくり休んでほしい…。フローとグレイはなんならカジモド方式での1公演ごとに交代か、1週間交代などのローテーションが必要なんじゃないかな…。志音ちゃんは喉強いですけど、それでもやっぱりね…。

今回は近藤きららさんもヴィクトリア女王のナンバーかなりおつらそうでしたし、皆さん結構疲労困憊な印象はありました。岡村さんデオンはめちゃくちゃ元気でしたけど(笑)この作品、本当にハードですからね…。最後まで駆け抜けてくださり、こんなに素敵な公演に仕上げてくださり、ただただ感謝しかありません。本当にありがとうございました!

この日の観劇は一生忘れないと思います。最高の席でしっかりと目に焼き付けてきました。週の最後にこんな素敵な観劇ができて幸せでした!

まとめ

久々にたくさん観劇できて充実した1週間でした。水曜日も土曜ソワレも行こうと思えば行けたのですが、別の推し活もあったのでセーブしました(笑)

回数を重ねていくごとにどんどん作品への理解が深まっていって、観るのがとても楽しかったです。今週はハプニングやら色々あってヒヤヒヤすることも多かったですが、何はともあれ無事に駆け抜けられて一安心。どうか俳優さんたちもゆっくりお休みできることを祈ります。

そして、フォロワーさんにお声がけいただき、デオンの巾着を譲っていただきました…!!!

嬉しい~!!!シークレット全8種とかになるともう自引きするの無理だな…となって諦めていたので、こんな素敵なご縁をいただけて感謝しかないです…。ありがとうございました!

今週は観劇を楽しんだ分、仕事が山積みでヤバいのでしばらくお休み週間です。そして志音ちゃんも萩原さんもお休みに入られたので安心しました…。岡村さんは元気いっぱいだったけどお休みに入りましたね(笑)皆さんどうかゆっくり休んでまた元気なお姿で劇場でお会いできる日を楽しみにしています!

ということで、長くなりましたが最後まで読んでくださりありがとうございました!

2

コメント

タイトルとURLをコピーしました