2021年8月22日マチネ 劇団四季『オペラ座の怪人』




オペラ座の怪人
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キャストの感想

キャストの感想です!

オペラ座の怪人:佐野正幸

6月以来の佐野さんファントムです。飯田洋輔さんファントムにガッツリ心を掴まれてしまって、しばらくはお兄ちゃんばかり観ていたのでかなり久しぶりに観た気がしました。洋輔さんファントムが若いのもあるし子供みたいな一面があるからか、久々に観る佐野さんファントムはとても大人で落ち着いている印象でした。

洋輔さんファントムは本当に感情表現が稚拙で全部吐き出しちゃわないとダメな感じがするし自分で自分を制御できないような未熟な部分もあるなぁ…って個人的に思っているのですが、佐野さんファントムはその辺も大人なので自分で自分を制御できるし、かなり俯瞰的に物事を見つめられる頭の良さが際立つファントムだなと思いました。だから全然タイプが違うように感じられて面白かったです。

また、芸術性についても洋輔さんファントムが情熱的なら、佐野さんファントムは理性的。すっごく頭が良くて真面目で勤勉な優等生タイプに思えました。クリスティーヌが自分の思うがままに美しい歌声を奏でると物凄く嬉しそうで、自分の芸術を誰かと分かち合える悦び、そして自分の才能についてこれるクリスティーヌへの愛しさ、孤独だからこそ得られる幸福感を全身で噛み締めていたように感じました。

本当に天才的で、彼があんな容姿でなければハーバード大学とジュリアード音楽院を首席で卒業していてもおかしくないと思います。それくらい佐野さんファントムの知的さと落ち着きはエリート感を醸し出していました。

そんな冷静沈着な佐野さんファントムが、PONRでクリスティーヌに愛を告白するときに情熱的に歌い上げていたのがとても印象的でした。2幕に行くにつれてどんどん佐野さんファントムの落ち着きがなくなっていって過激になっていく感じが凄く良くて、理性を失ってどんどん心を蝕まれていって、本当の「怪人」になっていってしまうような…。

2幕でクリスティーヌを地下室に連れてきて、自分の憐れむような過去を歌いながら「哀れみはいらぬ!」と叫ぶように歌ったのも印象的でした。この人は相当プライドが高くて、自分が弱いことを認めるのが凄く嫌なんだろうなって思わずにはいられなかったです。

だけど最後、クリスティーヌに「I love you」を告げるときの佐野さんファントムはすっごく優しい表情をしていて、自分の弱さも認めてすべてをさらけ出した本当のファントムの姿なんだなぁ…と思いました。悪いものがすべて取り払われて綺麗さっぱりになった感じがして、クリスティーヌが去って行ってしまったあともただただ寂しそうに佇んでいたのが切なすぎました。

佐野さんファントムは終始、孤高の天才だなぁ…って感じでした。以前観たときと全然印象が変わって、すっごく大人びたファントムなんだなって思ってとても切なかったです。歪んだ英才教育を受けてきたというよりも、自分で何でも卒なくこなしてきてしまえるほどに天才だったんだろうなぁ…って。だから、初めて自分以外の誰かと自分の芸術を分かち合えたときの喜びを凄く見出していて、ファントムがいかに天才なのかを強く感じられた観劇になりました。

佐野さんの美しい歌声もたっぷり聴けて嬉しかったです。最後のほう少し高音がブレてしまった箇所もありましたが、それ以外は絶好調だったし、圧倒的貫禄で惹きつけられました。この日で早くも抜けられてしまったので、ギリギリで佐野さんファントムに再び会えて良かったです!

クリスティーヌ・ダーエ:久保佳那子

2回目の久保さんクリスティーヌ!もしかしてもう戻ってこないのか…と不安だったので、戻ってきてくださって嬉しかったです。前回初めて観たときに久保さんクリスの凄さにただただ圧倒されてしまって、こんな凄いクリスティーヌがいたんだと衝撃を受けたので、あれから自分自身も作品に対する理解度を深めた状態で再び観られて良かったです。

一言では上手く表せられないけど、本当に等身大の女性って感じですっごく心が動かされました。凄く感情移入がしやすくて、紗衣さんクリスほど異次元でもなく海沼さんクリスほど幼稚でもなく、本当にその中間のような等身大っぷり。感情を表に出すタイプではありつつ、とても聡明で可愛らしい一面もあって、とにかく不思議な魅力に包まれているクリスティーヌだなと再認識できました。

TOMでは歌い出し、怯え切って声も出ず、マダムに促されてもしばらくは怯えて声も掠れ状態だったんですけど、だんだんと滑らかになっていって声に命が芽生えていくようにイキイキとし出していったのがとても素敵でした。久保さんクリスの歌声はとても滑らかで綺麗なので、聴いていてうっとりさせられます。

AOMではメグに対して「実はね…」のオフマイク。五所さんメグとは身長も近しくて、並びがとても可愛くてキュートでした。

それから地下室に連れていかれ、自分でも出したことのないような声を出し切ったときに、驚きすぎて口を閉じることもできず喉元に手をやってずっと呼吸を必死に整えていたのがお芝居細かくて良かったです。そのあともしばらく口を開けた状態で、かなり放心状態だったのがうかがえました。同時に、ファントムが歌うと久保さんクリスは法悦な表情を浮かべてまるで夢見心地のような幸福感に包まれていて、とにかく久保さんクリスは表情が多彩で素敵だなと再認識できました。ずっと観ていたい。

また、屋上シーンでの久保さんクリスも本当に素敵でした。「あの顔…あの声…」とファントムを恐れながら歌っていたはずなのに、「あの声…」はあの声を思い出してふと別世界に意識が向いてしまったかのように目の色が変わって、だんだんと法悦な表情に変わっていったのが凄く細かかったです。でも再び恐怖に怯え、ラウルに縋りつくときの久保さんクリスのヒロインっぷりは本当にキュンとなりました

こんなにも甘ったるいAIAOYは観たことないくらい、迪さんラウルと奏でるAIAOYが本当に相思相愛で美しかったです。迪さんラウルがひざまずいて「クリスティーヌ、君がすべて」と歌い出したときに、久保さんクリスは口元に手をやって驚いたような表情をしつつ、嬉しそうに微笑んでいたのがとっても素敵でした。これはさすがにファントムも2人の間に入ることはできませんわ…。

そして「大変、もう時間だわ」もすっごくナチュラルで、幸せな時間に浸りながらも早く戻らなきゃ!という気持ちもあって、そのもどかしさにすら幸せを感じているような表情をしていて最高でした。とにかく一瞬一瞬の表情が素敵すぎるし、歌声でクリスティーヌの感情がすっごく伝わってくるのが素晴らしかったです。

2幕も見どころ満載で、ドン・ファンリハではメグに「大丈夫?」と聞かれて、不安そうな表情を隠せないまま「大丈夫」と強がっていて、一方でマダムには強がることをせずに不安げな表情を向けていました。友達のメグのことは心配させたくないという気持ちもありつつ、大人のマダムには思わず頼ってしまうところがとてもリアリティあって良かったです。

墓場も本当に綺麗な歌声。紗衣さんクリスのような浄化される歌声とはまた違って、とにかく久保さんクリスは心に訴えかけてくるような歌声で本当に聴き惚れました。パパとの決別のために覚悟を決めて歌う力強い歌声が、曲が進むごとにどんどんクレッシェンドしていくさまも美しかったです。

PONRも最高すぎましたし、アミンタ(ようやく名前覚えました)の情熱的な歌声と煽情的な表情はとてもドキドキしました。紗衣さんアミンタを観ているときのような背徳感はないんですけど、久保さんアミンタはとっても色っぽいので色気が抜群に発揮されていてたまらなかったです…。

そしてドン・ファンになりすましたファントムの仮面を剥がしたとき、口元に手をやって凄く驚いた表情をしていました。紗衣さんクリスはここキッと睨んでいて、すでにヅラであることも知っているかのような反応だったんですけど、久保さんクリスはここで初めてファントムがヅラだったと知ったような反応をしていました。ここも演者さんによってそれぞれっぽいので、凄く観ていて楽しかったです。

それから再び地下室のシーン。久保さんクリスの怒りに満ちた表情は、射抜かれたらきっと心臓が飛び跳ねてしまうんじゃないかと思うくらい強かったです。1幕であれだけファントムの歌声に酔いしれていた久保さんクリスだったし、エンジェルを凄く信じていたのが伝わってきただけに、このシーンでファントムに向ける表情は本当に悲痛さが感じられて胸がギュッとなりました。

しかし、ファントムがラウルの首を絞めていた縄を切って助けたのを見て、驚いて戸惑うというよりも先にまずラウルの元へ向かっていて、久保さんクリスはすっごくラウルを愛しているのが伝わってくるなぁ…って思いました。でもラウルの無事を確認してからはファントムにも意識が向いて、これでいいのかと体が動かなくなっちゃったような感じで立ち止まっちゃって、強引にラウルに連れていかれていました。そんな姿もまた切ない…。

そして冒頭でも書きましたが、ファントムからの「I love you」には頷いて答えながら去っていった久保さんクリス。なんて切ないんだろう…って思っちゃって、胸が苦しくなりました。想いに応えることはできなくても、ちゃんとあなたの愛は受け取るよって意味なのかな。でも応えられないけど気持ちだけは受け取るってある意味残酷すぎるよ~とも思いましたし、なんかこのときの久保さんクリスの表情がずっと今も頭をぐるぐると回っています。

ここで頷いたからこそ、ボートに乗りながら歌うAIAOYの「2人は共に」の部分でファントムを見たのって凄く意味深だなって思っちゃいました。久保さんクリスの中に永遠にファントムの存在は消えないんだろうなって感じて、めちゃくちゃしんどかったです。結果的にファントムの心が救われたのか救われなかったのかは分からないけど、でも最後に否定をされなかったっていうことはきっと幸せだったんだろうな…って。虚無だし切ないけど、ずっと否定され続けて来たファントムが最後に肯定してもらえたっていうことはすっごく幸せだっただろうなって思いました。

もうね、やっぱり久保さんクリスは凄かったです。終始凄かった…。本当に深いお芝居をされるから、観れば観るほどクリスティーヌのキャラクター性に奥深さを感じてどんどんのめり込みそうになりました。本当に素敵なお芝居でたっぷり魅了されました。再び観ることができて良かったです。最高のクリスティーヌでした!

ラウル・シャニュイ子爵:加藤迪

迪さんラウル、連投が続いていますが相変わらずの美声で疲れも特に感じさせず熱演していてさすがでした。本当に優しさでいっぱいの包容力に溢れたお兄ちゃんなラウルでした。久保さんクリスとの組み合わせで観るのは今回が2回目ですが、この2人のAIAOYは本当に幸せいっぱいな感じがして大好きです。まさに相思相愛。

そんな中で迪さんラウルにあざとさを見出してしまったのが、屋上に来てクリスティーヌが「あの顔…あの声…」とだんだん恐怖から法悦な表情に変わっていく瞬間。久保さんクリスの声の変化を聞きながら「ん?」と少し訝しげに首をかしげていたのがとてもあざとくて(?)、思わずキュンとしてしまいました。クリスティーヌの顔を覗き込むようにしながら彼女を心配して、そのままクリスティーヌが夢見心地で自分の元を離れていくのをなんとも言えない表情で見ていたのが良かったです。

そしてクリスティーヌの目を覚まさせようと必死に説得を試みるもダメで、悔しそうな表情を浮かべていたのも素敵でした。それもあって、クリスティーヌが目を覚まして自分を頼ってくれるようになった瞬間に、嬉しそうに優しく微笑んで、でも彼女を絶対に守るという固い決意を持って強く抱き締めていたのも印象的でした。今回は親戚のお兄ちゃんっていうより、ちゃんとAIAOY以降はフィアンセに見えたので、組み合わせ次第で全然印象変わるなーっていうの実感できて楽しかったです。

あと、迪さんラウル脚が長いからひざまずいたときに脚が余ってる感じがめちゃくちゃかっこよすぎました。スタイル抜群だし久保さんクリスに対しても彼女に照明が当たるようにスマートに立ち位置を意識して一歩奥に立っていたし、本当に紳士的なラウルでかっこよかったです。今回、ラストで前髪がやや乱れていたのも色っぽかったです。カテコのボロボロだけどスッキリした表情の迪さんがマジで素敵すぎて毎回ときめいています。今回も大好きな迪さんラウルを観ることができて嬉しかったです!

カルロッタ・ジュディチェルリ:高居洋子

ようやく高居洋子さんのカルロッタを観ることができました。初めましてです!パンフレットで稽古写真を見たときに背が低いのかな~って思っていたのですが、河村彩さんや辻奈々さんに比べて多少ミニマムなプリマドンナでした。そのため、ご自身より背が高いクリスティーヌのことを「チビ」呼ばわりすることに説得力がなさすぎて可愛かったです(チビってそういう意味じゃないんだろうけど)。

そして肝心の歌の部分ですが、確かに歌声は美しいのだけど声量がやや足りないかな…?1幕のオーバーチュアの終わりと共に出てきて歌うナンバー?は圧倒的声量でドーンと来れば迫力あるんですけど、そこまでドンと響く声量ではなく、かつ凄く不思議な位置でブレスも取っていたので「え、そこで切るの!?」と驚きました(笑)

これまで観てきた河村さんや辻さんが声量エグすぎたのかなとも思いますが、その2人を観続けてきたあとだから余計に声量が物足りなく感じてしまいました。5年連続プリマドンナという実績も、実力を認められてというよりは年功序列でそうなったのかな?と思ってしまう感じで、どちらかと言うとお局感。圧倒的プリマドンナとしての自信が欲しかったなーというのが正直なところです。

前に観てきた方々があまりにも自信に満ち溢れていて世界の中心は自分だとでも言うくらいのオーラを放っているだけに、高居さんカーラの落ち着きっぷりも他2人とは真逆で新鮮でした。結構控えめなカーラだったので、もっと高飛車な感じでお高くとまっていたほうが憎めない可愛さもあっていいなと個人的に思いました。

でも落ち着きがある分とても上品で、素敵な女性だったのは間違いないです。背がちっちゃくてマダム感溢れるカーラっていうのも高居さんのオリジナリティがあって素敵ですし、私的にはイル・ムーでカエル声にさせられてしまったときの怯えたお芝居が凄く好きだったので、可愛いところあるなぁ~ってニヤニヤしちゃいました。

まずは何よりようやく高居さんカーラにお目にかかれたので大満足です!比較的背が高い紗衣さんクリスと組んで、凸凹な並びも観てみたいな~って思いました(笑)

メグ・ジリー:五所真理子

マイエンジェル・五所メグちゃん!結構連投しているイメージありますけど、全然お疲れな感じもなかったですし、いつも通りすっごく可愛くて最高でした。五所さん本当に可愛くて綺麗だなぁ…って思うんですけど、一番五所さんの美しさが引き立つ衣装はイル・ムートだなと思いました。

召使いなのかどういう身分の役なのかは分からないんですけど、ああいう上品な服着た少女みたいな五所さんはマジで抜群に顔の良さが強調されるので思わずずーっと観ちゃいましたよね。とっても可愛かったです。

また、1幕冒頭でカーラが自ら降板して劇場を出て行ってしまうときに、五所さんメグがカーラに向かって「ちょっと待って!」と声をかけていたのですが、プリマドンナに対して別に敬語使う必要はないんや~なんて思いながら観ていました(笑)オフマイクだからそんな厳密じゃないのかな?

あとはこのあとの木村さんの感想のところでも書くのですが、今回はいつも以上にメグがマダムの娘としての説得力を感じられた公演でもありました。というのも木村さんマダムがしっかりメグを守っていて、五所さんメグが木村さんマダムを先生としてではなくお母さんとして慕うような瞬間があったからです。

五所さんメグは凄く落ち着いていてしっかり者の印象がありますが、一方でマダムと接するときにちょっと子供っぽい一面が垣間見えるのがキュートなんです。ドン・ファンリハではクリスティーヌをひたすら心配して、手を差し伸べて「大丈夫?」と尋ねるお姉さんみたいな瞬間もあったのですが、一方でマダムには自分自身がとても不安そうな表情を浮かべていました。

クリスティーヌを心配させないように気遣いつつ、自分も不安で怖くて仕方ないっていうのがこのシーンで感じられて、メグちゃんとってもいい子…と思いました。五所さんメグは自分以上にクリスティーヌを心配してサポートしてあげようとする心優しい女の子なので、ふとしたときに自分の弱さをマダムに吐き出したのを観てキュンとなりました。今回はジリー親子にやられましたね…。

とにかく今回も終始五所メグちゃんが可愛すぎたので大満足です。そろそろお休み入っちゃうかな…とも思いつつ、まだまだ連投されるみたいなのでまた観られたら観に行きたいと思います!

マダム・ジリー:木村智秋

かなりお久しぶりの木村さんマダム!やっぱり木村さんマダムって凄くミステリアスでクールビューティーでとても麗しかったです。前回まで集中して戸田愛子さんの慈愛に満ちたマダムを観ていたので、木村さんマダムは凄く冷たい印象を感じるところも多々ありました。

たとえばメグに言う「あなたダンサーでしょ?」とか他のバレリーナに言う「そしてあなたたち、今夜のダンスは全然ダメ!」とか、言い放つ感じの冷たさがあるのでかなり怖い先生だなぁ…という印象です。だからそういう意味では戸田さんマダムの、生徒に対する愛情が感じられる言い方とは真逆で、180度タイプの違うマダムだな~と再認識できました。

また木村さんマダムはとても感情的で、ブケーに警告するときのナンバーもかなり脅かすような歌い方をするし、声量もあるからマネージャーシーンも凄く必死に歌われているのが伝わってくるしで、普段がクールだからこそ熱量がこもったお芝居がかなり引き締まって好きです。ギャップが凄いんですよ、本当に。ときに冷静さを欠いてしまうほどに必死になってしまう様子から、ただの怖い人じゃなくて身を挺してみんなを守ろうとする心優しい人なんだ…っていうのが伝わってきて、かなり好きだなーって思いました。

そんな中で今回めっちゃ木村さんマダムのお芝居で好きだと感じたポイントがあったんです。それがメグやクリスティーヌを凄く大切にしてくれている点でした。もちろん戸田さんマダムも大好きなのですが、木村さんマダムは普段かなり厳しい分、ふとしたときに見せる優しさが本当にたまらないんです。

たとえば2幕のドン・ファンリハシーン。不安そうな久保さんクリスと目が合って、木村さんマダムがただ頷くだけじゃなくて「大丈夫」とハッキリ言っていたのが見えました。もちろん大丈夫なんてことはないんでしょうけど、ああやって言ってくれるマダムがいるだけでもクリスの心は軽くなっただろうなーって思います。そして、そのあとに不安そうな五所さんメグが木村さんマダムに話しかけたときに、何を喋っていたかまでは聞き取れなかったのですが、木村さんマダムが安心させるように五所さんメグの頭を撫でたんですよ…。

木村智秋さんが五所真理子さんの頭をなでなでするっていう破壊力抜群の尊さ1000%の光景を観てしまい、大歓喜よ…。あまりにも尊すぎて死ぬかと思いました。

もう一度言います。

木村智秋さんが五所真理子さんの頭をなでなでしました。

大切なことなので2回言いました。

そして地下室へラウルを案内しようとするマダムについていこうとするメグに対して、「あなたはダメ!メグ!」とマダムが一喝するシーン。このセリフの言い方が前に聞いたときよりもはるかに声を荒げていて、その必死さに思わず胸を打たれたと同時に、どれだけ必死にメグを守ろうとしているのかが伝わって凄く良かったです。声の荒げ方といい、声量といい、100点満点のお芝居でした。

だから今回は主にメグに対しての木村さんマダムのお芝居が印象的で、今回でやっと10回目の観劇になるのですが初めてマダムがメグのお母さんなんだ…という説得力を感じられた観劇になりました。ちゃんと木村さんマダムがお母さんしていて、めっちゃ良かったです。多分木村さんと五所さん、年齢は近いと思うんですけど、ちゃんと母娘に見えました。

木村さんマダムは初めて観たときに凄く冷酷な印象を持ってしまったのだけど、こうして久々に観てみたら実は凄く愛情深い人なんだなっていうのが感じられて良かったです。さらに好きになりました。また、前回からさらに滑舌も良くなっているのでどんどん自然にお芝居されていて素敵です!

ウバルト・ピアンジ:山口泰伸

久しぶりの山口さんピアンジです!相変わらず美声を響かせてきて素敵でした。前回まで観ていた永井崇多宏さんのピアンジとは全然印象違うなぁっていうのが結構自分にとって驚いた発見ポイントでした。永井さんピアンジって2幕以降はわりとカルロッタの身勝手な発言を少し引いた感じで聞きながら困っている表情が印象的だったんですよね。凄く控えめな大人しいピアンジって感じ。

だけど山口さんピアンジは積極的で心からカーラのことを愛しているのが伝わってきました。今回一番キュンと来たのが、イル・ムートでカーラが声をカエルの歌声に変えられてしまったときのシーン。カーラが「もう歌えない!」と不安と恐怖でいっぱいになり、周りも騒然とする中で、山口さんピアンジの「ここにいるよ!」というカーラに向けた声が聞こえてきたんです。

カーラにとってピアンジのその一言って凄く心強かったでしょうし、山口さんピアンジの優しさに凄くグッと来ました。いつもこのシーンって騒音にかき消されて全然ピアンジの声なんて聞こえたことなかったので、こんなこと言ってたんだ~って感動しちゃいました。山口さんピアンジすっごく情熱的で素敵な男性で、一気に好きになりました~!

まとめ

今回は初めてのトラブルにも遭遇し、色々とあった公演でしたが観に行けて良かったです。こんなトラブルに見舞われるなんてなかなかないと思いますけど、誰も怪我なく、無事に終演できて安心しました。そしてこのトラブルを乗り越えられるほどの俳優さんの熱演を目の当たりにして、凄く心を打たれました。

おかげでとても素敵なお芝居を堪能できましたし、一生忘れられない観劇ができたと思います。そして当初のお目当てである久保佳那子さんのクリスティーヌもたっぷり堪能できて幸せでした。改めて観てみてもやっぱり素敵なクリスティーヌだったので、また観られて嬉しかったです。

そして6列センターが最前列となる座席配置は8月で終了。9月からは3列センターが最前列となるので、もっと前で観られる日が来たらいいなぁと思っています。合わせて9月からはスタンプラリーも始まるので、せっかくならたっぷり観に行って特典ももらってこようと思っています。五所さんのサイン欲しいぜよ!

とりあえず、いつものごとく今回座った席からのステージの様子を写真撮ってきたので引用で載せておきます~。

次はもっと前の席から観れたらいいな…!そして次観に行くときはシャンデリアがしっかり落下してきたらいいな!何はともあれ、本当にスタッフと俳優の皆さん、お疲れ様でした!最後まで見届けられて良かったです。

いつものごとく長くなってしまいましたが、読みづらいであろうに根気よく読んでくださりありがとうございました!

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コメント

  1. Jun より:

    ゆうきさんこんばんは。すっかりオペラ座沼にどっぷりですね。
    高居さんカーラについてですが、実は誰あろう高井治さんの奥方様でいらっしゃいます。
    ノートルダムのクワイアが四季での初舞台なので、オペラでの経験はもちろんあるんでしょうが、子育てのブランクもかなりあるはずですし、本格的な役付きは初めてに近いでしょうね。
    ですから河村さんや辻さんに比べるとやや薄味なのは仕方ないかなと思います。
    あと、ボール投げがお得意ではないようで、ドンファンではリンゴをよく暴投されますw
    そして、最近はあまりないですがデビュー当初は高井さん1枠との共演も多く、それを踏まえた上でのイルムートは高井さんのドン・アッティーリオ(要はバカ殿様ですw)とのやり取りがニヤニヤものでした。
    ですので、今後夫婦共演が見られるようであればそこら辺を是非楽しみにして頂ければと思います。後は、今までの四季ファントムの系譜からかなり外れた(BWあたりだとよくいたんですけど)ニュージェネレーションである岩城ファントムの感想も是非聞かせて頂ければ幸いです。
    今回も詳細なレポをありがとうございました!

    • yunky373 yunky373 より:

      Junさん、こんばんは。コメントありがとうございます!
      そうですね~、気付いたらオペラ座沼にどっぷりハマってしまいました。。
      高居さんカーラ、まさかの高井治さんの奥様だったんですね…!どうりで苗字が同じわけですね。。
      それを知ったうえでの高井さんとの共演はとても見応えありそうですし、イルムートはより一層楽しみで仕方ないですね!
      今後共演されることがあったら観に行こうと思います。
      また、岩城さんファントムはまだ観られていないのでそのうち観に行きたいなと思っています。
      こちらこそ貴重な情報ありがとうございました!

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