トラブルを乗り越えた激熱公演でした!
はじめに
8月は怒涛の観劇月間で、贔屓が出ていないのにすでに9公演も観劇していました。そして8月ラストを締めくくるのは『オペラ座の怪人』です!8月9日以来なので約2週間ぶり。久保佳那子さんが久しぶりに戻ってきたので、行かない選択肢がありませんでした。
さて、今回はいつも通りキャストの組み合わせの違いとかにも触れていきたいところではあるのですが、まさかの1幕ラストでシャンデリアが落下してこないというトラブルもあったのでそちらについてもどういう状況だったのか記録として残しておきます。
舞台はナマモノなのでハプニングはつきものですが、俳優さんがセリフや歌詞を間違えたり転んじゃったり小道具系のハプニングがあったり…ということは何度も観てきてはいるものの、こんな大がかりなセットのトラブルは初めて遭遇しました。オペラ座は今期から通うようになったので以前にも同じようなことがあったのかは存じ上げませんが、最大の見せ場でのトラブルだったので休憩に入って客席がかなり騒然としていました。
今回は前回からキャストが一部変わって印象が大きく変化したポイントもたくさんあって書きたいことが山ほどあるので、いつも通り長くなると思いますが最後までお付き合いいただければ幸いです!
総評
全体の感想です!
キャストも大満足だし座席も最前列センターだったので大迫力で大満足でした。6列センターが最前列の座席配置は8月が最後で、9月からは3列センターが最前列になるのでここからの景色も見納めのつもりで観劇しました。シャンデリアも3列センターで観ることができたらきっと迫力さらに凄いんだろうな~って思っています。
が、その肝心のこの作品の象徴ともいえるシャンデリアくん。ちゃんと冒頭はトラブルもなくいつも通り上昇していきました。さすがに6列から見上げるのは首が痛くなるから自分の頭上あたりに来たら前を向くようにはしているのですが、特にこのタイミングで心配するようなトラブルは一切なかったです。イルムートでもシャンデリアは点滅していたし、シャンデリアそのものは何も不具合はなさそうでした。
そして該当の1幕ラスト。佐野さんファントムの「行けー!」という声と共にシャンデリアが動き出して、五所メグちゃんも悲鳴を上げて出演者がどんどん逃げて行ってステージ上は緊張感でいっぱいだったんですけど、ちょうど天井とステージの半分くらいかな?で多分つるしている糸が何かに引っかかっちゃったっぽくてシャンデリアが止まっちゃったんですよね。急にストップがかかったみたいにグラッと大きく揺れて停止しちゃって、宙ぶらりん状態に。
一応クリスティーヌをかばうようにラウルが飛び出してきて舞台袖に捌けていく流れはやりつつも、シャンデリアがステージに落下しない状態で照明が消えて爆発音と火花みたいのだけが散る…という。コンダクターさんも「あれ?」という表情で指揮しながら、思わず後ろを振り返っていました。
今回は通常のシャンデリアが落下してくるとき以上に客席が騒然となっちゃって、私も最初はあまりにも予想外のことに「え?」となりました。じわじわと笑いが込み上げてくるくらいシュールな感じになっちゃったのですが、でも止まったのはまさに私が座っていた席の頭上。もし糸が切れたりして本当に落下したらシャンデリアの下敷きになる位置だったので、さすがに笑いごとじゃないな…と背筋が凍りました。
幸運だったのはこれがちょうど1幕ラストで休憩に入れたこと。このまま舞台を続行するのは無理だったので、もし途中でこんなことになったら一時中断になったことでしょう。四季ちゃん側は「舞台機構のトラブル」と説明して、休憩中はお客さんをいったん全員ロビーに避難させ、完全に劇場を閉め切っていました。おかげでロビーはかなりの密状態だったので、少し離れてお手洗いの出口付近で待機。隣で絶賛上演中の『アナと雪の女王』のナンバーが凄く聞こえてきました(笑)
本来休憩は20分間で、14時40分頃には2幕開演予定だったのですが、舞台機構トラブルのためしばらく再開できず。それから無事にトラブルが解消されて2幕を開演できたのは14時59分でした。客席に戻ると、ちゃんといつもの位置にシャンデリアがあったので一安心です。
これも幸運だったけど2幕はシャンデリアを使う演出がないから、再びヒヤヒヤすることはありませんでした。とはいえ、さすがにこんなハプニングに遭遇したのは初めてだったし、なかなか2幕は1幕のように集中力を取り戻すのは難しかったです。でも20分押しでのスタートということで、2幕冒頭のマスカレードのシーンは、未曽有の大惨事を乗り越えて再び幕を開けられたことを喜ぶという状況が今回のこととリンクしていて凄く説得力を持って観ることができました。本当に無事再開できて良かったです…。
とりあえず今回のシャンデリア事件の詳細はこんな感じです。俳優さん、スタッフさん、お客さん共に怪我人が出るようなことはありませんでした。私みたいに何回も観に来ているような人間であれば今回のハプニングも含めてオペラ座を楽しめますが、この1回を楽しみに来ていた方には最大の見せ場がトラブルで観られなかったというのは残念でしょうね…。こればかりは仕方のないことですが、本当はとても大迫力のシーンなので、良かったらまた観に来てもらえるといいなと思います。
でも、このハプニングを超えるくらいキャストの皆さんの熱演が素晴らしかったこともしっかりお伝えしたいです。佐野さんファントム×久保さんクリス×迪さんラウルは6月12日以来なのですが、前に観たときよりパワーアップしていたし前回観た洋輔さんファントム×紗衣さんクリス×迪さんラウルとは全然見え方・感じ方も変わったし面白さ倍増でした。
オペラ座は観るたびに作品への理解度が高まっていって、どんどん視野も広がっていることを実感しています。だから今回初めて気づいたポイントがあったり、今まで感じられなかったことを感じられたり…と、自分なりの発見がたくさんあった観劇ができました。
佐野さんファントムは久しぶりだったのですが洋輔さんファントムのような幼稚さがない分、凄くしっとりした大人なオペラ座の雰囲気を楽しめました。久保さんクリスと迪さんラウルとのAIAOYはとても情熱的で、クリスティーヌとラウルが凄く相思相愛なのが伝わってくるからこそファントムの独りよがり感がより一層引き立って、かなり切なさ増し増しの組み合わせでした。大人の恋愛ドラマを見ているみたいな感覚。
でも一方で佐野さんファントムと久保さんクリスの関係性も素敵で、久保さんクリスが歌えば佐野さんファントムが笑みを浮かべて、佐野さんファントムが歌えば久保さんクリスも法悦な表情を浮かべて…。双方にとって相手の歌声がいかに自分にインスピレーションを与えてくれるものかっていうのが凄く感じられました。恋愛感情とか、そういうのを一切抜きにして芸術で繋がっているファンクリの関係性が感じられて凄く良かったです。
2幕ラスト、指輪を返しに行くシーン。クリスティーヌに指輪を渡された佐野さんファントムが凄く優しい笑みを浮かべて「I love you」を告げると、久保さんクリスが「分かってるよ、ありがとう」とでも言うように優しく頷いたんです。確か6月に観たときって久保さんクリスは首を横に振っていたので、今回縦に頷いて去っていったのが逆に切なすぎて泣きそうでした。そして取り残された佐野さんファントムはしばらく一切動けないまま立ち去っていった久保さんクリスをずっと見つめていって、その後ろ姿に哀愁がありすぎて本当に切なかったです。
やっぱりキャストが変わると関係性もガラッと変わるし印象も大きく変わるので、毎回キャラクターの印象が変わるの面白いなぁって思いました。トライアングルも激熱でしたし、バチバチに対決し合うファントムとラウルも熱すぎました。墓場で火玉を飛ばす佐野さんファントムでしたが、今回は迪さんラウルの足元にガッツリ火玉が飛んできて、思わずひええ…となりました。見応え抜群!
特に今回は1幕ラストであんなトラブルに見舞われてしまったこともあってか、2幕からの俳優さんたちの気合いの入れようは本当に凄かったです。失ってしまったものを取り返すどころか超えていこうとするくらいの熱演で、とにかくお芝居が激熱すぎて感動が止まりませんでした。なかなかこういうトラブルに遭遇することもないですけど、やっぱり苦難を乗り越えたときのカンパニーの団結力って凄まじいんだな…というのを肌で実感できた観劇でした。きっと一生忘れられない公演になると思います。
ちなみに今回は最前列センターの中央寄りだったので、全体的にかなりバランスよく見える位置でした。迫力も凄かったし最高に楽しかったです。2幕ラスト、ボートに乗って去っていくクリスティーヌが最後ファントムのほうを見るっていう演出も、ギリギリちょっとだけ観られました。ガッツリ観るにはもっと上手寄りに座らないとダメみたいですね。でもこんな中央で観られることもそんなないので、たっぷりオペラ座を堪能できて幸せでした。
まあ、こんな感じで今回は色んなことが起こって大変な中での公演でしたけど、無事に終演できて良かったです。このまま再開できなかったらどうしよう…という不安もありましたし、やっぱり公演が行えるって奇跡的なことなんだなぁ…っていうのを強く実感できました。なんとか公演を再開できるように頑張ってくださったスタッフの皆さん、トラブルを巻き返すくらいの熱演をされたキャストの皆さん、本当にありがとうございました。今回も変わらず素敵な公演を観劇できて良かったです!
>>次のページからはキャストの感想です!
コメント
ゆうきさんこんばんは。すっかりオペラ座沼にどっぷりですね。
高居さんカーラについてですが、実は誰あろう高井治さんの奥方様でいらっしゃいます。
ノートルダムのクワイアが四季での初舞台なので、オペラでの経験はもちろんあるんでしょうが、子育てのブランクもかなりあるはずですし、本格的な役付きは初めてに近いでしょうね。
ですから河村さんや辻さんに比べるとやや薄味なのは仕方ないかなと思います。
あと、ボール投げがお得意ではないようで、ドンファンではリンゴをよく暴投されますw
そして、最近はあまりないですがデビュー当初は高井さん1枠との共演も多く、それを踏まえた上でのイルムートは高井さんのドン・アッティーリオ(要はバカ殿様ですw)とのやり取りがニヤニヤものでした。
ですので、今後夫婦共演が見られるようであればそこら辺を是非楽しみにして頂ければと思います。後は、今までの四季ファントムの系譜からかなり外れた(BWあたりだとよくいたんですけど)ニュージェネレーションである岩城ファントムの感想も是非聞かせて頂ければ幸いです。
今回も詳細なレポをありがとうございました!
Junさん、こんばんは。コメントありがとうございます!
そうですね~、気付いたらオペラ座沼にどっぷりハマってしまいました。。
高居さんカーラ、まさかの高井治さんの奥様だったんですね…!どうりで苗字が同じわけですね。。
それを知ったうえでの高井さんとの共演はとても見応えありそうですし、イルムートはより一層楽しみで仕方ないですね!
今後共演されることがあったら観に行こうと思います。
また、岩城さんファントムはまだ観られていないのでそのうち観に行きたいなと思っています。
こちらこそ貴重な情報ありがとうございました!