2022年3月21日マチネ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』@京都




ロボット・イン・ザ・ガーデン
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キャストの感想

キャストの感想です!

ベン:山下啓太

先述した通り、京都公演で一番変わったのは山下さんでした。お芝居に重みと深みが出るようになったのが一番の変化です。今までは想像で演じていたであろう部分が、今回の公演では本当にベンがそう感じているように見えたし、演じるというよりも山下さんの中から湧き上がる感情をそのまま口にしていたような印象を受けました。

ベンの成長は様々な角度から感じられますが、やはり誰かを想って本気で叱れるようになったのが特に印象深いです。「叱る」というお芝居の難しさは先述したので割愛しますが、うわべだけのお芝居ではなく、山下さん自身がタングを本当に愛しく感じるようになったから、あんなにもお芝居に深みが出るようになったんだなと思いました。ただ声を大きく出せばいいというものでもなく、どうしたら相手に自分の気持ちを伝えられるのかを考え、相手と誠心誠意向き合って、言葉ひとつひとつを心を込めて発していたように感じます。こういうところが、山下さんベンの一番の変化でした。

日によって言い方が結構変わるのでそのたびにハッとさせられるのですが、山下さんはその日その日のベンをちゃんと生きていて、そのとき生まれた感情を大切にしているのが伝わってきました。特に今回グッと来たのが、「タングが引き金を引いたとき、怖かったよ…」のセリフです。この「怖かったよ…」が単に脱力するような言い方だったり言い聞かせるような言い方だったりではなく、ぽろっと気持ちを吐露するような弱音を吐くような言い方だったのが今までとは違ったポイントでした。

山下さんベンはタングを失うのが本当に怖いんだ、と思ったんです。弱っちくて、おどけて見せて自分を守ってばかりいたあの山下さんベンが、誰かを心から失いたくないと感じたその感情を、まるで弱音を吐くように言うのがすっごくグッと来ました。1幕冒頭での弱音を吐いてばかりのベンとはまるで違います。旅を通して成長したベンが漏らす本音はすっごく心に響くものがありました。だから今回の「怖かったよ…」を聞いて、涙腺やられそうでした。

振り返ってみれば山下さんベンが一番成長したと感じるシーンは、ベンの隣に必ずタングがいました。山下さんも、ベン同様にタングからたくさんのことを学んで一緒に成長していたのかもしれませんね。東京公演のときよりもはるかにタングとの絆が深まっていましたし、タングを大切に想う気持ちも凄く大きくなっていたと思います。「なんだかベン、パパになったみたい」はまさにその通りでした。

そんなたくましい一面とは裏腹に泣き虫なところは相変わらず。毎回汗かと思うほどの涙を流しているので観ているこっちまでもらい泣きしてしまうレベルなのですが、一番好きなのは「Gift」終わりにエイミーに電話をかけるシーンです。エイミーが「他の人とも付き合ってみようと思って…」と言うのを聞いて、涙が込み上げて必死に泣くまいと目をぱちぱちさせて上向いたり視線を彷徨わせているのがとてもリアルで、毎回好きなシーンでした。今回もめっちゃ目がうるうるしていて、ようやくエイミーの存在の大きさに気付いたんだなぁ…って実感が込み上げて、エイミー推しとしてもたまらない気持ちになりました。

ここはね、ミナミーも凄く切ない表情しているから余計にね。お互い本当の気持ちを告げられずに、本当の自分から逃げてしまうのが凄く切ないですね。エイミーもきっと泣きたい気分なんでしょうけど、不器用で似た者同士だなぁ…ってなぜだか愛しくも感じられるシーンでお気に入りです。

京都公演で山下さんベンのエイミーに対する気持ちの伝え方も凄く良くなったし、全体的に伸びしろが凄かったです。ある意味では山下さんベンの成長物語を観ているようで、私としても応援したくなったし、同時に愛しさも込み上げました。ミナミーが山下さんベンから離れられなくなっちゃうのも分かるくらい、不器用で可愛くてほっとけない存在です。座長としても凄く存在感を発揮するようになって、とても逞しいベンになりました。このラスト公演、まさにこれまでの山下さんベンの集大成だったと思います。とても素敵なお芝居をありがとうございました!

タング:長野千紘/安田楓汰

山下さんや岡村さんたちのラストを見届けてくれたのがこのペアで本当に嬉しかったです。東京公演のときに3ペアとの組み合わせを観ながら、長野さん&安田さんペアが一番山下さん岡村さんとの相性いいなぁ…って思っていました。声質的な意味でも。安心して観ていられるペアでもあったし、今回は長野さんのファインプレーもあったしで、より一層このペアに対する信頼度は爆上がりでした。

このペアはメインで喋る長野さんを支えるように安田さんが優しく寄り添うような関係性が凄く好きです。長野さんのお姉さんみたいに優しい声色と安田さんの包み込むような温かい歌声のバランスが良くて、とても聴き心地も良くて大好きでした。初演からタングを演じている長野さんと、今回から参加した安田さんという経験に差のある組み合わせでしたが、長野さんも安田さんをしっかり支えてくれるし導いてくれる、凄く素敵な関係性だなって思ったんです。

このペアで好きだなと感じるポイントはいくつかあるんですけど、ベンのことを本気で守ろうとしてくれたり大切に想っていたり…そういうのが感じられる瞬間が凄く多いのが好きでした。たとえばボリンジャーが「至高の砦」を歌ってベンを睨みつけながら指を差して敵意を向けた瞬間に、タングは左手を伸ばしてベンをかばおうとするんですよね。そりゃタングの腕の長さじゃ全然ベンのこと守れないし対抗するのも難しいですが、でもただ睨むだけじゃなくて腕を伸ばしてベンを守ろうとする姿が本当にグッとくるんです。こういうさりげない仕草も抜かりないペアなので、観るたびにいつも感心していました。

そして今回一番グッと来たのが2幕RIG。山下さんベンが「無力な僕だけど~」と歌ったときに、タングが首を横に振ったんです。まるで「そんなことないよ」って言ってくれているみたいでその仕草がとても優しくて温かくて、もうそのタングの姿を観た瞬間に涙腺崩壊でした。いやー、ずるいよね…。ちゃんとベンのこと分かってるんですよね、長野さん&安田さんペアのタングは。ただ聞き流すんじゃなくて、ベンの言葉ひとつひとつにしっかり応えてくれるのよ。だからまるで歌の中でベンと会話をしているような印象を受けて、とても心に響きました。

こんなタングがいてくれたらベンも相当心強かったと思います。山下さんとしても、凄く心強かったんじゃないかなぁ…。タングとしてはベンに支えられる立場でしたが、同時にベンを支えていたような、持ちつ持たれつの関係性に思えました。そういう対等な関係性も、このペアならではだったと思います。だから山下さんラストの公演でこのペアが見届け人となってくれたことが凄く嬉しかったです。

今回のイレギュラー対応しかり、RIGでの涙腺崩壊な仕草しかり、このペアの好きなポイントがさらに増えました。長野さんもタングと同じように表情を動かすから観るのが楽しいし、タングの仕草がどれも可愛いし面白いし、本当に愛嬌のあるタングです。大好きな長野さん&安田さんタングをたっぷりと堪能できて幸せでした!

エイミー:岡村美南

最終日、とてもコンディションが良くて素敵なお芝居でした。最後までその日その瞬間のエイミーを生きていて、とても生々しくリアリティのある女性でした。それに岡村さん自身が本当に楽しくお芝居しているのが伝わってきて、私もめちゃくちゃ幸せな時間を過ごせました。

今回はより一層ベンへの未練が感じられるお芝居だったのが印象的です。たとえばブライオニー宅で「バカみたい。ここにいたらベンが迎えに来るんじゃないかって」と言ったときに、ブライオニーに「もういいのよエイミー」と言われます。そのときにちょっと不服そうな表情をしていたのが可愛くて、まるでベンを諦めろと言われているみたいで嫌だったのかなって思っちゃいました(笑)

嫌ってわけじゃないだろうけど、自分としてはまだ彼のことを諦められないし好きだし、なんなら姉の家でベンが迎えに来てくれるのを待っているわけですから、そんな自分をどこか肯定してほしかったのかもしれませんね。もちろん、自分としても「前を向かなきゃ」と思ってはいるだろうけど、彼に前を向けと言ったくせに自分はそれができていないことにも不満があったのかもしれません。なんにせよ、不服そうな顔するミナミーが天使でした。

ちなみに今回の「Free Free」でのお尻叩き合いはまちまりさんブライが本気で叩くのでミナミーも本気で叩き返して、そしたらまちまりさんブライがミナミーのお尻をなでなで~とさすっていました(笑)岡村さんも京都に来てからずいぶんここのやりとりは柔軟になったので安心です(笑)

そして「Free Free」が終わって、まちまりさんブライが「残念。私の次に素敵なやつ、デイブに紹介させるわ」って言ったのを聞いたミナミーが首をこてんとかしげて「んー?」みたいにからかうような表情をしていたのがとても新鮮でした。いつもここって笑って受け流していたので、「私の次に素敵なやつ、デイブ」に引っかかった反応を見せたのは初めて観ました。おかげでまちまりさんブライもそれを真似して2人で首かしげてたので凄く可愛かったです。

また、ロジャーと会話をしていく中で思わずベンのことを思い出すように「壊れた門の家に住むこともないし、時計だって…」と言いかけるセリフ。これを言い終えたときに顔をちょっと上げて目を閉じながらはぁ…ってして、それから首を横に振ってダメダメってしていたのが凄く良かったです。相変わらず前を向けない自分に対する呆れや苛立ちがあって、ベンのことをどうしても忘れられないことを認めざるを得ない感じが伝わってきて、個人的にはグッと来たポイントでした。

だから、電話しながらベンが前を向いてるって知ったときに俯いちゃったのかもしれませんなぁ…。自分がいなくても前を向けてしまったベンと、ベンがいないと前を向けない自分を比べてしまって。寂しさや呆れなど色んな感情が伝わってくるんですよね、ベンと電話しているときのミナミーからは。好きなのに、彼がどんどん自分から離れていってしまうような気がして、それが寂しくてたまらなかったんだろうなと思うと愛しさでいっぱいになりました。

そんな彼への想いを抱きながら、ベンに想いを告げようと帰ってくる2幕ラスト。ここも日によって泣いたり泣かなかったりって感じでしたが、それ以上に改めて良くなったなぁ…と感じたのは心臓の音が聞こえてくるときのお芝居です。

今回は心臓の音が聞こえてきたときに目を大きく見開きつつ、次の瞬間には顔が歪んで今にも泣きだしそうになるんですけど、口元を手で覆うこともなく笑顔を見せながら嬉しそうに音を聞いていました。ここのお芝居、考えてみるとデビューのときはちょっと喜び方にわざとらしさもあったなぁ…なんて思うほど今回のお芝居は凄く自然になっていました。まるで喜びや嬉しさが心の底から滲み出てくるような感じ。自然に溢れてくる感情をそのままお芝居に投影させている印象がありました。だから本当に自然。とても柔らかくて、優しい表情をしていたのが印象的でした。

こういうお芝居って想像だけで演じようとしてもリアルに演じられるものではないし、それこそ公演を重ねていくことで岡村さん自身が想像だとしてもある程度の実感を持って演じられるようになってきたのかなと思います。だからすっごく素敵だと感じた瞬間だったし、このシーンの反応の仕方は東京公演から京都公演にかけての一番の変化だったかもしれません。

ボニーが生まれてからの表情は1幕冒頭とはまるで別人のような柔らかくて温かいお母さんの表情をしています。これも『マンマ・ミーア!』でドナを演じた経験が絶対に活きているでしょうし、公演を重ねていく中で赤子を抱き上げることの喜びを日に日に感じていったんだろうなぁ…って思います。ラストでベンとエイミーが顔を寄せ合う瞬間は山下さんも岡村さんも本当の親のような表情をしていて、大好きなシーンでした。

なんかこうして今回の公演だけでも凄く実感できましたが、岡村さんの等身大の女性としてのお芝居って凄く新鮮だったなーと思います。恋に落ちる瞬間や離婚、未練、復縁、妊娠、出産…多くの女性が経験するであろうことをエイミーはこの3時間の中で経験していて、そのどれもが岡村さんらしくて、とてもリアリティに溢れていました。現代的な女性を演じるからこそ難しいだろうけど、日々の中でようやくその答えが見えてくるのかもしれません。虚構の世界を演じているのにまるでリアルなやりとりをしなきゃいけないって本当に難しいと思うけど、日々演じていく中でだんだんとそれらの行為に実感が湧いてくるようになっていく。回数を重ねていくことで虚構の世界とリアルな部分がピッタリと重なっていくんだろうなって。その瞬間、お芝居がグッと良くなる。それを、京都公演での岡村さんのお芝居を通して私も実感しました。

エイミーのお芝居は深みとリアリティが増したし、エイミー以外のシーンはとにかく遊び心満載だったし、本当に観ていて幸せでした。こんなにはしゃいでふざけまくってる岡村さんはなかなか観れないので凄く貴重で楽しかったです。無事に最後まで駆け抜けることができて私も安心です。1ヶ月の連投、本当にお疲れ様でした!

ボリンジャー:佐野正幸

4回観ればさすがに佐野さんのお芝居が馴染むようになりました!こんなにはしゃいで面白い顔して踊ってる佐野さんはなかなか観られないので、しっかり目に焼き付けてきました。

やはり特筆すべきはボリンジャーのお芝居です。釣り竿や麦わら帽子があまり似合わないエレガントな初老の男性ですが、逆にその普通な見た目と内に秘めた恐ろしさのギャップに毎度のことながら肝を冷やしていました。「さあ来なさい」とベンとタングを屋敷に招待しようと歩き出す佐野さんボリンジャーが、笑顔から一転して真顔になるのが本当に恐ろしすぎて…。真顔というか、目をグッと見開いて冷酷な表情を浮かべるので、瞬時にこの人はヤバい…と本能が警鐘を鳴らしてきました。

万寿夫さんボリンジャーはベンを警戒することもなく気さくに話しかけてくる印象があって、空気感も全然緊張感がないんですよね。事故のことを話題に出したあたりから一気に空気が冷え切りますが、それまでは本当に普通の気さくな男性というイメージがありました。

一方の佐野さんボリンジャーは屋敷のシーンでもベンを常に警戒しつつ、でもその様子は感じさせず、慎重に言葉を選びながら話しています。でも緊張感はマジで凄い…。我々観客は直前にあんな怖い顔を観てしまっているから、この人はヤバい人なんだって分かっているわけですからね。その素顔を知らないのはベンだけですから…。ベン、早く逃げて!と焦ってしまうほどに緊張感が凄かったです。

そして前にも書いたのですが、佐野さんボリンジャーはとにかく美しいものが好きなんだろうなと思いました。同時に完璧主義者。常に自分は完璧でありたいと思っていて、美学を追求している印象があります。だからそれが一瞬でも崩れると凄く狼狽えるし、自分の邪魔をする存在をすぐに排除しようとする。もう異質すぎるほどの執着心が垣間見えて恐ろしくなりました。そういう部分はまさにファントムそのものですね。ファントムの面影があるボリンジャーって感じでした。そりゃ怖いわなー。さすが佐野さん、本当にお芝居でも歌でも魅せられました。

そんな恐ろしいほどのボリンジャーのお芝居のあとに登場してくるベンのパパは憑き物が取れたみたいなスッキリした表情をしているので、演じ分けが凄いと感心してしまいます。大ベテランとしての貫禄とさすがの存在感でした。まさかこの作品で佐野さんのお芝居を堪能できるとは思ってもいなかったから、たっぷり堪能できて大満足です!

カトウ:小林唯

今期は唯くんカトウしか観られていませんが、だんだん板についてくるようになりました。初演キャストの萩原隆匡さんよりかなり若いので、優秀なエリート社員っていうよりも新入社員っぽいフレッシュな雰囲気もありますが、若いなりに苦労もたくさんあるんだろうな…と思わせるお芝居をするようになったのが印象的でした。

マッスルレンタカーのバイトとかセールスマンとか色々と面白い役は多いですが、特筆したいのはカトウです。唯くんの低めの声が心地よく響くんですよね。そしてとてもシリアスなシーンなので落ち着いたトーンで話されるとすんなりと耳に入ってくる。何より、言葉と言葉を紡ぐ間の取り方が凄く上手だなと思いました。

ベンにボリンジャーのことを話すときの唯くんカトウは、慎重に言葉を選びながらベンにどうボリンジャーのことを伝えるべきか悩んでいるような印象を受けました。当時のことを思い出して身震いするような恐ろしさを再認識しながら、自分が話せる最大限のことを伝えてあげなくては…とまるで義務感のようなものに苛まれているように感じられました。その葛藤のお芝居が凄く上手でした。

そして今回唯くんカトウで良いなと思ったのは「絆を信じて」の表情です。唯くんって表情筋硬いのかそこまで大きく表情が変わることはないのですが、今回はタングとベンの絆を目の当たりにして、終盤でリジーからタングとベンに視線を移したときに優しく微笑んだんです。この瞬間、カトウはこの2人ならきっとどんな困難も乗り越えられると信じたんだろうなと思いました。

この唯くんカトウの表情が本当に良くて、こんなに穏やかに笑うんだ…と衝撃を受けたのでとても印象深かったです。ずっと難しい顔していただけにギャップにやられました。最後の最後でこんな唯くんカトウの表情を観られて嬉しかったです。だいぶ唯くんカトウの印象が変わった瞬間でした!

リジー:相原萌

萌さん、最高にあざとすぎてめっちゃ可愛すぎました…。京都公演の萌さんリジー、本当に愛しくて仕方ないんですけど、今回も狙ってやってるのか天然なのかは知らないですがあざとすぎる瞬間が多々あって心を鷲掴みにされてしまいました(笑)

まず、ベンにカトウのことを「でも、本物の才能と情熱があるのよ!」と熱量高く話したときにいつになく身を乗り出してベンに迫っていて、ハッとなって舌をべーっと出してやっちゃった~みたいな表情をしていたのが最高にあざと可愛すぎました。犬かと思うほど結構大胆に舌出してたんですけど、それも萌さんリジーがやるとめっちゃ可愛くて仕方ない仕草になりますね。萌さんリジーっておてんばなイメージあるから、そういうことをやっても全然違和感ないのがさすがでした。

というか、萌さんリジーはカトウのことすっごく好きなのが伝わってくるから凄く可愛いです。ベンに「信頼してるんだね」って言われたときに照れ隠しのようにえへへって笑うのがめっちゃ乙女で、そのあとの「大学時代のアドレスなら覚えてる!私に聞いたって言えば大丈夫よ」というセリフでアドレスを紙に書いて、振り返ったときの笑顔も凄くキラキラしていました。本当にただひたすらに可愛い。むしろそれだけカトウにゾッコンなのにベンにもキスしようとしちゃうのはなんなんだ!?って感じですが(笑)

あとは「砂の街のカイル」でカイルが何かを訴えるようにリジーに向かって吠えるのでそちらを見たときに、萌さんリジーが「どうしたの?カイル」って言いながら首をかしげたんですよね。そしたらカイルも萌さんリジーと同じ方向に首をかしげて、動きがシンクロしたんです。それがもうめっちゃ可愛くて…。些細なところにもリジーとカイルの絆を感じられてキュンとなった瞬間でした。

そして私が個人的に好きなポイントがあって、ベンに尋ねる「ねえ、ベン。あなたはどうしてロボットと旅に出たの?」というセリフの言い方です。萌さんリジーって初登場からずっと明るくて元気いっぱいで忙しない感じの太陽みたいな女性なんですけど、このセリフをベンに尋ねるときは声のトーンを落として凄く落ち着いた感じで尋ねるんですよね。ベンのことを冷やかそうとか笑おうとかそういう気持ちは一切なくて、これまでのような戯れとして聞くわけでもなくて。真剣にそのことを知りたいという気持ちが伝わってくる言い方で、これまでのお芝居との緩急がグッとつく瞬間なので大好きです。ここのセリフ、2020年版のPVにもしっかり収録されているのでぜひ聞いてみてください!

東京公演ぶりに萌さんリジーを観ましたが、本当にお芝居がより自然になっていて素敵でした。この作品には色んな女性が登場しますが、こんなにも明るくて太陽みたいに常にニコニコしている萌さんリジーは癒しの存在でした。この4日間たっぷり堪能できて嬉しかったです!

ブライオニー:町真理子/デイブ:長手慎介

最後なので夫婦そろっての感想を書きたいと思います。京都公演はとにかくこの夫婦に笑わされました。まちまりさんブライの肝っ玉母さんのような逞しさと強かさと面倒見の良さと男勝りなところは本当に頼もしかったし、一方のちょっと情けなくて優しさいっぱいで親戚のおじさんのような雰囲気がある長手さんデイブは親しみやすくて面白かったし、バランスも良くて最高の組み合わせでした。

歳の差は少し感じられますが、お互いがお互いのことを大好きで仕方ないっていうのが伝わってくるんですよねぇ…。年下のまちまりさんブライを長手さんデイブが凄く可愛がってあげていて優しく包み込んでくれるのが素敵でした。座談会でどなたかがこの夫婦を「こたつみかん夫婦」と比喩していましたが、まさにその通りって感じです(笑)

この2人の仲睦まじさと甲斐甲斐しさは特に好きなのですが、それを堪能できるのが1幕の結婚記念日パーティーと2幕のガーデンパーティーのシーンです。

1幕の結婚記念日パーティーはエイミーのためを想って、ロジャーをつれてきます。うまく誘導しながらエイミーとロジャーをお近づきにさせることに成功した2人が、ひっそりと目くばせをしたり親指を立てて喜んでいたりするのがとても可愛いなぁ…と思いながら観ていました。きっとああでもないこうでもないと話し合って、エイミーに紹介するなら誰がいいかも相談して、その日の段取りも決めていたんだろうなというのがうかがえます(笑)

そして2幕のガーデンパーティー。ここはベンとエイミーに注目しがちなのですが、後ろのほうで色々やっているまちまりさんブライと長手さんデイブが気になるようになりました。デイブがトレーを持ってワインや軽食を提供しつつ、ブライオニーはみんなと談笑しています。そんな中でベンとエイミーの様子が気になってたびたび見ていると、ベンが突然変なことを言い出すからまちまりさんブライが怪訝な顔して長手さんデイブにフォローするよう指示するんですよね(笑)

そういう甲斐甲斐しいところも好きですし、ベンとエイミーが真面目な話をしているときに、呑気にあーんしているまちまりさんブライと長手さんデイブのいちゃつきっぷりも笑ってしまいます。観れば観るほどどの仕草も自然で、まるで本当の夫婦のような雰囲気をまとっているまちまりさんブライと長手さんデイブが大好きでした。

この前のリハ見のときに長手さんが、町さんが「Gift」でいつも泣いているという話を暴露していて、それ以来「Gift」ではちょこちょことまちまりさんブライを観るようになったんですが、今回は山下さんと岡村さんのラストということもあってなのかまちまりさんブライが歌っている2人を見ながら大号泣していました。そしてそんなまちまりさんブライに寄り添うように長手さんデイブが優しく肩を抱いてあげていて、その姿に私ももらい泣きしてしまいそうでした。

山下さんベンとミナミーのような初々しさとは違い、おしどり熟年夫婦って感じが漂う素敵な夫婦で、京都に来てからこの夫婦がますます好きになりました。こんな姉さん夫婦がいたら心強いだろうなぁ…って。今回もまちまりさんブライと長手さんデイブの仲睦まじい夫婦仲をたっぷりと見届けられて幸せでした!

まとめ

最後までご覧いただき、ありがとうございました。自分自身も毎週通い詰めたのもあって思い出が多すぎて想いが溢れすぎて、書き切らないと!という思いでいっぱいでした(笑)毎度のことながら読んでくださり、本当にありがとうございます。

京都公演は14回観劇。余裕があれば20回くらいは観たかったですが、まずまずですかね。開幕から1ヶ月も連投してくださったのでたっぷり観られて嬉しかったです。東京公演のときからカンパニーの団結力はなかなかのものでしたが、京都に来てさらに強まったと思います。本当にカンパニー全員が家族のようでした。

このご時世なのもあってか土日でもなかなかお客さんが入らず、寂しい状態が続いていましたけど、最後の瞬間まで温かい拍手で包まれて、ニッコニコの笑顔を見せていたキャストの皆さんは本当に輝いていました。私も無事に最初から最後まで駆け抜けて見届けることができて本当に幸せです。

もうね、しばらくは春休みです(笑)燃え尽き症候群なので、ゆっくりと休んで全国公演に向けて体調を万全にしておきたいと思います。だからどうか岡村美南さんもゆっくり休んでくださいね(ね!ね!)。

1ヶ月の連投、本当にお疲れ様でした。宝物のような時間でした。世界一大好きです。もうだーいすきです!これからも応援していきますからね!ついていきます!

コルクも一緒に旅をしました。この調子で全国公演もこいつと一緒に旅をしていきます!

では皆さん、本当にありがとうございました!京都公演通い、めっちゃ楽しかったです!

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