初めての王家です!
はじめに
今年2回目の東宝主催ミュージカルです。6月に『モーツァルト!』の配信を観てコンスタンツェを演じていた木下晴香ちゃんがとても素敵だったので、木下晴香ちゃんを目当てに今回の観劇を決めました。ついに生の木下晴香ちゃんを拝めるということで、この日をずっと楽しみにしていました!
と言いつつ、作品そのものはまったく知識もないですし予習もほぼしていない状態なので果たしてちゃんとついていけるかが不安でした…(笑)とりあえず今回は作品そのものを楽しむというよりも、木下晴香ちゃんや久しぶりの海宝直人くん、新妻聖子さんといったキャストを楽しみに来たので、キャストをガッツリ堪能してきたつもりです。
ちなみに上演時間はこんな感じ。2時間55分でしたけど結構あっという間でした。
では、あまり詳しい内容は書けないと思いますが、自分なりに感じたことを書いていくのでぜひ最後までご覧ください!
総評
全体の感想です!
初見かつ予習をしていない私でもなんとなく全体の物語の流れは理解できるくらい、そこまで難しくないお話でした。古代エジプトなんて聞くだけで難解そうなイメージがありましたけど、現代からタイムスリップしてきてしまったキャロルをめぐって物語が展開していくので、キャロルを通して話を追っていけたのが初心者的にも分かりやすくて安心しました。
全体を通して観る分には話も分かりやすくて壮大なスケール感に圧倒されて「すげえ…」となるのですが、ポイントポイントで観たときに「え、どうしてそうなったの?」「このあとどうなるの?」といった疑問がいくつも残ったのは少しモヤモヤ。
「終わり良ければすべて良し」とでも言うようなメンフィスとキャロルが結ばれるハッピーエンドでしたが、終盤でキャロルはイズミルに斬られたはずなのに何も治療せずに回復していて、正直どうしてそうなった感は否めませんでした。最後めっちゃキャロル元気やん!ってなりましたよね(笑)
キャロルを斬ってしまって慌てて退散したイズミルはどうなった?メンフィスを愛していたアイシスは?と、メンフィスとキャロルを取り巻く人物たちの末路も最後の2人のハッピーエンドで強引に丸め込まれた感もあって、なんだか終盤は特に駆け足な印象がありました。メンフィスとキャロルの恋路を描くことに精一杯になっちゃっている印象だったかも。
原作はこの先もお話が続いていくみたいなので何巻分かを舞台にしたみたいですが、やはり2時間半の中で描くには端折らないといけないシーンもあるんでしょうね。その繋ぎ目が雑になってしまった部分も結構あったからか、「どうして?」となってしまうシーンが多かったのなとも思います。
あとは劇中何度も現代世界の話が挟まれて、キャロルの兄のライアンが妹を必死に探す様子が描かれているのですが、これだけこの描写を挟みながらもラストでライアンがどういう結末を迎えたのかが描かれない…というのもモヤモヤしました。結末は観客に委ねられる演出だとしても、もう少し丁寧に未来を想起させるような描写を最後に入れて出番を終わらせたほうが良かったんじゃないかなぁ…。
結構ツッコミどころ満載だったので、モヤモヤが解消されないままハッピーエンドを迎えてしまって心が追い付きませんでしたというのが本音です。そんな演出の粗っぽさをカバーしていたのが、キャストの方々の歌唱力。特に海宝くん、木下晴香ちゃん、新妻聖子さんは圧巻でした。久しぶりに歌唱力で正面からぶん殴られたような衝撃を受けました(笑)
だから、終演後はひたすら歌唱力の高さに圧倒されて放心状態だったんですよね。それから少しずつ興奮が落ち着いてきて、そういえばあのシーンって…とじ思い出してわじわ疑問が残った感じです。どちらにしてもモヤモヤは残る…。
とにかく王家は作品そのものの完成度はそこまでかなぁ…というのが私の感想です。先述したように原作はこの先も続くので、原作と同じ尺でない限りは舞台化も映像化もかなり駆け足になってしまうんだなぁというのは強く感じました。そういう意味でも、劇団四季が上演している『アナと雪の女王』や『アラジン』は映画と舞台の尺(上映・上演時間)がほぼ同じだから、どのシーンも丁寧に再現されていて、そのまま映画をまるっと楽しめたような満足感に浸れるのかもしれません。
ただ、本当に歌唱力にぶん殴られて気持ちがふわふわするので、高揚感と浮遊感を味わいたいという方にはオススメです。
個人的にも海宝×木下×新妻の組み合わせにはとてもこだわっていたので、期待通りに歌うまさんが揃って良かったです。東京公演ではこの3人の組み合わせってたった2回しかなく、しかも1回は平日なので本当にこの日しか行けるチャンスがありませんでした。なので無事にチケットを取れて良かったし、行けて良かったと心から思っています。
そして本公演でルカ役の岡宮来夢さんが一足先に千穐楽を迎え、カーテンコールでは挨拶がありました。ありがたいことに映像がアップされたのでリンクを貼っておきます。
岡宮さんを囲むように立っていた海宝くんと木下晴香ちゃんが彼をリードしつつ、いじりつつ0番に立たせてあげていたのがとても印象的でした。カンパニーの仲の良さが伝わってきてほっこりです。
そんな感じで、作品そのものはそんなにハマりませんでしたけどキャストの方々のお芝居やら歌やらが凄かったので個人的には大満足です。座席も2階席の端っこのほうでしたけど全然観やすかったし音響も悪くありませんでした。帝国劇場はやっぱり安心感ありました(笑)
とりあえずはお目当てのキャストを観られたし、改めて劇団四季と四季以外の舞台の特徴だったり俳優さんたちのレベル感だったりを再認識できた観劇にもなったので大収穫です!
>>次のページからはキャストの感想!
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