2019年8月4日マチネ 劇団四季『ノートルダムの鐘』@京都




ノートルダムの鐘
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ゆうき
ゆうき

京都遠征最終日です!

日時:2019年8月4日マチネ公演
場所:京都劇場
座席:1階S席J列16番




はじめに

あっという間にずっと楽しみに待ち続けていた2泊3日の京都旅行の終わりがやってきました。
本当に楽しいときってなんでこんなに一瞬で過ぎ去ってしまうんでしょうね。

東京や横浜といった近い場所で上演していたにも関わらず、そんなに観てこなかったことをずっと後悔し続けたノートルダムの鐘。
こうして1週間で5回も観劇してしまうといった反動がかなり大きいですけど…(笑)

でも、初日は1階後方席で、2日は最前列サイドで、3日は最前列センター下手寄りと2列目センター上手寄り、そして本日は7列目センターという色んな角度で観劇を楽しむことができました。
それもあってどの公演も全然印象が違って、すっごく楽しかったです。

ちょっと張り切りすぎたのもあってか熱中症気味になっているので、レポは少し簡単に…。
ぜひ最後までお付き合いください…!

総評

全体の感想です。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

大満足のキャストでした…。
カジモド以外は5回とも変わりませんけど、やっぱり完成度が高いです。
ノートルダムカンパニーの人たちってこの作品のことを凄く愛しているし、それがお芝居にもしっかり活きていると思いました。
久しぶりに戻ってきた岡村さんだってその中に溶け込んでいて、とても良かったです。
岡村美南さんがいてくれたからこうして私もノートルダムを久しぶりに観劇することになりましたけど、改めてこの作品好きだなと実感しました。

今回はセンターから数えて7列目の中段あたりの座席でした。
昨日一昨日が前方だったこともあって、距離としては少し遠く感じました。
でも、逆に少し離れたからこそ全体がすっごく観やすくて。
個人的にはノートルダムを観るにはこれくらいの席が本当は一番いいんだろうなって。
くっそ視力が悪い私でも、なんとか表情は見えたので…。
私にとって新たな発見でもあって、凄く楽しむことができました。

締めの公演としては本当にキャストも席も大満足でした。
京都に来て良かったなって実感しています。

キャストの感想

気になったキャストの感想を書いていきます。

カジモド:田中彰孝

遠目から観たあっきーカジモド、フォルムがそのまま怪物でした…。
達郎さん同様、あっきーも凄く色々模索して今の形に辿り着いたんだろうなっていうのが凄く伝わってくるカジモドでした。
個人的にかなりグッと来てしまったのが、フロローを手に掛けたあとに、フィーバスがやってきて、そっちに向かおうと立ち上がって歩いていく後ろ姿です。
3日ソワレのレポでも書いたように、ここのカジモドは自分の骨を折っています。
だから正直歩くのもままならないはずだし、彼自身もう体力的にも精神的にも限界だっただろうに。
そんなシーンでのここのあっきーカジモドの歩き方が、右腕を後ろのほうにして身体を大きく曲げた状態でゆっくりゆっくり歩いていて。
まさに、身体の自由が利かない人の歩き方…っていうと偏見かもしれませんが、完全に以前のようなカジモドでは決してなくて、衝撃を受けました。
あっきーは「罰を受けるんだ!」って言ったあとに一度倒れてそれでもう一度起き上がってフロローを手に掛けます。
こうして観ると、あっきーカジモドも凄くここのカジモドの表現が上手で、細かくて、かなり完成度が高かったんです。
もうあまりにも切なすぎて、ここのシーンは泣きそうになりました。
達郎さんカジモドのが個人的に好みな部分はあるのですが、今日このシーンを観て一気にあっきーカジモドも好きになってしまいましたね…。
どちらにもそれぞれの魅力があって、知っていったらもっともっと好きになってしまいます。
今回Made of Stoneの「こーこーろー」はちょっと苦しそうでしたが、高音も本当に綺麗だし、観れば観るほど好きになれそうなカジモドだなって改めて実感しました。
万寿夫さんフロローとだと、あっきーカジモドがただの奴隷のようにしか見えなくて、怯えてる感じが本当に可哀想なので、次は違うフロローとの組み合わせでも観れたらいいなぁ…と思います。

フロロー:野中万寿夫

改めて、紛れもなく人間的なフロローだなと実感しました。
凄く感情的だし、自分の欲に飲み込まれて自分を失っていく感じとか。
凄く皮肉でフロローが悪魔に身を売り渡してしまうような、そんな恐ろしさを感じました。
冷徹で温かみの感じられないフロローですけど、人間的な怖さだからまだ救いがあるのかもしれないですね。
私の記憶にある芝さんのフロローは、もう人間の皮を被った悪魔のような恐ろしさがありましたから。
だからまだ、万寿夫さんのフロローには救いがあったのかなって…。
ちなみに、冒頭のOlimで「クロウドは優しい兄さん~」って歌うところで一気に声色が柔らかくなるの毎回観ていて凄いなって思っていました。
こうやって優しかった頃の万寿夫さんフロローがしっかり描かれているからこそ、冷徹になって歪んでしまったのが余計に悲しかったですし、ギャップがあって良かったのかもしれません。
なんかフロローの万寿夫さん観てると凄く怖くなってしまうので、久しぶりにマンマのビルあたりを観たくなりました(笑)

エスメラルダ:岡村美南

この3日間、Twitterでは顔面偏差値が高いだとか本当に語彙力がなさすぎるレポをしていたのですが…。
もちろん最後の公演もしっかりご贔屓さまのことを観てきましたよ。
特に毎回お芝居を変えてきているわけではないし、今のところお芝居の中で模索している印象もないので、いったんはこのスタンスで行くのかなとは思います。
岡村美南さん、お芝居が本当に丁寧で一つ一つのシーンを凄く大切に演じられているのが伝わってきて、大好きなんですよ。
あとで詳しく書きますけど、岡村美南さんのエスメラルダって凄く近寄りがたい高嶺の花っぽさや尖った感じがあるので、本当に「一匹狼感」が凄くて。
それが「別に慣れ合いたいわけじゃないし」ってツンツンしているわけではなくて、彼女自身の正義を信じた結果のもの。
エスメをいかに聡明に賢そうに演じることができるかで、これを感じられるかどうかは変わってくると思います。
岡村美南さんが落ち着きのある大人っぽいエスメを演じることで、よりエスメに対する解釈って広がるなって気付かされました。
そんな彼女が年相応に(エスメは20歳くらいの設定らしい)楽しそうに踊って歌っているRhythm of Tambourineは、なんか本当に胸が苦しくなるんですよね。
ここにもしフロローがいなければ、あんな悲しい結末にはならなかったはずですし。
エスメが小道具として使う真っ赤なスカーフも、観ているだけで苦しくなりました。
それにしても岡村さんのこのナンバーでのダンス、ダイナミックで好きだなって思います。
宮田愛さんのダンスが未だに印象的なのもあってどうしても色気を感じるには若干の物足りなさはあるのですが、もう岡村さんに至ってはそれがデフォなので(笑)
でも、やっぱり好きな人があんなに楽しそうに挑発的に歌って踊っている姿を観れるなんて幸せ者ですよ、私。
そしてTop of the Worldも相変わらず包容力が大爆発していて、泣きそうになりました。
あー、彼女は別にカジモドに優しくしようと思って優しくしているわけじゃないんだよねって。
彼女が正しいと思って彼女の意思に従って行動しているだけで、偽善でも思いやりでもなくて…。
彼女にとっても、初めて心から信頼していいと思えたのがカジモドだったんだろうなって思いました。
カジモドが柵に跨って落ちるような仕草をしてからかったりして、そんなカジモドを見て心から笑っているエスメがいて。
多分、エスメ自身もこうやって心から笑ったのは久しぶりなんじゃないかなって思いました。
だから、カジモドを信じて柵に乗って手を離すことができたんだと思います。
そういう一連の岡村さんエスメの考えとか色んなものを加味しながら観ていたら、凄く切なくて泣けそうでした。
本当に慈愛に溢れた、聖母のようなエスメラルダですよね…本当に大好きです。
ちなみに、「あなたのお友達、好きよ」の台詞若干詰まったのか「あなたの、お友達、好きよ」って言ってました。
まあギリギリセーフ!笑
ノートルダムでは東京公演含めあまり噛むところ観てないですけど、やっぱり作品との相性もあるのかもしれないですね。
パリアメは結構難しい台詞が多かったから仕方ない!
それは置いといて、あとはやっぱり圧巻なのが最期のシーンですね。
本当に死ぬお芝居がすっごく上手になっていて、私もさすがに今回は泣きました。
なんで最期までこうやって温かみがあるのこの人…ってなりましたよ。
どんなに言葉で説明したって、正直説明しきれません。
とにかく早く劇場で彼女の死に際を観て欲しいです(ボキャ貧)。
あとは死に顔がマジでえげつないくらい美しいので、それもぜひ観てくださいね。
ということで、やっぱり岡村美南さんのお芝居が好きすぎて結局「最高」の一言でしか言い表せないくらい感動しました。
こうしてお芝居の面でもだいぶ変わって良くなった岡村美南さんのエスメを観ることができて、すっごく嬉しかったです。
本当にたくさんの幸せをありがとうございました、岡村美南さん。

フィーバス:清水大星

清水さんフィーバス、なんか台詞を食い気味で言うことが多くなったなって思いました。
誰かが喋っていると、そのあと間髪入れずに台詞を発することが多くて。
例えばですけど、エスメに「私の目を見てもいいのよ。ジプシーは魔法なんて使ったりしない」の台詞に被せるように「分かってる」って言ったり。
そういうのが結構増えて、個人的にはこの食い気味な感じ好きでした。
せっかちな印象にも一見思えてしまうけど、そうではなくて。
フィーバスが毎日必死に生きてきたことだったり、ちょっと余裕がない感じだったり、色んなものが伝わってくるようで好みでした。
あとは、毎回Somedayで涙ぐむ清水さんにやられてました…。
こんなときでさえ、フィーバスよりもエスメのほうが勇敢に見えてしまうくらい。
久々に佐久間さんのフィーバスが観たいなぁ…とも思いますけど、清水さんのSomedayはマジで凄くすこすこなので、こうして岡村さんとペアで観ることができて嬉しかったです。

クロパン:吉賀陶馬ワイス

前々からクロパンは阿部よしつぐさんが好きだったんですけど、今回観続けていてワイスさんのクロパンも嫌いじゃないなぁ…って思いました。
デビューしたての頃はかなり陽気で怪しいおじさん臭がしたんですけど、だいぶ陰の部分が出てきたように感じました。
描かれてはいないけど、クロパンも色んな苦労を抱えているだろうし、それが見え隠れするのがこのキャラクターのいいところだなと思います。
よしつぐさんのようなカリスマ性が出たらもっと好きになるなとは思ったのですが、これはこれでワイスさんの持ち味として好きになっていきたいなと思います。

観劇の感想・考察

気になった箇所の感想などを書いていきます。

エスメラルダには友達がいなかった説?

昨日Twitterで色んな方のご贔屓レポを読んでいたときに、この説を書いている方のツイートを発見しました。
それを読んで、「あ~確かに…」って少し腑に落ちた部分があって。
なので、それを念頭に置いて今回の観劇に臨んでみたら、結構しっくり来る部分がありました。
エスメって自分の正しいと思うことに正直に生きていて、彼女自身作中で嘘をついたことが一度もなくて。
当時迫害を受けていたジプシーは、人を騙して器用に生きてこないと多分生き残ることもできなかったでしょうし。
そういう時代背景を理解しきれていないので何とも言えないのですが…。
でも、きっとそういう時代に自分の正義を信じて生きていたエスメラルダって凄く浮いている存在だっただろうなって思います。
彼女自身、人の本当の姿を見抜くことができるので、多分汚い人の心に少しばかり拒絶もあったし、妥協もあったとは思うんです。
クロパンとかジプシーの仲間とかも汚い心はあっただろうけど、それでも彼女は受け入れてきました。
別に友達が欲しいとは思っていないだろうし、人を信じることに恐怖を抱いているわけでもないだろうし。
ただ、多分寂しかった部分はあるんでしょうね。
「いつも一人で生きていく覚悟で平気な振りしていたの」っていう歌詞もあるように。
彼女は本当に勇敢だし、多分一人で生きていくこと自体は不可能ではなくて。
だからこそ、そんな彼女の心の中にすんなり入ることができたのがフィーバスとカジモドだったんですね。
「この人たちは私の友達よ!」っていう台詞も、まさにそれを裏付けていると思います。
これに関しては話すと長くなりそうなので、いつか別記事としてしっかり取り上げたいですね…。
ただ、こうして新たなエスメの解釈ができたことは凄く楽しかったです。
全然感じ方も変わったし、もっとエスメのことを知ってよりこの作品に対する知識を増やしたいなと思いました。

なかなか服を纏えない平良交一さん

クロパン登場のシーンで「横柄な態度の男に近付いていった」って言いながら貴族のような衣装を身に纏う平良さん。
しかし、今回なかなかその衣装がスムーズに着れなくて(笑)
「横柄な…態度の…男に」みたいな感じで、台詞を言うペースを調節して一生懸命服を着ていました。
これちゃんと着れないと物語進まないもんなぁ…。
ちょっとしたハプニングも舞台ならではですね。

今日もやりとりが可愛い高舛裕一さんと吉田絢香さん

3日ソワレのレポでも書きましたが、高舛さんと吉田さんのやりとりが可愛いんです。
今回は高舛さんの左頬をスローモーションでビンタする吉田さんでした(笑)
高舛さんもそれに合わせてビンタされるリアクションを取っていて(笑)
吉田さんの思いつきに合わせているのか、事前に二人で打ち合わせしてるのかは分かりませんけど…。
この日替わりのやりとりは今後の楽しみとして、これからも注目していきたいと思います!

まとめ

そんなわけで本当に一瞬のように過ぎ去ってしまった4公演。
すっごく充実していたし、すっごくすっごく楽しかったです。

正直岡村さんが京都に行くって知ったときに、「京都かぁ…遠いな」って思っていました。
でもいざ行ってみると全然遠いなんてことはなくて。
まあ、KAATに通っていた頃よりお金は数倍かかっていますけど!

でもこうして京都まで来た甲斐を感じられる思い出をいただくことができました。
こうして、エスメラルダ役として舞台に立つ岡村美南さんを観ることができてとても幸せです。

皆さんご存知の通り、岡村さんのことになるとどうしても熱量が高くなってしまう私なので…。
次いつ行けるか正直分かりませんけど、多分どうせまた近いうちにひょっこり顔を出していると思います。

やっぱり岡村美南さんを応援し続けてきて、好きになることができて良かった…。
そう実感できる3日間を過ごすことができました。

本当にありがとう!京都!

また、「いつか」。

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