2023年8月26日マチネ 劇団四季『クレイジー・フォー・ユー』相模原




クレイジー・フォー・ユー
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ゆうき
ゆうき

全国公演が始まりました!

日時:2023年8月26日マチネ相模原公演
場所:相模女子大学グリーンホール大ホール
座席:S席1階2列センター




はじめに

あっという間に全国ツアー初日を迎えてしまいました。横浜公演が終わってからツアー初日までの期間は他の作品を観劇したり実家に帰省して仕事したり、有意義な時間を過ごしていたんですけど、再びCFYな日々を過ごせそうです。


数日前に稽古記事が出て、掲載されていたのが片方のキャストのみの写真だったので開幕キャストを予想しやすくてありがたかったです。岡村さんもいたので行かねば~!となりました。

ということで1ヶ月ぶりの岡村美南さん!1ヶ月ぶりのCFYです!相変わらず頸椎椎間板ヘルニアには悩まされているので、今回は個別キャストの感想はちょっと省略してシンプルなレポになります。ぜひ最後までご覧ください!

総評

全体とキャストの感想です!

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

CFYのツアー版を観るのは2016年1月3日の前回公演の千穐楽以来でした。7年ぶりということもあって、ツアー版のセットの記憶が全然なくて、今回ツアー版の簡素なセットを観てとても衝撃を受けた観劇となりました。通常、ツアーで回るときは劇場が変わっても問題なく公演できるようにセットを簡略化するんですけど、それにしてもかなり簡略化されたセットが使われていてビックリでした。

ツアー版で変わったセットは、こんな感じです。

①冒頭でボビーがザングラーさんにダンスを見てもらうシーンの後ろの仕切りのようなものがミニマムサイズになっていて、ボビーがダンスするときの背景は仕切りを使うのではなく、幕が下りてくるようになる。

②デッドロックのシーンへの場面転換で登場するミンゴが運転する車が、自動ではなくミンゴが押して引っ張るようなタイプの車に変更。

③ランクの酒場とガイエティ劇場の外観の2階のバルコニーがなくなる。それに伴い、ポリーがランクをたしなめるシーンは劇場の入り口から出入りしながら言うようになる。IGRでピートがバルコニーから下にいるワイアットに向かってヒナギクを落とすシーンは、ピートが大きな箱の上に乗って高低差をつけて、ワイアットの下に落とすようになる。ラストのサプライズシーンは、テスとザングラーは劇場の入り口から出てきて劇場の前に立つようになる。

④ランクの酒場の外観のテラス席がなくなる。それに伴い、終盤は酒場の前にテーブルが1つ置かれていて、フォーダー夫妻が立ちながらお酒をたしなみ、ランクとアイリーンも立ちながら会話に加わる。サプライズシーンは、ランクとアイリーンはテーブルに腰かけず、酒場の前に立つようになる。

⑤ランクの酒場の内装がミニマムになり、階段や廊下が短くなり、2階の部屋数が4つから3つに減少。1階と2階の高さが通常版よりも低めになり、ランクが出入りする中央のドアは下手側に移動。

⑥ガイエティ劇場の内装のカウンターがなくなり、電話は壁についているタイプに変更。

⑦Slap That Bassのシーンで、通常版のときにルイーズたちが乗っていた上手奥側にあった大きな脚立がなくなっている。

⑧楽屋シーンは男性側の楽屋セットはなしで、カウボーイたちはただ立っているだけになる。女性側の楽屋セットは数名が簡素なドレッサーを持ってきて座ったり立ったりしている。

⑨エベレットが掃除機で掃除をするシーンは赤い幕がないため、ガイエティ劇場の薄めの幕を代用。テスは上手側から登場してくる。

⑩Stiff Upper Lipで使用されるガイエティ劇場の内装のドアが扉から赤い幕に変更。出入りするパッツィーやテスは扉を閉めるのではなく、幕をくぐるようにして出入り。

⑪ザングラー劇場の外観の看板の上にボビーが立つスペースがなくなる。そのため、Nice Workではボビーが劇場の前に腰かけるようにしてフォーリーズたちを眺める。

⑫ラストのデッドロックシーンはステージが広いため、ザングラーフォーリーズの横断幕のようなものが掲げられず。特に看板等もなく、上下にセットがあるのみ。

⑬ラストのデッドロックシーンに登場するボビーの車は、ステージ中央奥側に停車。発車するときはそのままバックしてステージ奥側の上手に捌けていく。それに伴い、ポリーとカスタスは手前の上手側から登場してくる。

⑭ラストでボビーとポリーが踊るシーン。セットが低くなったため、羽を付けて登場してくるフォーリーズたちがセットの後ろからセットを避けるようにして登場してくる。

こんな感じです!かなり雑に書きましたが、私が覚えている限りでこれだけセットに変更がありました。ミニマムサイズになったことや凹凸・高低差の少ない平坦なセットになったため、非常にステージが広く感じました。ステージは広いのにセットがシンプルなので、逆に間延びした印象もあります。

広大な土地なのに特にこれといった建物がないような、そういうデッドロックの田舎っぽさを上手く表現しているようにも思えました。でも、やっぱり通常版のセットで見慣れていただけに、ツアー版はあまりにも簡略化されすぎて平坦すぎて、私的には正直物足りなかったです。どちらかというと、従来のこぢんまりとした空間の中にギュッと凝縮されているような濃いセットが好きだったので…。今回のはとにかく広々とした空間でありながらセットはシンプルで高低差もないので、空間にメリハリがないように感じてしまったんですよね。

多分8年前も同じセットのはずなんでしょうけど、当時はそこまでセットに衝撃を受けていた記憶がないんだよなぁ…。今回、物語の没入感が少し薄れてしまったのは否めませんでした。そもそもCFYは大がかりなセットがあまり使用されていませんけど、もともとこぢんまりとしたセットをさらに簡略化させてしまうと非常に安っぽくなっちゃって、セットの立体感がなくなるとともに物語の立体感も一緒に薄まっちゃった印象がありました。全部個人的な感想です。

セットの変更に伴って人物の動線も結構変わったのですが、それは新鮮でした。ただ、バルコニーでお芝居をしていた人たちが、バルコニーなくなっちゃったことでみんな地上でお芝居をするようになったので、やっぱり…なんか迫力がね…足りないなって。それこそ、冒頭でポリーがバルコニーからランクに声をかけるシーンなんかは、従来の演出だと下にいるランクに向かってポリーが上のバルコニーから叱りつけて、そんなポリーに怯えてランクが上を見上げつつ、でかい図体を小さくするていう構図が面白かったりもしたので、ツアー版では同じ地上でのやりとりになるので高低差を利用したポリーとランクのパワーバランスの取り方が全然活かされなくなっちゃうのがもったいないな~って思いました。

せめてバルコニーだけは残して欲しかったです。セットに立体感があるのがCFYの良さでもあったから、そこ削ぎ落されちゃうのがちょっと残念でした。せっかくのコメディ作品なので、セットや空間が間延びしちゃうの非常にもったいないですしね。

あと、これはどうしようもないんですけど、専用劇場ではないからか暗転の瞬間はステージが真っ暗にならなくて薄暗い中で捌けるキャストが丸見えだったし、場面転換の際に下りてくる幕も厚みがないので結構透けちゃうから幕の向こうで転換するキャストの様子も一部見えちゃったのが、集中力削がれちゃってうーん…って感じでした。全国ツアーで使われる会場は、演劇作品を上演するためだけに作られたものではないからね…。改めて専用劇場の偉大さを痛感しました。

ひとまずセットや動線の変更はこんな感じです。あとは、ちょこちょことお芝居を変えてきたキャストがいて、今回たまたまお芝居が変わっただけなのか、それとも意図的に演出変更になったのかは現段階では分かりません。たとえば、パッツィがムースミンゴサムに振付指導するところで「開いて合わせて開いて頭」って指導して3人がその振付を真似したら「そう!」っていちいち相槌を打つようになっていました。多分ここは意図的な変更かと思います。あと、IGRでパエリアパンの上に乗ってタップし始める洋一郎さん偽ザングラーが、音楽が鳴り止んだあとに一瞬間を置いてからタップし出したんです。この間の置き方が意図的なものかどうかは分からなかったので、次回以降確認しておきたいと思います。

あと、Naughty Babyでワイアットとミンゴが曲の最中に座っていた椅子を片付けるために下手側に捌けて戻ってくるっていう動線変更もありました。あれ、この2人いなくなるの!?って一瞬ビックリしましたわ…(笑)多分ほかにも色々変更点あった気がするけど、取りこぼしがあると思います。次回以降また気付いた点があったらメモしておきます。

ちなみに相模女子大学グリーンホールは初めて来たんですけど、音響は悪くなかったので安心しました。全国は会場によって音響がめちゃくちゃ悪いときもあるので当たりはずれがあって…。今回は音響に関して一切ストレスなく観られて良かったです。ただ、椅子の座り心地がそこまでだったので3時間もお尻が耐えられなくて最後のほうはつらかったです…(笑)久々の観劇でStiff Upper Lip以降、首も痛くなりました(笑)あそこのシーンはバリケートのてっぺんに立つボビポリを見上げるから一気に首に負荷がかかりやすくて、頸椎椎間板ヘルニア持ちにはキツイんですよね…正直ね…。ひとまず無事に観劇を終えられて良かったです。

そして全国となると地方の人たちが多く集まるため初見さんが多くて笑いが起きやすいっていう特徴があるんですけど、いうても相模原は神奈川なのでさすがにリピーターさんも多いのかそこまでガッツリ笑いが起こるって感じではありませんでした。でも要所要所で笑いは起こっていたし、盛り上がりは凄かったです。カテコはボビポリのくるくるチューで強制終了でした。キリがないし、全国はそのほうがいいね(笑)

あと、全国あるあるですけど何度か着信音が鳴り響いてました。さすがに全国公演では事前にアナウンス入れたほうがいいですよね~。KAATのときみたいに、開演前にスタッフさんたちがボード持ってアナウンスしているような様子もなかったので…。ただ、私の周辺はとても治安が良くて問題なく観られて良かったです。

セットや設備など個人的にうーんとなる点はあったものの、キャストの皆さんのお芝居はとても素晴らしくて良かったです。特に凄く良かったのがまちまりさんポリー。2幕のお芝居がとても切なくて素敵でした。ボビーへの想いを自覚してからのまちまりさんポリーが、必死に強がって笑顔を見せつつ、涙をこらえきれない脆い一面とのギャップにとても胸を打たれました。

But Not For Meで荒川さんザングラーに「君が主役をやればいい」と声をかけられた直後の寂しそうな「とても無理よ」、そして「大丈夫かね?」って声をかけられたときの涙を拭きつつ笑顔で応える「ええ」。表情も間合いも100点満点すぎて、とっても切なくて愛しさを感じました。心にぽっかり穴が空いてしまったのに、持ち前の元気で強気な性格で必死にその穴を塞ごうとする健気さがたまらなかったです。そして、そんなまちまりさんポリーに寄り添ってくれる荒川さんザングラーの包容力にもやられました。本当にとても素敵なBut Not For Meでした。

荒川さんザングラー、2幕の「私をバカにしたのね?」「してないよ!」「いいえしたのよ!」「してないってば!」ってボビポリが言い合いした直後の「わしはしたかもしれんなぁ~」で、まちまりさんポリーにぴたっとくっついてさりげなく肩に腕回しながら言っていたのが良かったです(笑)こういうさりげなさがザングラーさんの良いところであり悪いところですね(笑)荒川さんザングラー本当に好きでした。

岡村さんアイリーンはひたすら可愛かった…。1幕、デッドロックでザングラーに扮したボビーに向かって「あの子もきっと本当のことを知りたがると思うけど…」って言いながらじりじりと詰め寄るところで、両腕を伸ばしつつ指を絡めるようにして歩いてたのがあまりにも乙女すぎて可愛すぎました。これは言葉で説明するのがとても難しいね!めっちゃ可愛かったんですよ、ええ!伝わってください!笑

Naughty Babyではバッグがセットの裏側に飛んでいきました(笑)セットが小さくなったから飛びやすくなったんでしょうけど、初めてK点越えを観られて感動でした。バッグ投げるのとても上手になりましたね…。

あと、ラストのボビポリの再会シーンはセットの変更に伴ってランクとアイリーンが酒場の前に立つようになったので、ボビポリが想いを告げ合ったのを見てあまりの嬉しさに岡村さんアイリーンがランクに抱き着くようになっていました。可愛すぎた…。ランクとアイリーンのハグ!ここはさすがにツアー版演出バンザイ!って思いました。こんなに可愛いアイリーンを見せてくれてありがとう!!!

久々の脇坂さんランクは、横浜公演終盤でぶっ飛びまくりの渡久山さんランクを観たあとなので、とっても落ち着いたランクだな~っていう印象でした。渡久山さんランクに毒され過ぎてしまった今では、渡久山さんランクが恋しいです(笑)

そんで洋一郎さんボビー、ラストの「この日が来るのを信じてたよ!」の最大の決め台詞がちょっと甘噛みになって「この日が来るのを信じたよ!」になったの、おいーーー!って感じでした(笑)まあそこは置いといて、洋一郎さんボビーのダンスはやっぱり重力を感じさせなくて軽やかで美しいですなぁ…。観ていて惚れ惚れしちゃう。

洋まりボビポリの組み合わせは個人的にとても好きなので、久々に観られたのも嬉しかったです。都会育ちのお坊ちゃまと田舎育ちのたくましいじゃじゃ馬娘の、両者の育った環境の違いがハッキリ出るカップル。観ていてまったく違和感もなく、凄くしっくりとハマる組み合わせなのが心地良くて好きでした。

カンパニー全体としては、横浜公演終盤の頃の熱量と一体感からはちょっと落ち着いた印象はありますが、全国初日ですからね。久々の始動となると、横浜のときに連日高まった熱量や結束力がいったん落ち着くから、ここからまた公演を重ねていって横浜公演をはるかに超える団結力が観られたら嬉しいです。

私自身、今回の初日はツアー版ならではのセットや動線・演出の変更に凄く意識を持っていかれてしまったので、あまり作品そのものに没頭できなかったのが正直な感想です。慣れ親しんだものから環境が変わって、その変化に順応していくのって結構難しいですね…。私自身この1ヶ月観劇をお休みしたのもあって観劇に対する熱量が少し落ち着いた状態になっていて、そこから熱量を以前の状態に戻していけるほど今回の観劇では作品そのものには集中できませんでした。ツアー版セットってこんな感じだったっけ~と思い出せない記憶を掘り返してみるも答えは見つからず…(笑)

楽しかったことは凄く楽しかったんだけど、ツアー版CFYに慣れることができなかったという点で結構心残りもある観劇になってしまったので、次回以降慣れていきながら作品そのものを楽しめたら嬉しいです。観劇を楽しむためには、自分自身のモチベーションを高く維持することも大切なので、私が観劇に対してもっとモチベーションを上げられるように気を付けておきます。

ただ、やっぱり岡村さんのお芝居を劇場で観て肌で感じられるっていうことはこれ以上ない幸せでした。大好きな人を客席から応援できるってどれほど幸せなことなのかというのを再認識できたし、セットが変わろうが演出が変わろうが、大好きな人のお芝居はやっぱり大好きでした。それこそ岡村さんのお芝居は私の体に馴染んでいるから、これだこれだ!ってなって嬉しかったです。まあ、久々に観たら出番少ないな!?って改めて思っちゃいましたけどね(笑)でも、限られた出番の中でも全力でお芝居をまっとうする岡村さんのお姿はとても輝いていたし、何より愛しかったです。この人のこと、これからもずっと客席から応援したいな…と改めて強く感じた観劇になりました。舞台に立ち続けてくださって、本当にありがとう。

という感じで、個人的にはちょっとモヤモヤの残り観劇になってしまったんですけど、CFYが再始動したことは嬉しかったし、その初日を無事に見届けられて幸せでした。1回1回の観劇を大切にしたいので、たくさん通うかどうかはまだ分かりませんが、CFYを観られるのは今だけということは忘れずに、また劇場に足を運びたいと思います!

まとめ

全国公演って難しいですなぁ…。『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のときは通常セットとツアー版セットでのギャップをそこまで感じなかったんだけど、それほどまでにCFYの通常セットならではの立体感と凝縮された空間が好きだったのかもなぁ。それこそ8年前にCFY全国に通っていたときの自分ってセットに対して、今みたいに違和感を覚えていなかったことが不思議です。まあ、当時は岡村さんがポリーを演じていて出番も多かったからそっちに夢中だったのかもしれません(笑)

あれから8年経って色んな作品と出会って視野も価値観も変わった今の私は、観劇スタイルやCFYの楽しみ方が変わったんだと思います。なので、次回CFYを観劇するときに自分がどう感じるのかを大切にしたいし、今回私が感じたものも私にとっては決して嘘ではないので、ここに書き記したことも自分の感想としてしっかり受け止めておきたいです。

今回の私の感想見て嫌な気分になっちゃった方がいたらごめんなさい。あくまで私の感想なので、ぜひご自身の目で観て肌で感じて、ご自身が抱いた感想を大切にしてもらえたらと思います。

とにかく、また岡村美南さんとともに全国を回れるのがとても楽しみです。スマホも買い替えて、初めてのiPhone13でのキャスボ撮影でした。記念だね。

四季ちゃんが記事もあげてくれました!客席の写真に私の後頭部が映り込んでいたので探してネ!(?)

さて、次は今のところチケットを持っているのが9月10日の宇都宮公演、地元です。この日は家族と観劇の予定なので、岡村さん来てくれたら嬉しいな…。

ということで、今回はキャスト個別の感想なしの観劇レポでしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!またよろしくお願いします!

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