2023年7月29日マチネ 劇団四季『ノートルダムの鐘』




ノートルダムの鐘
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ゆうき
ゆうき

岡村美南さん以外のエスメを観るの6年ぶり!

日時:2023年7月29日マチネ公演
場所:四季劇場[秋]
座席:S席1階7列センター




はじめに

新・秋劇場での『ノートルダムの鐘』は今回がMy初日&My楽になります。今週のキャストが未見さんがほぼ揃ったので観に行きたい!と思って、そしたらタイミングよく友人がチケット持ってたので譲ってもらうことができました。

秋劇場で上演するっていうのがとても感慨深いです。日本初演は旧・秋劇場での上演でしたから、劇場自体は変わってしまったけどそれでも浜松町に戻ってきたということが嬉しいです。相変わらず今期もチケットは激戦のようで、本当に人気が凄いですね…。私もこの貴重なチケットを握り締め、大切な1回限りの観劇を楽しみたいと思います。

やっぱりこの作品は秋だよなぁ~。

それにしても、私が岡村美南さんのいらっしゃらない『ノートルダムの鐘』を観劇するのって実は6年ぶりです。2017年の京都公演で宮田愛さんのエスメラルダを観て以来、ずっと岡村さんエスメしか観ていなかったので、本当に久しぶり。そのため、相原茜さんや松山育恵さんのエスメラルダにまだ出会えておらず、いつか…いつか…Someday…観に行きたいです。

道口さん、やまはるさん、迪さん、白石さんの京都公演デビュー組が何より今回の楽しみでしたし、久しぶりに達郎さんカジモドを観られるのもとても楽しみでした。キャストの感想がほぼメインとなるかと思いますが、ぜひ最後までご覧ください!

総評

全体の感想です!

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

私がこの作品を最後に観たのってまさに1年前くらいなんですけど、この間に何があった…?と驚くくらい色々変わっていて衝撃を受けました。キャストが凄いとか色々あったけど、何よりも衝撃だったのが新演出。この東京公演で変わったのかな、それとも京都公演かな。

全体的に大きく変わったのは2幕ですかね。基本的に、暴力の描写がリアリティ増した印象です。たとえば、奇跡御殿で「クロパンはあっという間に町から抜け出すさ!」みたいなセリフを言うジプシーが、兵隊たちに捕らえられて右の手首を剣で斬られるというシーンが追加されていました。以前は腹パンで終了でしたが、手首を斬られるのは衝撃的すぎて記憶が一気に吹っ飛びました…。エグすぎる。

バスティーユのシーンでも、フロローがエスメラルダに迫るところでエスメが着ている囚人服をまくり上げようとして太もも周辺を触ったり、以前よりやや描写が生々しくなっていました。ここはふと『ウエストサイド物語』のアニタの強姦シーンを彷彿とさせてしまって、よりショックが大きかったです。これ贔屓で観たらもうショックで立ち直れないかもしれません。

そしてカジモドがフロローを投げ飛ばすシーン。「悪人は、罰を、受けるんだ!」と骨を砕いて体を起こしながら、フロローの首を手で掴むんですね。カジモドの強い握力に握り潰されそうになるフロローが危うく窒息しそうになりながら倒れ込み、地を這うようにして逃げようとするも、カジモドに逃げ場を塞がれ、首根っこを掴まれながら立ち上がらされて、柵に突き飛ばされて、最後投げ落とされるという流れになっていました。ここが一番大きな変更点かな。カジモドの荒々しさと怒りと強さ、フロローの弱さがより強調されて、ショックは大きかったですが非常にリアリティのあるシーンになっていました。

あとはラストでフロロー、エスメラルダ、フィーバスが顔を汚して登場してくるところが音楽に合わせて歩いてくるようになりました。ここはわりと最近変わったシーンなのかな?

他にももしかすると変更点あったかもしれませんが、私が分かったのはこの4ヶ所でした。とにかく暴力的なシーンの描写がとてもリアル。容赦ない感じがひしひしと伝わったことによって、この時代のジプシーたちの迫害っぷりやカジモドの狂気っぷりは非常に伝わりやすくなりました。より作品の重々しさが増して、かなり重厚かつ人間の醜さが強調されて、正直観るのがとてもキツかったし苦しかったです。私が事前情報を入れずに観ていたために衝撃が大きかったのもあるかもしれませんが、それにしても今の新演出版はなかなかショッキングでした。今の私のメンタルだったら、贔屓が来ても連日観るのは正直キツイかもしれない…。

この初見で感じたショッキングな感情を忘れないようにしたいです。いつかきっと慣れちゃうからね。なので、今回はせっかく新キャストを楽しみに観劇しに来たんですけど、ショッキングな新演出に頭をぶん殴られたような感覚でとても大変でした…(笑)

あと、今回は岡村さんが出演していないのでかなりフラットに観られたと思います。いつもどうしてもエスメラルダばかり定点で観てしまうので、今回はカジモドやフロローやフィーバスにも焦点を当てながら観ることができました。と言いつつも、無意識に目がエスメを追ってしまうのはどうしようもないのですが…(笑)

フラットに観られた分、作品そのものにかなり没頭できて、めちゃくちゃ泣きました。達郎さんカジモドとやまはるさんエスメのお芝居が特に私の感情を揺さぶってきて、ぽろぽろ涙が溢れてしまいました。改めて切なくて美しくて残酷なお話ですね。

やまはるさんエスメが本当に等身大の女の子らしさがあったので、そんな女の子に男性陣たちが惹かれてしまうっていう普遍的な恋愛模様がとても新鮮でした。逆に、やまはるさんエスメを観たことで岡村美南さんエスメの達観っぷりを再認識した観劇でもありました。岡村さんエスメって人生5週目くらいの人間離れした聖母っぷりがあって、そんな女性に惹かれてしまうのは仕方ないよ~~~って感じだし聖母マリアのような女性に惹かれるフロローってとても皮肉的で面白かったんですけど、逆にやまはるさんエスメが等身大だからこそそんな普通の女性にフロローが惚れてしまうことの葛藤がより濃く出たような気もします。

先述したように、岡村さん以外のエスメラルダを観るのマジで6年ぶりだから何もかもが新鮮で。でも違和感があるわけではなくて、こんなエスメラルダもいるんだな!っていう新鮮さと驚きと、岡村さんエスメにはない普遍さがあったのが凄く良くて、個人的にはとても収穫の多い観劇になりました。岡村さんエスメってこうだったんだな~と再認識する点も非常に多かったから、やっぱり違うキャストで観るってとても大切なことなんですね。やまはるさんエスメ、はじめて稽古記事でお写真を拝見したときから絶対似合う!って思っていたので、ようやくお会いできて嬉しかったです。

今回はドセンだったのでバランス良く観られて、前に座高の高い人もいなかったので視界良好でした。つい先日の『美女と野獣』とは打って変わって、訓練されたオタクたちが集まっているから非常に一体感のある客席で、その雰囲気に呑まれましたね。本当にこの作品って濃いファンの人たちに愛されてるんだなぁ…と思いました。

あと、やけに冷房が効いていてとても寒かったです。作品の凄さに鳥肌が立っているのかなと思ったのですが、冷房がガンガンに効いているらしくて凄く寒すぎました。地獄の炎に焼かれるつもりで来たので、逆にエルサの吹雪が2階にまで及んだのかもな…(笑)

カテコは拍手が止まりませんでした。最後は達郎さんが一人で登場し、拍手を煽るように両手を上にどんどん上げていって、そしたら今度は客席に向かって達郎さんも拍手を送っていました。舞台中央奥に捌けていくときに、扉が左右から閉まっていくんですけど、一度捌けたと思った達郎さんが扉が閉じるちょっと前にまた戻ってきてバイバーイってしてくれました。それがとてもお茶目で可愛かったです。達郎さんのそういう観客を大切にする姿勢、いつ観ても尊敬しちゃいます。

最後はとてもほっこりしたので、少しだけ救われた気持ちになれたかも。色々と久々すぎて衝撃もショックも半端なかったし、個人的にはかなりメンタルやられた観劇になりましたが、このキャストで観たかったからキャスト的には大満足。贔屓が出ていなくても作品としてこれだけ楽しめたので、自分としても凄く大きな収穫でした。あと1週間で千穐楽というさらにボルテージが高まっている状態での観劇でしたし、デビューされた方々もかなりお芝居が馴染んだ状態なんでしょうし、とても良いタイミングで観劇できたと思います。

色々感じたことはありましたが、何はともあれ観劇して本当に良かったです!

NEXT>>キャストの感想です!

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