2021年3月12日マチネ 劇団四季『マンマ・ミーア!』@京都




マンマ・ミーア!
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キャストの感想

キャストの感想を書いていきます。

ドナ・シェリダン:岡村美南

今回もコンディション抜群でした!観れば観るほどどんどんパワーアップしていて、最高すぎますよぉぉぉぉおおお!前回観て芝さんサムと並ぶと岡村さんはドナ演じるにはまだまだ若いなぁ…って思いましたけど、サムとドナが年の差カップルであったという仮定であればその違和感も薄れましたし、なんか逆に当時まだまだ子供だったドナが40歳になって大人の女性になったっていうのが…なんか…良いなって…(笑)

もちろんそれだけサムも年を重ねたわけですけど、ドナはドナで40歳になって未だに独身ながら娘を1人で育て切ってちゃんと母親になっていて、ホテルも切り盛りしていて…と、若くて未熟だった当時のドナからは想像もできないほど逞しく大人に成長したっていうのが今回の岡村さんドナからしっかり伝わってきました。だからこそサムもドナを支えたいって強く思えたんだろうなーって、サムのドナに対する気持ちへの説得力にも繋がったような気がします。

「もう私あの頃のように子供じゃないから」って強がっちゃってみたりするのも可愛いし、岡村さんドナがいい塩梅に大人になりきれてない大人としてドナを演じているのが本当に絶妙だなって思いました。芝さんサムの良い感じにお年を召した60歳近い男性との対比にもなっていて、岡村さんが表情であったり仕草であったり台詞の言い方であったり、色んな部分で大人と子供の境界線を見事に表現しているのが凄く面白く感じました。

だから芝さんサムと組んだことで改めて岡村美南さんドナについて色々と考えることができて、今回も色んな発見ができてとても楽しかったです。大人な彼は子供な自分に振り向いてくれない、本気になってくれない、子供な私の愛を本気で受け止めてくれない…色んな寂しさを感じさせる佇まいをしていて、もう…もうめちゃくちゃ愛しかったですわ…。One Of Usもですけど、個人的にはS・O・Sが本当にグッときます。ちょうど上手から観る芝さんサム越しの岡村さんドナの表情がマジで切なすぎてたまらなかったです。

それとThe Winnerも本当にグッと来ました…。私の解釈に則って観ていったときに、岡村さんドナの悲痛な叫びと寂しそうな表情がすっごく切なすぎて、阿久津さんサムへの訴え方とは全然違ったドナの想いが凄く伝わってきました。年の差あるあるの「大人な彼に子供の自分の本気度が伝わらない」みたいな…。その切なさ。「他の人を愛したとき私のこと思い出した?」っていうのも、単なる皮肉じゃなくて「大人な女性(=婚約者)と子供の私」という一生乗り越えられない年齢の壁を彼に示しつつ、「あなたは遊びだったかもしれないし子供なんか相手にするつもりなかったのかもしれないけど、私は本気で夢を見ていたの」っていうのを凄く訴えていました。

もう目に涙を溢れさせて泣きそうになりながら歌っている姿も印象的で、それがまた岡村さんドナの本気度を感じさせて凄く良かったです。それと歌い出しの「聞かないで過去のこと」は逆に凄く弱々しくて、掘り起こしたくないくらい岡村さんドナにとっては苦しくつらい記憶だったんだなというのを感じました。抑揚もしっかりつけながら感情を込めて歌うのが日々上手になってきていて、今回のThe Winnerもドナの気持ちを自分なりに咀嚼した上でメロディに感情を乗せて歌っていたし、素晴らしかったです。そりゃ外国人たちも歓声あげてくれますよ(笑)

なので改めてこうしてサムが変わったことで岡村美南さんドナのことを再評価できて、The Winnerにおけるドナの感情についても考え直すことができてとても楽しかったです。阿久津さんサムとは見た目的にもそんな年齢差を感じさせないし、いわゆる普通の男女の恋愛として諸々のトラブルがあった…という程度にしか考えていなかったんですけど、芝さんサムと組むことでどうしてドナがこんなにサムを忘れられなかったのかを今一度考えるきっかけになりましたし、自分なりの解釈を見出したことでこのナンバーに込められたドナの想いがより一層胸に響くようになりました。

今まで流れるように観ていた部分も、ちゃんと彼らのバックボーンを考えながら観ていくことで凄く意味合いが変わってくるし、そこに対する岡村美南さんのドナの感情表現も明確に見えてくるし、なんか…このタイミングで芝さんサムと組むのを観れて良かったです。めっちゃ岡村さんドナがThe Winnerで悲痛に訴えてるやんっていうのを、改めて気付くことができました。いやもう最初は拒否反応あったしなかなか受け入れられない…って思ったしちょっともがいていましたが、しっかり自分の解釈を持って受け入れて観てみたら見え方かなり変わったので、「物事を違う角度から見る」って本当に大切なことだなと感じました。フィエロの名言ですね、分かる人には分かるネタ。

そういう意味でも芝さんサムと絡むシーンは見え方感じ方が凄く変わって新鮮でした。その一方で、まりえちゃんソフィや恒川さんターニャ&増山さんロージーと組むシーンは安定感があって、それぞれの絆を感じさせて凄く良かったです。今回のSlippingもかなり目に涙を溜めながら歌っていましたし、岡村さんドナがまりえちゃんソフィをどれだけ大切に大事に育ててきたのかっていうのも伝わってきました。サムとの関係性が大きく変わったことで、ドナにとってのソフィの存在もまた印象が変わって、よりソフィを大切に想う気持ちが強くなったように思います。そういう意味でも、今週のSlippingは今までとは感じ方がきっと変わるでしょうし、凄くお母さんしていて温かくて優しい歌声と表情で魅せてくれます。マジで素敵です。

あと岡村さん関連で行くと、マネマネの「いつか金持ちの男を捕まえて」は男を摘まんで胸元にしまっちゃう仕草をしていたんですけど、増山さんロージーと同じように岡村さんドナの胸元を覗いていたまりえちゃんソフィが親指と人差し指でサイズ感を示すように「ちっちゃい」みたいな仕草をしていたんですけど、それは何に対して!?(笑)ちょっと謎の仕草すぎて笑ってしまいました(笑)

今回はそんな感じかな~。岡村さん、カテコの盛り上がりには本気で驚いていて、盛り上げてくれていた外国人たちを見つけてそっちに何度も手を振っていました。そりゃこのご時世にあれだけ盛り上げてくれて楽しんでくれる外国人がいるんだから嬉しいよね~って、私まで嬉しくなっちゃいました。凄く嬉しそうな顔してた岡村美南さんを観ることができて幸せです。

とりあえず、2回目で早くも芝さんサムとの絡みに慣れたので良かったです。岡村さんドナの新たな一面については今後も見届けながら色々と考察していきたいなと思っています。まだまだ私の知らない岡村さんドナの姿があるんだなっていうのを知りましたし、もっともっと知っていきたいです。ということで、引き続き次回も岡村美南さんドナの勇姿をしっかり見届けていきます!

ターニャ:恒川愛

恒川さんターニャがもう面白すぎてツボです…。あんなにお美しくてかっこいいのに面白いってギャップがたまらないですよねぇ…。毎回恒川さんターニャの不意打ちには笑わせられてしまうんですけど、今回も至るところで不意打ちを食らってめちゃくちゃ笑いました(笑)

天然な面白さがあるので、それがまた憎めないし、年下感溢れるやんちゃさを醸し出しているし、恒川さんターニャの魅力だなと思います。きっとこの持ち前の天然っぷりは昔から変わらずで、ドナとロージーにたっぷり可愛がられてきただろうなーって想像したらキュンとなりました。

そして今回の不意打ちは、ドナから元カレたちがバーにいるというのを聞いてバーを覗きに行くシーン。「娘の父親たちを忘れると思う?…来て」とドナに呼ばれてベッドに向かおうとするときにドナが「伏せて」と合図を送るので、そのときにバーを振り返って「いないっ」とオフマイクで言っていたのが笑いました(笑)ここの恒川さんターニャ、実は毎回やること違うので日替わりなんです。なので密かな注目ポイントですし、毎回色んな不意打ちを食らうシーンでもあるので笑わずにはいられないです。

また、ロージーがビルのことを紹介するシーン。「ビル・オースティン。お恐るべきオーストラリア人。原野を駆け回る野生児ってとこね」とロージーが言ったのを聞いて、今回は両手を上にあげてガオーっというポーズをしながら駆け回っていました(笑)野生児が原野を駆け回るのを表現しているんだなって思ったらめちゃくちゃ面白くて笑いをこらえきれなかったです(笑)前回も同じようなポーズしながら「食べちゃうぞ!」って言ってて、もう恒川さんターニャマジで面白すぎます(笑)

こういうところが恒川さんターニャの憎めないところだし可愛いところだし面白いところだなーって思うんですよね。とにかく恒川さんターニャは動きがうるさい(笑)あんなに煌びやかでゴージャスな衣装やアクセサリーを身に纏っていても、どんなに整形して美貌を手にしたとしても、根本的な人間性は変わらないっていうところが凄く魅力的です。とにかく1幕の恒川さんターニャは不意打ちが多すぎて本当に面白いので、ここのドナ部屋のシーンは毎回笑いをこらえるの大変です。

かと思えば2幕のダズユアではひたすらかっこいい一面を披露してくれるので、振れ幅も凄い…。今回のダズユアもかなり痺れましたし、福岡のときで観たような途中からどんどん楽しくなってきちゃう恒川さんターニャを観られて幸せでした。京都2週目に入って少し余裕も出てきたからか、ご自身でも楽しみながらターニャを演じていらっしゃる印象があります。そういうのもダズユアでしっかり反映されていたし、ペッパーたちを弄びながらも自分も楽しくなってきちゃって思わず笑みがこぼれてしまうノリノリで色っぽい恒川さんターニャが本当に最高でした!

観れば観るほど恒川さんターニャの虜になってしまいます…。本当に素敵なターニャが誕生したなぁ…って思いました。岡村さんドナとの組み合わせもどんどんしっくり来るようになりましたし、これからももっと魅力の増したターニャが観られるんだろうなと期待したいです!

サム・カーマイケル:芝清道

近くで観るとさらに情報量多すぎてレポしきれないですねぇ…。芝さんサムは本当にすべてが細かくて、こんなに人間味溢れたサムってなかなか観れないのでとても貴重でした。とにかく感情が表に出るから分かりやすくて本当に可愛いです(笑)相変わらずマイクの音量は小さい気がするんですけど、前方で観たからなのかちゃんと声はこちらにも届きました。決してコンディションが悪いというわけではなさそうなので、やっぱりマイクの問題だろうなぁ…。

それで、冒頭のダディーズだけのやりとりの中で「21年」という言葉が何度も出てくるのですが、ビルが「21年前に」と言ったときにハッとしたようにビルを見ていたのが細かいなと思いました。その後ハリーも「21年も話してない」と言ったのを聞いて、「なんだか仕組まれているようだ…」と怪しむんですけど、ビルのときにそうやってハッとした表情を見せているのでこの台詞に説得力がありました。

芝さんサムは台詞1つ1つに対してしっかり意味を込めながらお芝居をされていて、とにかく本当に表情であったり仕草であったりが細かいです。だからこそ観ているこっちも凄く物語が頭に入ってきやすくて、サムがいかにこの物語において鍵を握っているのかっていうのも凄く伝わってきます。

あとはThank You~のラスト、ソフィからキーを受け取ったあとの動きがまた可愛くてキュンとなりました。今回はキーを舞台袖に投げるっていうことはしていなかったんですけど、逃げようとして坂本さんビルに止められ、逆を振り返ったら飯村さんハリーに止められ、また振り返って坂本さんビルに止められ、観念してテーブルにこぢんまりと座るんですね。もう内股になって両手で頭を抱えちゃって、本気でヤバいって思っているのが伝わってきて凄く可愛かったです(笑)だけど最後はキーを目の前に掲げて見つめて、思い直して一緒にノリノリで歌っちゃうっていうのも凄く素敵でした。Thank Youの芝さんサム、仕草1つ1つが可愛くて仕方なかったです。

その一方でUnder Attackでは岡村さんドナに顔を寄せて体を撫でて…っていう仕草がとてもやらしいというかめっちゃ変態らしさ全開で凄いんですよ…。これ福岡で初めて観たときも結構衝撃的だったんですけど、凄くじっくりたっぷりと上から下にかけてドナの体をなぞっていくので、観ていてゾッとします(笑)ああこれがかつてラブマシーンと呼ばれた男なのか…と(笑)まあそういう部分も含めて芝さんらしくて嫌いではないです。

あと印象的だったのが、バグパイプを見つけるシーンのお芝居です。「僕のバグパイプ…!ずっと持っててくれたんだ…」という台詞が本当に驚きつつ、嬉しそうに言っていたのがとても印象的でした。「ずっと持っててくれたんだ」はバグパイプをしばらく見つめてから実感を込めるように言っていて、ドナが自分のことを忘れずにいてくれたということの嬉しさを噛み締めているようでした。こういうところでも芝さんサムのドナへの想いが凄く伝わってきて、キュンとなりました。本当にお芝居が細かいです。

それからめっちゃ可愛かったのが結婚式でドナにプロポーズするシーン。I DOで「生きていこうよ2人で手を取り」と思い切ってプロポーズしたものの、岡村さんドナが固まってしまったので、ちょっと困惑して回れ右してドナのほうを指差しながら「固まっちゃったんだけど…どうしよう…」と言わんばかりに困り果てて男性陣の元に助けを求めに行っていたのが凄く可愛かったです(笑)でも男性陣に活を入れてもらって両手でガッツポーズするみたいに気合いを入れ直して、再びプロポーズしに行っていたのが本当にひたすら可愛すぎました(笑)芝さんサム、見慣れてくるとひたすらお茶目で可愛いんですよね。ユーモアもありつつ、しっかりドナに想いをぶつけるのが凄く愛しいなと感じました。

そして岡村さんドナをサッと抱き上げてお姫様抱っこするのがマジで男らしくてキュンとなります。こういうのを観ていると、芝さんサムは岡村さんドナを子供扱いなんか一切していないし、1人の女性としてしっかり対等に向き合って誠心誠意愛していたんだなぁ…っていうのが伝わってきました。前回観たときは闇を感じるとか書いちゃいましたけど、芝さんサムも芝さんサムなりに色々悩んできたことがあっただろうし、まあ言うても年齢が年齢ですから人生に疲弊することもあるだろうし…そういう部分もひっくるめて芝さんサムの魅力なんだろうなって思います。

前回どうしても芝さんサムに対して見慣れない部分があったり自分なりに上手く咀嚼できない部分があったりしてモヤモヤしていたので、それを踏まえてしっかり自分の中で解釈を作ってこうして観てみたらただただ可愛くて愛しい人だなぁっていうことに気付けたので良かったです。もちろん2回連続で観たからこそ余裕も生まれたし、前回よりは理解できる部分もあったとは思うんですけど、やっぱり自分の中で咀嚼できるかできないかで全然見え方感じ方違うなーっていうのを痛感しました。

バイタリティに溢れていて凄くかっこいいサムだったので、何だかんだで岡村さんドナのことをしっかり愛してくれそうですし可愛がってくれそうで安心です。引き続き観劇を重ねて芝さんサムについての理解をもっと深めていきたいなと思いました!

>>次のページからは尊いみなまりの絡みレポ!

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