久々の泰潤さん×岡村さん！
はじめに
ようやく横浜公演2回目来れました。なかなかチケット取れなくて焦っていたのですが、今回はお譲りいただけたので滑り込み観劇って感じです。チケットが取れない状況って嬉しいことのはずなんですけど、観に行きたい側としてはなかなかに困りものですな…（笑）
さて、私事ではありますが6月に入って税務署に開業届を提出してきたので晴れて個人事業主として活動することになりました。今はもう好きな時間に好きなだけ仕事をするスタンスを取っています。ただ、最初は収入も安定しないので、これまでのペースで観劇していたら確実に破産。理性をフル動員しないとヤバそうです。
しかしながら先日観た岡村美南さんのエスメラルダがとっても良かったので、行かない選択肢はありませんでした。できれば泰潤さんとの組み合わせで観たかったのでこの日を狙いましたぞ！京都公演ぶりの組み合わせ、また観れて嬉しいです。
久々にエスメベアを引っ張り出したよ。ボロボロでひどいありさまだけど、大切な子なので『ノートルダムの鐘』強化週間は一緒につれていきます。
ということで早速レポを始めていきますので、最後までお付き合いくださいましー！
総評
全体の感想です！
泰潤さんカジモドをどうしても観たかったし、京都公演で観たときの岡村さんエスメとの組み合わせが良かったなぁ…っていうのを思い出して、凄く期待大で劇場に向かったんですが、見事にその期待を大きく超えてくる神公演でした。本当に凄く密度の濃い公演だったなぁ。
どの作品もそうですが、プリンシパルが1人変わるだけでも作品全体の印象って大きく変わるじゃないですか。先日観た寺元健一郎さんカジモドのときとは全然違う作品になっていて、その違いが凄く楽しかったです。
泰潤さんカジモドは体躯が大きく表情の歪ませ方や声の出し方で怪物らしさをリアルに表現していて、周りの人間とはどこか違うような雰囲気を醸し出していて、それがよりカジモドの特異さを感じさせてグッと来ました。同時にフロローがなぜ彼を表に出したくないのかも納得できたし、エスメが彼に優しくする理由も理解できたし、周りの人たちがどうして彼に怯えるのかも凄く実感できました。うん、正直に泰潤さんカジモドは見た目だけだと迫力あるから怖いね。本当は凄く心の優しい青年なのに。
まるで自分が周りの民衆と同じになった感覚だったんです。一瞬でもカジモドを怖いと感じてしまったら、多分もうエスメ側には戻れないんだろうなって。人はどうしたって見た目だけで判断してしまうときがあるんだよね、少なからず。人間の第一印象って見た目で決まるって言うくらいだし。最後のフロローを追い詰めるときの泰潤さんカジモドは、本当の怪物のように怖かったです。全身の骨を折る仕草も凄くリアルでした。凄かったけど、怖かった。こんな感覚、多分初めてでした。
そしてフロローを観ながらいつか自分もそっち側の人間になってしまうことがあるかもしれない…という怖さも抱きました。愛と憎しみは紙一重。カジモドのように「好き」という気持ちを純粋に大切にできればいいけど、いつかその「好き」という気持ちが何かのきっかけで「憎しみ」に変わってしまうかもしれないわけです。単純にフロローをフィクションのキャラクターとして消費できないな…と思いました。だから、凄く怖かった。
今回は至るところで凄く不思議なぞわぞわとした感覚が襲ってきました。登場人物に感情移入をするわけでもなく、でも登場人物にどこか自分を重ねてしまったり、リアルさを見出してしまったり…。フィクションの世界の話としてこれまで観てきた作品ではありましたけど、昨今の世界情勢も相まってやっぱりただのフィクションの物語としては受け取れなくなりましたね。真に迫るものがあります。
人間の汚い部分を凄くリアルに描いている作品なわけですよ。「人間と怪物、どこに違いがあるのだろう」ってまさにそのままじゃないですか。最後フィナーレで、カジモドを嘲笑っていた民衆たちがみんな顔を汚して、カジモドだけが顔の汚れを取って綺麗になる。エスメもフィーバスもフロローも、「人間」として登場した人たちはみんな顔を汚して登場します。これがもう人間と怪物は表裏一体なんだよってことを示していて、人間は怪物のようにおぞましい一面を持っているんだよってことじゃないですか。もう、だから今回はその人間の汚い部分を特に意識してしまった観劇でした。
でもこれだけ心の汚れた人たちがたくさん描かれているからこそ、エスメラルダのような心の綺麗な人は余計に美しく見えるんだなとも思いました。別にエスメは良い人になりたいと思っているわけではないし、自分の心に正直に生きたいだけの人なんですよね。正義を振りかざしているわけでもない。彼女の正義を信じて、ただ真っ直ぐ突き進んでいるだけ。それでも彼女は女神のように見える。
それだけ、人間って汚れてるんだな…とも思いましたよね。今回はSomedayを観ていて、祈りを捧げるのに憎しみや悲しみや悔しさや嘆きは一切いらないんだなって感じたんです。どんなに窮地に立たされても、エスメは祈りを捧げるときには絶対に憎しみや悔しさを言葉として吐き出さなかった。そうかぁ、そういう負の感情はいらないんだ…って。だからエスメはあんなに真っ直ぐ前を向けるんだって。今更ながら、色んなことに改めて気付かされた観劇になりました。
Somedayに関しては、冒頭エスメが歌い出すところで謎のマイクノイズが入るっていうトラブルがあったのが残念です。誰かのマイクがオンになってしまっていたのか分からないんだけど、なんかボソボソとした音が聞こえてきたんですよね。Somedayってイントロも含めてしっとりしているから、ノイズが凄く目立っちゃって。岡村さんもちょっとそっちに意識持っていかれた感じはありましたね、すぐ立て直したけど。いやー、今回のSomedayがめちゃくちゃ良かっただけにこういうトラブルは本当に残念だしもったいないです。
でもトラブルやハプニングは他にはなかったので一安心。あ、岩城さんが1ヶ所セリフミスっちゃったところはあったけど、変な間違え方ではなかったし許容範囲でした！とにかく今回も素晴らしい公演でした。8列センターも凄く観やすかったですし、座席環境も良かったので集中できて大満足！観に行けて良かったです～！
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