2022年7月3日マチネ 劇団四季『ノートルダムの鐘』@横浜




ノートルダムの鐘
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ゆうき
ゆうき

最前列センターで見納めしてきました!

日時:2022年7月3日マチネ公演
場所:KAAT神奈川芸術劇場
座席:S席1階4列12番




はじめに

7月4日のキャス変でようやく岡村美南さんが抜けられました。実質7月3日が最後のエスメラルダ出演ということで、いやぁ…この土日マチソワマチして良かったです。正直これで来週もいたらどうしよう…という不安?もあったんだけど、駆け抜けて完全燃焼しました。

土ソワ明けの日マチってその間にブログ更新しなきゃいけないし睡眠もとらなきゃいけないしで、かなりハードなんですよ。ブログ更新しなきゃいいじゃーんって感じなんですが、それはそれでやりたいし、本当にハードな土日でした。おかげで日曜日は連日炎天下を歩いたことで若干熱中症気味になって頭がくらくらしていたし、睡眠不足もあったし、コンディションとしては結構しんどかった部分もありました。だけどね、フォロワーさんにとっても素敵なお席をお譲りいただいたので、すっごく楽しみでした。

私ね、いつも思うんですよ。もしかしたらこの役をもう演じないかもしれないって。12月から京都公演が始まるけど、もしかしたらそっち出ない可能性もあるわけですよ。そういうことも考えると、絶対にラストデーは観に行きたくて。なので、勘でしかなかったけど今週こそ最後だろうという気持ちで観に行けたので本当に良かったです。これがもしエスメ最後の出演だとしても、悔いはないです。それくらい、しっかりと見届けることができました。

そんなわけで、今回はこの横浜公演の総括みたいなものも含めて書いていきます。ぜひ最後までご覧くださいまし!

総評

全体の感想です!

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

とっても素晴らしい公演でした。ちょこちょことしたミスのようなものもありましたけど、今回も熱量の高いお芝居が繰り広げられていました。なんだか、今回はいつもと見え方や感じ方が変わったシーンもあって、個人的には凄く収穫のあった観劇になったと思います。あとは何より、土曜日のマチソワの席ガチャがちょっと渋かったのもあり、最前列センターの視界良好っぷりは本当にノンストレスでした。俳優さんの息遣いまで聞こえてくる距離感だし、本当に贅沢な観劇ができました。

そして今回は最後の最後で俳優さんたちのお芝居に泣かされてしまい、マスクの中びしょびしょでしたし目も痛かったし酸欠でした(笑)なんなら1幕は足が攣りかけたので、完全に寝不足でしたわ。でも、すっごく物語に入り込んで観劇できたのは大満足です。どうしても観劇に集中したくて、余計なことを考えなくて済むように、持っているTwitterの別アカウント一時的に2つ削除したくらいなので(笑)

今回一番自分的にしっくり来たのは、フィナーレで市民たちが顔を汚す瞬間の行動原理でした。この演出の意図って何なんだろう…ってよく考えてはいたものの、まあ要は人間と怪物は紙一重なんだよってことを表しているんだろうなってくらいしか思いつかなくて。ここ最近、あまりにもエスメに感情移入しすぎてフロローや彼女の死を望んでいた民衆たちに対する苛立ちが本当に凄くて…。そういう目線で観ていたら、ラストのあの演出がとてもしっくりと来ました。

エスメラルダが処刑される直前、その様子を見ていた民衆は「早く殺せ」だなんだ言って彼女の処刑を喜んでいました。完全にフロローの悪事に踊らされているだけなんだけど、それでも彼女が悪いと信じて疑わず、人とは思えないような言葉を彼女に浴びせまくっていました。もうこれは言葉の凶器。フロローが直接彼女を手にかけたけど、民衆も同罪だと思っています。

そんな彼らは、フロローが「大聖堂を襲撃しろ!」「私は大助祭だ!法律なんてどうでもいい!」と言い放つのを見てようやく目が覚めたようで。「え、何言ってるのこの人…」という信じられないような目つきでフロローを見るようになりました。また、フィーバスが魂の叫びで民衆に呼びかけたことで、彼らは「正義」のために何をすべきなのかを理解したと思います。

救出されたエスメは瀕死の状態ながら意識を取り戻すもすぐに息を引き取り、尊い命が奪われました。彼女が何したっていうんだよ…という怒りが沸々と込み上げました。そしてそんな彼女の亡骸に縋りつく神永さんフィーバスの姿に涙がブワッと溢れたし、そんな神永さんフィーバスの想いを引き継ぐように彼女を抱き上げる寺元さんカジのよたよた具合にも泣いたし、彼がエスメを抱きかかえて民衆の前に姿を現した瞬間の周りの驚いたような視線にも心が痛みました。

民衆が2人を見る視線というか反応?がね、冒頭で書いた顔を汚すところの行動原理というものに繋がっていくのかな…と思うんですが…。民衆は何に驚いたんだろう…って思って。そりゃ、自分たちが散々「怪物」と罵ってきたカジモドが目の前にいるんだから驚くだろうし、同時に彼が抱きかかえている女性はさっきまで火炙りの刑に処されていて自分たちが「殺せ」と罵ってきたエスメラルダだから驚いたでしょう。本当に死んじゃったんだよなぁ、彼女は…。

このときの民衆はもう、何が正しかったのかをきっと理解しています。フロローの悪事にようやく気付き、本来誰が罰を受けるべきだったのかをきっと痛感したと思います。カジモドもエスメラルダも、民衆によって逆の意味で偶像化された存在になってしまったんですよね。偶像化の対義語が分からなかったので上手く説明できないんですが、要は「怪物」「悪魔」というレッテルを貼られた人たちなわけです。言葉を凶器にしてカジモドとエスメラルダを傷つけ、結果的に彼と彼女の未来を奪ってしまったんですよ、民衆は。

ボロボロになったカジモドと遺体となったエスメラルダを見た民衆たちは何を思ったんだろう…って考えたら、ふと涙が溢れました。彼らもフロローと一緒になって追い詰めた2人の末路を見て、ようやく自分たちがしてきたことの罪の重さを実感したんだろうなって思います。そして、その罪を償うかのごとく、自分たちの顔を汚し始めたんだろうなーってふと思いました。

彼らの心にも怪物が潜んでいて、その怪物が表に出てきて具現化したのがまさにあの顔を汚して体を歪ませる民衆の姿だったのかなと思うと、凄くしっくり来ました。そうか…彼らも罰を受けたんだ…と思ったら一気に涙が溢れて止まらなくなりました。彼らが自分たちの行いに気付いて罰を受けたと同時に、正義の夜明けが訪れたんですかね。エスメラルダの無実が証明されたことで、彼女は地獄ではなく天国へと導かれたのかもしれませんね。なんかようやく、自分的にスッキリとこのシーンの解釈ができたような気がします。

Somedayの歌詞が凄くずっしりと重く心に響きました。エスメラルダの死と引き換えに、人々は確かに何が正しいのかを理解できるようになったんだ…と。彼女の死は決して無駄ではなかったのかもしれないと思うと残酷なんですが、でも尊い命と引き換えに彼女が祈ったSomedayがもうそこまで来ているんだと考えたら、エスメラルダも少しは救われるのかな…。

観れば観るほど味わい深く、この作品の凄さを実感してしまいました…。エスメラルダがどうしてあんな報いを受けなきゃいけないんだ…という理不尽さに苛立ちながら、今回は色んなことに気付けたので凄く充実した観劇になりました。俳優さんたちのお芝居も本当に素晴らしくて、この組み合わせで観る『ノートルダムの鐘』は解釈が凄く納得できるものだったので、私としてはたくさんの発見があって毎週観るのが楽しかったです。

とっても素敵な席でとっても素敵な公演を観られて幸せでした。本当に大満足、感無量です。きっと私にとっては横浜公演見納めとなると思うので、こんな素敵な公演で見納めできて嬉しかったです。今回も素晴らしい公演をありがとうございました!

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