2020年11月8日マチネ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』




ロボット・イン・ザ・ガーデン
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ゆうき
ゆうき

2日連続観劇!洋一郎さんタングです!

日時:2020年11月8日マチネ公演
場所:自由劇場
座席:1階S席4列15番




はじめに

今一番私の中でアツい『ロボット・イン・ザ・ガーデン』。まさかの2日連続で来てしまうとは…と我ながら驚いています。今回で5回目の観劇ですが、できることならあと10回くらいは観たいもんです。

さて今回は念願の最前列センターでの観劇でした。それもあって久々に洋一郎さん&長野さんタングで観ようってなって、前回の観劇がめちゃくちゃ楽しかっただけにより一層楽しみでもありました。実際、めちゃくちゃ楽しかったです。

もう観れば観るほどこの作品が大好きになるし、好きなポイントが増えていきました。本当に毎回観劇が楽しくて仕方がありません。観られるうちに。今回も観て感じたことをしっかりレポしていきます!

総評

全体の感想を書いています。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

今回もありがたいことにミスもハプニングもなく、また客席の環境も良かったので全力で楽しむことができました。最前列なので遮るものもなかったですし、凄くクリアに観ることができたのとやっぱり前方席で観ると舞台の迫力がより一層大きくなってさらに臨場感を味わいながら観劇できたと思います。

たくさんの拍手と笑いとで温かい雰囲気が出来上がっていたのもありがたかったですし、そのおかげもあって舞台の仕上がりもより良くなったのではないでしょうか。前回の観劇もすっごく楽しかったけどそれを上回る勢いで今回の観劇も楽しかったし色々と大興奮でした。

キャストの皆さんのお芝居も歌もダンスも本当に魅力的だし、久々に観た洋一郎さん&長野さんペアのタングが自分の中ですんなりと受け入れられるようになっていたこともあって、違和感なく観ることができました。両ペアともそれぞれの魅力があっていいなと感じられた今回の観劇でしたし、また色々な発見や考えさせられたことがたくさんあって充実していました!

キャストの感想

気になるキャストの感想を書いています。

ベン:田邊真也

今回も魅力的かつ自然なお芝居をされていて、舞台上でベンがリアルに生きていました。公演ごとに違ったお芝居をされるので、日によってベンがダメダメだったりちょっとパパっぽくなっていたりと違いが生まれるのが観ていてとても面白いです。今回は結構パパ要素強めな感じのベンで、タングに対してしっかり怒るところは怒っていたのが印象的でした。

カトウの研究室でタングのプレートをカトウに見てもらうシーンで、謎の文字が住所だと分かって「PAL…パラオ…」ってちょっと情けない声で言うところでは今回客席から大きめの笑いが起こっていて、それも相まってベンの間抜けな感じが強調されたような印象がありました。だからこそ、そのあとタングにボリンジャーのことを知っていながらなぜ言わなかったと責めるお芝居が、いつもより強めの言い方で言ったために直前までの緩やかな場の雰囲気を一気に引き締めていて、その落差に引き込まれました。

田邊さんの優しそうでちょっと弱っちい雰囲気ゆえに親しみやすさもある一方で、ちゃんと見せるところは見せるメリハリのあるお芝居が凄く素敵でした。タングに対しては時々厳しいことを言ったりしているんだけど、エイミーには強く出られなくて弱気になっちゃったり…と、相手によって見せる表情が違うのも凄く愛しさを感じずにはいられなかったです。

そんな中で今回個人的に凄く好きだったのが、旅から帰ってきてエイミーと再会して、エイミーに「あなたじゃないとダメなの」って気持ちを伝えられているときの田邊さんベンの表情でした。自分も泣きそうな顔して、「そんなことないよ」とでも言うように彼女の言葉を否定して少しつらそうな表情をして、それから泣き出しちゃうゆきみさんエイミーを抱き締めてよしよししてたのが本当に素敵すぎてキュンとなりました。大好きなエイミーが帰ってきたことも、自分の気持ちが彼女に届いたことも嬉しかったに違いないでしょうし、ダメなところも好きって言われてちょっと情けない気持ちもあったでしょうけど、それでも本当に大切なものを失わずに済んだことへの幸福感が凄く伝わってきました。田邊さんベンは絶対に素敵なパパになります…。ぜひゆきみさんエイミーを幸せにしてあげてください…。

タング:斎藤洋一郎/長野千紘

2週間ぶり?の洋一郎さん&長野さんペアのタング!前回観たときにセリフを話すときと歌うときとでメインボイスが変わることに若干の違和感を抱いたのと、うぶちゃんタングのような女の子特有の愛嬌とはまた違った可愛さに慣れないこともあって、少し自分の中で「んー」となる部分が正直ありました。でも今回観てみたら、全然違和感もなくてむしろうぶちゃんタングとは全然違うアプローチだけどすっごく可愛くて愛しくて、洋一郎さんボイスのタングもめっちゃ好きになりました。

多分最初にうぶちゃんタングを観てしまったからあの声の高さが自分の中での軸になってしまった部分も大きかったんだと思います。だから逆に最初洋一郎さんボイスでタングを観ると、うぶちゃんタングは声が高く感じてしまうかもしれませんね。こればかりは前回の印象を引きずったまま観てしまうといつまでも慣れないと思います。だからこそ、私も今回はフラットに観ようと観劇に臨んで、その結果洋一郎さん&長野さんのタングをまっさらな気持ちで観ることができたし、純粋に好きになれました。

うぶちゃんタングが感情的なお芝居をする一方で洋一郎さんタングはわりとフラットで機械的ではあるんですけど、ちゃんと機械なりの感情の込め方がされていて、その感情の表し方がすっごく絶妙なんです。主張しすぎず、でもちゃんと何を感じて考えているのかが伝わってくる喋り方。声の抑揚や強弱はあまりなく一定ではあるけど、確かに滑らかになっていて、不器用ながらも優しさと温かみを含んだ控えめな喋り方が凄く洋一郎さんらしいなと思いました。

パペティアのお2人の表情も凄く印象的で、長野さんは笑ったり嬉しそうにしたりちょっと怒っていたり…とタングと一体になっているんですけど、洋一郎さんはタングの感情に合わせてご自身の表情が動くことってあまりなくて…。でもだからこそ、2幕のタイトルナンバー(リプライズ)で洋一郎さんが静かに涙を流していた姿にすっごく心を奪われたと同時に、衝撃を受けました。あまり洋一郎さんって泣くイメージがなくて、しかもこのシーンでも表情を大きく変えてタングの感情を表現しているわけじゃないから冷静だなぁ…って思っていました、前回は。でも今回最前列で洋一郎さんが涙を流した姿をはっきりと観て、こんなに静かに、表情を大きく歪ませることなく涙を流せるんだ…っていう事実にも、洋一郎さんが泣いていらっしゃることにもビックリして、もらい泣きしてしまいました。

いやぁ…これはずるいですよ。泣くことが美徳ってわけじゃないんだけど、素直な気持ちがそのまま涙となって流れたんだろうなって思うとつい心を掴まれてしまいました。うぶちゃんタングとは違った感情表現だけど、それぞれに良さがあって、今回のペアも大好きになれました。マジで観て良かったです。

そして洋一郎さん&長野さんタングは笑わせどころも違って、洋一郎さんの低い声を使ってちょっとおっさんみたいな声を出したりするのがずるかったです(笑)たとえばベンに体を拭かれているシーンで腕を上げる際に「ほいっ」て言いながら上げていたりだとか、ベンのズボンをバッグから見つけてベンの元へ投げる際の「おりゃぁ!」っていう雄たけびとか。普段ちょっと高めの可愛い声なのに急におっさんみたいな声になるので、これは男性ボイスならではの笑わせ方だなと思いました。

あとはタングの仕草もちょこちょこ違っていました。マッスル萩原さんがめっちゃノリノリになっているときに萩原さんの動きに合わせて「YO!YO!」みたいに腕を突き出していたり、エイミーが家に帰ってきたときに「エイミー!エイミー!エ……エイミー!」って2度見したり。こういうちょっとしたお芝居や仕草の違いも、両ペア観ると楽しめると思います。

そんなわけで今回は洋一郎さん&長野さんペアのタングをしっかりと観て、色んな違いや魅力に気付くことができました。そして、改めて両ペアのそれぞれのタングの可愛さを再認識できて、どっちも大好きになれました。やっぱりタングは誰が演じても大天使です。

エイミー:鳥原ゆきみ

もう気付いたらゆきみさんばっかり目で追うようになってしまうくらい、ゆきみさんのお芝居の虜になっていました。リアリティがあって、かつユーモアにも溢れていて、正直ロボットカンパニーの中で一番自由に演じているんじゃないかと思うくらい「型」がなくて観ていて飽きないです。

ゆきみさんの何が面白いってオフマイクが本当に自由なので、結構笑わせられました。ここ最近ゆきみさんが出演されている映像とかを色々見ていたのですが、相当面白い方なんですよね。隙あらばネタをぶっ込んでくるような笑いのセンスがあって、まさにそういったゆきみさんご自身の人柄がエイミーにも投影されているんだと思います。

たとえばエイミーが帰宅してきて、ベンにカリフォルニアに行けばタングを修理できると言われたとき。「なんなの!?」ってベンに対して驚嘆の反応を見せたあとに、「直してどうする気なの?」ってオフマイクで言ってて、その言い方がとても辛辣すぎて笑いました。フォロワーさんによるとここのオフマイクって毎回違っているみたいなので、今度からは意識的に聞いてみようと思います。あとはブライオニーの家でポラリスに夕食のメニューを教えてもらったときにも、ポラリスにかける言葉が毎回違っていたりするので注目ポイントです。今回は「完璧よ」って言ってました。ポラリスのこと褒めてて優しい。

あとはリジーの博物館の見学ツアーのお客さんをやっているときも、セリフないからってすっごく身振りが自由すぎて好き勝手やってるなーって思いました(笑)2幕の「Gift」でもAメロを歌い終えたあとに鳥のように両手をパタパタさせて飛ぶ仕草をするんですけど、その場で突然ジャンプし出してて田邊さんもあゆ美さんもめっちゃ驚いた表情してました。天真爛漫すぎる(笑)やりたい放題すぎて可愛いです。個人的には「Free Free」であゆ美さんブライオニーにお尻ツンってされたあとにゆきみさんエイミーがどんな風に仕返しするのか毎回楽しみなんですけど、今回はツンツンしまくってて、あゆ美さんブライオニーにツンってされ返されそうになって対立してました。可愛い。ここの2人の絡み大好きです。

そんなやりたい放題のゆきみさんですが、今回も2幕ラストでは大号泣。田邊さんベンに「君が好きなんだ」って言われて表情が歪んで、一生懸命泣かないようにしてるんだけど、「あなたじゃないとダメなの」から想いが込み上げてきて涙腺崩壊して、「全部…全部…うわあああん」みたいな。文字に起こすと雰囲気ぶち壊しなんですけど、思い切り声あげて泣いてました。そのあと顔上げたら目元真っ赤で、もう…愛しかったです。すっごく感受性豊かで心が綺麗な人なんだろうなって思いました。

この作品を観るたびにゆきみさんの魅力を知っていって、もう今では凄く大好きな女優さんです。カテコではゆきみさんが目の前で、にっこり微笑んで手を振ってもらえました。そんなの恋に落ちるに決まってんじゃんね。あんな美人に微笑まれて恋に落ちない人がいませんわよ。恋ですよ、もう。今回もとっても素敵で可愛かったです。

デイブ:長手慎介

長手さんの感想書きたいなと思っていつも力尽きていたので今回は書きます…(笑)ブライオニーの旦那さんですが、長手さんが本当にいいキャラしていて凄く好きです。声がちょっと高めで独特な喋り方で中性的な感じがするんだけど、一方ですっごく優しそうで穏やかな雰囲気をまとっているから間違いなく素敵な旦那さんなんだろうなぁ…って思わせてくれる俳優さんでした。

実際原作でも、デイブはあまり主張しないタイプでブライオニーの言いなりになっている、ブライオニー家のヒエラルキーにおいて一番下にいる感じのキャラクターとして描かれています。まさにそのイメージぴったり。人当たりが良さそうで、誰もが警戒心を解いて接したくなるような愛嬌もありました。特に「モーニングコーヒーは薄め?濃いめー!なんちゃってー!」のくだりは毎回可愛くてクスッとなってしまいます。マジで憎めないです、長手さんデイブ。

そして長手さんもサンボとして色んな場面で登場してくるのですが、ダンスが苦手なのかやはりダンサーさんたちに混ざって踊るシーンはちょっとぎこちないのも可愛かったです。確か「Void!」かな、ちょっと激しい動きなので周りについていけてない長手さんが可愛くていつも癒やされていました。ぜひ観てみてほしいです。

観劇の感想・考察

気になったポイントについて書いています。

「地上の星雲」の演出についての考察の補足

前回のレポで「地上の星雲」の演出について考察しました。

今回観劇していて前回見落としていた部分があることに気付いたので、補足程度に書いておこうと思います。

何役かは分からない五十嵐春さんが突然歌い出すこのナンバーですが、ちゃんともっと前からこの謎の男性役として春さんは舞台に登場していました。一番早い登場だと、秋葉原の雨のシーンかな。周りの人たちは誰か待ち合わせてる人がいたり、電話の相手がいたり…と誰かと寄り添う描写がされていました。一方で春さんの役はたった1人。誰かを待っているのかさっぱり分からないですが、唯一孤独に見えました。

そんな男性があのナンバーを歌うっていうことは、意図的なんだなぁ…と感じました。主人公でない、名前もない誰でも良かったわけではなくて、春さんの演じる1人の男性が歌うことこそがこのナンバーのメッセージなのかもしれないと。きっとすでに幸せな誰か、ではなくてこの世界に対してまだ光を導き出せていなかったであろう男性が、美しい地上の星空を見て「やっと気づいたよ、この世界は美しいと」と歌うことがこのナンバーで伝えたいことだったんだと思います。

ここで歌われる「僕も返そう両手で愛を、大事なものを守るため」の意図も、周りに当然のようにいた人たちが実は凄く大切な存在だったという意味を含んでいるのかもしれません。ベンがエイミーを失ったことで、コルクがポケットにずっと入っていてこんなに近くに大切な存在がいたのに…と気付いたように。ずっと一緒に旅を続けてきたタングを愛しく、家族と思うように。カトウがリジーへの恋心を再燃させたように。

ずっと愛を受けるだけで返していなかったであろうこの男性が、出会うことや別れることで紡がれる人と人との繋がりの中で見出される愛の奇跡に気付いたんだなと思いました。だから、愛を両手で丁寧に返そうとしたんだなって。ベンだけじゃないんだよ、世の中にはたくさんの人がいて、ベンと同じように今大切なものの存在に気付いた人がいるんだよって伝えているようにも思えました。今からでもやり直せるんだよ。まだ遅くないよ。人生はあなただけの物語だから。大切なものはあなたが大切にする限り守られているんだよ。だからあなたの愛を大切にしてね。そんなメッセージを受け取りました。

深く考えすぎかもしれないんだけど、やっぱりここのナンバーは春さんが歌うことに意味がきっとあって、世の中の営みの大きさとその中で生まれる出会いは本当に奇跡なんだ、そしてそんな奇跡の集まりは星空のようにキラキラと輝いていて美しいんだ…というメッセージがあるんじゃないかと思います。これも私の見解なので、きっと観る人によって感じ方は大きく違うと思いますが、ぜひご自身で感じたことを大切にしてほしいです。

まとめ

ただタング可愛いとかそんな煩悩で観るのも楽しいのですが、やっぱりこの作品に込められたメッセージって凄く深いところにあるんだなと感じさせられた今回の観劇でした。凄く温かくて優しい。そして美しい。観るたびに新たな発見があって、どんどん好きな作品へとなっていきました。

また今回は最前列ということもあって、より楽しめたのも大きかったです。やっぱり役者さんの表情をしっかり観ながら観劇できるって凄く楽しいなと思いました。役者さんの表情も作品の一部です。大事に観ることができて幸せでした。カテコはちょうど田邊さんとゆきみさんが前だったので、尊いチェンバーズ夫妻を観ることもできて幸せでした。

次の観劇はまだ決まっていませんが、近ければまた週末に観に行きたいです。観れるうちに。悔いのないよう、自分の満足する限りどんどん観ていきたいと思います!ということで雑で申し訳ないですが、以上!

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