2020年11月7日ソワレ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』

ロボット・イン・ザ・ガーデン
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ゆうき
ゆうき

今週もタングに会いに来ました!

日時:2020年11月7日ソワレ公演
場所:自由劇場
座席:1階S席5列10番

はじめに

先週行く前に「もう来週は行かないぞ」って決めていたのにやっぱり今週も来てしまいました。この作品は変に中毒性があって、私の中で人気急上昇第1位の作品になっています。先週観て、うぶちゃんタングが相変わらず素敵だったので今回もうぶちゃんタング!

マチネは『オペラ座の怪人』を観劇したので気分がどよーんとしていて、こんなんでソワレ観劇できるのかと思いましたけどそんな心配は全然いりませんでした。今回は過去史上一番楽しめた『ロボット・イン・ザ・ガーデン』観劇となりました!

総評

全体の感想です。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

キャストに代わり映えはないのですが、田邊さんやゆきみさんを中心に先週とまた違うお芝居をする方がたくさんいて凄く新鮮な気分で観ることができました。そして今回はオフマイクも面白くて、ところどころ笑えるところもたくさんあって楽しかったです。

座席も前から2列目のセンター下手寄りで観やすかったです。前の席の方も背が低いために視界がほぼクリアな状態でした。周りの環境も良かったですし、全体的に笑いも大きくて反応も良かったので、俳優さんたちもよりノリノリでお芝居されていたんじゃないかなと思います。全体を通して、凄く完成度も高いしステージと客席のテンションも高い公演になっていて、本当に心から楽しめた観劇となりました!

キャストの感想

気になったキャストの感想を描いています。

ベン:田邊真也

田邊さんほど「今」をリアルにお芝居する俳優さんはいないかもしれないなと改めて気付かされた今回の観劇でした。またお芝居のテンポや言い方や雰囲気がちょこちょこ変わっていて、よく岡村美南さんの言う「型にハマって型から抜ける」をまさに実行している方だと思います。

たとえば、エイミーが帰宅してテイクアウト用のコーヒーを入れたトレイを右手にぶらさげながらベンとやりとりするシーン。あそこでタングがトレイを取り上げるんですけど、今回は盛大にトレイをひっくり返してコーヒーを床にぶちまけるっていうプチハプニング?これも演出のうち?かはわかりませんが、ちゃんとその結果に伴ったお芝居をされていました。エイミーに対して「ごめんごめん!」って何度も謝りながら自分の服にコーヒーがこぼれたみたいに拭く仕草をしていて、これは先週はやっていなかったお芝居です。この適応能力というか臨機応変なお芝居は本当に生の醍醐味であって、田邊さんの演技力の高さが光っていたと思います。自然に見せる振る舞いがマジで上手いなーって思わされた瞬間でした。

他にもタングとのやりとりの中で生まれるベンの感情も毎回毎回異なっていて、「それならちゃんと教えてくれよ!」みたいに言うセリフにしても、時には茶化すように言ったり、時には責めるように言ったり…ちゃんとその場その場でベンが生きているんですよね。もう本当にただただ凄いなと感動しました。

あとは「絆を信じて」の直前に、タングに「タングのチップ、ベンにあげる」って言われてちょっと涙声になっている田邊さんベンも可愛かったです。こういう泣きのお芝居もリアルすぎて、むしろ田邊さん何か苦手なものあるんですか…?って聞きたくなりました。天才すぎる。

エイミーと出会ったばかりでキラキラしていた頃のベン、そして無気力になって覇気も人間らしさも失ってしまったベン、大事なものを取り戻そうと自分の意見をはっきり述べるベン。どれも田邊さんらしさがリアルに出ていて、とっても素敵でした。また次回観に行ったらお芝居の雰囲気違うんだろうなってワクワクしてます。

タング:生形理菜/渡邊寛仲

前回に続き、うぶちゃん&渡邊さんペアのタングです。ペアと言いつつ、下手側に座っているとどうしても渡邊さんよりうぶちゃんのほうばかり観てしまう(うぶちゃんが下手側に立つのでうぶちゃんのほうが見える)ので、毎回あまり渡邊さんの感想書いておらず申し訳ない…。今回もやっぱりうぶちゃんの表情をたくさん堪能してきました。

きっと凄く純粋なんだろうなって思わせられるくらい、タングの感情に合わせてうぶちゃんの表情もコロコロ変わっていて、それがすっごくキュートでした。秋葉原の雨のシーンで、キラキラ〜って言いながらベンやカトウと一緒に踊ってるときのタングが本当に今嬉しくてたまらないんだなっていうのが、にっこにこなうぶちゃんの表情から伝わってきて、胸がキュンとなりました。可愛かったです。イヒヒヒって笑うにしてもうぶちゃん自身が一緒に楽しそうに嬉しそうに笑っていて、だからタングの感情が声に乗るんだと思います。ちゃんとタングが生きているという実感がありました。

あとは歩くときに出る声がとっても幼くて、どんどん幼児化していくうぶちゃんタングが可愛すぎて死にそうです。タングはまだ作られて間もないロボットですし、AI的にもまだまだ成長未発達段階なのである意味子供という点では間違いありません。そういった子供らしい可愛さが自然と出せるうぶちゃんはさすがだなぁ…と思いました。本当に可愛くて大好きです。

そして今回はタングの動作でちょっと上手くいかないところが何箇所かあって、はじめは1幕冒頭のおばあさんのカギを拾うシーン。床に落ちてるカギをロボットのマジックハンドの手で拾うのって結構難易度高いですよね。前回洋一郎さん&長野さんペアで観たときも掴めず、菅本さんが自ら拾っていました。今回もちょっと手こずっていて最後にようやく拾い上げることができていました。あとは2幕でベンにカバンからズボンを出しておいてと頼まれるシーン。ズボンを拾い上げたんですけど床に落としちゃって、「ズボン、ズボン…」っていつもより少し多めに言いながら拾っていました。こういう対応力も落ち着いていてさすがです。ちょっとレアなタングたんを観ることができてラッキーでした(*’ω’*)

やっぱりタングはみんなのアイドルです。今回もたっぷり癒やされてタングに心を奪われてしまいました。うぶちゃんタングは本当に私のお気に入りのキャスティングです。

エイミー:鳥原ゆきみ

ゆきみさんも前回からまたお芝居の雰囲気変わったし、オフマイクも結構増えてて凄く観ていて楽しかったです。田邊さんと同じく、エイミーがしっかり「今」を生きていて毎回彼女の感情がリアルに生きている印象がありました

今回は冒頭のベンとのやりとりでは、いつにも増して感情の高ぶりが凄くてかなり怒っている感じが強調されていた気がします。そうやって感情が高ぶりすぎてか、ベンに「離婚しましょう」と告げてベンに否定も止められることもされなかった事実に対して、悔しさと悲しさが募ってか目に涙を浮かべながら「そういうところよ!」と訴えていたのが印象的でした。感情ぐしゃぐしゃのゆきみさんエイミーが凄くリアルで、強いくせに弱い一面も垣間見えてとても愛しかったです。こういうところがマジで小説のエイミーそのままでした。

だからこそ、2幕ラストでもベンに「君が好きなんだ」と言われて泣き出しちゃうゆきみさんエイミーが可愛すぎました。旅の途中でベンに電話しているときに、ベンが何かを成し遂げている事実を凄く嬉しそうに聞いていた姿も印象的でしたし、ベンのことが大好きなのが凄く伝わってきました。ラストの「あなたが好きなの」からのセリフを言うゆきみさんエイミーはお芝居らしさがなくて、ゆきみさん自身の感情がそのまま言葉となったみたいなリアルさがあって凄く大好きです。そういう泣き虫なところも可愛くて、ゆきみさんのこともっと大好きになりました。

あとは仕草とかもとにかく可愛くて困っちゃいます。「Free Free」であゆ美さんブライオニーにお尻を叩かれて、その仕返しとしてあゆ美さんのお尻を叩き返すんですけど1回叩くだけじゃ飽き足らず、もう1回叩こうとお尻をロックオンしてあゆ美さんに近付いていたのが可愛かったです。あとは曲終わりにぴょんぴょん跳ねてたのも、デイブに「じゃあね~」ってオフマイクで声かけるのも愛しすぎました。観れば観るほどゆきみさんのこと好きになります、本当に。凄く型にはまらないお芝居が面白くて、ゆきみさんの華やかで高嶺の花らしさがある見た目とのギャップがあって本当に観ていて飽きない人だなと思いました。

ちなみにリジーの博物館のシーンで、リジーに会いに来た来訪者が3人いるんですけど、その中のサングラスかけてる女性がゆきみさんだと今回初めて気づきました(笑)まさかここにも出ていたなんて…。本当にこの作品はサンボが豪華だし贅沢な使い方をしすぎです。こういう発見があるのも楽しかったです!パラオのゆきみさんも相変わらずキュートでした。

ブライオニー:加藤あゆ美

観れば観るほどあゆ美さんのことが好きになるんですけど、なんかもう何が好きなのか上手く言えないけど気付いたら目で追ってしまうんです…。めちゃくちゃ楽しそうに踊っている姿がすっごく素敵なんですよね。1幕最後の「地平線を目指して」と2幕最初の「TOKYO ELECTRIC TOWN」でのキレッキレのダンスはいっつもがっつり観てしまいます。かっこいい。ここ最近は穏やかな役どころを演じることも多かったので、あゆ美さんが踊れる人ってことをちょっと忘れてしまうんですけど、やっぱり踊っている姿を観ると凄くかっこいいです。

個人的には「TOKYO ELECTRIC TOWN」の間奏部分で、下手側から上手側にステップを踏みながら移動するフォーメーションのときのあゆ美さんの動きが大好きです。この作品を観ていると、こうやってバリバリ踊るあゆ美さんをもっと観たいなぁ…と思ってしまいますね。今観られるうちにたくさん観ておきたいと思います…!

で、あと今回感じたのがブライオニーを演じているときのあゆ美さんがめっちゃママみが凄い。エイミーにも「ママみたいにおせっかい」って言われていましたけど、実際凄くママみたいな表情をしていました。めっちゃオカン。たとえばベンとエイミーの馴れ初めのシーンで、2人がどんどん打ち解けていくのを遠くから見守っている表情も凄く穏やかで嬉しそうで、姉を通り越してベンのオカンなのでは…と思ってしまうくらいでした。あゆ美さん自身がとても色っぽいし包容力もある方なので、その印象がより濃く出ていると思います。

2幕ラストでタングと話しているときも、タングの目線に合わせてしゃがんでいて、その表情がすっごくお母さん…。子供の語りを聞いてるお母さんみたいで素敵でした。いやもう2幕は特にあゆ美さんのママみが凄くて、あっという間に心を撃ち抜かれました。素敵すぎます…。ゆきみさんとも萌さんとも違う独特の雰囲気の女性ですし、プリンシパルだけでもそれぞれ特徴の違った女性がいるっていうのは個性ですよね。今回観ていてさらにあゆ美さんのことが好きになりました。

観劇の感想・考察

気になったポイントについて書いています。

小道具や仕草や演出について

今回は色々な発見があったので、メモ程度に書き留めておきます。

まずベンとエイミーの家の2階に飾ってある写真。フォロワーさんたちがこれについてちょこちょこ呟かれていたので実際に自分の目で確かめたくてオペラグラスで観てみたら、出会った頃のベンとエイミーの写真でした。2幕のガーデンパーティーのときの衣装です。凄く幸せそうに笑顔で並んでいる2人の写真があまりにも素敵すぎたので、言い値で買うから売ってほしいなと思いました。

あとはタングの仕草です。自分に都合が悪いことがあったときにフラップのガムテープをいじろうとする仕草がちょっと見受けられたのですが、これは原作の要素を取り入れたものなのかなと思いました。原作ではタングは何かあるとすぐにフラップのガムテープをいじる癖があるので、舞台にもちょっと取り入れられていて嬉しかったです。

そして「ラブダイバー」を観ていて思ったのですが、人間側とアンドロイド側とで上下に分かれて挑発するみたいに踊るところって『ウェストサイド物語』のオマージュなのかな?と感じたのですが、どうなんでしょう。凄く既視感あるなと思ったらそれだ!と合点がいきました。まあでもジェット団とシャーク団みたいに対立しているんじゃなくて、人間とアンドロイドが交わる流れだから違うのかもしれませんが…。きっと自分で気づかないだけで他作品のオマージュはもっとたくさんあるんだろうなと思います。

あとは2幕ラスト。ベンとタングがおうちに帰ろうと言って帰るシーンから、ベンの家のシーンへの暗転です。ここで小道具とかを運んでくるのがブライオニーやデイブ、ベンの両親といった人物たちでした。俳優個人として、ではなく役として暗転を手伝うっていう演出が個人的に凄く印象的だったんですよね。小道具やセットを運び終えたブライオニーとデイブが寄り添いながら舞台袖に戻っていったりしていて、ちゃんとキャラクターの関係性を保ったまま消えていくってどういうことなんだろう…と。あそこがベンの家だから、なのかなと個人的に思いました。両親やブライオニー夫妻たちがベンの家の空間を作ってくれる演出が、ベンにはしっかり大切な家族がいて大切な居場所があることを示しているようにも思えたんです。原点回帰。ベンが人生をやり直せた証のように感じました。もちろん何か意図があっての演出なのかは分かりませんけど、そう考えるとよりこの作品の温かさを感じてより一層好きになれた気がします。

「地上の星空」の演出

ずーっと気になっていたのが2幕の「地上の星空」の演出でした。この曲は何役でもない五十嵐春さんが突然歌い出すので、正直「あなた誰なの!?」っていうことに囚われすぎてまったく意図を理解できずにいました。でも今回観劇してみて、歌詞を聞いているとそういうことか…とようやく理解できたような気がします。

この曲の始まる前に「みんなみんな、生きている光だ」ってベンがタングに伝えます。そして歌詞の中では、この世に生きているすべての人たちが出会って別れて進んでいくことがこの世界を紡ぐ奇跡の1つだというようなことを歌っています。歌詞を聴いていて、この曲はベンやタング、カトウといった主要キャラクターではなくあえて役名のない街の人に歌わせる意味があるんだと感じました。

歌うのは主要キャラでなければ誰でも良かったというと語弊ですけど、そうやって物語の焦点に当てられていない人たちが歌うことで、この世には命の数だけ物語があることを示しているように思いました。あなたは誰なの?と思うのも当然です。そうやって自分とは一生関わることのないであろう人はこの世にたくさんいて、その人たちにも人生があるから、まさにそれを歌ったナンバーなんだろうなって。だからこの演出は、すでに物語の主人公として描かれているベンやタングたちに歌わせないことが正解だったんだなぁ…って納得できた気がします。あくまで推測なので合っているかは分かりませんけど。

生きている光を見つめながら進むベンとタング。今地上に生きているのはベンとタングだけではないこと、そしてそんな見ず知らずの人が同じように生きている光を見つめて「僕も返そう、両手で愛を」と歌うことが、凄く美しいなと思いました。なかなか分かりにくい演出だし、お前誰!?ってなっちゃったら物語に全然集中できなくなっちゃう部分もあるので、一長一短だとは思いますけど。自分なりの解釈を見つけた上で観てみると、凄く納得できる演出だと思います。

まとめ

今回は新たな発見がたくさんあって凄く楽しい観劇となりました。自分なりに色々と考えながら観ることもできましたし、田邊さんやゆきみさんをはじめとしたキャストの方々のお芝居が日々ブラッシュアップされていっているのを肌で感じることもできましたし、すっごく充実していました。

そしてお客さんの反応がいいのも自分自身観劇を楽しめた要因の1つだったと思います。客席が盛り上がれば当然その反応を俳優さんたちも肌で感じ取りますし、お芝居により気合いが入って相乗効果が生まれて良い方向にどんどん公演が作られていきます。まさにそれを体感できた公演でした。本当に死ぬほど楽しかったです。

贔屓が出ていないけど、それでも作品自体が凄く面白くて、俳優さんたちのお芝居が素晴らしくて、演出が凄く大好きで…と好きなものだらけの作品に出会えて最高に幸せでした。今回の東京公演、来年の東京公演、福岡公演が終わると次いつ『ロボット・イン・ザ・ガーデン』にまた出会えるか分からないですし、このキャストで観られるかも分からないので、今のうちにたくさん観ておきたいです。

ぜひまだ観ていない方は、配信でもいいので観てみてくださいませ!

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