キャストの感想
キャストの感想です!
ベン:山下啓太
山下さんのベンどんな感じだろーって思ったらめちゃくそ似合っていて良かったです!おうちにいるときは黒縁のメガネをかけていたのが山下さんベンのオリジナルらしく、黒縁メガネはあまりにもポイント高すぎました。凄くおうち感あって良かったです。旅に出かけるときはメガネを外してしまうので、1幕冒頭と2幕ラストのおうちにいるときだけ!凄く草食男子感あってグッと来ました。
そして心優しい青年らしさも山下さんらしいのよ。山下さんは『パリのアメリカ人』のアンリ役でたくさん観ましたが、あのときも凄く優しいお芝居をする人だなーっていう印象を抱き、今回もやっぱり凄く優しいなぁ…って思いました。田邊さんベンの優しさとはまた違う優しさ。田邊さんベンは男らしさの中にある優しさというか、強さがあるからこその優しさだと思うんですよ。大人の男性として経験をたくさん積んだからこそ出せる優しさっていうのかな?
一方の山下さんベンは、もう根っからの心優しい人間って感じ。声色も優しいし表情も優しい。昔いじめられてきたんじゃないかっていうくらい優しい。多分道端に動物が捨てられてたら全部助けちゃうし拾って家に持ち帰りそう。誰一人見捨てられない印象。だからなんとなく1幕冒頭のベンの様子も無気力っていうのとはまた違うかな。優しくて優柔不断だから何もかもに逃げられちゃった…みたいな印象受けました。それこそ捨てられた子犬みたいな、ね。可愛いんですよ、とにかく。
2幕のRIGでは涙を流しながら歌っていて、泣き虫なところもとても可愛かったです。精神的なバランスが田邊さん×ゆきみさんのときとは逆転するのが今回のデビュー夫妻の見どころでもあります。そして涙はもちろん汗も相変わらず凄かったです(笑)
山下さんは声も高めなので、全体的に尖りがなくてまろやかなベンでした。まろやかだから何もかもをその優しさで包み込んでくれそう。従順なわんこ。うん、そりゃエイミーの尻に敷かれるよね。尻に敷かれてるというか、首にリードで繋がれてる感じ?常にしっぽ振ってそう。
でもそんなところがきっとエイミーは可愛くて好きで仕方ないんだろうなーって思いました。本当に可愛かったんですよ。そして本当に真っ白で良い青年。田邊さんベンは結構感情を激しめにしてタングを叱咤するし呆れたりするしで突き放す瞬間もあるけど、山下さんベンはそれすらもできない印象でした。本当に優しいというかお人よし?あまり感情の起伏がないというと語弊ですが、そんなに強く怒れないし怒らない。人が、ロボットが、生きているものすべてが好きなんだろうなと思わされるベンでした。
すげえわんこだなーって思ったのが2幕のGiftのシーン。キョクアジサシの話をエイミーにするときに、「逆巻く海を越えて何万キロも飛ぶんだ」のセリフでエイミーのまわりをぐるっと一周したんですよ。それがもう可愛すぎて、なにそれ反則ー!ってなりました。犬か?犬なのか?やっぱりわんこなのか???もう最高に可愛すぎてキュンとなりました。
2幕ラストでタングを諭すお芝居は、田邊さんベンのように厳しさをまじえて…というよりは優しくでも真摯に山下さんベンらしくタングと向き合っていたのが印象的でした。田邊さんベンのほうがどんどん父親らしくなる成長過程は分かりやすいんですが、山下さんベンも子犬から成犬になったなーっていうのが分かる成長を見せているので凄く良かったです。ラスト、エイミーに離婚届を突き付けられるんじゃないかとビクビクしながらもちゃんと自分の意見を述べようと向き合う姿はとてもかっこよくて素敵でした。
とにかく最初から最後まで田邊さんとは違ったベンのアプローチをされていてマジで印象がガラッと変わったので面白かったです。山下さんの魅力と良さが存分に詰まったベンだったし、本当に可愛くてキュンとなったので一瞬で引き込まれました。ベンってこんな可愛かったんや…と。だって、ラストでエイミーに「危なかった~」ってリジーとのことを話すときも素直に話しちゃうんですよ。田邊さんベンはちょっとおどけながら言いますけど、山下さんベンは本当に素直なの。なんの偽りもなく真っ直ぐに話すのがすっごく可愛い。最高でした…。
そして岡村美南さんエイミーとの組み合わせもマジで良かったです。山下さんベンなら岡村さんエイミーのことを幸せにしてくれそう!むしろ岡村さんエイミーに幸せにしてもらえそう!笑
改めてデビューおめでとうございました!!!
タング:前田更紗/小原てつを
タングもデビューですね!前田さん&小原さんペアは他のペアとは違って、作中喋る割合が結構半々(とは言いつつも前田さん:小原さんで7:3くらいかな?)でした。うぶちゃん&渡邊さんタングはうぶちゃんがほぼ喋るし、長野さんペアは新しい方でまだ観てないですが前回の洋一郎さんペアのときは洋一郎さんがほぼ喋っていたので、どちらも喋るタングは今回が初じゃないかな…?
まず前田さんタングはうぶちゃんっぽい声質で、やはり声質の関係か幼さが出るタングでした。とっても可愛らしくて、アルミニニニウムもちょっと尖った言い方になるのが面白かったです。今回はしっかりと表情とかまで観る余裕がなかったので定かなことは言えないのですが、どちらかというと洋一郎さんみたいなタングなのかな?パペティアに徹していて、うぶちゃんのように自分も憑依しながらお芝居をしている姿はあまり観られなかったかも。長野さんのお芝居にちょっと近いかもしれません。
2幕のRIGで泣きそうになって声を震わせながら歌っていた姿がとても印象的でした。前田さんも歌上手。凄く可愛かったです。
そして小原さんタングはお兄ちゃんらしさがあって、たくましさを感じさせるタングでした。タングの擬音を担当したり、ちょっとコミカルなお芝居をするときに小原さんが喋ったり、タングの左側を操作するときに小原さんが喋ったり…と担当分けされているっぽい?それも新鮮で面白かったです。
やはりオリキャスに比べるとまだ固い部分はあるかなーという印象でしたが、デビューでありながらこの完成度だったので今後が楽しみになりました。2幕ラストの「ベン…エイミー…ベン…エイミー…」と交互に名前を呼ぶ前田さんと小原さんが面白すぎて、全然ベンとエイミーの掛け合いが頭に入ってこなかったので責任取ってほしいです(笑)
あとはカテコでタングだけが登場するときに、志村けんさんの「変なおじさん」みたいな手と腰の動きをしていたのが可愛すぎました。なんか3組ともそれぞれ個性が出るタングで凄く良かったです。こちらもデビューおめでとうございました!
エイミー:岡村美南
デビュー待ってたよぉぉぉおお!!おめでとうございます!そしておかえりなさい!!!ずっとずっと会いたかったです。2021年3月14日の『マンマ・ミーア!』以来どこにも出演していなかったから不安でした。が、こうやって新役に挑戦してくれていたことが何よりも嬉しかったし、こうしてまた劇場でお会いできたことが本当に幸せです。10ヶ月ぶりです^^
正直観る前の印象としてはエイミーよりもブライオニーだろうなって思っていたんですよ。どうしてもエイミーはゆきみさんのフェミニンな印象が強すぎたので、それよりも頼れるお姉ちゃんなブライオニーのほうが本当は合っているだろうな…と。でもいざ蓋を開けてみたら、エイミーが見事にハマっていて最高に良かったです!
私がゆきみさんのイメージに囚われ過ぎていただけで、岡村さんはちゃんとご自身でエイミー像を確立していました。岡村美南さんエイミー、略してミナミーです。ぜひ皆さん、ミナミーと呼んであげてください。突然の布教活動です。ミナミー、ミナミーです。どうぞ皆様、ミナミーに清き一票をお願いいたします。そんな私も以降はミナミーと呼んでいきますので、どうぞお付き合いくださいませ。
ミナミーはクールビューティー系なのかなと観る前は予想していたのですが、確かにクールな一面もあるけど聡明で冷静っていう部分があるだけで人を寄せ付けない一匹狼のような感じではありませんでした。程よく愛嬌があって可愛かったです。そしてスーツも着こなすしかっこいいし、キビキビとした佇まいはまさにバリキャリ。仕事できるだろうし「法廷の花形」という表現もしっくり来るし、何件も裁判勝ち取ってきたんだろうなーって思えるほどの有能さを感じさせました。かっこいいです。スタイルが良い長身美人なので余計にバリキャリ有能ウーマンにしか見えません。
Free Freeのスカートにブラウスのスタイルが最高に好きだったのですが、腰に手を当てた瞬間のかっこよさはピカイチでした。凄く努力家で、悔しい思いをたくさんしてきたからこそのし上げってきたんだろうなと思わせるエネルギッシュさも素晴らしくて、とにかくバイタリティの塊です。とても強そうだし、1人で生きていけそうなエイミー。誰かに守ってもらう必要はなさそう(笑)
だけど、誰よりも脆いのがミナミーなんですよ…。これはもう岡村美南さんがかつて演じてきたどの役にも共通するけど、1人で生きていけそうなくらい逞しくて強い女性なんだけど、だからこそ外側の屈強な殻が破られたときに弱さが露呈する。今回のエイミーもそんな感じでした。誰かに守ってもらうようなか弱い女性では決してないけれど、誰かに愛されることを無意識のうちに必要としている。幼い頃、両親に疎まれて育ってきたから。だから自力で強い女性になったけど、心のうちはとても脆くて寂しいんだなーっていうのがふとしたときの遠い目をするような表情から感じられました。
まあ、子供が欲しいっていう女性としての望みの描写は岡村美南さんが演じるとなんだかむず痒いですけどね(笑)子供を作ることが家族の幸せ、みたいな考え方はミナミーはしなさそうなんだよなぁ。そうじゃなくてベンとお互い自立しながら支え合って生きることがミナミーの思い描く幸せなんじゃないかな?なんて余計なことを考えてしまいました。いや、でも女性としての幸せを抱くのってこれまでの役であまり描かれてこなかった部分だから観ていて新鮮で面白かったです。
また、「ふたりのことば」でかつてのベンとの楽しかった結婚生活を思い出しながら歌う部分は、目を閉じて嬉しそうにしながら歌っていたりもして、そうそう岡村さんって何かを想像しながら歌うときは目を閉じて嬉しそうに歌うんだよねぇ…なんて懐かしい気持ちにもなりました。
とにかく全編を通してエイミーの心情を取りこぼしなく丁寧に表現していたのが印象深かったです。岡村さんは元々丁寧にお芝居をする方ですが、エイミーはこれまで以上に丁寧だったように思いました。もちろんデビューだから慎重に丁寧に演じていただけかもしれないけど、それにしてもディテールまでこだわってお芝居していたんですよねぇ。役作りが細かすぎる。もう細かすぎて伝わらないモノマネ選手権に出てほしいくらい細かかったです、今回。
たとえばどんなところだろう…。2幕のラストで家に帰ってきたところをタングに見つかって、タングがベンを呼びに行っているときに凄く慌ててどこかに隠れようとしたり、家に帰ってきたときにソファーに置かれたベンの旅行用バッグに触れて少しほっとしていたり…。文字に起こすとそんなのディテールって呼べる?というようなものばかりかもしれませんが、劇場で観たときにすっごく細かいなと思いました。誇張しすぎず、演技くさくもなく、本当にさりげなくやるのよ。エイミーが今どんなことを感じているんだろう…というのを彼女なりに咀嚼して、ちゃんと1つ1つ丁寧に演技に落とし込んでいるんですよ。細かいよぉ…。
だってデビューなんだもん、そんな細部に至るところまで気を張り巡らせるのなかなか難しいと思うしスルーしてもおかしくないし逆に固まっちゃって動けない表現をしたり、あえて動かないお芝居だってできるわけですよ。それをやらなかったっていうのが凄くエイミーの人間味をグッと引き出したポイントだったなと思いました。だからこれまでの役とはちょっとアプローチの仕方が違うかも。一分一秒だって見逃せなかったです。
で、1幕に話を戻しまして…。冒頭の朝のシーンはゆきみさんみたいに声やセリフでコミカルさを表現するのではなく、ミナミーは動きでコミカルさを表現していて私の腹筋は見事にやられました。「10時から戦闘開始!」でかめはめ波の動きをやっていましたからね。笑うでしょ。そのあと両腕を上にあげながら走ったりもしていて、動きはとにかく大胆で面白かったです。やっぱり岡村さんは身体能力高いから動きをつけたことやらせると存在感ありますわ(笑)
ベンにきつい言葉を浴びせるシーンは、ゆきみさんのように感情を昂らせながら言うというよりも諭すように静かに低めに言っていたのが印象的でした。逆にそれがグサッと来る場合もあるし、山下さんベンが本当に穏やかで静かな心優しい男性だから、感情的になって押さえつけるんじゃなくて相手と対等に向き合って「そうじゃないでしょ」と意見を述べるミナミーが凄く良かったです。ちゃんとした姉さん女房だわ。その静かさが逆にヒヤッとした重たい空気感を醸し出していて怖かったけどね!
その一方でブライオニーとのシーンはとても華やか。Free Freeの冒頭はブライオニーにお尻を叩かれたらまちまりさんブライオニーのお尻を両手でべちべちべち!と叩き倒していたのが可愛すぎました。あと歌が上手い…。そしてマーガレットではないな。どちらかというと薔薇ですね。踊っている途中でバスタオルを肩にかける振付があるのですが、動いていたらバスタオルが落ちてきちゃって、でも慌てることなく自然にかけ直していたのがさすがの対応力でした。
まちまりさんとのハモリも凄く綺麗だったし、岡村さんの歌い方も合わさってか凄くポップなナンバーになっていました。とにかく歌が上手い。上手いのよ。ダンスも軽やかだし、まちまりさんとの身長差も凄くてエイミーがめっちゃ仕事できる感満載で可愛かったな…。Free Freeは想像以上に良すぎて何度でも繰り返し観たいです。ちなみにポラリスが「モーニングティーは…」と言いかけて「濃いめ!」と言うエイミーですが、『キャッツ』出演経験のある岡村さんが言うとしっくり来ますな、言い慣れてる感ある(笑)
で、1幕終盤の結婚パーティーのシーンはとにかく可愛いしサバサバしている女子感あって岡村さんらしさ全開でした。ロジャーがデートに誘いたくなるのも凄く分かるよ。だって可愛いし綺麗だもん。一筋縄ではいかなそうな感じも逆にそそられるというか、凄く知的で落ち着きのある女性だからこそ前の旦那が忘れられず心の奴隷になってしまっていることに惹かれるんだと思います。岡村さんだとそれがより色濃く浮き出る印象がありました。
ちなみに今回のロジャーがまさかのカイサータティクさん。身長、カイサーさんのが高くて安心しました(笑)バックハグが決まっていて良かったですわ…。というかロジャーそこ代われください。バックハグってなんかいいですよね、体格的に大きな男性に包まれるから華奢な女性らしさが出る感じがこれまでの強つよエイミーとは違った魅力を出していてドキッとしました。
それからベンとの電話での会話シーン。ベンが前を向いて歩き出しているのを知って、嬉しそうに、どこか寂しそうにしていたのが表情のお芝居で伝わってきました。岡村さん、表情が凄く細かく変わるのが良かったです。ミナミーは多分人の世話焼くのが好きというか、面倒見が良いんですよ。ベンのこともなんだかんだ放っておけないのが感じられて、それがただの母性だけではなく女性としての恋心も含まれているのが凄く伝わってくる。ああは言ったけど、やっぱりベンのことが好きなんだなっていうのが感じられるお芝居がまっじで最高でした。ベンそこ代われください。
2幕はとにかく書きたいこと尽くしなんだけど、まずエイミーの話を続けます。Giftね。ここのお芝居、すっごく良かったです。エイミーがまだ明るかった頃(?)だから華やかでキラキラしてるんですよ。声もちょっと高めで気持ちが弾んでいるのが声色でめっちゃ伝わってくる。イメージ的にはピコのときのトーンです。あれくらい弾んだ声でお芝居していて、ここ最近こんな岡村さんを観ていなかったからとっても可愛すぎてキュンとなっちゃいました。
そしてゆきみさんのお芝居の雰囲気を踏襲しているのか、かなりフェミニンな方向性でお芝居していました。可愛すぎてちょっとむず痒いというか照れちゃう。でも1幕とのお芝居の振れ幅があるから観ていて楽しかったです。ベンに乗せられてちょっとおどけたことをしたときに両手を大きく広げてポーズを決めた瞬間だけは宝塚の男役さんにも見えましたけどね(笑)
問題のGiftの羽根ですが、いざ観てみるとそんな違和感ない(なくはない)ですね。いっそ宝塚トップスターの大きな羽根を背負ってほしいくらいでしたけど、実際に観てみるとそんな違和感ない。むしろGiftのミナミーはすっごくキラキラしていて、ベンとエイミーがこの瞬間恋に落ちたんだっていうのがめちゃくちゃ伝わってきたし、そうなってくると羽根が一切気にならなくなるんですよ。あのシーンはタングから見たベンの回想だと思っているので、直接的な表現が多かろうが、ベンとエイミーの心が通じ合うプロセスを観られれば大満足です。
岡村さんはここでも歌の上手さをしっかり見せつけ、こんなにもGiftをうっとりと聴いたのは正直初めてでした。歌がマジで上手い…。というか声が可愛い。ちょっと高めのトーンで歌うのがすげえ可愛い。乙女じゃん。乙女なんだよ岡村さん。すげえ可愛いんだよ…。山下さんベンともお似合いだし、お互い目が合って照れちゃうミナミーがすげえ可愛すぎたんだよ…。いやね、本当にGiftは最高でした。本気でベンに嫉妬しそうだったわ、危ない。
からの回想が終わってベンと電話するシーンでの第一声の声の低さに驚くという…(笑)そうだよね、恋人たちって付き合い始めの頃は凄くキラキラしているけど倦怠期を迎えるとどんよりするもんね。だから、回想終わりの第一声を聴いたときに時の経過を凄く感じたんです。エイミーもあれから大人になったし、ベンとの関係性も変わったのがその声色の使い分けで伝わってきました。ディテールなのよ…。そういう細かな演じ分けよ。凄く良いじゃないですか、岡村さん。
そして2幕終盤。家に帰ってくるシーンは姉さん女房感満載で最高でしたわ…。ゆきみさんみたいにぐずぐずに泣いちゃう泣き虫ではなかったですが、お姉さんらしくベンを迎え入れて(家にいたのはベンだから迎え入れたのはベンか?)、こんなしっかりしたバリキャリな人がこんなわんこみたいな人じゃないとダメだって気付かされるっていうことの説得力?ギャップ?がとても良かったんですよ。なんか、すとんと腑に落ちたの。むしろ泣くのはベンのほうっていう(笑)
いやぁね…年上彼女×年下彼氏の構図って昔から大好きなんですけど、今回のチェンバーズ夫妻はそれがすっごくしっくり来るので正直たまらなく好きでした。実年齢でも岡村さんのが1つ上?みたいなので、良き。良き良き良き。1幕からずっと2人の関係性を観続けてきて、最後にお互いやっぱりあなたじゃないとダメってなるまでのプロセスが本当に自然でした。田邊さん×ゆきみさんとはまったく違うのに、本当にしっくり来たんですよ。
個人的にめっちゃ良い!ってなったのはベンがエイミーを抱き締めて2人で抱き合っていたときにタングが「もうお話終わった?」と空気読めない発言をして、2人で振り向いて「まあね!」と声をハモらせる瞬間でした。間髪入れずに言う間が最高で客席からは笑いも起きてました。「なんで邪魔するの」みたいな皮肉もこもったような声と表情の「まあね!」がめっちゃ面白くて、息がピッタリだったのが余計に良い。やっぱりこの2人お似合いじゃん!とトドメを刺されましたわ。
タングに妊娠していることを聞かされたときの反応も良かったな…。嬉しすぎて実感が湧いていなくて、タングが心臓の音を聞かせてくれたときにようやく実感が湧いてきて思わず口に手を当てて泣いて喜ぶ…っていうのがめっちゃリアル。あ、岡村さんってこんなお芝居できたんだ…ってなりました。多分ここってドナのお芝居を経たからできたことなんじゃないかなぁ。2幕ラストのシーンは全体的にこれまでの岡村さんとはちょっと違った雰囲気があって、ドナで母親役を演じてきたからこそ生まれるものがあったんだと思っています。なんかすっごくお母さんだなって。新米ママだけど、初々しさと母親らしさとが入り混じった女性の佇まいをしていました。
もうさ、久しぶりに贔屓を観たわけだけどこうして最後は幸せになっている贔屓を観られて本当に嬉しいというか感慨深くなってしまって、「はぁ…岡村さんが幸せになった…」と別の感情が生まれて涙が溢れました。本当に温かかったです。フィナーレで山下さんベンの肩に頭をコツンと乗せてたのが死ぬほど可愛すぎて最後までガチ恋でした。いや、エイミーめっちゃくちゃ似合ってた!すっごく良かったです!!!
正直これでもかなり省いて書いたので、まだまだ書けます。でもいったんこの辺にして、ここからはエイミーじゃない役として出演するシーンについて書いていきます!
まずはリジーの宇宙博物館の見学ツアーに来ている貴婦人役。大きなサングラスをかけて頭にスカーフを巻いている女性ですが、なーんか楽しそうなんですよ岡村さん。このシーンは何か大きな動きをしていたわけではなかったですけど、とりあえず凄くイキイキしてました。あ、これは岡村美南劇場が始まるな…という予感がした瞬間です。
で、その貴婦人は1幕ラストの「地平線をめざして」にも登場します。上手の端っこにいるときは化粧を直すかのように顔を整えていました。初日でゆきみさんがタバコをふかしていた気がするけど、人によってなのか日によってなのかやること違うのかな?そのあとは他のダンサーさんたちに混ざってバリバリに踊り出す岡村さん。なんかこんなガッツリ踊ってるの観たの超絶久しぶりすぎて、キレッキレで笑いました。背も高いし奇抜な見た目してるからすげえ目立つんだわ(笑)
2幕の秋葉原のシーンで流れるTOKYO ELECTRIC TOWN。ここではメアのスタッフ兼マネージャーみたいな役どころで、メアのステージの下手側にひっそりと立っています。大きな黒縁の丸いメガネをかけていて、なんだかすっごく田舎から出てきたような垢抜けない感じがあったんですよ。ゆきみさんはスタイリッシュだったのに!と思っていたのですが、これ実は岡村さんがご自身でどういうペルソナとして登場するか練りに練った設定ゆえなんだろうな…というのが凄く感じられる振る舞いをしていました。
まずは凄く地味な感じでメアにも興味ありませーんとでも言うように仏頂面で歌っていたんですよ。でもメアが下に降りていったときだったかな?メアの目を盗んで急に楽しそうにその場で踊り出しました(笑)ん、これは!?となったのですが、おそらく隠れオタク設定っぽいです(笑)メアのパフォーマンスが始まったらまた仏頂面に戻って淡々とスタッフらしくステージの準備を行っていましたが、準備が終わって捌けていくときに階段を下りながらスマホを取り出してさりげなくメアを写真撮ってました(笑)その後スマホをスワイプしてどこかにアップしたような仕草もしてたけど、何食わぬ顔でスマホをしまって、ようやく捌けると思ったら最後にオタクたちがやってるステップを同じようにやりながら捌けていきました(笑)最後までやりやがったー!笑
もう、ここの岡村さんがすっげえやりたい放題でした。マジで腹筋死ぬかと思いましたよね。めっちゃくちゃ笑ったわ…。岡村さんって小学生のときに休み時間を使ってギャグとかやって同級生の子たちを笑わせることに徹底していたような人なので、やっぱりこうやって面白いことするの大好きなんだろうなーっていうのを再認識しました。まさかこんな端役なのにこんな細かい設定で演じてくるなんて凄すぎるじゃないですか…。ご自身も四季でアンサンブルを経験していないから、こういうアンサンブルな立ち位置をやるにあたって凄く気合い入ってたんだろうなっていうのが伝わってきました。凄く楽しそうに演じていたから観るのめちゃんこ楽しかったです。
そしてパラオ。ここは新演出でガッツリと女性陣も踊るようになったので、ダンサー・岡村美南を満喫できました。へそ出し衣装だったので、へそ出し衣装なんて着るのいつぶりよ!?とドキッとしながらもウエストの細さに驚きつつ、キレッキレのダンスに魅せられつつ、本城さんとのバカップルみたいなやりとりにニヤニヤしつつ、最高のパフォーマンスを観られました。あー可愛い…って思っていたんだけど、衣装からチラリと見えるバキバキの腹筋に「!?」となって私の腹筋が死にました。さすが腹筋マニア…。こんな腹筋バキバキのエイミー笑うでしょ。鍛えられすぎなんですよ(笑)
まあでも本当にすっごくガッツリダンスしていたし、WSSのアニタぶりくらいじゃないかってくらい本当にガッツリ踊っていたから貴重なものを観られて幸せでした。何よりやっぱり本人が楽しそう。それがファンとしても一番嬉しいです。
そんな感じかな!とりあえず思いついたものをパパっと書いていきましたが、それだけでも結構なボリューム。まだまだ書き足りないし岡村さんの感想だけでも10,000文字は余裕で超えるくらいなのですが、今回はこんなところで。
総括していくと、デビューとは思えない完成度の高さでした。岡村さんは元々どんな役でもデビューからかなり完成度高かったから、久々にこの感じを味わえて嬉しかったです。ドナはデビューしっくり来なかったなぁ…というのをこのブログで何度も書いていますが、それは母親らしさが足りなくて…ということでした。でも、公演重ねていくうちにどんどん母親らしさが出てきて最後は素敵なドナに仕上がっていました。そんなドナのときの葛藤と経験がちゃんと今回に活きていたというのが伝わるデビューだったんです。
エイミーも女として、妻として、母としてあらゆる面を見せながらベンと人生を歩んでいきます。年齢を重ねたからこそできる深みのある落ち着いた女性としてのお芝居にくわえ、ドナを演じてきたからこそ子供を持つ母親としての一面はすんなりと演じられるようになっていて、ドナを演じてきたのってこういうところに活きるんだな…って思いました。そういう意味では、エイミーは岡村美南さんの四季人生12年分の集大成と言ってもいいんじゃないでしょうか。私も色んな岡村さんのお芝居を観てきたけど、あらゆるものが凝縮されていた気がします。
見せ場としてはドナのほうが圧倒的に多いけど、魅力としてはエイミーのほうがかなり詰まっているかも。それくらい岡村美南さんの良いとこを集めたような役でした。しかもエイミー以外も演じるから余計に観るの楽しいんですよね。役としても恵まれているし、本人も演じるの凄く楽しくて仕方ないんだろうなっていうのが感じられるし、凄く良い役に出逢えましたね。ブライオニーのほうが合ってるなんて言ったけど、エイミーで大正解でした。
何はともあれ、バタバタした当日発表のデビューだったけど無事に見届けられて良かったです。こんな素敵なデビューを観られたことが嬉しかったし、本当に凄く良い役をもらえたんだなという満足感でいっぱいです。デビューでこれだけの完成度なので、今後さらに進化していくことを考えると楽しみで仕方ありません。そして10ヶ月ぶりの舞台出演でしたが、変わらずお元気そうで安心しました。やっぱり私は岡村美南さんのお芝居が好きだなーっていうのを感じられた公演だったので、感無量です。
いやーーーーマジで凄く良かった。贔屓フィルターかかってるとは思うけど、それにしても岡村美南さんの魅力が存分に詰まっていたので最高に楽しかったです。本当に素敵なデビューでした。改めてエイミー役デビュー、おめでとうございました!!!
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました!毎度のことながら、興奮しすぎてくそ長文になってしまいすみませんでした!もうね…本当に死ぬほど可愛すぎたんですよ。こんなに最高のデビューを見届けられたの久々すぎて嬉しすぎました。いやーー有休取った私、さすがだよ…。
2021年3月14日以来っていうのもあって本当に久しぶりだったから、こんなに岡村美南さん充できたことが嬉しくて供給過多です。すでにキャパオーバー。本当に最高でした。とにかく大満足だったし、これから忙しくなるぞーーーー!(素振り)
もう何度も言うけど、やっぱり私は岡村美南さんが大好きなんですよ…。もう彼女しか見えなかった。こんなにも好きだったんだな…と痛感しました。本当に岡村美南さんを応援できて、デビューを見届けられて良かったです。
ほら、神々しいね…。金文字の「岡村美南」ですよ。眩しいね…。はーーーー大好き。名前も可愛いし美しいって神…。本当に、舞台に戻ってきてくれてありがとうございました。
ということでこれからまた岡村美南さん三昧な日々を送りますので、どうぞ今年もよろしくお願いいたします!最後までご覧いただきありがとうございました!
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