2022年1月9日マチネ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』




ロボット・イン・ザ・ガーデン
この記事は約12分で読めます。

キャストの感想

キャストの感想です!

ベン:山下啓太

相変わらずわんこでめちゃくちゃ可愛かったです。でも、デビュー初日に観たときより厳しさをタングに向けるお芝居をするようになったなーとも思いました。初日は「そんな優しい言い方するの~?」と思うほど厳しさというものがあまり感じられませんでしたが、ベンを叱咤するシーンの山下さんベンは力むようにセリフを発するようになったり語気がやや強めになったりと、厳しさを織り交ぜるようになってきた気がします。

それでも田邊さんベンの厳しさに比べると優しいものだと思うのですが、ちゃんと人間として父親?として成長していってる姿が垣間見えたので思わず笑顔になっちゃいました。山下さんベンって姉さん女房なミナミーにずっと甘やかされて生きてきたんだろうなーっていうのが伝わってくるから、甘やかしてくれる人がいない環境で自分1人で頑張らなきゃと必死になっている姿がとても愛しいです。

1幕冒頭でタングを家に上げたことをエイミーに詰められるシーンで、ちょっとおどけながら「こんな状態で追い出せって、よく言えるよね~」っていうのも田邊さんベンは皮肉っぽく言う感じですけど山下さんベンは甘やかされる前提で言っているような感じがするんですよ。今までのミナミーだったら多分笑ってくれてたんだろうなって。それを山下さんベンも期待しながら言っているように見えました。相当甘やかされて世話を焼かれてきたし、その状況に今も甘んじているのがダダ洩れなのが可愛かったです。飼い主(エイミー)にリードで繋がれているわんこです、まったく。

だから、山下さんベンが自分から行動を起こそうとする瞬間の成長っぷりはとてもグッと来ました。タングがフライドエッグを作ってきたときに「君にできないことがあって良かった。その分は僕がやる」みたいなことを言うセリフがありますけど、これめっちゃ大きな成長だなーと今更ながら感動。あんなにできる姉さん女房がいたら自分がやれることもどんどんなくなるだろうし、甘えてばかりになっちゃうだろうし、彼女から離れるって凄く大事なことだったんだなという説得力を感じられたセリフでした。

今回はわんことしての可愛らしい一面だけでなく、生きるものを冒涜する行為や人に対して厳しい目を向ける一面をたっぷり観られて楽しかったです。あとは1幕冒頭で仕事に出かけるミナミーを見送る際に、ミナミーの肩に手を置いてキスをしようとしていたり、2幕ラストで「あなたじゃないとダメなの」と泣き出すミナミーを強く抱き締める際にグッと力を込めて腕を回していたり…と「男」を感じさせる瞬間が多々あってドキッとしました。そうだよな、わんことはいえ男なんだよな…などと。山下さんも実際ムキムキに体鍛え上げられていますしね。か弱い草食系みたいな見た目してるけど体つきは肉食系なのでギャップにやられました(笑)ミナミーも腹筋鍛えられてるし、アスリート系夫婦で草です。

ちょっとずつ山下さんベンもお芝居がしっかりしてくるようになって、どんどん魅力が増していっているのでこの先どんな風に化けていくのかが楽しみです。今回も可愛らしいベンのお芝居を観られて幸せでした!

タング:前田更紗/小原てつを

7日のデビュー以来の前田さん&小原さんペアのタングです。初日に観たときよりも俯瞰で観られたので、そういえばここってこうだったんだ…とか気付くポイントがちょこちょこありました。前は半々で前田さんと小原さんが喋ると書いたと思うのですが、1幕はほぼ前田さんが喋っていて小原さんが喋るのはほんのちょっとって感じでした。でも物語が進むにつれて小原さんも喋るようになっていったので、引き出しが増えるという意味でタングがあらゆるものを学習して知識が詰め込まれていっていることの暗喩なのかな?とも思ったり。

で、前田さん小原さんはタングの手を使って何かものを掴んだり投げたりするのがちょっと苦手なのかな?ベンのズボンをリュックから取り出すシーンでは、ハート型クッションを取り出しつつも落としちゃって「ん?」とちょっとアドリブを加えながら一生懸命掴んでいて、ズボンも取り出す最中に落としちゃって「ズーボ…ん?…ズーボーンッ、オッオー、あっ!あったよー!」と手間取りながらも面白くアレンジしていました。なかなかものを取り出せなくてもたつくタングは逆にめちゃくちゃ可愛かったです。

それからベンが泣いているときにハンカチで涙を拭ってやって、何かを思いついたようにハッとしてハンカチを後ろに投げるシーンがあるのですが、ハンカチがなかなか後ろに飛ばないんですよ(笑)デビュー初日もタングの手にハンカチが引っかかっちゃって後ろに飛ばずに下に落ちちゃって、今回もまったく同じでした。タングの手の構造どうなっているのか分かりませんが、確かに扱うの難しそうだし、手捌きは回数を重ねて慣れていくといいなと思います。

で、前のレポで前田さんは憑依型のタングではないと書いたのですが、普通に表情をリンクさせてお芝居していました。今期のタングはみんな憑依型っぽいですね~。女性がメインで声をあてるのも統一されているし、タングがより子供っぽく柔らかい雰囲気になっていました。だから逆に小原さんが突然喋り出すとビックリします(笑)

そして小原さん、歌うときの声量が結構でかいので2幕終盤のRIGでベンと前田さんと一緒にハモるところとか小原さんの歌声で主旋律がかき消されちゃってるなーと思いました。もう少しささやかに歌ってくれると嬉しいかも~。でもその分3人の声がガチッとハマったときの声の厚みは凄かったし綺麗だったので、凄く感動しました。

まだデビュー2公演目ということもあってもたつく部分もあり、安心して観るというよりは見守りながら…という感じではありますが、他の2ペアとも違うタングを演じられているので観るのが楽しかったです。これからどんどん慣れていってより魅力的なタングになっていくことを期待したいです!

エイミー:岡村美南

嫁と呼びたくなる衝動に駆られるほど可愛い。今回も安定の可愛さでした。というか今回は絶対に1人で「絶対に笑ってはいけないロボット・イン・ザ・ガーデン24時」を開催していたでしょと言いたくなるくらい面白くて腹筋が死ぬかと思いました。観劇するだけで腹筋が鍛えられて美南ボディを手に入れられるかもしれませんね。

1幕冒頭からギア全開で「10時から戦闘開始!」はまたカメハメ波をやるのかな?と見せかけて、太極拳からのお腹ポンッと叩く仕草で拍子抜けです。でもその次に前のほうに出てきたと思ったら、テーブルに乗っているアンディに向かって肩をフリフリしたりして踊り出したんですよ。もう異空間(笑)アンディに向かって踊り出すって何(笑)しかもアンディ、赤く光ってたからね(笑)

この謎の間に一生懸命笑いをこらえるように口角を上げていたアンディ役の照くんにも笑いそうになりました。いつになく無駄にテンション高いミナミーにいきなり腹筋崩壊で死ぬかと思いましたわ。もうここで私の眠気はおさらばです(笑)

でもさ、出てきていきなりストレッチみたいな動きをしていたり戦闘開始でアクティブな動きをしたり、凄く健康志向なエイミーだろうなーって思うのでめっちゃ岡村美南さんらしくて可愛かったです。休日の朝はスムージーとか作ってそうですよね。健康には凄く気を遣ってそう。背筋をピシっと伸ばした姿勢の良さもバリキャリ感と共に「法廷の花形」らしさがあって、佇まいすべてが岡村美南さんらしくもありエイミーらしさもあって凄く好きでした。

ゆきみさんに寄せるのではなく岡村美南さんらしく演じているのがポイント高いです。感情的になりすぎず、怒りを表に出すこともせず、皮肉じみた言い方をするでもなく、大人らしく相手をたしなめるのがまた弁護士らしいなーって。知的な感じがバンバン出ているので、弁護士っていう設定が凄くしっくり来るエイミーだと思います。

思ったことをすぐ口に出すゆきみさんエイミー(ユキミー)とは違って、いったん自分の中で飲み込んでから表に出すのがミナミーです。だから勢いで相手を言い負かしてくるユキミーとは違って、ミナミーは論理的に冷静に相手を頷かせることができる人。自分が優位に立っていたいのではなく、相手を立てるために自分が下に出られる人。凄く大人なエイミーだなぁ…って再認識しました。

同時に忍耐強い人でもあるだろうなって。これはやっぱり両親に愛されてこなかったことに説得力を持たせられるからこそついてくるイメージだと思います。こんなに尽くしてあげたのに!となるわけではなくて、ベンに嫌気がさしたと同時にそんなベンを変えてあげられなかった自分に対する悔しさもあるんだろうなっていうのが感じられました。ベンに期待しているし、ベンを信頼しているし、ベンを愛しているし。ベンを変えてあげられない今の自分や環境、そして彼自身にもどかしさを抱いて、それゆえの「自分が嫌いになりそう」なのかなとも思いました。

ユキミーは完全に愛想を尽くして家を出て行った感じがするけど、ミナミーはまだ好きなのがバリバリ伝わってくるのよね。もう、それが可愛くて仕方ないです。ブライオニーの家で「ベンが迎えに来るんじゃないかって」って言ったり、その後もなかなかベンへの想いを断ち切れずにいたり、やっぱりベンが好きで仕方ないのが色んなシーンで感じられるからたまらないですよ。山下さんベン以上にミナミーのほうが相手にゾッコンなのが可愛いです、新生チェンバーズ夫妻は。

田邊さんベンとゆきみさんエイミーだと田邊さんベンのほうが未練たらたらなのが伝わってくるんだけど、山下さんベンとミナミーだと逆転するのがマジで可愛い。もちろん山下さんベンもミナミーのこと大好きなんだけどね。それ以上にミナミーのベンへの愛情が凄まじく大きいのよ。愛に溢れた人すぎる。だから、2幕でベンに「さよなら、エイミー!お幸せにー!」って言われて電話を切られた直後のミナミーの表情は本当に観てほしいです。自分から家出ておいてあんな表情するのはずるいよっていうような表情をしています。

そういったプロセスが描かれているから2幕ラストの復縁シーンはよりグッと来てしまいます。「あなたじゃないとダメなの」というセリフの説得力も凄い。ミナミーだと、ロジャーと付き合おうとする理由が「ベンを忘れたくて」って言われたらすげえ納得できますもん。スマートで自分をリードしてくれるような男性。何もかも完璧なロジャーとだったら、と考えたでしょう。だけどミナミーは自分が相手を愛したい人であって、受け身でいたい人じゃないと思うんです。

バックハグしてくるような男はダメなんですよ(過激派)。守ってもらうとか抱き締めてもらうとか、そんな一方的な愛情表現じゃなくて、自分も守りたいし抱き締めたい。そう、正面から抱き締めてくれるベンじゃないとダメなんですよ。ミナミーにとって幸せな温かい家庭を築くことは、お互いが同じ方向を向いて同じ愛情を持って支え合うことだと解釈しています。だからやっぱりミナミーはベンじゃないとダメなんだなって。ベンを愛したいという気持ちが凄くすごーーーーく感じられるから、そんな最高の嫁がいるベンは本当の幸せ者だと思いますわ。

とにかくミナミーは愛に溢れた人で、ベンになら弱さを見せられる。今回のお芝居はそういった弱さの部分もしっかりと感じられたので、どんどん人として女性として魅力が増していってるなと思いました。あれだけ完璧なミナミーがあんな弱い部分をさらけ出してくれるって、たまらないじゃないですか。そりゃベンも抱き締めたくなりますわ。ほんとそういうとこ、可愛い。

あと、今回ちょっと変化ついたな…と思ったのは1幕でベンにキスされそうになってかわした直後の「OK、アンディ。今日の天気は?」の言い方です。ちょっと動揺している感じ?葛藤している感じ?そういうのが伝わってくる言い方で、「今日の…天気は?」と間を持たせて言っていたのが新鮮でした。ベンからの愛情表現に凄く気持ちが揺らいで、気持ちをリセットするようにアンディに話しかけるっていうお芝居をしているので、ぜひ注目してほしいポイントです。

ま、今回はこんな感じでミナミーに対する解像度が上がった観劇ができました。もう本当に可愛くてガチ恋なんですけど、ミナミーには山下さんベンしかいないんだなと思わされるお芝居に胸打たれて、本気でチェンバーズ夫妻に心を奪われています。エイミーとしてはそんな素晴らしいお芝居をしつつも、それ以外のところは今回も全力でふざけ倒していて私の腹筋がお亡くなりになりました。最高にコスパが良すぎる演目だわ。

ちなみに今回のFree Freeではブライオニーのお尻をぺちぺちした反撃として、まちまりさんがお尻を突き出してフリフリと迫ってくるので応戦する形でずっとぺちぺちし続けていました。目の保養。可愛すぎです。

とりあえずそんな感じです!とにかく可愛さの塊だったのでずっと悶えながら観ていました、マジで。こんなにこの人って可愛かったっけ?となるくらい死ぬほど可愛いので、観劇するたびに寿命が延びている気がします。延命治療になってるよ。長生きできそう。

本当にね、凄く素敵なお芝居をされているのでぜひ多くの人に愛されてほしいです。今回も最高に可愛すぎるお芝居をありがとうございました!世界一最高でした!

まとめ

今回もミナミーの可愛さに悶えながら最高の観劇ができました。デビューからこんなに完成度が高くて、しかも凄く温かくて優しくて愛に溢れた作品・役で。観るのが楽しくて仕方ないです。通えるものなら毎日通いたいです。

結構本気で京都と全国通うためにはどうしたら良いかを必死に考えています。今の仕事をやめてフリーターになれば良いのか、それともマンスリーマンションみたいのを借りれば良いのか…など。さすがに人生を棒に振ることはできないので即決はしませんが、本気で通うためにどうするべきかのマッピングを始めているところではあります。それくらいミナミーが魅力的だってことです。

岡村さんってふとしたときにお芝居の方向性が固まることがあって、それまではずっと模索しながらお芝居する方なんですよ。だからデビュー直後は特に見届けたい気持ちがあって、なんだかんだ4公演連続で観劇していました。本当なら10日も行きたかったです。これから先、お芝居がどんどんブラッシュアップされていくんだろうなーと思うと楽しみで仕方ないし、変わっていく姿を見届けていきたいと思っています。

こんなに好きでいいのかなーって思うくらい好きで好きでたまらなくて、ブログに10,000文字の感想書いたって伝えきれないわけです。「好き」という感情は言葉で表せるものじゃないなと強く痛感しています。もうね、エイミーが最後泣きながらベンに想いを告げる姿を観ているとその言葉そっくりあなたに贈りたいよって思っちゃいます。それくらい好き。それ以上に好き。あーーー好き。可愛い。

どの作品も没頭するくらい岡村さんのお芝居に魅せられていますが、ミナミーは観劇中本気で恋するくらい好きですね。おかげでベンにもタングにもロジャーにも嫉妬していますもん(厄介)。独占したくなるくらいに可愛い。こんな素敵な役に巡り会えたことを、改めて嬉しく思いました。そしてそんな素敵なお芝居を東京の劇場で観られていることが奇跡だなと思いました。マジで通える限りは通うつもりです。

そんな感じで今回も岡村美南さんに骨抜きされて帰ってきました。やっぱり岡村美南さんはええな!

彼女のファンを続けられて最高に幸せです!次は来週また観に行きます!待っててねミナミー!

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました!

4

コメント

タイトルとURLをコピーしました