2016年3月27日マチネ 劇団四季『ウェストサイド物語』




ウェストサイド物語
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ゆうき
ゆうき

学生最後の観劇です!

日時:2016年3月27日マチネ公演
場所:四季劇場[秋]
座席:1階S席3列14番




はじめに

思った以上に岡村さんが結構続投されたのでびっくりでした。
でも今週いよいよ茜さんがアニタデビューされるので、岡村さんにはゆっくり休んでほしいです。

ということで、20日で最後にしようと思っていたWSS…また来てしまいました。
やっぱりどうしても最後見納めのつもりでもう一度観たかった。
今回は念願の下手寄りの席。
とてもとても幸せな学生最後の観劇をすることが出来ました。

そして、前回ブログにあのシーンのことめっちゃ書いたんですけど…。
いくつか訂正させてください。
今回観て、あれ…全然違うじゃん!っていうことがいくつかあったので改めて後ほど書かせていただきます。

キャストの感想

気になったキャストの感想を書いています。

マリア:山本紗衣

「白なんて…ベビー服だわ」っていう台詞を言いながら鏡の前に立った時の紗衣さん。
めっちゃ幼く見えて凄く可愛かったです…。
普通に10代の女の子っていう印象があって物凄く説得力もあったように感じました。
あと、体育館のダンスの時に純粋にダンスに参加しようとしたらジェットにバカにされちゃった時。
下がったあとに口をぷくっとしてジェットを睨みつけてたのがまたまた可愛い。
1幕の紗衣さんマリアは仕草から表情から何まで本当に、幼い少女って感じでした。
それから2幕になると紗衣さんの本領発揮だと思ってます。
精神的にも色んな意味でも大人になったマリアの、少女から大人への変化がしっかり出てる。
歌声も1幕は可愛らしく美しく、2幕ではより力強く…。
そういう部分でもマリアが1人の女性として強くなったことを表しているんじゃないかなと思いました。
マリアは特に成長が著しく分かるキャラクターだと思うので、初登場シーンとラストシーンの芝居の違いとかは凄いです。
やや狂気に満ちたお芝居が迫力とてもあって、思わずゾッとしてしまいました。

アニタ:岡村美南

相変わらずこの人のお芝居も歌もダンスも好きすぎて目が追いつかないです。
今回もパワフルな歌声に激しいダンスに…すべてに目を奪われました。
体育館のダンスの時、怒鳴るベルナルドを鎮めようと「しーっ」とやって彼の頬に手を添えていました。
また、男性が外、女性が中でぐるぐる回るところではベルナルドとすれ違う時に手を握るというか触れ合うというか。
そういうさりげないスキンシップがあったりして、結構観ていてドキドキしました。
あと、「喧嘩のあとあんたの兄さんすっきりしてる。だから私香水風呂に入るの」っていう台詞。
前回は「すっっきりしてる!」みたいな言い方だったんですけど、今回は「すっきりしてる…♡」って感じ。
なんかちょっと言い方が甘さを含んでて、優しい感じだったのが印象的でした。
全体的によりお姉さんらしさが増して、色っぽさも(初日に比べたら)増したようにも思えます。
五重奏の時の仕草がかなりいやらしく見えたもん、だって(笑)
太ももあたりの肌を撫でる仕草とかがとても良かった。
あぁ、ナルドが帰ってきたらする気満々だなぁ…って可愛く思えてくるけど切なくもある。
そういうところでアダルティさがしっかり出ていたので安心しました(笑)
Americaに関してはもう何も言うことなし、本当にかっこよすぎ。
そしてレイプシーン…まぁね、3回目ともなると少し慣れて冷静に観れてしまう部分がどうしてもあって。
初日ほどの衝撃を受けていなくなってることにもショックを受けているのですが…。
ただ、立ち上がって悲痛な叫びをあげる瞬間…。
そこだけはやっぱり彼女の憎しみとか負の感情が一気に爆発してしまう瞬間であって。
こういう悲痛な叫びをあげる役って今までなかっただろうし、ここの言い方も声のトーンもすべて迫力を感じました。
熱がこもっているし、大人で頼もしくて優しい女性っていう部分を一気に覆してしまえる。
正直、レイプされている瞬間より、この叫びを聞いている瞬間のが胸が痛んでしまう。
それくらい、彼女の熱演が素晴らしいと改めて感じました。
それとカテコで一歩前に出てお辞儀して一歩下がる時、ヒールがコテッとなったのか危うくこけそうに。
口バクで「やば」みたいなことを言って笑っていました。
まぁ、実際転んだりしなくて良かったけどちょっと和んだ…可愛かったです。

ベルナルド:萩原隆匡

萩原さんは本当に怒鳴るお芝居がとても上手い(笑)
前回の記事でも書いていますが、ベルナルドって本当は凄く弱い人だと思う。
虚勢を張って自分を大きく見せようとする感じがどこか愛しくて切ない。
そのことをアニタは多分理解しているんだと思うし、好きなんだと思います。
萩原さんナルド、そういうちょっと不器用なところが凄く上手でした。
怒ることで相手を押さえつけようとする感じとかもね、なんだかんだで愛しいです。
あとはやっぱりアニタへの熱い愛情表現も素敵。
萩原さんの色気が全面に出てるから、アニタとナルドのカップルだけ異様な色気放ってますもん(笑)
岡村さんをあそこまで色っぽく見せることが出来るのは萩原さんだけかもしれないですね。

クラプキ:中村伝

伝さんのクラプキとても楽しみだったので、観れて嬉しかったです。
というか伝さんってあんなにずっしりした体型だったんだっけ?
凄くふっくらしているように見えたのでびっくりしました。
でも、伝さんのお芝居って凄く面白くてふとした仕草とかがとても笑えました(笑)
多分荒木さんもやってたと思うんだけど、体育館のダンスの時にパンみたいの食べてました(笑)
それをグラジェラとヴェルマだったかな?が見て、色々言ってました(笑)
そういう時のポカンとした表情とかがとても面白かったです。

まとめ

今回はかなり絞って数名の感想だけ書きました。
もちろん皆さん当たり前に凄いしかっこいいし素敵だし…。
ただ、やはりどうしても彼女ばかり目で追ってしまって。
今回、体育館のシーンで岡村さんばかり観ていたせいでトニーが来たこと気付かなかった(笑)
さすがにそれにはびっくりしちゃいました。
でもちょうど下手寄りだからだいたいのシーンで彼女を目の前で観ることが出来たんだもの。
もう一瞬たりとも目を離すことが出来なかったです。

そして前回の観劇の際の記事で、アニタの暴行シーンについてたくさん書きました。
そこで、ベイビージョーンが自主的に腰を振っていると書きました。
これについて間違いがあったので訂正させてください。
前回、ちょうどこのシーンが目の前というのもあり観る角度のせいかよく確認出来ていませんでした。
数名に抱え上げられたベイビージョーンがアニタの上に乗るというのは正しかったです。
ただ、そのあと誰かに押されるようにして無理やり腰を振らされていました。
強要されてアニタを犯す、という感じでした。
この違いだけでもこのシーンの解釈って全然変わっちゃうので、改めて書かせていただきました。

もちろんアニタも深い傷を負ったんですけど、ドックが登場してからのベイビージョーンも震えていて。
肩を丸めるように怯えるようにして泣いていました。
そうだよね、散々これまで弱い人間として描かれてきた彼がここで男を見せると思わなかったもの…。
ベイビージョーンも加害者にされた被害者。
ここでベイビージョーンが選ばれたということもなんだか凄く残酷だなと思いました。

そしてもう1人。
ここのエニィボディズってどうなってるんだろう…と思っていても今まで観る余裕なかったのですが今回は観れた。
最初のうちは一緒になって「ベルナルドの女が?」とか言って暴言吐いてた彼女。
だけど、だんだんアニタへの言葉の暴力がエスカレートしていくと彼女は店のすぐそばで見ているだけ。
ついには仲間がアニタの体を触って輪姦していくという過程で、彼女はずるずると倒れ込んでしまうんです。
何も言葉を出すことが出来なくてただそれを驚いた様子で見ている。
ドックが現れた時には体を縮こまらせて震えていました。
エニィボディズの裏設定として、彼女も家庭で性的暴力を受けていた?そうで。
だから女らしくせずに男らしくすることで、そういう性的対象として見られないようにしていた…ということかな。
ジェットに仲間に入れてほしいとずっと頼み込んで、ようやくアクションから「よくやったぜ」と言われ。
認められたことに嬉しさもあっただろうし、ジェットの一員として誇りも持っていたんだと思います。
だから、同性であるアニタに一瞬助けを請われてもそれを無視した。
でも、仲間だったはずのアクションたちとはやっぱり違った、同じ男にはなれなかったことに衝撃もあっただろうし。
どんなに自分が男になろうとしても、本当の男たちの怖さというのを彼女は身を持って実感しているから知っているし。
やっぱり自分には出来ない、そして何より過去のトラウマが蘇ってしまったのかな…と思いました。

アニタに目が行きがちのこのシーンだけど、アニタだけでなくべビジョンやエニィボディズらもかなりの被害者。
これを遊び、度が過ぎたイタズラ程度にしか思っていないのはアクションたちだけなんだと思いました。
軽率な行動が大きな事態を招いてしまう。
そういった未熟さもこのシーンに大きく描かれていると思います。

毎公演、このシーンを演じる岡村さん自身もとても苦労があると思いますが本当に素晴らしいです。
よりによってアニタが、という衝撃は本当に半端ないですからね。

さらに、ラストシーンについても。
ずっと赤いハチマキ男が誰なのか分からなかったんだけど、あれがぺぺか!
シャークの男性陣ほぼ分からないので、分かりやすい見分け方あったら教えてください(笑)
トニーが撃たれた時。
マリアが一番近くにいたペペに助けを請います。
でも、ペペはそれを拒否ってマリアに背中を向けてしまうんです。
そして、続いてマリアが助けを求めたアクションたちが、手を差し伸べる。
最後トニーが運ばれていく時に、ロザリアがマリアの肩にストールをかけてあげようとするけどそれを拒否られる。
拒否られ傷ついてしまったロザリアの肩をコンスェーロが抱いて、コンスはペペを睨みながら去っていく。

ここのマリア、ロザリア、コンスェーロ、ペペの動きというか表情…。
これらがどうしても前回の時から心にグサッと残ったんです。

マリアはもうシャークの人間を誰ひとりとして信用しないんじゃないかな…と思いました。
ロザリアの優しさを拒否ったのも、その理由が考えられると思います。
トニーを殺したのがチノ。
トニーを運ぶことを拒否ったのがペペ。
もうそれだけでマリアの心の中は、シャークへの憎しみでいっぱいなんじゃないかな。
だから、シャークにはもう助けを求めたりしない。
もちろん、ペペが拒否る気持ちも分からなくはないです。
トニーは敵のグループなわけだし、何よりベルナルドを殺したのはトニーなんだもの。
そんなペペを睨むコンスェーロ。
彼女はペペと恋人同士だったのかな?なんかそんな感じの台詞がありますよね。
でも目の前で、恋人が友人の求めに応えなかったのを見て失望したんでしょうね。
それと同時に、友人からの信頼も失ってしまった。
そういう意味でも、ロザリアとコンスェーロにとっても凄くグサッとくる瞬間だったのかな。

ここで手を差し伸べるのが仲間じゃなくて敵、っていうのがまた何とも言えないです。
きっとジェットの少年たちは今後更生していける気がするけど、シャークは出来ないんじゃないかな。
だって彼らを本気で理解して怒ってくれる人たちがいないんだもの。
だから、どうしても救いのないラストにしか見えなくて凄く重い気分になっちゃうんですねぇ。

ただ、明るい話すれば、ロザリアとコンスェーロの絡みが可愛すぎ。
いっつもくっついてて本当に可愛すぎです。

またこの場にいないアニタのことを、マリアが受け入れてくれるのかも心配。
前回、アニタを癒せるのはマリアしかいないと書いたけど実際どうなんでしょう。

マリアはこのラストシーンで完全にシャークへの信頼を失ったし失望してしまったようだし。
アニタは暴行シーンでジェットを激しく憎むような発言をするし。
家に帰った時か仕事場でか、いつか必ず2人は再会するだろうけど。
お互いに何があったかなんか知らないんだろうし。

正直、やっぱりアニタの今後が分かりそうで凄く分からない。
彼女のことだから恋人を失ったマリアを慰めてくれるんじゃないか、なんて思ったけど。
本当にそんなことが出来るのかな、今のアニタに。
次また観劇出来たら、そのことについて改めて考えていきたいと思います。

なんだか無駄にだらだらと書いてしまいました。
でも、この作品は観劇するたびにたくさん考えさせられる。
とっても難しい作品だと思いました。

だけど岡村さんのパワフルなお芝居が観られるのは本当に幸せなこと。
今、アニタは茜さんに変わりましたけどまたそのうち彼女のアニタが観られることを楽しみにしたいです。

岡村さん、約1ヶ月半の連投お疲れ様でした!

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