2021年6月29日ソワレ 劇団四季『アナと雪の女王』




アナと雪の女王
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キャストの感想

キャストの感想です!

エルサ:岡本瑞恵

ただただ岡本さんのモンスター級の歌唱力にひれ伏すばかりでした…。いやもう本当に凄い。凄かった。岡本さん、こんなに歌上手かったっけ…?ってなるくらい、もう安定感抜群だったし歌唱力が飛び抜けていて訳わからなかったです。

正直ね、『マンマ・ミーア!』のソフィ役で観ていたときはここまで安定感なかったし歌唱力もこんなに高くなかったと思うんですよ。もちろん当時から歌は上手でしたけど、あの頃からは考えられない歌唱力の高さと安定感です。こんなにパワフルにスコーンと突き抜けるような歌声が出せるんだ…とひたすらに驚いていました。とにかく凄い、しか言えません。

そしてただ歌が上手いだけじゃなくて、岡本さんエルサは感情の込め方も本当に秀逸でした。エルサは感情がとても揺れ動きますし、それを歌や仕草で表すことが多いです。映画版であれば魔法でエルサの感情を表現できましたけど、舞台版では演者のお芝居によってエルサの感情が描かれていきます

岡本さんエルサはとにかく繊細なんです。ネガティブって端的に表すのもどうかと思うんだけど、自信のなさが全面から表れていて殻に閉じこもってしまっていて、触ったら壊れてしまいそうなほど脆い。でも同時に誰よりもアナを凄く愛していて、その優しさがアナを見つめる表情やアナに触れるときの指先の動きやアナに声をかけるときの声色から感じられました。その愛があるからこそ、岡本さんエルサはとても強くいられるんだろうなぁ…と。

「Dangerous to Dream」での岡本さんエルサの歌声を聴いていると泣きそうになりましたもん。ただ歌っているんじゃなくて、まるでアナに語り掛けるような優しい歌い方をしていて。アナとこんな風になれたらいいのに、アナとこんな日々が過ごせたらいいのに…。叶わぬ夢に寂しさを抱きつつ、でも手を伸ばしたくて必死にもがきながら想いを封じて、そっと自分の中にしまってしまう。そういう脆さと繊細さが本当に素敵だなぁ…って思いました。レリゴーも大好きですけど、私岡本さんエルサの歌声で一番好きなのは「Dangerous to Dream」です。すっごく良かった。

だからこそ、「I Can’t Lose You」でアナに抱き締められたときに泣きそうに顔を歪めていた岡本さんエルサを観て「あああああ!!!」って心の中で叫びました。切ない…。岡本さん、どの作品でもそうなんだけど涙脆いのがまたずるいですわ…。エルサは特にこういう役どころだから、大好きな人と一緒にいたいのにいられない、独りでいることを選んでしまう切なさをたくさん演じていますし、岡本さんエルサの泣かないように歪む表情を観るだけでグッと来てしまいます。

その一方で、パーティーのシーンではアナがウェーゼルトンをおちょくっているのを見てひっそり笑っていたりもして、なんだかんだで等身大の女の子なんだよなぁ…っていうのも感じさせてとても好きでした。岡本さん、私が思った以上にエルサです。すっごくエルサでした。

そしてレリゴーはもうただただ圧巻。初日以上に歌声の伸びが凄かったし、伸ばせば伸ばすほどクレッシェンドしていってパワフルになっていって、鳥肌止まりませんでした。軽々と、とは言いませんけど余裕で歌い上げるほどの安定した歌唱力で魅せてくださって、もうあのレリゴー聴いただけでチケット代以上の価値を感じられました。ひたすら最高です…。

そんな感じで、とにかく岡本さんエルサの虜になって帰ってきましたよね。正直ここまで岡本さん凄いって思っていなかったし、あまりにもかっこよすぎて訳わからんのですわ。こんな素敵な人がエルサを演じてくださってたまらんですよ。最高でした。ありがとうございます。

アナ:三平果歩

やっぱりぺーちゃんアナのリアリティは凄すぎました。スクリーンからそのまま飛び出したような完成度の高さはきっと何回観ても驚くことでしょう。何もかもがアナそのままで、お芝居の説得力が凄かったです。しかも一番凄いのは無理して演じているわけじゃないってことで、ぺーちゃんがアナに凄く近い性格をしていたりスキルを持っていたりするので何もかもが自然体なんですわ…。この子はアナを演じるために生まれてきましたね、さすがです。

初日よりもかなり余裕が出てきたのか程よく緊張感を持ってお芝居されていましたし、歌声も本当に安定していて声の伸びも初日よりはるかに良くなっていました。元々歌える方ではありましたけど、「あ、こんなに歌上手なんだ!」と再認識させられるほど。感情の乗せ方も自然ですし、個人的には「For the First Time in Forever」の「チャンスが来た!」の歌い方がめっちゃ好きなポイントです。動きがアニメーション過ぎるし、舞い上がってワクワクしてたまらないアナの喜びの感情がそこにすべて詰まっているような歌い方が本当にアナそのもので最高でした。

ぺーちゃんは結構積極的だしグイグイいくタイプではあるんですけど、自分勝手すぎないちょうど良さがあるのもまた好きです。周りが見えなくなって突っ走って暴走し出す部分ももちろんあるんですけど、愛ゆえの行動だと思わせてくれる説得力がありました。もちろんミュージカル版におけるアナの描かれ方自体に要因があるのかもしれませんが、自然と受け入れたくなるアナだな…と。その理由の1つとしてぺーちゃん自身の愛嬌の良さもあると思います。

だから、なんていうのかなぁ…ぺーちゃんアナはヒーローって感じ。ミュ版はアナの成長が綺麗に丁寧に描かれているから、とてもかっこいいなって思うんです。そしてぺーちゃん自身のキャラクターがそのままアナに投影されて、ひたすら真っすぐで愛に溢れた女性だから本当に観ていて気持ちいいなって感じました。エルサのことを対等な目線で愛してくれている素敵な妹でした。エルサもヒーローだし、アナもヒーロー。どっちが主役とかじゃなくて、どっちも主役。そう感じさせてくれる最高のキャスティングでした!

クリストフ:神永東吾

捻くれ者タイプのストフでめっちゃ良かったです。神永さんストフはセリフの言い方といい表情といい態度といい、とても鼻につくタイプでまさに映画版のクリストフそっくり(笑)ちょっと上から目線な態度も凄く自然に演じられているので、改めてかなり好きだなぁ…と感じました。

そんな中で神永さんストフの歌うナンバーでめっちゃ好きなのが「Kristoff Lullaby」です。2幕、エルサに心を凍らされたアナがトロールたちに魔法を解いてもらおうとするシーンで歌われるバラード調のナンバーです。神永さんのバラードってすっごく素敵なんですよ…。声がとても切ない。そして美しい。

自分の無力さを思い知らされて、自分の中に生まれた愛に気付いて、色んな感情が芽生えながら歌っているのが凄く伝わってくる歌声でした。ただただ信じて待つことしかできないもどかしさ、そしてアナがストフにとって「愛」であることを知って胸がギュッと締め付けられるような苦しさ…。色んなものが感じられました。神永さんのすぅーっと綺麗に溶けていくような歌い方も本当にこのナンバーに合っていて良かったです。

ストフもアナと同様、愛を知ってどんどん内面的な部分が変化していくキャラクターなので、その成長をどう表現していくかって凄く難しいと思うんです。でも神永さんストフはとても大胆で豪快さを持ち合わせながら、物語が進むにつれて声が優しくなっていくのが本当に素敵でした。「あ、この人は今アナに恋をしているんだな」っていうのがとても伝わってくる。凄く素敵なストフです。

あとはスヴェンと会話するときにスヴェンの気持ちを代弁する神永さんストフの声真似が、とても映画版ストフに近いものを感じて、芸達者だなぁ…ってじわじわ来ました。爽やかではなくちょっと曲者感あるのが本当にクセになります。相変わらず神永さん最高でした!

オラフ:小林英恵

小林さんオラフ観れば観るほど愛しさが増してめっちゃ好きです。凄く中性的な可愛らしい声をしているのでオラフにピッタリですし、無性別さを感じさせる声色が本当に素敵だなぁ…と思いました。そして前回のレポでも書いたのですが、オラフの感情に合わせて小林さんも同じ表情をするのがたまらなく愛しかったです。パペットとパペティアさんが一体になってオラフを作り上げているからこそ、オラフがとてもイキイキとしているように感じられるんだなぁ…と思いました。

今回は「In Summer」で帽子をキャッチできないハプニングがありましたけど、全然焦ることなく歌いながら声もブレずにしっかり処理していたのがさすがでした。帽子が転がっていっちゃったから拾い上げるのもかなり大変だったと思うのですが、そういうところも堂々としていて個人的には凄く好ポイントでした。

あとは2幕でアナを助けるときに暖炉に当たって溶けていきそうになる表現が凄く良かったです。なかなか固形のものを溶けるように見せるのって難しいと思うんですけど、ちゃんとぐにゃぁ…って崩れていくようにオラフを動かしていたのがアニメーションをそのまま再現しているみたいで感動しました。細かい部分も含めてちゃんとオラフらしさを出しながらお芝居するのがとても上手で、安定感もあって本当に素晴らしかったです!

ハンス:杉浦洸

相変わらず声が良いハンスだなぁ…ってなりました。凄く良い声していますね、そんなところも映画版ハンスにそっくりで素敵です。お芝居そのものも表情の演技も凄く淡泊なイメージなので、逆にそれがハンスの白々しさを演出していて個人的には好きなポイントでした。

ただ、やっぱり踊りながら歌うと声がブレちゃうのがもったいない…!凄く良い声しているのですが、マイクを通しにくいのか吸収されちゃうのか分からないんですけど、踊りながら歌っていると音量がちょっと小さく聞こえてしまうのがとてももったいないなと思いました。結構激しい踊りもしますから音程合わせるのも音量出すのも難しいところではあるのですが、ここはもっと安定するといいなぁ…。

あとは個人的に、2幕ラストでアナが凍り付いたときにハンスも衝撃を受けて倒れるんですけど、そのときに上手奥のほうに投げ出されてて舞台袖に上半身が隠れた状態でステージ上には足だけが倒れてたのがめっちゃじわじわ来ました(笑)こういう不憫なところ、めっちゃハンスっぽくて良かったです!笑

オーケン:竹内一樹

2回観てもエルサの次に衝撃が大きいキャラクターですね(笑)観れば観るほど竹内くんオーケンがハマり役だなと感じるので、マジでドンピシャのキャスティングだなと思いました。というか竹内くんはオーケンとして出演しているとき以外はアンサンブルで出演していて、ハンスの12人の兄やウェーゼルトンの部下などあらゆる役で竹内くんを見かけました。マジでアナ雪はアンサンブルが豪華(笑)

そして今回のオーケンの客席いじり。他の人のレポとかを読んでいる限り、26日や27日とはまた違ったいじりをしていたのでまさかのガチな日替わり…?いくつかパターンある感じなのかしら。どちらにしても毎回違う客席いじりをするとなると、毎回どんなことを話しているのか気になりますね。

さて今回も客席をいじりつつまったりしたトークで笑いを誘っていました(笑)まず、客席に向かって手を振り始める竹内くんオーケン。そんな竹内くんオーケンに手を振り返す客席。竹内くんオーケンが「手を挙げて」と客席に促し、それから「その手をゆーっくり左右に振って」と言うと、客席が手を左右に振りました。そんな客席を見て「お花畑みたーい。らぶ♡」って言ったんですよね(笑)

なんだろう、ゲイってわけでもないしオネエってわけでもないと思うんですけど、凄く女々しさ全開でひたすら可愛い感じのまったりオーケンでめちゃくちゃ笑っちゃいました。オリジナリティに富んでいて竹内くんらしさ全開で今回も最高でした…。もちろん歌も安定して上手かったし、たった数分の出番でこれだけのインパクトを与えてくる竹内くんオーケン、マジで恐ろしかったです(笑)

アグナル王:阿久津陽一郎

アグナルとしての阿久津さんもめちゃくちゃ素敵だなぁ…と思っていたんですけど、アンサンブルとして出演しているときの阿久津さんがあまりにも存在感ありすぎて笑いました。アグナルのときはキリッとした表情が多くて、とても厳格な父という印象なのですが、一方でアンサンブル時はとにかくニコニコしていてこんな阿久津さん観たことない…(笑)

ハンスの12人の兄の1人として阿久津さんがいたし、「Hygge」のサウナ隊にも阿久津さんがいたし…よく観てみたら色んなところに阿久津さんいたんですね。特に「Hygge」で上半身裸(というてい)の阿久津さんは衝撃的だったのですが、サウナ小屋からサウナ隊が一列になって出てくるときに前の人に追いついてなくて手が届いていなかったのがちょっと鈍くさくて笑いました(笑)

こんなに踊っている阿久津さんを観たのも正直初めてなくらいなので、どのシーンも新鮮で目が離せなかったです。ちなみに少し阿久津さんに似ている人がいる…と思ったら計倉亘さんでした(笑)

まとめ

ということで今回もめっちゃ最高の観劇ができて幸せでした!終演後、外に出たら土砂降りだったので浜松町駅まで歩いているだけでも全身びしょ濡れで最悪でしたけど!でもそれ以上に幸せな気分に浸れたので悔いはないです!

いやね、正直ブロードウェイで観たときに「これ劇団四季で成功するかな…評判どうなるかな…」って気になっていたんですよ。ちょっと分かりにくい演出もあるし期待値高すぎて逆にヤバいかな…って。だけど、初日から数日経ってみて実際に観劇したフォロワーさんの感想を見てみたり、劇場をあとにしていく人たちの声を聞いてみたりすると、大絶賛の嵐で本当に嬉しかったです。

演出変更によって分かりやすい描写が増えたのもありますが、岡本さんやぺーちゃんといった俳優さんの実力が何よりも大きいと思います。特に岡本さん、本当に凄いです。こんな素敵なエルサが誕生して、エルサ好きとしてはめちゃくちゃに嬉しいなと思いました。同時に、これからデビューするであろう三井莉穂さんや今後増えていくエルサキャストの人たちにどんどんプレッシャーかかるなっていうのも感じています(笑)これはマジで今後エルサを演じる人たち大変だと思いますよ(笑)私の贔屓も含めてね!

でもそれくらい劇団四季の本気を感じられるし、劇団四季の凄さに打ちのめされること間違いなしです。本当に凄く壮大で美しい物語を、これでもかというくらいの歌唱力とパフォーマンスとプロジェクションマッピングで描いて魅せてくれます。マジで最高傑作です。

とにかく私もアナ雪オタクとして、ガッツリ心を掴まれてしまったので、また何度でも足を運びたいなと思います。できることなら100回はマジで観たい。1ヶ月に5回観れば2年もしないで達成できちゃうね(白目)。嘘です、そんなことしませんよ^^

ということで、今回も長くなりましたが最後までご覧くださりありがとうございました!次は土曜日!またレリゴーしに春劇場へ行きますのでぜひよろしくお願いしますー!

そして最後に…。遅くなりましたが岡村美南さんハッピーバースデー!大好きです!!!(この一文書いたの6月29日)

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