2023年5月31日マチネ 劇団四季『アナと雪の女王』




アナと雪の女王
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ゆうき
ゆうき

1年半ぶりくらいのアナ雪観劇!

日時:2023年5月31日マチネ公演
場所:四季劇場[春]
座席:S席1階3列センター




はじめに

岡村美南さんが今のところお休みされているので、久々に別の舞台観に行きたいなとなって2021年10月ぶりにアレンデールにやってきました。気付けばこんなに期間が開いてしまって、私がしばらく行かないうちにサードキャストはデビューするわ、演出変更があるわで激動だったみたいで…。

でもせっかくなのでまだ拝見できていない三井莉穂さんエルサ×町島智子さんアナの組み合わせを観たくて、たまたま公式サイト開いたら物凄い良席が戻っていて…無意識のうちにポチってしまいました(笑)

観劇自体も久しぶりだけど、CDも久しく聴いていないし映画もしばらく観てなかったしで、もはや初見状態。新鮮な気持ちで観劇できたと思うので、私なりに感じたことなどをレポしていきます。ぜひご覧くださいまし!

総評

めっちゃ近すぎて幕が収まりきらなかった…(笑)ほぼドセンでした。ほぼっていうかドセン?アナ雪は3列センターが開放されてから観劇するのは今回が初めてだったので、とても臨場感と迫力があって楽しかったです。コロナ明けの演出になったばかりだそうで、2幕冒頭ではオーケンが客席から登場するようにもなりました。今回は中高生の団体が入っていたので、「フッフー!」「ヒュッゲ」のコール&レスポンスはかなり盛り上がって、笑い声も凄く聞こえてきて、めっちゃくちゃ楽しかったです(笑)

とはいえ客席は訓練されたオタクが多いのか、全体的に笑うシーンでの笑い声は控えめでした。土日になると子連れ観劇も増えてオラフの登場シーンでも笑いが起こるのかもしれません。客席の反応はロングランの演目ならではって感じかな。

なんか久々に観たからか、「ここってこういう歌詞だったっけ!?」「こういうセリフだったっけ!?」となることが多くて、自分の記憶からすっぽりアナ雪が抜けてしまっていたことに驚いてしまいました。映画もそうだけど、ミュージカルも展開早いなぁ…って久々に観ながら再認識して、上演時間がもし3時間あれば急な展開をもっと丁寧に描けたかもしれませんね。いや、アナ雪で3時間はさすがに長いんだけど(笑)

ブロードウェイ初演版を観ているのもあってか、やはりアナのソロ曲・True Loveはカットされちゃったのもったいないな~って思っちゃいました。町島さんアナがとにかく歌上手ですっごく素敵だったので、町島さんアナのTrue Loveが聴きたかったです。

逆に追加されたI Can’t Lose Youは映画では描かれなかったエルサの心情がより深く描かれていてとても好きだったんですけど、新演出になってからこのナンバーでエルサがアナに素手で触れるという描写が追加されたらしく、新演出初体験の私には衝撃的すぎてこの仕草を観たときにめっちゃモヤッとなっちゃいました。

というのも、エルサは幼少期にアナを自分の魔法で傷つけてしまってから、自身の魔法を恐れ、アナを傷つけてしまうことを恐れ、自らアナを遠ざけることで危害をくわえないようにエルサなりに妹を守ってきたわけです。ちょっと歪んでいるかもしれないけど、エルサなりの愛情表現の一つだと思っています。

13年間アナを遠ざけて生きてきたエルサが、いくらレリゴして本当の自分を見つけたとはいえ、素手でアナに触るかな~!?ってなりました。自分が自分らしくいられる場所をようやく見つけて伸び伸びと生きているエルサですけど、まだ魔法を完全に制御できるわけではないし、アナと再会できたことの嬉しさはあるけど13年間培ってきた距離感があるわけじゃないですか…。アナを二度と傷つけたくないから、触れるとしても手袋をして慎重にアナに触れていたはずなのに…。

エルサが素手で自らアナのほっぺに触れたという行動が、ちょっと理解できないというか、エルサの13年間の努力がぁぁぁ…ってなる瞬間でした。しかもICLYでは「守りたいあなたを~」って歌うわけじゃないですか!?え、言ってることとやっていることがチグハグでは!?となりました。え、この演出追加したのはどなた…?どういう意図でそうしたの…?エルサのアナを想う気持ちを表現したかったとか…?それなら絶対にエルサから素手で触れてはいけないでしょぉぉぉ…。と大混乱。

ICLYはラストでアナがエルサに抱きつき、そんなアナに触れたいけど触れることができず両手を宙に浮かせてしまうエルサがすっごく好きだったんです。アナはエルサに触れたくて仕方なかったんですよね、その想いが溢れているのが町島さんアナからもたっぷり伝わってきました。もちろんエルサだって好んでアナから離れているわけじゃないし、アナに触れたいし抱き締めたいはずなのよね。でも葛藤しながら、アナの想いを受け入れないことでアナを守るという道を選んだんです。三井さんエルサの愛と不安と寂しさがごちゃまぜになったような表情も素敵でした。

だけど、この新演出によってICLYラストのハグもなんかすんなりと受け入れにくくなったというか、エルサは触れようと思えばアナに触れられるじゃん…ってなっちゃって、ようやく触れ合えることの嬉しさとか葛藤とかが薄まっちゃったなって思いました。終盤の「真実の愛」に至るエルサからのハグ(?)だって、言うなればICLYでアナに触れる仕草で達成しちゃったじゃんね。このエルサの行動によってすべてがうーーーーーん…ってなっちゃったのが非常にもったいなく感じました。

これはあくまで個人的な意見です。演じている三井さんと町島さんはめっちゃくちゃ素敵だったんだけど、この演出だけは唯一私が観ていて引っかかってしまった点でした。キャラクターの解釈違いは一番しんどい。エルサがどれほどアナを想っているかはそんなことしなくたって十分伝わっているので、どうか次の演出変更時にはなくしてもらいたいなぁ…。アナとエルサという関係性が好きな人にとっては、このたった一瞬の仕草だけで凄くモヤッとさせられてしまうと思いました。本当にあくまで個人的な意見なので、逆にこれ読んでモヤッとする方は読み流してもらえれば…。

アナ雪は映画という原作があるからそのイメージが軸にはなるけど、でも今回のキャストの皆さんはイメージ通りの方もいればオリジナリティに溢れた方もいて、それぞれ凄くキャラクターが確立していてとても見応えがありました。さすがに1年半も観劇が空くと、当時拝見していたキャストさんたちはお芝居に深みが増しているし、新しいキャストさんは新鮮みがあって観るのが楽しかったし、懐かしさや感慨深さとともに真新しさもあってなんか良かったな…。

それこそ三井さんと町島さんが組むのって11ヶ月ぶりらしく、久しぶりに再会するっていうところがまさにエルサとアナにリンクしますよね。私はこの2人の組み合わせが今回初めてでしたけど、当時からずっとアナ雪を観ている方々にとっては凄く感慨深い公演になったんだろうなって思います。

舞台上での掛け合いって、舞台上で構築されるものだけでなく稽古やプライベートでも築かれていく俳優さん同士の絆や仲の良さがお芝居に滲み出るから、特にエルサとアナのような姉妹の関係性は実際に演じている俳優さんたちが仲良ければ仲良いほど凄く説得力が増す気がしています。実際の三井さんと町島さんの関係値はどの程度なのか分かりませんけど、初演から演じている2人ならではの絆があるだろうし、お互いに信頼していて安心して相手に身を任せられるような雰囲気が感じられて、私はとても好きでした。

この2人の身長差なんかめっちゃリアル姉妹って感じがして、三井さんのほうが結構背高いのでラストで2人がハグをしたときに町島さんの頭に三井さんがほっぺを乗せるような構図になっていて、か、かわ…かわいい……って尊さで昇天しかけました。そしてICLYでの声のハモリがとっても綺麗。どの組み合わせで観てもここのデュエットは綺麗なんですけど、三井さんと町島さんの声の一体感が聴いていてとても心地よかったです。

多分だけど、三井さんと町島さんの歌い方がとても似ていて波長が合っているんだろうなと思います。2人ともストレートに歌うというか、波打つ歌い方をしないというか、え、言いたいこと伝わる…?とにかく波長が合うからパズルのピースがカチッとハマるように、綺麗なハーモニーを奏でていたんだろうなと思いました。うん、とっても良かった。みつまち姉妹を観られて感無量でした。

カテコでは上下からそれぞれ三井さんと町島さんが走ってきて手を繋ぐ瞬間があるんですけど、勢いあまって町島さんが走りすぎて三井さんにぶつかりそうになって、キャッキャしながら笑って手繋いでいたのがとても可愛くてたまらなかったです。

あと、カテコではお決まりなんでしょうけど、三井さんの隣にハンス役の塚田さんがいて、塚田さんをキッて睨んで手を繋ごうとしない三井さんに塚田さんがこわ~って顔してたのが良かったです。ハンス絶許なエルサ、とても最高でした。三井さん最後まで塚田さんのこと許してなかったの面白かったです(笑)

とまあ本編はそんな感じですが、ここ最近は『ロボット・イン・ザ・ガーデン』や『クレイジー・フォー・ユー』など3時間の舞台を観劇することが多かったので、なんか本当にあっという間にアナ雪は終わっちゃいました(笑)冒頭でも書いたように各シーンの展開が早いから、お芝居でじっくり魅せるというシーンがアナ雪にはあまりなくて、お芝居をじっくり楽しみたい私にとってはやや物足りなく感じるんですよね。でも、俳優さんがキャラクターをどう演じるのかというのがディズニー作品ならではの楽しみでもあって、久々にこの感覚を味わえたのが良かったです。

私はアナ雪を観劇して何を感じたいんだろう…?と思ったときに、アナとエルサに会えるということの喜びを感じたいんだろうなって改めて思いました。それならパークでも行きゃいいじゃんって感じですけど、そうじゃないんだよね。彼女たちがどのようにして育ち、どのようにして互いを思い、どのようにして真実の愛にたどりつくのか、その過程や関係の構築・変化を生で見届けたいんです。もちろん彼女たちを支える周りのキャラクターも重要だけど、私がアナ雪を観劇するうえでもっとも楽しみにしているのがアナとエルサの関係性でした。映画でもこの2人の姉妹愛が凄く好きだったから、そんな2人に劇場で会えるということは凄く刺激的で、演じる俳優さんによってもキャラクター性や関係性は変わってくるし、色んなアナとエルサに会えることが幸せだなと感じました。

ミュージカルとしての満足度や物語の満足度は実際そこまで高いというわけではないんだけど、大好きな姉妹に会えるということが私にとってのアナ雪の一番の魅力でした。なんか不思議な感覚です。ミュージカルを観に行くというより、エルサとアナに会いに行くっていう感覚はディズニー作品だからなのかしら。

開幕当時はアナ雪に没頭しすぎて逆に視野が狭くなっていたのかなと思うのですが、ちょっと熱も落ち着いて広い視野で(?)アナ雪を観劇してみたら凄く自分の感じ方が変わっていて、世界観に没入するというより一歩引いた状態で俯瞰的に物語を追えたので、とても良い観劇ができたと思います。久々に観劇できて観たいキャストが観られて大満足でした!

NEXT>>キャストの感想です!

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