2021年8月14日ソワレ 劇団四季『アナと雪の女王』




アナと雪の女王
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キャストの感想

キャストの感想です!

エルサ:岡本瑞恵

約1ヶ月ぶりの岡本さんエルサですが、かなりお芝居の表現力が深まった印象です。もう女王としての貫禄がついてきて、圧倒的な存在感と安心感がありました。三井さんエルサを観たあとに観る岡本さんエルサはお姉ちゃんらしさに溢れていて温かい人だなぁ…っていう印象がありましたし、歌で感情を表現するのがとても上手だなとも思いました。岡本さんエルサの魅力を再認識できて、観られて良かったです。

先述したように町島さんアナがかなりガチガチだったのもあって、岡本さんエルサの柔軟なお芝居がかなり強調されていました。場数踏んできただけあるな…と思うくらい岡本さんエルサの余裕っぷりが凄かったですねぇ。でも岡本さんがしっかり土台作ってくれたから町島さんもお芝居しやすかったでしょうし、ちゃんと自分でお芝居しながら相手をフォローするっていうのもさりげなくて素敵でした。

そして、お姉ちゃんとしてしっかりしなきゃと意識するDangerous to Dreamは特に良かったですね…。以前から岡本さんエルサのDTDは大好きでしたけど、改めてめっちゃ好きだなと思いました。お姉ちゃんとしてアナを大切に想う気持ちが歌声にしっかり乗っていて、凄く優しい声で歌われるのが素敵です。こんなに歌声に感情を乗せて歌うとエモいな…って。

また戴冠式を無事に終えられたことに対する隠し切れない喜び。嬉しそうに微笑む可愛らしいエルサ。ここが三井さんエルサとは全然演じ方が違って、両者大好きなんですけど、岡本さんエルサの笑みを抑えきれない感じが本当に絶妙で、このあとの展開を考えるととても胸が苦しくなって大好きです。

レリゴーも圧巻でしたが、ラストのロングトーンは少しブレかけたのでちょっとヒヤッとなりました。でもしっかり持ち直して歌い終えたので、本当にさすがだと思います。開幕初日から完成度はめちゃ高かったですが、日に日に迫力も増していって歌声に厚みとエルサの想いが乗っかっていくので見応え半端ないですわ…。相変わらずレリゴー明けは客席がどよめくんですね(笑)

今回特にいいなぁと感じはのはMonsterでした。以前は歌うことで精いっぱいになっていた印象があったんですが、今回観ていたらこのナンバーで歌われるエルサの葛藤や不安や決意がしっかり歌声に乗っていた印象がありました。中でも「お父様、私が死ねば~」の音楽が静まり返った中歌うパートはエルサの不安で押しつぶされてしまいそうな気持ちがヒシヒシと伝わってきましたし、そこからの気持ちの立ち上げも芯が固まって強くなった感じが歌声に乗っかっていて、1つ1つの歌詞に呼応して感情を乗せながら歌っているのがはっきりと感じられて良かったです。

アナが死んだとハンスに聞かされて絶望に打ちひしがれるシーンでは、ボロボロに涙を流していたのがかなり印象的でした。岡本さんは以前からよく泣かれているイメージでしたけど、このシーンでの岡本さんエルサの涙はまさに映画のエルサを彷彿とさせて、個人的にかなりグッと来ました。泣き虫なところも映画のエルサに似ていて、思わずにっこりしちゃいますね。

また、岡本さんエルサのマッッジで一番好きなポイントはラストの「魔法はあなたよ~」なんですけど、今回も最高に優しくて愛に溢れた歌い方で最高オブ最高…。岡本さんってこんなに感情豊かに歌えたっけ…って感じなんですけど、ここ数年での進化ヤバいですね。アナに対する愛で溢れた歌い方をするので、こんな歌い方でそんなこと言われちゃったら泣きますわよ。本当に妹想いな優しくて温かいお姉ちゃんでした。めっちゃ素敵でした…。これで町島さんアナも余裕出てくるようになったら、岡本さんエルサ×町島さんアナの組み合わせ、最強ですよ。

とにかく今回はめっちゃくちゃお姉ちゃんしている岡本さんエルサを観られて良かったです。たった1ヶ月の間でこれだけの進化は凄すぎます。そして今後がさらに楽しみになりました!

アナ:町島智子

ようやくデビューですね!おめでとうございます!最初キャストが発表されたときに凄くビックリしたんですけど、こうして実際にアナ役として舞台に立たれている姿を観ると感慨深いものがありました。デビューまで少し時間がかかったので心配でしたが、無事に見届けられて良かったです。

ただやはり初めての大役ということもあってか、かなりお芝居は堅い印象でした。開幕キャストの三平果歩ちゃんが再現度100%のアナを柔軟に演じていただけあってか、町島さんは凄く真面目で上品なアナという印象があって、本当にぺーちゃんとは180度違うアナでしたね~。

それこそ一番はアナの性格の部分ですよね。アナは根っから明るくて太陽みたいな子だと思うんですけど、ぺーちゃんアナは演じているぺーちゃん自身が元々そういう性格をしているのもあってそのまま役に入り込めたのでしょう。でもこれって天性のものだと思うし、演じようと思って演じられるほど簡単なものじゃないと思うんですよ。天真爛漫な性格って演じている本人がそうでないと、きっとどこかで無理が生じてしまうんだろうなーって感じました。

町島さんアナは無理に天真爛漫なアナを演じようとしているという風には見えなかったのですが、落ち着きすぎてイメージ通りのアナとは違うな…とも思ってしまったのは事実。作中でもイドゥーナ妃がヤングアナに向かって「私の太陽ちゃん」と言っているように、本当にアナは太陽みたいな子なんですよね。だから根っからの明るさの部分はもっと欲しいかも…!あまりにも上品な王女に仕上がっていたので、頭のネジを外してもっとぶっ飛んじゃってもいいなと思いました。

ただただ緊張しているだけではなく、きっと本来はおしとやかというか落ち着いた方なのかなぁとも思うので、自分とかけ離れた役を演じることの難しさを痛感されているんじゃないかな…とも思います。

ぺーちゃんアナは映画まんまだけど、町島さんアナは凄く聡明で上品で、どちらかというと天真爛漫というよりは根が真面目で空気が読めないタイプのアナだなって感じました(笑)

あとはアナを演じるうえでかなり重要視されるコメディの部分。ここも町島さんアナはまだまだ演じるので精一杯な印象でした。セリフの話し方を抑揚や緩急をつけて話すということが苦手なのか、常に全力で喋っている感じだったので、これは本当に場数を踏むのが大事かもしれません。お堅く聞こえてしまうのも、要は抑揚や緩急がついていないからなのかなって。もっとセリフに感情を込めて、どう喋るとセリフがより立体的になるかを突き詰めていけるようになると、かなり素敵なアナになるんじゃないかなと思います!

そんな中で私がめちゃくちゃ町島さんアナに可能性を抱いているポイントがありまして…。それが歌声の美しさでした。町島さんアナの第一声は「声低い…!」だったんですが、ブロードウェイ版のオリキャスであるPatti Murinに似た声質で個人的に聴き心地は凄く良かったです。加えて、本当に澄んだ美しい歌声をされていてビックリでした。歌い出した瞬間に町島さんを取り巻く雰囲気が一気に変わるような、そんな魅力的な声をされていたんです。

だから芯のあるしっかりした歌声で歌うナンバーはどれも素敵でしたし、ずっと聴いていたいくらいでした。岡本さんエルサと歌声がハモったときの美しさったらないです。本当に凄い綺麗な声の持ち主。チャーミングなぺーちゃんアナと美しさのある町島さんアナということで、全然印象も違って凄く良かったです。

アクロバットはぺーちゃんに比べると少しヒヤッとする部分もありますが、歌は本当に素敵。これでお芝居もさらに良くなったら最高のアナになると思いますし、映画版アナとは雰囲気が違くても舞台版アナとしてイメージを確立できちゃえば全然アリだと思うので、マジで今後に期待!何はともあれ、デビューされたことが本当に喜ばしいです。念願の町島さんアナを観られて良かったです!

クリストフ:北村優

北村さんストフもデビューおめでとうございます!北村さん大好きなので、ようやく観ることができて良かったです。初登場シーンでのアナやハンスとの絡みを観ている限りだと、「あ、結構神永さんストフに近いのかなぁ。声もなんとなく似てるしなぁ」なんて思っていたんですけど、雪山のシーン以降はどんどん北村さんならではのお芝居が目立つようになってきて、全然印象が違ったので面白かったです。

北村さんはとにかくストフの再現度が凄い…!ちょっと上からな感じがありつつ、でも結構真面目さもあるストフで映画のイメージにかなり近い印象でした。野蛮な感じは神永さんストフのが強いし、おちゃらけた感じとかも神永さんらしいなぁ…って感じでしたが、北村さんはめっちゃ頼りになるお兄ちゃんって感じでしたね。さすが『キャッツ』でラム・タム・タガーを演じていた神永さんとマンカストラップを演じてた北村さん!ってくらい、両者の色がしっかり出たストフでした。

結構スヴェンと絡むときのお芝居も細かくて、スヴェンにちょっかいかける小芝居を挟んでくるのがかなり好きでした。声色の変化をつけながら柔軟にお芝居されていて、ストフが本当にイキイキしていたんですよ。『アラジン』で観たときはあんなにチャラチャラしたお芝居をしていたのに、クリストフでは凄く頼りになって優しさのある感じのお芝居をしていたのもギャップがあってヤバいし、いやもうかなり好きでしたね…。何回も言います、かなり好きでした…。

冒険するタイプというよりも堅実に進んでいく慎重派な部分も垣間見えて、そんなところもクリストフっぽい。面白さよりもしっかりした部分を前面に押し出すお芝居で、映画を忠実に再現しようとしているのが感じられました。あとは顔がイケメンすぎる。甘いマスクはたまらないです。

また、Fixer Upperではめちゃキレッキレに踊れていたのも神永さんストフとの大きな違いでしたね(笑)ストフはむしろ野暮ったい感じが良かったりもするけど、ここでガッツリ踊り出せたらかっこよすぎますなぁ。隠れ人に育てられたっていう設定ゆえに野生らしさも出るし、ダイナミックに踊れる北村さんストフはマジで素敵すぎて目が離せなかったです。いつかダンスがキレッキレのぺーちゃんアナとの組み合わせも観たいところです。

まあ、お芝居に関してはとにかくセリフもナチュラルだし感情の込め方とかセリフそのものの解釈とかも北村さんはかなり細かく演じ分けをされていたしで、丁寧な印象も受けました。アレンジを加えているのはむしろ神永さんのほうで、北村さんはかなりオーソドックスにクリストフを演じているのかなとも思います。抑揚や緩急のつけ方も自然なので、こちらが感情移入しやすいストフに仕上がっていました。

そんな中でご自身もデビューして間もないながらに町島さんアナをしっかりフォローしながらお芝居されていたので、よりお兄ちゃんらしさが強調されていて良かったです。ちゃんとアナのことを見てくれていて、ちゃんとアナのことを想ってくれている。そういう関係性が感じられて、初めてクリストフってええ男や…と思いましたよね(笑)

とにかく北村さんストフはマジで映画の再現度がめっちゃ高い!神永さんとも全然違うし、優しさと逞しさに溢れた素敵なクリストフだったので凄く好きでした。デビュー直後でこれなので、今後さらにブラッシュアップされていくんだと思うと恐ろしくてたまらないですね。北村さんストフも無事に観られて良かったです!

ハンス:塚田拓也

塚田さんハンスもデビューおめでとうございます!絶対に似合うだろうな~って思っていたんですけど、もうドハマりすぎてビックリしました…。それこそ杉浦さんのハンスとは真逆タイプでビックリです。

表の顔と裏の顔がこんなにも違うのか…という人間のおぞましさを具現化したようなハンスだったんですよ。杉浦さんハンスは表の顔と裏の顔がそんなに大きく変わらなくて、その表裏一体な感じが逆に怖くもあったのですが、塚田さんハンスは分かりやすいくらいにザ・悪役。思わずゾッとしてしまいました。

まず表の顔から話していくと、すっごく人当たりが良さそうな優しそうな雰囲気が出ていて、誰もが騙されそうだなーって思いました。凄く笑顔に愛嬌があって温かさの滲み出た雰囲気をまとっているので、誰しもが安心して国を任せたくなると思います。杉浦さんハンスはニッコニコ愛嬌を振りまくというよりもリーダーシップを発揮して前へ前へというようなハンスなので、その点も塚田さんハンスは全然タイプが違って面白かったです。

自分がリーダーシップを発揮して、というよりも、みんなの背中を押しながら自分があとからついていくような…。きっと電車で目の前におばあさんがいたら席を譲ってあげそうな感じの、本当に絵に描いたような好青年でした。あの甘いマスクと優しい雰囲気はアナでなくても恋しちゃうと思います。

しかし、その甘いマスクの下に隠された本性はどす黒くて狡猾で冷酷。2幕終盤、アナにキスをしてとせがまれた塚田さんハンスが放った「あぁ、アナ。君を愛してくれる人がいればいいんだが」で、憐れむような、でも軽薄な声色に一瞬にして変わったのが凄くて震えました。立ち上がって本性を明かしだしてからの塚田さんハンスは目つきもガラッと変わり、眼圧で押し潰してきそうなほどアナを強く睨んでいました。

誰が観てもすぐに変化に気付くくらい、表情と目つきと声色と話し方すべてが180度変わったのでとにかく落差が凄い…!こんなにも一瞬にしてお芝居の色味を変えることができるのかと驚きました。中でもアナの腕を掴んで指輪をはめるときの塚田さんハンスの表情がマジでヤバい。怖すぎて白目を剥きそうでしたわぁ…。あんなに爽やかで優しそうなハンスが…とひたすら衝撃を受けまくりなラストでしたね。

エルサに剣を振り下ろそうとしているときの表情も凄く眼圧がヤバくて、完全に心を蝕まれていた印象です。とにかく最初から最後まで圧巻のお芝居でした。これぞハンス!という感じで、悪役としてはもう100点満点。凄すぎました。

その一方でカテコではオラフと竹内くんオーケンという凄い両隣に挟まれていた塚田さんハンスがとても面白くてじわじわ来ました(笑)塚田さんハンス、デビュー直後でこれだけの完成度なので今後がさらに楽しみです!とても素敵なハンスでした!

>>次のページからは日替わりネタレポ!

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コメント

  1. あやちん より:

    はじめまして。
    ブログ拝見しています。
    この日のアナ雪のソワレを私も観劇しました。しかもお席が近く、親近感が湧いてしまいました〜。私は1列後ろです。
    町島さんのアナは私も少し固いな…と思って、こちらが何となくドキドキしてしまった印象です。でも歌がお上手なので見応えはありましたね。私も次回がどの組み合わせになるか楽しみに観劇の日を楽しみにしたいと思ってます。ちなみに、初日も行きました〜。こちらは良席で2階席最前列ど真ん中でした〜抽選ではいつもハズレばかりでしたので、とても嬉しかったです。またお邪魔しますね。

    • yunky373 yunky373 より:

      あやちん様、はじめまして!コメントありがとうございます!

      お座席近かったんですね!町島さんアナはまだまだお芝居不慣れな部分もあったので、今後柔軟になるといいですね。でも本当に歌唱力は抜群だったので、町島さんらしいアナを追求していってほしいなとも思います。
      今後も色んな組み合わせで観られるのか楽しみで仕方ないですし、デビューとかも続々あるでしょうし、期待したいです!
      あやちん様も初日観劇されていたんですね。しかも良席!まだ2階最前列センターでは観劇できていないので、どんな見え方なのか気になっています。いつか観られたらいいなぁと思っています!

      またお時間あるときにご覧いただけたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします!

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