2023年4月25日マチネ 劇団四季『クレイジー・フォー・ユー』初日




クレイジー・フォー・ユー
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キャストの感想

キャストの感想です!

ボビー・チャイルド:萩原隆匡

私は8年前の萩原さんボビーのデビュー日を観劇していまして、萩原さんボビーがデビューしたときの衝撃や感動を思い返しながら今回の初日公演を観劇していました。松島勇気さんが裏方に回られてしまい、萩原さんももう演じることはないかな…と半ば諦めていましたけど、こうして再び大好きな萩原さんボビーを観られて嬉しかったです。

やはり前回も演じているだけあって、安定感がありました。萩原さんボビーはスマートでかっこいいんです。普通にしていればめちゃくちゃかっこいいんだけど、変に空回りするところが非常に愛らしくて可愛かったです。以前よりも可愛さ増し増しになってないかな?

でも、なんとなく気持ち、間を詰めるようになった気がするかも。以前はもっと溜めて言っていたようなセリフを、間を紡ぐことなく言う瞬間が多かったような気がします。あと、「打ち明けようか僕は~君にクレイジー・フォー・ユー」の歌い方も、以前は「ユゥ⤴」って松島さんボビーのエッセンスを取り入れた歌い方でしたが、「ユゥ⤵」って普通の歌い方になっていました。前回は松島さんに稽古ついてもらいながらボビーを作っていったんでしょうけど、今回はいったんリセットして再構築していったんだろうなと思います。

なんだかね、私の中で松島さんボビーの気持ち悪さと子犬のようなはしゃぎっぷりがずっと深く刻まれているから、萩原さんボビーはあまりにもかっこよすぎてさ。だけど情けなさという点ではどうしてか萩原さんとても似合うんですよね。情けない男っぷりを演じるのが上手すぎる。演じる人によってボビーのイメージは変わってくるけど、萩原さんの情けないけど可愛くてかっこいいボビーはやっぱり素敵でした。

久々にガッツリ踊る姿も観られて嬉しかったです。まちまりさんポリーとの身長差も良かったし!(岡村さんポリーってやっぱりデカかったんだなと再認識)

やはり、いったんリセットしたことによってか以前ほど遊びはなくなってしまっていたので、公演を重ねながらまたどんどん遊びを取り入れた萩原さんボビーが観られたら嬉しいです。あとね、岡村さんとの掛け合いも個人的に凄く楽しませていただきました。嬉しかったです!

ポリー・ベーカー:町真理子

デビューのまちまりさんポリーですが、まったくデビューとは思えないくらいの堂々とした佇まいにあっぱれです。非常に男勝りでたくましいポリーでした。うん、観る前からなんとなくそうだと思っていたけど、想像以上にたくましくて強かったです。多分、岡村さんポリーよりも男勝りなんじゃないかな。

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のブライオニーのときのような包容力というものはまるでなかったので、年相応感のポリーらしさが出ていて凄いなと思いました。ほら、岡村さんポリーは包容力もある大人っぽいポリーだったから…。ついつい、贔屓のポリーを思い出しながら観てしまいました。

そして、まちまりさんポリーの生まれたときからずっと男に囲まれて生きてきたんだろうな~と思わせる説得力の高さは、ザングラーさんに恋してからもずっと変わらず。

Embraceable Youは男勝りなイメージから一気に乙女に豹変するギャップが好きではあるのですが、まちまりさんポリーは結構男らしさが随所に残っていた印象がありました。別人のようにがっつり豹変というより、これまでのポリーの延長線上として歌っているイメージかな。それは私にとって結構新鮮だったので、まちまりさんはこう演じるんだ~と非常に興味を惹かれたポイントでもあります。

でも、まちまりさんの歌唱力は安定しているから聴いていて安心感ありました。高音もスコーンと出せるし、非常に清々しかったです。そこがまたポリーのたくましさを感じさせる部分でもあって、かなり素敵でした。

と言いつつ、まちまりさんにしては全体的に割と淡泊というか落ち着いているなーと思ったのも事実。まちまりさんってオフマイクとか結構大きいイメージがあったので、ポリーも好き放題やるのかなと思いきや、結構きっちり台本通りに演じていたのでビックリしました。多分、慣れてきたらもっと遊びを入れてくるのかなと思います。

それでも、初日にしては柔軟にお芝居されていた印象がありましたし、私としてはめちゃくちゃ好きなタイプのポリーでした。非常にエネルギッシュなポリーだから、観ると元気もらえそう。あと、まちまりさん背が小さめだからボビーと並んでも凄く似合っていて良かったです。逆に岡村さんアイリーンと並んだときの「大自然で育ったお嬢ちゃん」感もちゃんと出るし、全体的にバランスの良いカンパニーだなと思いました。

今後どのように化けていくのか、非常に楽しみなポリーでした。私が四季演目の中で最も好きなキャラクターなので、こんなに素敵な人に引き継いでもらえて嬉しかったです。デビューおめでとうございました!

ランク・ホーキンス:渡久山慶

デビューの渡久山さんランクも、デビューとは思えないほど堂々としていたし凄くランク感あって素敵でした。というか、ランクっていつも結構ベテランの方が演じる印象があるので、渡久山さんが演じたことによって一気に若返って、逆にドキドキしちゃいましたね。エネルギッシュなランクだったので、ボビーとも互角な感じが凄く伝わってきて良かったです。

あと、ランクに対してここまでイケメン!と感じたこともなかったから、ランクを演じるには渡久山さんあまりにもかっこよすぎるし背が高いしで反則です。いやね、そのお相手役が岡村美南さんになるので、ありがとうございますとしか言いようがないです…。嬉しい。

そう、本当に若いランクだからとてもギラギラしていて良かったです。マジでかっこいいのよね。デッドロックのアニキ的な存在であってもおかしくないです。お芝居も、前回公演の志村要さんのランクを踏襲している印象はなかったし、ご自身でイチから作り上げたんだろうなーと思いました。

志村さんランクはヘコヘコしまくりで結構うさん臭さが漂っていたけど、渡久山さんランクはうさん臭いというより雑?っていうのかな。テキトーにホテルを経営している感じ。若者ならではの雑な仕事への向き合い方みたいなものを感じられました。

ちなみに、1幕でワイアットとビリーが西部劇の真似事をするシーンで、ランクが間違って銃で鳩時計を撃ってしまったときに渡久山さんはハトの名前を呼んでいなかったんですけど、「ピーコちゃん…」っていうのは志村さんのアドリブだったみたいですね。えぇぇ、こうして思い返してみると志村さん結構アドリブというかオフマイク多かったんだな!?と衝撃受けました。渡久山さんランクもやはりまだまだお堅めな印象なので、今後さらに柔軟になっていくのが楽しみです。

まあそれはそれとして、やはり岡村さんアイリーンとの掛け合いが最高でしたわ。「脳みそがお尻に詰まったような赤毛のバカ女なんですよ!」ってアイリーンに暴言を吐くセリフの言い方とか容赦なくて良かったです。ちょっとヤクザチックな佇まいしているから、口の悪いセリフが非常に似合っていて素敵でした。美男美女カップル誕生!2幕終盤のバカップルっぷりも可愛かったです。素敵なペアがデビューしてくれて嬉しい~!改めて、デビューおめでとうございました!

アイリーン・ロス:岡村美南

ただ一言、最高。岡村美南さんはアイリーンを演じるために生まれてきたのではないかと思うくらい、とてもしっくり来ていました。完成度の高さはもちろんなんだけど、ちょっと想像のはるか上をいく完成度だったので本気で驚いてしまったわけです。アイリーンってこんな女性だったっけ!?となるような新鮮さもあって、歴代のアイリーンのイメージを覆すような岡村さんならではのアイリーンを演じられていました。

歴代のアイリーンのイメージって、プライド高いし誰に対しても不愛想で世間知らずな女性っていうね…結構そんな感じのイメージがあったんですよ。高圧的で自分の思い通りに事が進まないと嫌っていう、ワガママお嬢様な印象がありました。

でも、岡村美南さんのアイリーンは決してそうではなくて、結構礼儀正しいというかちゃんと常識人でした。上流教育をしっかり受けていて、親からしっかり礼儀作法を教えられて大切に育てられたんだろうなぁ…ってところまで妄想しました。いやでも、それをちゃんと裏付けるようなお芝居をね、していたんですよ!

たとえば、ポリーとの初対面シーン。ボビーを追ってデッドロックまで来た岡村さんアイリーンが、ザングラーに扮したボビーを問い詰めているときに「ザングラーさーん!」って下手からポリーが登場するんですね。ポリーがアイリーンの横を通るときに「ごめんなさい」って一声かけるんですが、そのポリーの一声を受けて軽く会釈というかニコッと笑って「いいのよ」って感じの表情をしたんですよ…。私、結構このアイリーンの笑顔が衝撃的でして…。

ここ、いつもポリーばっかり観ていたから歴代アイリーンがどのような表情をしていたのか全然分からないんですけど、多分こうやって笑顔を見せたりはしなかった気がするのよね。このときはまだポリーがボビー(というかザングラー)に恋しているってアイリーンも知らなかったし、普通の町の女の子程度にしか思っていなかったと思うんです。まあ、アイリーンとポリーは年齢差も結構あるみたいですから、通りすがりの若い女の子相手にちょっとお姉さんっぽく、というか常識的な振る舞いをしたわけですよ。

私、てっきりアイリーンはファーストコンタクトの時点からポリーに対して敵意剥き出しなんだと思っていたので、マジで凄く驚きました。まあ、このあとポリーがボビーのほっぺにキスしたのを見て一気にムキィ~!って顔に変わっていましたけど(笑)

あと、1幕ラストのIGR前。フォーダー夫妻がホテルを求めてデッドロックを訪れ、ランクがホテルに案内するシーンがあるんですけどね。ここでも、ランクのホテルの入り口の前に岡村さんアイリーンが立っていて、フォーダー夫妻がホテルに入るときに彼らに向かってニコッと笑って会釈していたんです。いやもうめちゃくちゃ礼儀正しいアイリーンやん…ってなりました。アイリーンは結局のところ、自分にとって害のない人にはちゃんと常識的な対応ができるんですよね。そういう女性だってことを、岡村さんアイリーンを通して知ることができました。

というか、岡村さんがそういう風にアイリーンを演じているだけなのかもしれないけど。でも、こういうところ、めちゃくちゃ岡村さんらしいな…って感じて愛しかったです。プライドは確かに高いけど、常識があるし上品なんですよ。めっちゃ岡村さんらしいなって思いません?凄く好きでした。

品があるといえば、セリフの言い方も凄く品がありましたね。ポリーに対して「大自然のお嬢ちゃんにしては言うわね」「古着になったらあげてもいいのよ」などと色々言うセリフは、高圧的で興奮した横暴な感じではなく、結構落ち着いた言い方をしていたんです。もちろんこんな小娘に負けないっていう対抗心を内心ではメラメラと燃やしているでしょうけど、それを感じさせない静な感じの言い方でなだめるかのような…。それがまた大人の余裕を醸し出していて、品を感じさせていてとても良かったです。

アイリーン・ロス様…あまりにも素敵すぎる。

そういう大人な一面もありつつ、なかなか煮え切らないボビーに対して子供っぽくぷんすか怒る姿も非常に可愛くて素敵でした。やっぱりさ、岡村さんって愛嬌あるんですよ…。可愛すぎて…。ゴージャスなものを着飾ってはいるものの、凄く内心寂しいんだろうし、見せかけの幸せを誇示しているだけなんだなって。凄く愛されたい人なんだろうなーって思いました。

真面目に取り合ってくれず部屋に引きこもるボビーに対して「開けてよ!ばかばかばか!」って拗ねちゃうのも、ボビーにただ執着しているんじゃなくて寂しいからなんですよね。いやね、この「ばかばかばか!」は犯罪級の可愛さでした。声の出し方がいちいち可愛い。普段のちょっと低めで落ち着きのある大人っぽい声とのギャップがたまりませんわ。

アイリーンはさ、多分ニューヨークにいたときはお嬢様育ちなのもあって周りからチヤホヤされていたと思うんです。まあこのチヤホヤっていうのも、好意的なものというよりは建前として周りからそうされていただけなのかもしれないけど。だから、承認欲求みたいなものは満たされていた気がするんですけど、やっぱり寂しかったんだよなぁ~~~。本当の自分を見てくれる人を探していたんでしょうね…。

そんなときに現れた救世主がランクというわけですが…。ランクの前に、ボビーとのシーンだけ振り返らせてください(?)

萩原さんボビーとの掛け合いは、やっぱり2015年CFYを思い出してしまい、個人的に凄くテンションが上がりました。ヒールを履いているせいか岡村さんのほうが身長はるかに高くて、アイリーンを見上げるボビーの構図を久しぶりに観ることができたのも嬉しかったです。共演数も多いですし、やっぱり萩原さんと岡村さんの掛け合い好きなんですよね…。安心感がありました。

今までは萩原さんボビーに追いかけられる側だったのに、今回は萩原さんボビーを追いかける側。役が変われば関係性も変わるから、やっぱり面白いです。

で、そんなボビーをデッドロックまで追いかけてきた岡村さんアイリーン。「私もう我慢できない!」って言ってボビーをホールドしながら濃厚なキスをするんですけど、このとき岡村さんアイリーンが萩原さんボビーの腰に手をまわしたかと思いきや、そのままお尻を両手で激しく撫でまわしていて笑いました(笑)めちゃくちゃ肉食ですやん、姐さん(笑)

岡村さん、ポリーもそうだしエルファバもそうなんだけど、がっつくんだよねぇ…。めちゃくちゃ強引なキスシーンで萩原さんボビーもタジタジになっていて、観るのが楽しかったです。

続いて、2幕冒頭。The Real American~で下の階でポリーたちが楽しく歌って踊っているときに、アイリーンは酒場兼ホテルの2階で爪を磨いていました。全然ポリーたちのことなんか興味なさそうに自分の爪をひたすら磨き続け、綺麗にした爪を見て満足そうにしていたのが可愛かったです。でも、ポリーたちに興味なさそうな顔をしておきながら、彼女たちが奏でるリズムに合わせて思わず体が弾んでしまい、2回目も無意識に弾んでしまったときにようやく自覚してハッとした顔をして、左手で勝手に動いてしまう自分の脚を抑え込んでいたのがめちゃくちゃ可愛すぎてキュンとなりました。

そして、色々前後しましたがアイリーン最大の見せ場であるNaughty Babyの話に移りますね。ランクに「私が最も嫌いなのは、脳みそがお尻に詰まったような赤毛のバカ女なんですよ!」って言われてハッとなる岡村さんアイリーン。多分、これまでチヤホヤされた人生を送ってきたであろう彼女は、そんな罵倒を受けたことはなかったと思うんです。

だから、振り向いて「あなたみたいに、無礼で、粗野で、乱暴な人は初めてよ!」って言うときも声を震わせていて、これはめちゃくちゃ怒ってるぅ~!?と思いきや、突然ランクを持ち上げてキスをしたので、予想外の展開に客席からも笑いが起こっていました(笑)いやね、このセリフ自体はめちゃくちゃ怒り心頭な感じの言い方なのに、キスはちゅっ♡て感じで凄く優しかったから緩急がヤバくて(笑)いやー、魅せられましたね。

1回目のキスを終えて、はぁ~♡って昇天しちゃってんのも可愛いし、2回目のキスはぶちゅーって感じでしたし、もうここの緩急というか感情がジェットコースターのようにぐわんぐわんと波打つのが観ていて楽しかったです。

からの覚醒して歌い出すNaughty Babyよ…。たったこの1曲だけなのに、岡村美南さんの凄さを実感するには申し分ありませんでした。なんといっても、歌の表現の幅が凄かった。これは贔屓目抜きにしても凄いと思います。何がどう凄いっていうのを言葉で表現するのは非常に難しいの…。とにかく観てほしい。でも、頑張ってレポしてみます。

まず、ランクを椅子に座らせて下手に運んできたときに、テーブル周辺にいた男性陣に対して「お退き!」ってドスのある声で一蹴していたのがかっこよかったです。客席からも笑いが起こっていました。

で、歌ね。ドスを効かせながら歌う瞬間もあるんだけど、滑らか~に歌うこともあってね、とにかく緩急とギャップが最高でした。たとえば「どぉ~で~~~~しょ」の「しょ」がね、もう吐息で歌うっていうのかな、声を抜いていくというか、それがえっちだ~~~!ってなるんですけど、声の抜き方はもちろんのこと、それに合わせて非常に歌声が甘ったるくなるんです。

岡村さんって結構低めの声をされている方ですが、普段の歌声からは想像もできないような糖度100%の歌声。正直、私も聴いたことない歌声でした。甘すぎる…。めっちゃ女を感じさせる声なの…。私が昇天してしまうよ、あんな声聴いてしまったら…。

かと思えば「そぉ~で~~~しょ!」って声を抜かずに歌うときもあるので、変化をつけてきた~~~!無理~~~!好き~~~!ってなりました。ランクだけでなく、私まで完全に岡村さんアイリーンに弄ばれているような感覚よ…。次どう来るか予測できない、彼女のそんな一挙一動に振り回されてドキドキさせられる。この感覚、このナンバーで感じたこと今までなかったので、本当に心臓に悪すぎました…。

歌に合わせ、ランクを誘惑するようにスカートをめくりあげてみたり、脚を大きく広げて両脚でランクの顔をホールドしたり、色んな色仕掛けをしてくるわけです。これ、私の席の目の前で繰り広げられたので、あまりにもドキドキしすぎて思わず目を逸らしてしまいそうになりました(嘘です、ガッツリ観てました)。何か見てはいけないものを見ているような背徳感。色っぽいのかと言われたら分からないけど、あの衣装は紛れもなく色っぽいし、両脚パカーンって広げる姿を目の前で見せられたらいくら何でも心臓飛び出ますわ。あー、ずるい…。アイリーンに弄ばれたい…。

極めつけは間奏終わりの「真面目な娘は飽きるわ」の歌詞の歌い方。CDとかだと「あ~き~る~~~~わ」って感じなんですけどね、岡村さんアイリーンは「あ~き~る~~わぁ~⤵ぁ~⤴」って感じで、なんていうのこれ!?まあ要するにCDとは違う歌い方をしてきましてね、この歌い方がまあ…まあ…たまりませんでした。とにかく誘惑しまくり。フェロモン?フェロモンか!フェロモンが歌声から滲み出ていました。凄すぎたの…。とにかく凄すぎたの。

この1曲だけで、岡村さんのあらゆる歌声が聴けて、あらゆる歌い方が披露されて、バリエーション豊かに歌われていたのが凄すぎました。アイリーンがめちゃくちゃ翻弄してくる女だっていうことを、歌でしっかり魅せてきた。これが私の凄いと感じた表現の幅の広さです。文字で伝えるのは非常に限界があるから、もうとにかく生で観てほしい。「こんな岡村美南、観たことない」これがキャッチコピーです。

岡村さんって、歌い方に結構クセがあるから好みは別れると思うんです。でも、良い意味で岡村さんらしさのない歌い方になっていました。音域も広いから高音もしっかり地声で出せていて、そういう部分での迫力もあって。でも強いだけじゃなく、弱さをあえて見せてくる歌い方に私は痺れました。言い方はアレだけど、雌の部分を最大限に出した歌い方でした。えっちだった…。いつの間にこんな歌い方ができるようになったのでしょうか。

色んな役を経てきた今だからこそ演じられる役だなって心から思いました。本当にただただこのナンバーの岡村美南さんに惹きこまれ、私は放心状態になりました。凄かったです。アイリーンってこんなに凄い見せ方ができる役だったんだね…。いやもう、岡村美南さんがアイリーンを演じてくださって嬉しかった。このナンバーを聴けただけでも、チケット代を払った価値がありました。とても凄いパフォーマンス…。岡村美南さん、恐るべしでした。

こうして2幕の出番はほぼ終了となるんですけど、終盤ではランクといつの間にか結婚しているわけですよ。ランクとのバカップルっぷりが披露されるんですけど、まあバカップル…。トゲを一切取り払った丸みを帯びた優しさいっぱいの岡村美南さんアイリーンが観られて嬉しかったです。本当にあの笑顔は可愛すぎて溶けてしまうわぁ…。

でさ、ラストの岡村さんアイリーンがボビーとポリーを見つめる表情がとっても優しくて。これは彼女がポリーを演じたからなのかは分かりませんけど、親心ってわけではないと思うけど、それに近しい感情が芽生えているんじゃないかな。ボビーとポリーに対して。自分が卒業した役を、今は別の人が演じていて、自分は別の役としてその役を見守る。岡村さんにとって、それって初めての経験なので、きっと凄く愛しさが込み上げているんだろうなっていうのが岡村さんの2人を見つめる優しい眼差しから感じられました。

私も、同演目で違う役を演じる岡村さんを観るのは初めてだったから、凄く新鮮な気持ちでした。なんか、ただただデビューおめでとうっていうだけじゃなくて、感慨深い気持ちにも浸れて本当に新鮮で楽しかったです。

最後のカーテンコールでは、ちょっとだけだけど踊っている岡村さんを観られたので感無量でした。嬉しいな。大好きな演目に再び大好きな人が出てくれるなんて。アイリーンも紆余曲折あれど、最後は幸せになるから、すっごく満たされた気持ちで観劇を終えることができました。

何より、アイリーンという役は絶対に似合っていると確信していたから、その期待をはるかに超えてきた仕上がりだったのが本当に嬉しくて仕方なかったです。岡村さん、こんなにもアイリーンが似合うなんてなぁ。役の幅、どんどん広がりそうね。そして、これはあくまでも初日。ここから公演を重ねていって、さらに進化していくのかと思うと、すでにワクワクが止まりません。めちゃくちゃ楽しみです!

私にとって約半年ぶりの岡村美南さんでしたが、まずはお元気そうなお姿を拝見できて嬉しかったです。そして、やっぱり私は岡村美南さんのお芝居も歌も表現力も何もかも、大好きだなと再認識できました。すっごく幸せな観劇初めになりました。カテコでは手振ってもらえて、あぁ幸せだなって思えました。こうして今年度も客席から岡村美南さんのお芝居を見届けられることが嬉しいです。

再び舞台に立ってくださり、ありがとうございます。そして、CFYに戻ってきてくださり、ありがとうございます。アイリーン役のデビュー、おめでとうございました。これからも最後までしっかりと見届けてきます!本当に素敵な思い出をありがとうございました~!

ベラ・ザングラー:荒川務

私、2006年の初CFYのボビーが荒川さんだったんです。だから、17年のときを経て再びCFYで荒川さんを拝見できることが嬉しくて仕方ありませんでした。今度はザングラーさん!絶対に似合うと思っていましたけど、似合ってました!

そもそも荒川さんを拝見すること自体がかなり久しぶり…?ACL以来か。なので、久しぶりにガッツリとお芝居などを拝見したんですけど、いいですね。青羽剛さんのザングラーさんが自分の中で印象強かったので、ひょうきんな青羽さんザングラーに比べるとやや真面目な印象はあるものの、やっぱりボビーを演じていただけあってお芝居が凄く柔軟でした。2人のザングラーが揃うところなんか息ピッタリでしたもん。

強いて言うなら、せっかく荒川さんがザングラーやるんだからもっとダンスが観てえ~!ってことですかね。テスにちゅっちゅしまくるところとかも、変態おやじというよりスマートさがあって、なんだかんだでかっこいいザングラーさんでした。それがまた新鮮でしたね。

あと、宮田愛さんテスとの掛け合いはACLを彷彿とさせました。年齢差はあるものの、なんか妙にしっくり来ます。荒川さんもまだまだエネルギッシュで若々しいからかな。

あ、そういえば2幕終盤でボビーとポリーをくっつけるためにテスが何かを思いついてみんなを舞台中央に呼び集めるシーンがあるんですけど、荒川さんザングラーが手を挙げながら立ち上がって、手を下したときに隣にいた岡村さんアイリーンの頭に掠ってしまって、「いた~い」みたいな顔してた岡村さんに「ごめんね」って謝っていました。ちょっとほっこり。

ザングラーさん、意外と出番そんなに多くないから、もっとたっぷり堪能したいものですね。でも、私が四季を好きになるきっかけとなった公演に出演してた荒川さんをこうして別の役ではあるものの再び観られたのは、本当に嬉しかったです。ザングラーさんとしてのデビュー、おめでとうございました!

テス:宮田愛

前回ポリーだった宮田さん、今回はテスでしたけどテスとっても似合っていました!非常に良かった…。前回ポリーだった2人がそれぞれ別の役で同じステージに立っているというのが不思議な感覚でしたが、それぞれ適役を演じられているので凄く微笑ましいです。

それにしても宮田さんのダンスのしなやかさと美しさは当然のこと、テスという女性としての魅力も存分に発揮されていて素晴らしかったです。統率力にくわえ、周りを観察する力、マネジメントする力、そして包容力。ダンスに関しては結構厳しめなテスですけど、ちゃんと愛のある指導を行っていて、リーダーとしての適性がめちゃくちゃ感じられて素敵でした。

これまで、どうしても岡村さんと同役を演じられることが多かったためにあまり宮田さんのお芝居を拝見できていなかったのですが、宮田さんここ数年でお芝居凄く上手になったな…って思いました。さりげない演技でさえもリアリティが感じられるし、感情の込め方がとてもナチュラルで凄く引き込まれるお芝居をされていた印象です。だからこそ、テスというキャラクターの安定感があって、安心して観ていられました。

あと、Slap That Bassで萩原さんボビーと一緒に踊るシーンなんかは、ボビーとポリーだぁ…ってなりました。ポリーを演じた経験があるからこそ、テスとしてポリーをどう支えていくのか、ボビーをどう応援していくべきか…ちょっとお姉さん的な立場で見守っていた姿が非常に素敵でした。ポリーを演じた宮田さんならではのテスだったと思います。

私は2015年度の東京公演での荒木美保さんテスが大好きだったので、荒木さんテスのように優しさと温かさに溢れた宮田さんのテスも凄く好みでした。作品経験者だからなのかは分かりませんが、初日からかなり飛ばしていて結構オフマイクも多かったし遊び心のある一面もあって、観ていて楽しかったです。いやー、とても素敵なテスがデビューしてくれて嬉しいです。デビュー、おめでとうございました!

まとめ

こんなに長くなる予定はなかったのに…!!!ごめんなさい、岡村さんの感想が溢れまくってしまってめちゃくちゃ長くなってしまいました。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

とにかく、無事に岡村美南さんの新役デビューを見届けられて嬉しかったです。観劇お休み期間中に私は頸椎椎間板ヘルニアを患ってしまい、結構しんどい毎日を送ってはいるんですけど、なんかもうハッピーになれたことで痛みも緩和されました。推し活が何よりの薬です。

本当にね、岡村美南さんのアイリーンはもちろんのこと、今期のCFYもめちゃくちゃ最高です。ぜひぜひ皆さんに観てほしい。そして、皆さんの岡村美南さんアイリーンの感想も楽しみにしています。

改めて、デビューおめでとうございました!素晴らしい初日でした!

公式ちゃんも仕事が早いので、お馬さんに乗った岡村美南さんアイリーンのお写真があって大歓喜です。ありがとう。

皆さんも、長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

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