2021年8月17日ソワレ 『ジェイミー』(アフタートークあり)




ホリプロ主催
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キャストの感想

キャストの感想です!

ジェイミー・ニュー:髙橋颯

今回初めて知った方だったのですが、スラっとしたスタイルでキリッとした一面と可愛らしい一面がある素敵な俳優さんでした。とにかく一生懸命で、歌もお芝居も凄く全身全霊だったのが好印象。お芝居はとても上手で、細かい息遣いや緩急によってかなりリアルさが出ていました。通常のミュージカルではなかなか見ない「どもり」のお芝居も多用されていて、だからこそ余計にリアル。間合いもテンポ良くて、ジェイミーが等身大の男の子として凄く浮き上がった印象がありました。

歌は上手いけど安定感という意味では少しヒヤヒヤする部分も。高音部分はちょっと音程がブレがちなところがありました。そんな中で私的に一番心にグッと来たのが2幕で歌う「醜い世界の醜い僕」というナンバー。楽譜通りの音程からはきっと大きく外れるほどシャウトするような歌い方をされていて、聴く人が聴けば「音外しすぎじゃん…」となると思うんだけど、ジェイミーの魂の叫びが聞こえたような気がして私的には凄く印象に残りました。

ジェイミーが昔パパに言われたことがずっと心に引っかかっていて、パパと再会したら改めて同じことを言われて自暴自棄になっているジェイミーが歌うナンバーです。だから凄く葛藤していて悔しさと寂しさと憎しみとでいっぱいになっているのが、全身全霊の歌声からすっごく感じられました。上手く歌おうとするのではなく、ありのままの自分の感情をすべて曝け出して歌う感じがとてもジェイミーらしいなと思って、逆に髙橋くん凄かったです。なんか、本当につい目で追っちゃう人でした。

そしてジェイミーと言えば欠かせないのが女性らしい仕草やドラァグクイーンになるときの佇まいや仕草。髙橋くんは凄く顔立ちが整っていて中性的な部分があって、女子に混ざってキャッキャするのも全然違和感なかったです。なんなら可愛い。はしゃぎ方も女子みたいで可愛い。だけどジェイミーが劇中で言っていたように、「女の子になりたいんじゃないくて男の子でいたい」という部分はしっかり残っていました。ちゃんと男の子なんです。上手く説明できないけど、本当に何もかもがリアリティあってお芝居しているというよりジェイミーという男の子が本当に生きているみたいな説得力がありました。

パパに酷い一言を言われて落ち込んで、ヒューゴに慰められているときに泣いちゃう表情は子供らしいし、ママに向かって声を荒げて反抗するところも息子らしいし、色んな側面がどれもリアル。凄く等身大のジェイミーで素敵でした。

ちゃんと10cm超えのハイヒールを履きこなしてモデル歩きをしているところも最高に美しかったです。スラっとした美脚が映えていて、とても素敵なドラァグクイーンでした!

マーガレット・ニュー:安蘭けい

宝塚の元男役トップさんとしてずっと名前も顔も知ってはいたものの、今回が生で拝見するのは初めてです。さすが元宝塚だけあってスタイルが良いですね。そしてお芝居がめちゃくちゃ上手くて、お芝居しているというより普段の近所の主婦たちの会話を聞いているかのようなリアルさがありました。

マーガレットは保坂知寿さん演じるレイと一緒にいるシーンが多いのですが、2人の掛け合いはもうただの井戸端会議(笑)息遣いも喋り口調もトーンもテンポも含めて全部リアルで、本当にこれが演技とは思えないくらいでした。そして、お母さんとしての優しさと温かさと厳しさが混じったような声色はとても聴き心地が良かったです。安蘭さんも等身大のマーガレットを演じていらっしゃっていたような印象で、お芝居に一切無理がないのが素敵でした。

マーガレットはジェイミーの母親として、誰よりも息子を愛していて、誰よりも息子を応援している女性。役としても女性としても凄く素敵で、安蘭さんがまるでジェイミー役の俳優さんを本当の息子のような眼差しで見ているのも印象深かったです。演技のはずなのに、本物の親子のように見えるくらいジェイミーとマーガレットの絆は強く感じました。

また、2幕でジェイミーに「パパと会ってきた」と言われて反抗されて酷い言葉を言われて呆然としてしまうマーガレットが歌う「我が子」というナンバーはとても心に響きました。母親って子供の見えないところできっとたくさん苦労していて、それを子供には分からせないように強く生きているんだろうなぁ…って。そしてそれが時には子供に理解されず、反抗されてしまうこともある。それでも何より我が子が大切なんだっていう想いが込められたナンバーで、心にぽっかり穴が開いた状態だけどジェイミーが愛しくて仕方がないという気持ちが安蘭さんの歌声にしっかりと込められていました。

私自身が母親になった経験がないのもあって100%はマーガレットの気持ちに共感することはできないだろうけど、安蘭さんマーガレットの息子を想う気持ちは本当にグッと来ました。ふと『マンマ・ミーア!』のドナを思い出して、やっぱり親子の愛っていいなぁ…って実感しちゃいました。

そしてジェイミーが戻ってきてくれて共に歌う「我が子、あなたの子」は安蘭さんも涙をボロボロ流しながら歌っていたのが印象深かったです。まるで本当のお母さんのような表情でジェイミーを抱き締めていて、私もこのシーンはさすがに涙腺やられました。安蘭さん、あまりにもマーガレット役がしっくり来すぎでしたし、すっごくお芝居上手だったので安心して観ていられました。とても素敵なお母さんだったと思います。

プリティ:田村芽実

念願の田村芽実ちゃん!2016年に我が贔屓の岡村美南さんと雑誌で対談していて、この子がいつかミュージカルで活躍するようになったらいいなぁ…と密かに応援していた子でした。

アンジュルム卒業後は色んな舞台に引っ張りだこで大活躍していて嬉しかったですが、あれから5年、ようやくお目にかかれる日が来ました。さすが岡村さんと対談していただけあるなと思うほど、お芝居も歌もしっかりしていますね~。素晴らしい…。

プリティはイスラム教を信仰している控えめな女の子。だけど内に秘めている想いは強く、実はとても前向きで明るい女の子でもあります。そんな真面目で落ち着いた雰囲気も、ふとしたときに年相応の女の子らしくはしゃいじゃう姿もどちらもナチュラルに演じていました。普段はちょっと落ち着いたトーンで話すけど、テンションが上がってくると声のトーンが高くなっちゃう感じは、等身大の女の子っぽさで溢れていて良かったです。

間合いも絶妙で、その間に込められるプリティの想いが次の言葉にしっかり乗っていたので、セリフ1つ1つの説得力もありました。若いのにこれだけお芝居上手だと今後がとても楽しみです。

そして歌に関しても凄く綺麗で真っ直ぐな声をしていて、安定感もありました。高音もしっかり出るし、裏声も綺麗。何においても安定感があったので、安心して観ていられました。いつか岡村美南さんと共演してほしいですね~。これからも引き続き応援していきたいです!

ディーン・パクストン:佐藤流司

本当はDISH//の矢部昌暉さんが出演のはずだったのですが、急遽佐藤流司さんに変更に。どちらにしても今回初めて知った方だったんですけど、佐藤さんすっごくお芝居上手くて声も低めでかっこよくて良かったです。ディーンはいじめっ子の役なので、傍から見るとかなり嫌なやつなんですけど、ちゃんと徹底して嫌なやつ感を出していたのが高ポイントでした。

なんか実際にこういう子いるいる~!と思わせるような、絵に描いたいじめっ子でした。喋り方といい歩き方といいガンのつけ方といい、すっごくリアルで面白かったです。でもちょっと自分を大きく見せて強がっている一面も確かにあって、根っからの悪い子では決してないんだなというのも感じられました。

ずっとジェイミーをバカにし続けてきたのに、いつの間にか自分の周りには誰もいなくなっていて独りぼっちになっていたディーン。それでも強がり続けるのが凄く切なかったし、なかなか素直になれなくてジェイミーの誘いも受け入れられないというのがもどかしくて可愛かったです。

しかし、最後にはジェイミーの前にひざまずいてエスコートするかのような仕草をした佐藤さんディーンが王子様すぎてキュンとなりました。あの仕草を自然にやれるの凄すぎるし、めっちゃ様になっていてかっこよかったです。でもジェイミーが「僕がリードするの!」って言ってディーンの手を掴んで引っ張っていって、されるがままになったディーンも可愛すぎました。最後の最後でこのどんでん返しはずるいですわ…(笑)

最初観たときは「え、なんで?」って少し疑問を抱いたんですけど、家に帰ってからパンフを読んだりしていてディーンが寂しがりやだということに気付き、そういうことだったのか~と納得。これを理解した上でもう一度観たら感じ方全然変わりそうだなと思いました。なんだかんだ憎めないいじめっ子で、突然の出演ながらもしっかり演じ切った佐藤さん、とても素晴らしかったです!

ミス・ヘッジ:樋口麻美

今回の一番のお目当てです!なんと2015年2月8日の劇団四季『マンマ・ミーア!』千穐楽以来です。だから実質、退団されてから観るのは今回が初めてでした。知る人ぞ知る、私の岡村美南さんの1つ前のご贔屓でございます。

いやぁ、麻美ちゃんにパンツスーツスタイル決めさせた人最高ですね…。パンツスーツ姿が超絶似合うし、ひたすらかっこよすぎました。相変わらず華奢でしたけど、正直歌唱力に関しては一番の存在感を放ったんじゃないかと思うくらい痺れる歌声で魅了していたと思います。こんなにかっこいい麻美ちゃんを観られたのかなり久しぶりだったので、本当に嬉しすぎました。

ミス・ヘッジはジェイミーの通う高校の先生で、ジェイミーがドラァグクイーンになりたいという夢を真っ向から反対する側の大人。きびきびとした性格で生徒にも容赦はなく、ジェイミーにとってもかなりの障壁となるようなキャラクターでした。だからジェイミー視点で物語を追っていくと、ミス・ヘッジの意地悪な感じは凄く気に障るし、麻美ちゃんが凄く悪そうな顔して圧をかけてくるのでたまらなかったです。

ディーンと同じく、ミス・ヘッジがジェイミーを追い詰めれば追い詰めるほどジェイミーが輝くので、麻美ちゃんの徹底した嫌な感じっぷりは最高でした。ハキハキと早口でまくし立てるような喋り方も凄く圧を感じさせたし、相手を責めるときの麻美ちゃんのお芝居ってすげえ痺れるんですよね…。正統派ヒロインも素敵ですけど、意外とこういう役似合うのでハマり役でした。

ミス・ヘッジが歌う「芸術」はロック調でかなりインパクトのあるナンバーなのですが、本当に歌が上手い。さすがにこの1回だけじゃ判断はできないけど、昔よりも歌唱力上がったんじゃないかな。少しクセのある歌い方なんだけど、綺麗に高音が出るし、ジェイミーを皮肉るような威圧的な歌い方もできるしで凄く存在感がありました。このナンバーではミス・ヘッジも皮肉を込めてジェイミーを見世物にしようとしたんだろうけど、逆にジェイミーが開き直ったから、驚きと戸惑いの表情を浮かべて悔しそうにしていたのが印象的でした。

そんな威圧的で憎たらしい一面もありながら、2幕では方言を使って喋るというアドリブもかました麻美ちゃん。田舎っぺみたいな訛りをきかせて電話をしていて、思わず笑っちゃいました(笑)これ、アフトクで話していましたけど電話シーンのアドリブは日替わりだそうです。しかもこのシーンは凄く優しそうな顔して優しそうな声してまるで別人。電話を切ったあとにもう一度電話がかかってきて「んだ?」って言ったのにも笑いましたが、そのあとスッと冷静になってきびきびとしたミス・ヘッジに戻ったのもじわじわ来ました。スイッチの切り替えが凄い(笑)

そして最後のほうまでずっとジェイミーに対して厳しい目を向けてきたミス・ヘッジが、みんなの一体感と想いに折られて、ジェイミーのプロム参加を許可するシーンは良かったです。ガラッとジェイミーに対する態度が変わるので少しモヤる部分はあるんですが、ようやくミス・ヘッジが純粋に楽しそうに生徒たちの輪に入っていって打ち解けていくのが凄く良かったので大満足でした。最後には踊っている麻美ちゃんも観られましたし、思った以上にミス・ヘッジが美味しい役だったので本当に大満足!歌にお芝居にダンスに、たっぷり堪能できたので幸せでした。やっぱり大好きな俳優さんでした!

ライカ・バージン:泉見洋平

いつ以来かも覚えてないくらい久しぶりの泉見くん!2007年の『レ・ミゼラブル』マリウス役以来とかそれくらいだったりするかもしれません。まさか泉見くんがこんな役を演じるようになるなんて当時は思いもしなかったですし、マジで衝撃的すぎて笑いが止まらなかったです(笑)

凄く可愛らしい顔立ちなので女装は似合うのかな~なんて思ったんですけど、似合うとかのレベルじゃないくらい強烈すぎて笑いました。なんならドラァグクイーン4人の中で一番強烈でした(笑)

多分ライカが一番キュートな役柄だからなのか、声もぶりっ子みたいな感じの高めな声色にしていて、すっごく無理があってヤバかったです。泉見くんも気付けば50歳近くになっていて、そりゃもうおじさんか…って感じなんですけど、おじさんがあんな可愛いことやってるのが可愛すぎたし強烈すぎたしで本当に最高でした。

劇中ではライカが21歳になったというくだりがあって、「あんた去年も21歳だったわね」みたいに突っ込まれててライカ自ら「フォーエバー21」って言ってたの死ぬほど笑いました(笑)確かにきっと4人のドラァグの中だったら一番年下なんだろうな~と思わせる風貌でしたけど、発想までもメルヘンすぎて本当に無理が生じてるのにしっくり来すぎてしんどかったです(笑)

以前は爽やかな好青年役を演じることが多かっただけに、今回の役はあまりにもギャップがヤバすぎて私的にクリティカルヒットでしたけど、泉見くんにドラァグやらせたの大正解だなと思いました。何だかんだでお芝居も歌も安定しているし、強烈にインパクトあって最高でした!

トレイ・ソフィスティケイ:吉野圭吾

吉野圭吾さんもいつぶりかまったく覚えてないくらい久しぶりです…。下手したら2005年の『モーツァルト!』以来…?これまでもなかなかの色物を演じてきた俳優さんだったので、吉野さんがドラァグやるっていうのはすっごくイメージ通りだったし一番しっくり来ていました(笑)そして化粧も凄く似合う(笑)何だかんだで凄く整ったお顔立ちをされているので、厚化粧も凄く綺麗に見えました。

吉野さんって私的にはかなりツボな俳優さんで、何が魅力かいうと間合いなんですよね。ちょっとした間で笑いを生み出すのが凄く上手で、ライカへのツッコミも間と声のトーンでしっかり笑いを誘っていました。なんなら吉野圭吾さんがそこに立っているだけで面白い(笑)

女装が一番しっくり来るとは言いつつも、多分4人の中では一番クールで男らしい(?)ドラァグでもあったのでより吉野さんにピッタリでした。凄く色物なお芝居が上手な方ではあるんですけど、真面目さとおふざけ具合のバランスがとても絶妙で、実際にいてもおかしくなさそうなゲイとしてのリアリティがありました。

そして長身で脚も長くてスタイルが抜群なので、ドラァグの衣装がめっちゃ映える(笑)衣装もちゃんと俳優さんに合わせてデザインされているらしく、吉野さんの手足の長さを活かせるような衣装にしたんだそうです。しかも一番露出が多いだけにとてもセクシーで、吉野さんの色っぽさがかなり強調されていて美しかったです。

インパクトというよりは説得力のあるドラァグとしての佇まい。さすが吉野さんでした。久しぶりに観るのがこんな役っていうのも嬉しくて、吉野さんの魅力が存分に活かされていて最高でした!

レイ:保坂知寿

2014年以来の知寿さんでした。かなりお久しぶりですが、相変わらずかっこよくて最高…。ちょい役なのかな~と思っていたんですけど、むしろかなり美味しい立ち位置でジェイミーの父親代わりとしてジェイミー親子を支えてくれている素敵な女性でした。

以前観たときより今回のほうがかなり鮮明に、解像度高めに知寿さんのお芝居を観られたと思うのですが、すっごくお芝居が自然でリアリティに溢れていて素敵ですね。まるで演技をしているとは思えないくらいセリフを次々とナチュラルに話されていて、その辺の主婦たちの会話を盗み聞きしているような感覚にさえなりました。

安蘭さんも同じようにナチュラルなお芝居をされていたので、マーガレットとレイの掛け合いは観ていてすっごく楽しかったです。話すトーン、間、緩急、すべてが絶妙でドンピシャ。四季のクセとかも一切ないし、それでいてセリフは明瞭なので本当に引き込まれるような演技をされていて存在感も抜群。

知寿さんって下手に飾らないところがまたかっこよくて、女性としてのかっこよさに溢れた方だと思っています。昔のように主役として作品を引っ張っていくことはあまりなくなったと思いますが、作品に華を添える欠かせない存在だなぁ…と感じました。歌唱力も衰えず、ダンスのキレもあってまだまだ現役ですね~。本当に素敵。安心感と安定感も抜群で、終始知寿さんレイに魅了されていました。久しぶりに観ることができて良かったです!

ジェイミー父/サンドラ・ボロック:今井清隆

ジェイミーのパパとドラァグのサンドラの2役を演じた今井さん。久しぶりに拝見しましたけど、ビジュアル的に一番衝撃的なのは今井さんでした(笑)パンフの写真とかマジでインパクト凄すぎて他の人が霞むのずるすぎるでしょ…(笑)

メインとしてはジェイミーパパでのセリフのほうが多かったので、そっちの印象のほうが強かったです。ジェイミーを昔から嫌っていて、8歳のジェイミーに傷つく一言を放つほどの薄情な父親。厳格でぶっきらぼうで威圧的な雰囲気は観ているこっちにもかなりストレスを与えるくらいで、これを真正面から受けるジェイミーは相当怖かっただろうなぁ…と思いました。

ただ、所々何を喋っているのか聞き取れないことがあって、言葉がこもっちゃっている印象もありました。今井さんってこんな喋り方だったっけ?って感じですが、言葉を吐き捨てるときに早口になって言葉が潰れちゃう印象があったので、うーん…となる部分も。でも更年期障害の男性ってきっとこんな感じなんだろうな~っていうリアルさがあったので良かったです。今井さんはそれ以上にインパクト(笑)本当にインパクトが凄かったので引き込まれました(笑)

ヒューゴ/ロコシャネル:石川 禅

禅さんも観るのかなり久しぶりです。ジェイミーにとって最強の協力者として作中で存在感を発揮する人物を演じられていましたが、禅さんもお芝居がすっごくナチュラル…!これはヒューゴのクセなんだろうけど、喋るときにちょっと舌打ちみたいな音を出すのも凄くリアルで、お芝居しているんだかしていないんだか分からないくらい自然にセリフを話していました。

ヒューゴがかつてドラァグとして活躍していたというのが節々から伝わってくるようなオネエっぽい喋り方をされていて、一方で大人としてしっかり正面から向き合ってくれているような誠実さもあって、まるで本当にヒューゴとして人生を生きてきたんじゃないかと思うような説得力がありました。

少し厳しい一面もあるんだけど優しさもあって。心の壁を取り払って、身近なところから見守ってくれている感じが本当に安心できる存在…。ジェイミーにとってもヒューゴの存在はとても心強かっただろうなぁと思わせてくれるような、父というには近すぎるけど他人というには遠すぎる。親戚のおじちゃんみたいな程よい距離感。それがしっくり来る男性でした。

ジェイミーがお父さんに酷いことを言われて落ち込んでいるときに、慰めの言葉をかけながらジェイミーの頭をくしゃくしゃにしながらよしよししていたのがすっごく優しくて素敵でした。息子を可愛がる感じというより、犬が芸をできてよしよししているような感覚だったけど(笑)ジェイミーのことを凄く可愛がっているんだなというのが感じられて良かったです。

そして、禅さんもロコシャネルというドラァグを演じていたときはインパクト大…!堂々としていて逆にそれがかっこよかったです。禅さんの存在感と安心感は終始素晴らしすぎました。ジェイミーを支えてくれる大人たちがみんな素敵すぎる。脇を固める大人たちがここまでお芝居上手いと、若者がイキイキするし、作品の安定感も抜群でした…!

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