2020年11月29日マチネ 劇団四季『マンマ・ミーア!』@福岡




マンマ・ミーア!
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ゆうき
ゆうき

マンマ18周年&岡村美南さん四季デビュー11周年前日祭!

日時:2020年11月29日マチネ公演
場所:キャナルシティ劇場
座席:1階S席F列16番




はじめに

今回で通算55回目となった『マンマ・ミーア!』観劇。12月1日は『マンマ・ミーア!』日本公演18周年、そして岡村美南さんが劇団四季の初舞台から11周年という記念日にあたります。残念ながら当日は公演がないため、今回の観劇を前日祭として楽しんでまいりました!

ここ最近の演劇作品の公演中止が相次いでいるだけに、やはり今回も無事に幕が開くのかどうかがドキドキでした。でも無事に幕が開いて、大好きな岡村美南さんのお芝居を堪能することもできたので本当に幸せです。当たり前じゃないんだな…という実感を抱きつつ、岡村美南さんが11年前に初舞台を踏んだんだよな…という謎の感慨深さも感じながら観劇できたので、なんだか凄く感情がごちゃごちゃになりました。今もこうして岡村美南さんのファンを続けられていることが幸せですし、これからも全力で応援し続けていきたいです。

そんなわけで、今回は記念日が迫った公演でもあったのでより一層あらゆることを意識しながら観劇してきました。そのレポを書いていきます!

総評

全体の感想です。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

今回も全体的に凄く仕上がった公演で、かなり熱気があったと思います。中でも岡村美南さんがかなりノリノリだったので、相当楽しまれてお芝居されていたんじゃないでしょうか。大きなミスもないですし客席も盛り上がっていたし、ひたすら楽しく観ることができました。

そして今回はF列センター下手寄りなのでいつもよりちょっと引きで観劇できて、今までの自分の視野の狭さを強く実感しました。どうしても最前列で観てしまうと岡村さんしか目に入らなくなってしまうので、こうして引きで観ることで視野が広がって全体を俯瞰的に観られた気がします。それだけでも物語への理解や感じ方に変化が出ました。まあでもそれは最初だけで、やっぱり途中からはオペラグラスを使って岡村美南さんの表情をじっくりと見始めてしまったので、説得力は皆無ですね…(笑)

それでも本当に色んなことを感じながら観劇ができました。この作品はドナに焦点があてられながら物語が進んでいきますけど、もちろん登場するキャラクターそれぞれに物語があって、同じように時が進んでいくんだよな…と。この作品に登場する誰しもが幸せになれる結末ですけど、そこに行きつくまでのバックボーンや生き様はちゃんと描かれている。決してこの作品の主人公はドナだけじゃないっていうことを強く実感できました。

そうしてそれぞれの人生を生きていく中で、どこかのタイミングで誰かと誰かが出会って繋がっていく。だからあの人とあの人はこうして出会って、こういう因縁があって…とパズルのピースが見事に組み合わさっていく感じがして凄く面白かったです。全員に繋がりがあるっていうのもマンマの面白いところ。それぞれの関係性を意識しながら観るだけでも、違った見方ができるなと気付けました。

色んなことに気付かされて、色んなことを感じられる凄く素敵な作品です。そんな素敵な作品に大好きな岡村美南さんが出演されているということが本当に幸せでした。今回も無事に観劇することができて良かったです。

キャストの感想

気になったキャストについて書いています。

ドナ・シェリダン:岡村美南

全体的に安定するようになってきたし、ちょっと余裕も出てきて色んな仕草を足しながら楽しくお芝居されている印象を受けました。今回も1幕DQではベッドから立ち上がったときに腰フリフリしてたり、1番終わってグラサンとかのスタンバイするために後ろに捌けるときにも腕をあげるようにノリノリで踊っていたり、だいぶ動きが柔軟になっています。2番ではポーズが決まったロージーを「もう!」って言いながら強い力で押してたのも笑いました(笑)ドナがめっちゃ「踊って歌えば人生最高だよ」を体感しているのが伝わってくるようで、凄く見応えのあるDQでした。

そしてちょっとした仕草が様になるくらいかっこいいなと再認識できたのもポイント。単に若ママっていうだけじゃなくて、女性が演じることで生まれるかっこよさがありました。宝塚の男役とはまた違うんだけど、雄々しすぎずに華やかであり続けるかっこよさをまとっていたように思います。サバサバした感じ。姉御肌で、まさに岡村さんそのものだなって。だからドナを無理なく演じられるようになってきたんだなーって感じられました。指差しだったりバキュンって指で撃ち抜いたりも最高にかっこいいし、要は天然タラシです。そりゃ娘もメロメロになっちゃいますね。

そういったかっこよくて逞しい一面が強いドナだからこそ、Slippingでの母親としての一面はより意外性を感じられて凄く惹き込まれました。今回もSlippingからThe Winnerの流れは凄く良かったなと思ったのですが、特にSlippingでの表情があまりにも印象的でした。前にも多分書いていますけど、改めて。まずソフィに「ママが着せてくれる?」と言われた瞬間の岡村さんドナの表情が、素っ気ない風を装いつつも一瞬時が止まったかのようにスッ…とした表情になって、それからちょっと口元が震え出します。泣きそうになるのを我慢して、笑顔で振り向いてソフィを呼び寄せました。最初の頃はソフィにそう言われたことが嬉しいんだなって思っていたんですけど、それだけじゃなくて涙が込み上げてくるほどにソフィを愛しているんだと伝わりました。この瞬間に、一気にさっきまでの元恋人と過ごした甘い時間に浸っていた当時のドナからソフィの母親としてのドナに切り替わります。

そしてソフィの背中を見つめながら歌い出す2番。涙が溢れ始めて、泣くのをこらえるようにしながら寂しそうな表情をして歌っている姿がとても印象的でした。それからソフィと向き合って歌い、「バージンロードのエスコート、ママがしてくれる?」と言われて、歪む表情を抑えるようにしながらにこっと笑います。「誇りに思っているわ、ママを」と言いながら部屋を出ていくソフィを見送りつつ、溢れる涙と震える口元を隠すように必死に笑っていた岡村さんドナが本当に美しくて、胸を締め付けられそうになりました。娘の前ではどこまでもかっこいいママであろうとし続けるのが凄く愛しかったし、そうやって強がっているくせに本当は脆くて弱っちいのもたまりませんでした。

このSlippingで見せる1幕とのギャップは、ドナが強くてたくましいほど濃く出る部分だと思います。岡村さんドナの凄いところはまさにここで、振れ幅が凄まじいんですよね。強さと弱さの共存がここで一気に出てくるから、ドナが実は自立した女性なんかでは決してなかったことを突き付けられるみたいで、すっごく胸が苦しくなりました。だからこその次のThe Winnerなんです。ドナは別にサムをすぐ忘れて他の人と寝たわけじゃなくて、忘れられなかったから今にも自分がダメになりそうだったから、必死だったんだなって。

それを考えれば考えるほどドナに愛しさが増すし、岡村さんがドナを演じるにあたっての苦労も垣間見えた気がします。ドナって本当に演じるのが凄く難しいです。でも等身大のドナとして演じていきながら、強さと弱さの共存を絶妙なバランスで表現している岡村さんが凄いなって思いました。強さと弱さが共存した役柄ってこれまでにも何度か演じられているから、ある意味得意分野ではあります。だけど、ドナは21年間の歳月が描かれている人物だからこそそこの深みを持たせるのが非常に難しいです。それを、時間はかかりましたけどこうやって日々表現できるようになってきている岡村美南さんの成長っぷりが強く感じられて、ファンとしても見守り続けてきて良かったなと思えました。

今回はスパトゥルで、スポットライトを浴びながら歌っている岡村さんを観て「11年経ってここまで来たんだよね…」と感慨深くなってしまったのですが、まさにSlippingの表情もドナと出会ったことで生まれたお芝居の引き出しだと思っています。経験を積み重ねて、今があるっていうことを体現していました。なんか、いつになく岡村美南さんの輝きを強く実感できて本当に泣きそうになりました。今回も素晴らしいドナでした。こうしてまた劇場で大好きな岡村さんのお芝居を観ることができて最高に幸せです。

ソフィ・シェリダン:若奈まりえ

まさかの月曜キャス変でソフィがまりえちゃんから三平果歩ちゃんに…。ということで、今回がまりえちゃんソフィの見納めとなってしまいました。まりえちゃんソフィは本当に優秀だし良い子だしちょっとやんちゃって感じで、凄く可愛かったです。くりっくりの目元はお人形さんみたいで、間違いなく顔の系統的に岡村さんドナの娘ではないんだけど(笑)それでもちゃんと娘らしさを出しつつ、ママ大好きっていう感じがすっごく出るようになったので回を重ねるごとにどんどん好きになっていきました。

今回は1ヶ月の連投ということもあってかちょっとThe Name Of The GameやUAでは歌声が安定しない部分もありましたが、お芝居は全体的に見どころも多くて良かったです。

ぺーちゃんが天真爛漫なら、まりえちゃんはいたずらっ子な印象。ハニハニで日記をアリとリサに見せまいと上に持ち上げたり、Thank You〜でサムに一緒に歌ってと懇願するときにはニヤッとするような表情を向けたり…。戯けたりするのも好きなんだろうなって思わせるソフィでした。そういうところはちょっと岡村さんドナに似た部分があるかもしれませんね。

レイオールでは竹内くんスカイの上に馬乗りになりながらボタンを外しつつ脇腹をくすぐっていましたし、割と小悪魔な一面もあります。年頃の娘感があっていいなと個人的に思いました。

でも時々大人な一面を見せるのもまりえちゃんソフィの好きなところで、それこそSlippingで見せる表情は一気に女性としての強さと逞しさを感じさせます。ここ、凄く岡村さんドナっぽいですよね。観ていけば観ていくほど、岡村さんドナとまりえちゃんソフィの関係性により説得力が見えてくるんです。初めてこの組み合わせで観たとき、Slippingは精神的にあまり釣り合わないなって思っていました。だけど、それがだんだん不思議と釣り合うようになってくるので本当に凄いんですよ…。

だからまりえちゃんソフィは観ていくほどに味が出てくるタイプだと思います。最初こそ自立しすぎて手がかからないなって思っていましたけど、だんだん年相応のやんちゃな一面が出てくるようになりました。演じていく中で余裕が出た部分もあるだろうし、まりえちゃん自身でソフィに対する解釈が柔軟に変わっていったのもあるんじゃないかな。本当に、横浜公演のときよりもはるかに魅力的なソフィになっていました。こうして成長したまりえちゃんソフィを少しの間でも観ることができてすっごく幸せです!

観劇の感想・考察

気になったポイントについて書いていきます。

みなまり母娘の絡み福岡ラスト!

まさか今回が岡村美南さんドナと若奈まりえちゃんソフィのラストになるとは…。でもなんか今回のまりえちゃんがやけに岡村さんにくっついてばかりだったり、ハグ祭りを開催していたのも布石だったんだろうな…と納得がいきました。

まずスパトゥルですが、ここでも岡村さんドナに全力ハグをするまりえちゃんソフィ。両腕でがっちりホールドしていたので岡村さんドナがまったく身動き取れない状態でした(笑)そして相変わらずの受け身ママでとっても可愛かったです。

からのダズユアカテコ。もう福岡では恒例のお互いホールドし続けるハグ。ハグした状態でゆらゆら左右に揺れてて、仲良し度があがっていて最高に可愛かったです。それから全員を呼び込むために岡村さんが正面を向いて両手を左右それぞれおいでおいでって感じで動かそうとするんですけど、それを阻止するかのようにまりえちゃんがぎゅーーーーーってハグし続けるんですよ(笑)絶対に離さないからあああああ!!!とでもいうかのようでした(笑)それで岡村さんも「ほら」って離そうとするんだけど、それを無視してぎゅーって抱き着いてたのがくっそ可愛かったです。

なんだかまりえちゃんがすっごく岡村さんのことを大好きになっていて、べったりくっついて離れようとしなかったのが本当に可愛すぎました。もちろん岡村さんもそれに応えるようにハグを返してくれるんだけど、だんだんまりえちゃんのほうが愛が重くなっていくのが観ていて面白かったです。まさか福岡でここまで親密になると思わなかったので、こうしてまりえちゃんソフィのラストを見届けることができて幸せでした。

ソフィを演じる女優さんのラストは、こうやって岡村さんが愛されまくるので観ていて楽しかったです!まりえちゃん1ヶ月お疲れ様でした!

まとめ

ということであっという間の今回の福岡遠征でございました。色々と発見もあったし、感じられることも凄く多かったしで本当に充実した観劇ができたと思います。福岡は相変わらず客席が温かいから、いち観客として観ている分にしてもなんだか凄く気持ちがいいんですよね。それもあって俳優さんたちも余計にノリノリで演じられていたし、最高の公演になったんじゃないかなって思えました。

まあ…結論としては福岡は千秋楽まで、毎週行くことになりそうです。マジでお金がヤバいので破産するんですけど…もうそれよりも今を楽しもう!って全振りすることにしました。一部オタクには美南バカオタクとも呼ばれてます、はい(笑)

でもこうして毎回観劇するたびに岡村美南さんの素的なお芝居を観ることができて、本当に楽しかったです。やっぱり大好きな人のお芝居を劇場で観られることって当たり前じゃないし、このご時世だからこそ余計にそのことを強く実感しました。でもこうやって公演を重ねていけばいくほど、岡村さんがどんどん進化されていくのが肌で感じられてファンとしてもすっごく嬉しいんですよね。だから、行くのをやめられない。

今回もマジで無事に公演ができて良かったです。素敵な思い出をありがとうございました!

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