2021年2月27日マチネ&ソワレ 劇団四季『マンマ・ミーア!』@京都




マンマ・ミーア!
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キャストの感想

キャストの感想を書いていきます。

ドナ・シェリダン:岡村美南

いやぁ…結構連投してますけど、なんだか全然疲れも見えないですしコンディションも最高潮ですね。今回もマチソワともにお芝居も歌も安定していてとても良かったです。なんか普通に来週もいそうで怖いですわ…(笑)

ソワレでは2幕ペッパーに向かって言う「食器と最高のグラスを並べなければならないのよ!」の台詞をちょっと甘噛みしかけましたが、それ以外のところはノーミスですし、いやもう完璧。音程もSlipping、The Winnerも安定してましたし、もうかなり仕上げの段階なんじゃないかな。今回は観ていて新解釈!となる要素は少なくて、これまでに観てきたドナ像に近しい部分があったので、ようやくドナの解釈が岡村さんの中で固まっていったのかなと感じました。

なので今回は全体を通してというよりは細かい部分などをどんどん挙げていく感じでレポしていきたいと思います!

マネマネ。マチネでは「いつか金持ちの男を捕まえて」で両腕で自分を抱き締めるようにする仕草をしていたのですが、自分を抱き締めながら体を左右にぐるぐる?ゆらゆら?していたのがとても可愛かったです。それを見ていた高倉さんターニャが一緒に真似していたのも可愛かったです(笑)ちなみにソワレは普通に右手をグッと握る仕草でした。

ママミア。これもマチネだったんですけど、間奏部分でのサムたちとのやりとりの中で「一体ここで何してるのサム!」とサムに向けて言う台詞があるんですね。ここ、サムを見ずに電動ドリルを突き出す感じで指差していて、まさに「顔も見たくない!」状態なのが伝わってきていいなぁ…って思いました。岡村さんドナのサムに対する嫌悪感が凄く表面上に出るのがめっちゃ好きなんですよ…。可愛い。きっとサムもそんな岡村さんドナを見て、内心可愛いって思ってんだろうなーとか考えちゃいますよね(笑)

DQ。ベッドに倒れ込んだあとにターニャをチラ見してまたプイッと不貞腐れる仕草をやるんですけど、ソワレではそのあとに両腕と両脚をベッドに打ち付けるみたいに何度も跳ねてたのが可愛かったです(笑)陸に打ち上げられた魚をイメージしていただくと分かりやすいかも。あんな感じで、ベッドの上で横たわりながら体をベッドに打ち付けて駄々をこねていたのがすっごく可愛すぎて頭真っ白になりそうでした。あんな可愛い40歳がいてたまるものですか…ええ。どんどん幼児化が進んでいく岡村美南さんドナが愛しくてたまらなかったです。

それで、ソワレは久々の最前列ってこともあってか、DQで心から楽しそうに歌って踊っている岡村美南さんを観ていてなんだか泣きそうになりました。あぁ…この人のこと、本当に好きだなぁ…ってなんかしみじみとしてしまって。こうして舞台に立ち続けてくださっていることが奇跡のようだし、キラキラと輝く姿を観ているのが本当に大好きなので、改めて岡村さんへの愛を再認識した瞬間でした。もうガチ恋オタクなので、どうしようもないです…。

ヴレヴ。竹内くんスカイとのペアダンスは、マチネはじゃんけんしてました。3回勝負していて、あいこ、あいこ、負けという結果でした。岡村さんドナ残念!そしてソワレはちょっと謎だったんですけど、両手を汽車のようにシュシュポポとせわしなく脇腹あたりで回してて、かと思ったら次はその手を脇腹あたりで羽ばたかせて鳥になってました(笑)何してんだろうなぁ…全然伝わってこなかったけど楽しそうだったので良しとします(笑)

飛びますがSlipping。今回も凄く良かったですし、どんどんソフィへの愛情が溢れていっているのが伝わってきました。歌い方がとにかく優しくて語り掛けるようで、でも時々自分だけが取り残されたような寂しさを感じさせて…と凄く聴いていて心が温まると同時に切なくなります。で、やっぱり好きなのは2番の歌詞になってからの岡村美南さんドナの表情です。ウェディングドレスを着たソフィを後ろから座って見つめながら歌うときの岡村さんドナの、娘には絶対に見せられない寂しそうな表情とやるせなさ、後悔が伝わってくる俯きがちな表情が本当にたまらなくて大好きなんです。

今回、ぺーちゃんソフィが凄くパパがいないことの寂しさを感じさせるお芝居をしていただけに、ここの岡村さんドナのやるせない表情はよりグッと来ました。自分が不甲斐ないために、ソフィに寂しい想いをさせてしまったという後悔が凄く感じられました。本当は胸張っていいくらい頑張っていたはずなのに、それでもこの人にこんな悲しい顔をさせてしまうくらい「母親」という立場としての責任って相当大きいんだろうなぁ…っていうのが感じられます。岡村さん自身もドナを演じながらその辺はきっと強く感じられたのではないでしょうか。だからこそお芝居にしっかりそれが感じられるようになったんだと思っています。

でも、だからこそソフィに「誇りに思ってるわ、ママを」と言われて一生懸命泣くのをこらえながら笑う姿が心に響いてしまいます。岡村さんの中でドナのストーリーがしっかり構築されているから、その部分だけを切り取ったお芝居じゃなくてちゃんとストーリー構成がされた上でのお芝居になっているのがよりドナを魅力的にさせているのかもしれません。マジでデビューの頃とは比べ物にならないほど、凄く魅力的なお芝居されるようになったなぁ…って嬉しくなりました。

The Winnerもめっちゃ良かったんですけど、書き出すととまらなくなるので今回は割愛で…。次回のレポのときにしっかり書きたいと思います。

結婚式のブーケトス。マチネはブーケを投げたらちょうどご自身の真上に飛んでしまって、高倉さんターニャが慌てて走ってきてキャッチしていました(笑)岡村さんドナも振り返るときにちょっと前進するのでブーケが当たることもなくて、特に怪我に繋がることとかもなかったので良かったです。ただ、ブーケが予想以上に前のほうに落ちてくるから全速力で走ってきた高倉さんターニャと、同じようにブーケを取ろうと全速力で走ってきた安宅さんアリ&志田さんリサの3人が、岡村さんドナめがけてドドドドとやってきたので迫力が凄くてちょっと笑いそうになりました(笑)

うん、今回はこんな感じかな。もっともっと細かいこと書いていこうと思えば書けるのですが、ちょっと時間もないので部分的に書いていきました。とにかく今回のマチソワも贔屓が可愛すぎてつらかったです…。可愛いは罪ですよ、岡村さん。

あともうこれずーっと前からそうなんですけど、岡村さんって髪の毛が目や顔に引っかかっても取らないんですよ。今回マチソワどっちも顔に髪が引っかかってて、全然取らないからすっごく気になっちゃって観劇に集中できませんでした(笑)お芝居している最中は絶対に髪を払わないという信念があるのか知りませんけど、昔からそうなんですよこれ。ちょっとね、気になるので払ってほしいです(笑)

そんなところも含めて岡村美南さんだとは思っているので、今回もとにかく元気そうなお姿を観られて安心しました。カテコもライブも凄くキラキラしていて素敵でしたし、本当にドナを演じるのピッタリだなぁ…って嬉しくなっちゃいました。残りあと何回観られるんだろうなぁ…3ヶ月後とはいえどんどん千秋楽が近付いているので、それを考えるととても寂しくなってしまいます。でも、だからこそしっかりと今のうちに目に焼き付けておこうと思います…!とりあえず今週も無事に見届けることができて幸せでした!

ソフィ・シェリダン:三平果歩

なんかまた前回からガラッとお芝居の雰囲気が変わったような気がします。より繊細なお芝居をするようになった印象です。特にマチネは本当に繊細すぎて、ひたすらソフィの寂しさが伝わってきました。明るいのは本来の性格だと思うんだけど、その明るさや笑顔の裏に隠された寂しさや悲しさがすっごく見えるお芝居をしていたんです。だから、今回ぺーちゃんソフィを観ていて「マンマの物語における主人公はソフィなんだよなぁ」ということを再認識しました。

ソフィが父親候補を呼んでパパが誰か探してみせる!と意気込んでいる前向きな姿も、結婚式に向けて何もかもが順風満帆な様子も、全部しっかり作中では描かれています。でも同時に父親がいないことで抱いていたであろう寂しさとか温かい家庭への強い憧れとかそういうのって表立っては描かれていなくて、ドナに愛情を注がれて育ってきたっていう部分の裏に隠れちゃってたと思うんです。それが今回、ぺーちゃんソフィのお芝居から見えてきました。ドナを中心にドナの視点から物語は進んでいきますけど、でもドナとドナを取り巻く人々のやりとりってすべてソフィと繋がっているんだな…って。それこそThe Winnerとかは分かりやすい例ですよね。

ぺーちゃんソフィが寂しさを表に出せば出すほど、周りの大人たちの存在ってより重要になってくるんだなって思いました。だってソフィが別にパパいなくたって平気だもん!って心から思っていたら、この作品にダディーズは登場しなくていいわけですから…。なので、今回ぺーちゃんソフィのお芝居を観ていて気付かされたことって凄くたくさんあって、個人的にはマジでぺーちゃんのガラッと変わったお芝居に救われたような気がしています。マチソワともに観れて良かったです。

たとえばサムに子供の性別を聞くときの「女の子?」であったり、ハリーに「娘が欲しかった」と言われたときの「いいわね…」であったり、ビルに「私のパパなの?」と聞いて「そうだと思う」と言われたときの嬉しそうな表情であったり…ダディーズと絡むときのぺーちゃんソフィがとにかく凄く真剣でした。嬉しいんだけどそれを爆発させるように喜んでいる感じではなくて、じわじわと実感が湧いてきたような喜び方をしていました。ここが以前との大きな違いだったと思います。

前は期待に胸を膨らませて飛びつくように勢いづきながら真相に近付こうとしていたんですけど、今回はとにかく不安が喜びに変わる瞬間の表情の移り変わりがすっごくゆったりとしていました。だから、ずっと表には出してこなかった不安や寂しさがあまりにも大部分を占めていたためか、ようやくパパに会えたっていうことへの実感がすぐには湧かなかったのかもしれません。そういうのを今回ぺーちゃんソフィを観ながら感じていました。

それもあってなのか、2幕のお芝居も本当に落ち着いたトーンというか…ヒステリックになるというよりも頭が真っ白になって何も考えられない状況になっていることが多かったです。それこそ朝方のドナとのシーンも「分からない…」と本当に状況が読み込めてないみたいで1テンポ遅れるくらいの遅さで返事していたり、スカイに父親候補3人を結婚式に招待したことを打ち明けるシーンでもすがるような思いで必死に訴えつつ、スカイに反論されたら鈍器で殴られたような衝撃を受けて凄く弱々しい声になったり…。自分に次々と降りかかってくる不安や寂しさがどんどん自分を飲み込んでいって、負のスパイラルから抜け出せないかのような感じがしました。

特に2幕はパパがいないことの寂しさ、それをドナにぶつけてしまったりスカイに理解してもらえなかったり…と踏んだり蹴ったりです。ソフィの中でどんどん寂しさや不安が大きくなっていきます。でも、だからこそ最終的に「誰が本当のパパかは気にしない」という結論に至るソフィの心境の変化が凄くグッと来ました。

ソワレのSlippingではボロ泣きで涙がぽたぽた零れていましたし、ソフィにとっていかにドナから受けた愛情が尊いものだったかを凄く実感していたのかな…と思います。今までここのシーンでのぺーちゃんソフィは「やっぱりママが大好き!ママ最高!」っていう意味合いでの「誇りに思ってるわ、ママを」に聴こえたんですけど、今回はたくさんの不安や悲しみ、寂しさをずっと抱いていた中で、どれだけママが私を愛してくれていて大切に育ててくれていたのかがようやく理解できて、それを実感して溢れ出てきた嬉しさ、喜びを伝えるという意味合いの「誇りに思ってるわ、ママを」に聴こえました。なのでなんかとてもグッと来てしまいました。この子はママがいれば平気な子なんかじゃなかったんだな…って、とても衝撃を受けてしまったんです。

そういう意味でもマンマにおけるソフィの立ち位置や印象って非常に重要だと再認識しましたし、パパがいないことの寂しさやコンプレックスを、ママからたくさん受けていた愛情に気付くことで昇華させていくっていう…娘としての親孝行?が凄く美しいなと感じました。今回ぺーちゃんソフィのお芝居がガラッと変わったことでここまでソフィに対する感じ方が変わるものか…と我ながら驚いていますが、本当に色んなことを気付かせてくれたし感じさせてもらえました。マジで観に来れて良かったです。

あ、あとこれ絶対書きたいと思っていたのがソワレの2幕の朝方のシーンで言う「まやかし…?どういう意味?まやかしって」の言い方です。今までは「えっ?」て感じで驚きつつ懐疑的に言っていたんですけど、今回はちょっと笑いがこもったような言い方をしていたのがゾッとしました。「何言ってるの?笑」「嘘だよね?笑」みたいな、信じられないと思ったことに対して思わず笑っちゃう瞬間ってあるじゃないですか。まさにその言い方でした。一気にドナに対する不信感が募っていったのが凄く感じられて、結構ドキッとしてしまいました。ぺーちゃん、マジで今回は色んな場面でお芝居がリアルになっちゃってて本当に凄すぎましたわ…。

一方でマチネの結婚式のシーンでは、ドナがサムからのプロポーズを受けて一旦後ろに捌けたときにみんなで喜びを分かち合っている最中ハンドコさんエディに対してなんか吹きかけられたのか凄く怒っていたぺーちゃんソフィを観測しました(笑)それでハンドコさんエディが逃げるようにして自分の席に戻っていったので、多分ドナが男にだらしないことだったり自分がかつてドナと関係を持っていたことだったりを言ったのかなぁ…なんて想像してます。こういう同世代の男の子たちとのわちゃわちゃしたやりとりは観ていてとても安心しました。今回はかなりシリアスな部分が目立っていたから、明るく報われるぺーちゃんソフィを最後に見届けられて良かったです。

そんな感じで今回はぺーちゃんソフィのお芝居にひたすら釘付けになったマチソワ観劇となりました。本当にぺーちゃんのお芝居がすっごくリアルで深くて、色んな発見があって楽しかったです。もちろん太陽みたいに明るい部分もたくさんあって可愛かったですし、観れば観るほどぺーちゃんに対する愛情が増大していきます。本当に凄い俳優さんだと思いました。とにかく元気そうだしコンディションもかなり良かったのでとても安心しました!

サム・カーマイケル:阿久津陽一郎

毎回阿久津さんのお芝居は素晴らしいんですけど、今回も阿久津さんのお芝居が凄く良かったです。良かったというか面白かった?なんかとにかく阿久津さんワールド全開すぎて、笑いをこらえるのが大変でした(笑)

マチネはThank You~でソフィに対して、ドナにかつて「顔も見たくない」と言われたことを打ち明けるシーンでのお芝居が非常にリアリティあって良かったです。1つ1つ絞り出すみたいに、思い出したくない…というか言いたくないことを打ち明ける気まずさのようなものを凄く感じました。たどたどしくて自信がなくて、それが逆に明るいぺーちゃんソフィとの対比に繋がって、よりぺーちゃんソフィの強引さを引き出してもいたと思います。

そうやって自信なさげに見せときつつ、いざドナと再会したらめっちゃ嬉しそうな顔してて、すげえドナのこと好きじゃん!ってツッコミを心の中で入れてしまいました。ママミアで「部屋のお手入れとか、色々あるから!」と逃げていくようにバーを出ていったドナを見送って振り返ったときの阿久津さんサムの嬉しそうな顔と、謎の両手ゲッツのポーズがとても愛しかったです(笑)

で、マチネもソワレもどっちもだったと思うんですけど、特にソワレかな?ヴレヴでソフィを呼び出して「僕がここに呼ばれた理由が分かったよ!」と言い出すところの阿久津さんサムがマージでめっちゃうるさすぎて笑いました(笑)いつも大概うるさいしやかましいですけど、今回は特にやかましくて凄く興奮している感じが伝わってきました。自分がソフィの父親だと気付いたことで、そりゃドナとも話をする口実を見つけられたわけですし、何より愛するドナとの間に生まれた子供が目の前にいるかもしれないって分かったらまあ興奮はしますよね。あの阿久津さんサムならなおさら(笑)もうなんていうか、今回の阿久津さんサムはひたすら単純で純粋だったんです。それがすっごく面白くて、お芝居がとってもイキイキしていて最高でした。

そういうコミカルな一面が光ってはいたんですけど、一方でソワレではブーケトスの際に高倉さんターニャがブーケをキャッチしていてみんながわちゃついていた間にさりげなく岡村さんドナの肩に腕を回して、抱いていたのがすっごくかっこよくてキュンとなりました。いつもここって岡村さんドナが阿久津さんサムの腕に自身の腕を回しているんですけど、こうやって肩を抱いて寄り添っているサムドナは凄く珍しかったので良いものを観たような得した気分です。阿久津さんサムの男らしさと岡村さんドナの愛されてる感じ、そしてサムドナの親密さが感じられた瞬間でとてもほっこりしました。ぜひそのまま岡村さんドナのことお姫様抱っこしません…!?

とにかくマチネもソワレも阿久津さんのシリアスなお芝居であったりコミカルなお芝居であったり男らしい一面であったり、色んな姿を堪能できて楽しかったです。前回のレポで阿久津さんサムのお芝居がヤバかった…という語彙力ない感想を書いていましたけど、やっぱり阿久津さんって自分の見せ方も相手の引き立て方も凄く分かっているしアプローチが上手だなと再認識しました。長年サムを演じ続けているだけありますね。細部におけるところまでお芝居の説得力が凄いし、阿久津さんらしさは残りつつもサムのバックボーンがしっかり見えてくるわけです。それがマジで凄いな…と思いました。とても抽象的な感想で申し訳ない…!要は阿久津さんは凄いぞってことを伝えたかったレポです!

>>次からは濃厚なみなぺーレポ!

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