2022年7月29日マチネ 劇団四季『ノートルダムの鐘』@横浜




ノートルダムの鐘
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キャストの感想

キャストの感想です!

カジモド:飯田達郎

私が達郎さんカジモドを観るのは2019年9月22日以来です。本当に久しぶりだったので、懐かしさと同時にそういえばこんなだったっけ~と新鮮な瞬間もあったりして終始目が離せませんでした。とにかく達郎さんのカジモドを演じるうえでの解釈が凄すぎて、どこを切り取ってもちゃんとカジモドとして生きているのが伝わってきてただただ凄かったです。

達郎さんカジは障害が一層強く、物事を考えたりするのに体を動かさないと理解ができないというか、そうやって理解していくタイプのカジモドなんだろうなと思いました。手の動きがとても多くて、耳も聞こえにくく目もちょっと見づらいところあるからボディランゲージを頼りに他人と関わっていき、自分の考えや思いを伝えてくれます。それはときに幼くも見えるけど、同時に凄く優しくて繊細で、純粋ゆえに彼と関わっていく人たちの心が絆されていくんですよね。今回はこのボディランゲージによって泣かされた瞬間がたくさんあったし、達郎さんカジの健気さに泣かされました。

そして達郎さんカジモドの魅力は他にもあって、それが現実世界と彼の夢見る世界とのギャップの演じ方です。ガーゴイルと話したりOTだったり、自分の世界に入り浸って他人が介入しない時間は達郎さんカジは凄く滑らかに喋ったり歌ったりするんです。そしてフロローやエスメ、その他の人たちがいる場所ではしわがれた声になって現実のカジモドとして存在します。達郎さんカジはこの声の使い分けがとっても上手。観ている私たちも、今カジモドが見ているのは自分の描く世界なのか現実世界なのかがはっきりと分かるので凄く物語に没頭しやすかったです。

この辺は以前から変わっていないポイントだったので、今回観ていて「そうそう、達郎さんってこういうカジモドだったよね!」と懐かしくなりました。達郎さんのカジモドの解釈、本当に好き…。

フロローとの関係性については、万寿夫さんフロローがとても気性の荒い怖い人なので結構あからさまにビクビクしていました。常にご主人様の顔色をうかがいながら言動に気を付けている印象があって、ご主人様の言うことがすべてだと肯定的に捉えるというよりは内心そんなことは絶対ないって思っているところはありそう。それを表に出せないだけで、恐怖心を植え付けられているから本当の自分の気持ちが隠れてしまっているだけで、達郎さんカジはフロローに対しても窮屈さを感じていそうだなぁ…というのをなんとなく感じました。

特に印象に残ったのが奇跡御殿でフロローが襲撃してきたときに、フロローが「カジモド、お前には酷くガッカリしたよ!」って言うところで、達郎さんカジが許しを乞うように両手を合わせて指を組みながらごめんなさいってやっていた仕草です。怒られるって分かってるんだよね、フロローがどんなことを考えているのかちゃんと理解しているから、今まではご機嫌をうかがうように接していたけど、そうもいかなくなってあんな風に許しを乞おうとしていたのかな…と思うと胸が痛みました。

とにかく抑圧されていて自由など奪われていて、でもいざ自由を手に入れようものなら周りからは迫害を受け、ただひたすらに切なかったです。でも普段からのフラストレーションも溜まってか、怒り狂った達郎さんカジがフロローを投げ飛ばす瞬間はもはや怪物そのもので、目を大きく見開いて悦びを感じているかのように笑っていたのがあまりにも恐ろしくて鳥肌立っちゃいましたね…。あそこまであからさまに人を殺めることに快感を覚えるような表情をしていると、さすがに狂気でした。

大切な大切なエスメラルダを奪われたっていうことに対する怒りから来たんだとは思いますけど、それと同時にこれまでの募り積もったご主人様に対する怒りがさらに彼を狂わせたような印象を受けました。カッとなって衝動的に、怪物となり果ててしまった…。万寿夫さんフロローとの組み合わせによって2人の上下関係がとても分かりやすかったので、今回のカジモドの変化は非常に納得できました。

そしてエスメラルダとの関係性。これはもう岡村美南さんエスメと長年組んできただけあって、2人の息もピッタリだし2人だからこその空気感も感じられて、最っ高でした。なんとなくですけど、岡村さんも達郎さんが帰ってきてくれたの嬉しかったんじゃないかなーって。いつも以上にカジモドのことを気にかけていた印象あったので、作中のエスメとどことなくリンクするところがあって、とても良かったです。

TOTWを含む鐘撞き堂でのシーンは本当に素敵でした。お互い距離をはかりかねていたところからどんどん距離を詰めていくまでの過程がすっごく素敵なんです。「でも、冬は寒い」っておどけたことを言ったらエスメが笑ってくれたから、達郎さんカジも安心したように声を出して笑っていました。あ、彼女のことは信じていいんだ…って、他の人とは違うんだ…って。自分を肯定してくれる優しいエスメに、一気に心を開いた達郎さんカジが嬉しそうに「ここからは何でも見える!」ってはしゃいで飛び出していったのも可愛かったです。

で、「私、高いとこダメなの!」って怯えるエスメを抱き上げて避難させてあげた達郎さんカジが、なんでそんなことをしたんだとでもいうように自分の手を叩いていたのが印象的でした。達郎さんカジは教えに背くことをしたり自分がやっちゃいけないと思うようなことをしたときに、自戒の意味も込めて自分の手を叩くんです。まさかここでもエスメを助けたことに対して自分の手を叩くなんて…と思ってしまったのですが、エスメに「ありがとう、力持ちなのね」と言われて照れ笑いする達郎さんカジが可愛くてキュンとなりました。

TOTWでは街を見渡すエスメに向かって街を指さしてほらほら…みたいにやっていたら、岡村さんエスメがそれを見て優しそうにうんうん頷いてくれて、そのままじーっと達郎さんカジを愛しそうに見つめていたので思わず達郎さんカジが目を逸らしてしまっていたのが可愛かったです。それから意を決してエスメとの距離を縮めようとエスメをからかってみたりして驚くエスメの反応を見て手を叩いて笑って、どんどん彼女との距離が縮まっていくことに喜びを感じていた達郎さんカジがとにかく無邪気でした。

で、一番良!!!ってなったのが手すりに乗って2人で向かい合うシーン。「2人でいる」のジェスチャーは控えめな感じだったので岡村さんエスメは真似していませんでしたが、そのあと見つめ合って笑い合って舞い上がった達郎さんカジが、手すりに捕まったままの岡村さんエスメの手を離すようにほらほらって両手ブンブンして促していました。カジからの煽りを受けて岡村さんエスメも手を離すという流れになったので、エスメが突如手を離すっていう行為にめっちゃ説得力がありました。高いところ苦手なエスメが、カジモドを信じて両手を離すっていう流れ、本当に最高だったんです。達郎さんカジと岡村さんエスメの雰囲気、ほんっとに最高でした…!

そんなエスメとの素敵な時間を過ごした達郎さんカジにとって、「奇跡求めて」のシーンはとてもつらかったでしょう。エスメがフィーバスの想いに応える姿を見て、階段を上った達郎さんカジは何度も涙を流してその涙を両手で拭いながら涙声で歌っていました。そしてエスメからもらった魔除けを大事そうに握り締めて、エスメに手を伸ばして彼女の名前を呼んでいました。こんなつらそうな達郎さんカジを観ているだけでこちらまで涙が出てきてしまいそうになり、とても苦しかったです。カジにとってエスメがどれだけ愛しい存在だったのかを痛感しました。

MOSはラストの「心」は出だしは掠れてしまったのですが、だんだんと声が出て音程が合うようになって最後は絶唱するような形で歌い切っていてさすがでした。「閉ざして」のロングトーンは途中で声が切れてしまったんですけど、やっぱり達郎さんカジのMOSの迫力は健在でした。久々に歌声を聴いてこれこれ~!となったので、とても良かったです。

そしてエスメを救出して鐘撞き堂に2人戻れたシーン。健気にエスメを元気づけようとする達郎さんカジですが、エスメが「あなたは…本当に素敵な友達よ、カジモド」と言いながら寄り掛かってきたら優しく頭をぽんぽんと撫でていたのがとても素敵でした。それから息を引き取ったエスメの手をぽんぽんと何度も叩いて名前を呼んで、彼女が死んだことを理解する達郎さんカジ。

驚きと悲しみに満ち溢れながら、やってきたフロローに対して怒りと憎しみを覚える表情をしていました。でもエスメに視線を戻せば、彼女への愛しさと悲しみとでいっぱいになり、何度も頭を撫でてあげて足をさすってあげていました。火炙りにされて痛かったであろう足を痛ましそうに見つめながら。そういえば達郎さんカジってこういうお芝居する人だったっていうのを思い出して胸が苦しくなりました。

怒りに任せてフロローを投げ飛ばした直後、エスメとフロローの亡骸を見つめて声を上げて泣いていた達郎さんカジ。「2人とも死んでしまった…」と言うときに、左手の指を2本立てて右手でその指を隠すように折っていて、手で2人がいなくなってしまったことを表現していたのがとっても細かくてビックリしました。達郎さんカジは本当にこういうところ上手くて感心してしまいます。

それから自分の頭を何度も叩いてフィーバスの元へと向かい、一度はためらうも意を決して手を伸ばしてフィーバスの頭を撫でてあげて、エスメを抱き上げる達郎さんカジ。彼女を抱き上げたらフィーバスに向かって微笑んでいたのが印象的でした。「あとは僕に任せな」とでもいうように。

広場にエスメの亡骸を横たえ、また何度も彼女の頭を撫でる達郎さんカジ。すると市民が近づいてきて、身を乗り出して彼女を守ろうとしていて、顔を汚していく市民たちを驚くように見ていました。なんかこのとき、ふと「大事に守る花嫁のように」というフレーズが頭をよぎったんです。達郎さんカジにとって彼女はまさに花嫁のように大事に守りたい存在だったのかもしれないな…って。優しさの塊のような愛情表現がとっても際立つので、観るたびに泣かされてしまいます。歌い出すフロリカを見つめるのも達郎さんカジならではですよね。お母さんの歌声が聞こえるとともに旅立っていくエスメ。この3人の関係性というか物語性が凄く感じられるのが凄く好きだなと改めて思いました。

そしてカジモドから役を下りる瞬間、「粉々に…」と言った直後のパァァ…と散っていく仕草と共に目をそっと閉じてふぅ…と呼吸するような達郎さんの表情に魅せられました。それから衣装を脱いで丸めたときに、その丸めた衣装をポンポンと撫でていたのが印象的で、一緒にカジモドとして生きてくれてありがとうと言っているかのようでした。達郎さん、ほんとこういうところ好きなんですよ…。あぁ、好きだな…と改めて感じたポイントがたくさんあって、観れて本当に良かったです。

最後全員で歌う「響け鐘よノートルダム」のところはもう泣き叫ぶかのように歌っていて、達郎さんにとってこの作品がいかに大切でこの公演にどれだけの想いをかけていらっしゃったのかが伝わってきてとっても胸打たれました。やっぱり達郎さんのカジモドが大好きだし、達郎さんのお芝居が大好きだと感じた観劇でした。観れて良かったとしか言いようがないくらい、とても素晴らしい公演でした。こんな素敵な公演に立ち会えて心から幸せです。ピンチヒッターとはいえ、戻ってきてくださって本当に本当にありがとうございました!

フロロー:野中万寿夫

今回の万寿夫さんフロローもめちゃくちゃ激アツでビックリしました。達郎さんが戻ってきたからなのかな?それは関係ないかもしれないけど、カジモドに対するお芝居が本当に怖くてビックリ…。声の荒げ方が異常すぎて、トプシー終わったあとカジモドに言う「もう外に二度と出るな」の「出るな」がめちゃ強めの言い方だったので私もビックリ。一喝するかのような言い方で、カジモドをりつけていた万寿夫さんフロローの厳しい目つきと声に縮こまってしまいそうになりました。

達郎さんカジに対する当たりが強すぎて、達郎さんカジも本当に怯えていたんですよね。もう下等な人間に対する嫌悪感でいっぱいな万寿夫さんフロローのあからさますぎる態度は観ているこっちまで胸くそ悪いです。ジェアンに「俺の子だ!」って言われていなければ、きっとカジモドのことも投げ捨てていただろうに…。嫌々育ててきたかのような部分も感じられて、今回の万寿夫さんフロローは本当に冷たくて心がキュッとなってしまいそうでした。

一方でエスメラルダに対する欲深さも恐ろしく、ヘルファイヤーで無意識に手を伸ばそうとして慌てて自分で自分の手を抑えつけるということをする万寿夫さんフロローが印象的でした。前々からやっていた仕草の一つではありますけど、自分の欲に抗えずにそれでもなんとか自分を律しようとしている葛藤の姿がとても醜く映って、もう終盤には完全に自分の欲に正直になってしまう堕落した人間と化していたのも印象深かったです。アレンジの利かせ方も含めて、めちゃくちゃ鳥肌の立つ激アツなヘルファイヤーでした。

そしてバスティーユでの万寿夫さんフロローのお芝居は前回に引き続き圧巻でした。緩急のつけ方と間の取り方があまりにも素晴らしすぎて、本当に哀れ。エスメに「あなたは本当に怪物ね」と言われたときに言う「違うんだエスメラルダ…!」の言い方も必死に言い訳しているようで、エスメに拒絶されてしばらく間を置いてから「…私にかけられた呪い、それは私が本当に人間であるということだ…」と言うんですけど、この間の置き方が本当に良いんです。もう誰にも縋れないしただただ弱い自分をさらけ出すことしかできないフロローの哀れっぷりが、万寿夫さんのお芝居ですっごく表現されていました。

「哀れんでくれ…私は自分を見捨てた……」の言い方も弱者が必死に縋ろうとしている感じそのもので、これまで万寿夫さんフロローが見下してきた下等な人たちとやっていることが一緒なんですよ…。散々弱者をいじめてきて見下してきたからこそ、ここの弱さをひけらかす万寿夫さんフロローのお芝居はより一層醜さが強調されていて凄く良いなと思いました。村さんフロローを経て万寿夫さんフロローの魅力にたくさん気付けたので、こうして再び観られて良かったです。

とにかく今回の万寿夫さんフロローはパワフルでした。強弱が激しいので、フロローの醜さが凄く際立って悪役として抜群の存在感を出していました。達郎さんカジとの掛け合いもとっても良かったです。堪能できて嬉しかったです!

エスメラルダ:岡村美南

今回もとっても良いお芝居でした。何度も書いていますが、達郎さんカジが来たことによって岡村さんエスメのお芝居も変わったポイントが結構あって凄く観ていて面白かったです。カジモドに対する目線がね、いつも以上に注意深く見ているというか…。久々に戻ってきた達郎さんカジをフォローするとかそういうことではないですけど、そっと優しく見守るようにして見ていたのが凄く印象的でした。

たとえばトプシーでカジが王様に選ばれたとき、クロパンが「さぁ、みん、な、で」と歌う最後のほうで達郎さんカジがエスメを振り返ったので、岡村さんエスメも達郎さんカジをじーっと見ていて…。いつもここって「年に一度の祭りだ…」ってみんなが歌い始めると周りをきょろきょろ見るんですけど、今回はずーっと達郎さんカジのことを見ていました。それからしばらくしてようやく周りに目を向けて、不審そうな顔をしていました。こんなにもカジモドを気にかけていて、岡村さんエスメのお姉さんっぷりが凄く出ていて良かったです。

また、TOTWは達郎さんカジの感想のところでガッツリ書いちゃったので割愛しますけど、達郎さんカジ相手にする岡村さんエスメの楽しそうな表情は本当に素敵。いつも以上にお姉さんっぷりが発揮されていたし、本当に「友達」という言葉が適切な対等な関係性に見えました。達郎さんと普段から仲が良いことも影響しているのか、私が先入観でそう見えているだけなのかは分かりませんが、やっぱり達郎さんカジ相手だからこその空気感みたいなものは少なからずあったと思います。とってもTOTWは尊かったです…。

で、バスティーユのシーン。相変わらず光田さんフィーバス相手に自然と上目遣いになってしまう岡村さんエスメが可愛すぎてしんどかった…。オペラグラスを装着して堪能していたんですけど、こんなにも切ないシーンなのに、あまりにも岡村さんエスメが可愛すぎてキュンキュンしちゃいました。上目遣い&いじける顔はずるいでしょ…。もう赤ちゃんかな…って思っちゃうくらいに幼い顔していて、ずーっとお姉さんみたいな表情していたからそのギャップにやられて記憶全部吹っ飛びました。本当に可愛い…。この上目遣い観るだけでチケット代払った価値があります…。

で、今回気まぐれなのか意図的になのかは分かりませんが、Somedayの歌い方が変わった箇所があってビックリしました。冒頭の「正義の夜明けが~」のところが変わったんですけどこれはさすがに言葉では説明ができん(笑)ちょっと詩人みたいな歌い方でしたね(?)でもその場の感情によって生まれた歌い方だと思うので、エスメの感情がしっかりとこもった歌声になっていて良かったです。

でもSomedayを歌うときの岡村さんエスメ、なんだかもうやるせない感じが出ていて、絶望しながら希望の歌を歌っている印象があって観るのが毎度つらいです。目から光が消えるというか、抗えない現実にただひたすらに絶望していて、泣くことすらももう諦めてしまったような佇まいなのが凄く良いなと思いました。無償の愛を捧げられるほど聖母ではなく、彼女も自分のことで必死な少女なんだよな…って。そんな中でフィーバスの存在がどれだけ彼女の心を救ってくれたんだろう…と思うと、胸がキュッとなりました。

光田さんフィーバスの優しく包み込んでくれるような歌声と視線は、岡村さんエスメが甘えられる唯一の癒しだったんだろうなぁ…とも思います。今回観ていて、光田さんフィーバスとの組み合わせも凄くアリだなと思って。岡村さんエスメが心を許して甘えることができる相手なんだなって感じました。なんだか今期は組み合わせが豊作ですね…。凄く色んな発見や出会いがあって、観るの楽しくて仕方ないです。

そして、火炙りのシーンは万寿夫さんフロローに囁かれてツバを吐いてやったあと凄く絶望したような顔をしていたのが印象的でした。とことんフロロー嫌いなのが如実で良いです。光田さんフィーバスが来たことによって甘えることを覚える岡村さんエスメが観られるようになったので、カジフロフィー3人に向ける表情がどれも違うの凄く分かりやすくなっていいなーって思いました。本当に多面的なエスメラルダになっています。組み合わせ次第でこんなにも印象変わるんだから面白いですね。

今回はとにかく達郎さんカジとの絡みが楽しみだったので、2人ならではの関係性は健在だったし、岡村さんエスメが本当に達郎さんカジを温かく見守っていたのが素敵でした。いつも以上にお姉さんみたいな岡村さんエスメを観られて嬉しかったです。そして岡村さん自身も元気そうに舞台に立たれていて安心しました。やっぱり贔屓の元気そうな姿を観るのが一番の健康法です。とっても素晴らしいお芝居をありがとうございました!今回も最高でした!

フィーバス:光田健一

2回目の光田さんフィーバス、初見のときよりも冷静に観ることができたので、なんだかとても良いな~となりました。前回観たときは、前々回観た神永さんフィーバスとのテンションの違いとか色々ビックリしちゃって光田さんフィーバス凄く落ち着いている……って思ったんですけど、今回観たら落ち着いているというか凄く色んなことを考えてどうするのが最善なのか理解したうえで行動できるとても頭の良い大人なフィーバスなんだな…って感じました。

別にすべての事柄に無関心なわけではなくて、内に秘めている想いはとても熱いフィーバスなんだろうなって思います。大人だからこそ感情をあえて表に出さない。常に心に余裕を持っておきたいというか、それは戦場でのお仕事のこともあって余裕のない生き方をすることが怖くて仕方ないんだろうなとも思いました。戦場のお仕事に対するトラウマは相当大きいことも今回の観劇で感じられましたし、そのトラウマを克服したいがためにあえて明るく装っている感じがすっごく伝わってきて良かったです。でも女慣れとしてるというか素で女タラシな感じもあって、天然ものの色男や…ってなりましたよね。たくさん経験を積んでいる男って感じです。

特に息抜きでの女の子たちを誘う仕草はどれも自然すぎて、本当に惚れる…。めちゃくちゃかっこいいです。チャラいっていうのとは違うんですよね…、誠実だけど凄く女慣れしてるっていう不思議さ。ひたすらかっこいいなと思いました。そしてとても甘い歌声で高音も軽やかに歌い上げてしまう感じがすっごく好きです。光田さんフィーバス、ひたすら歌が上手いです。凄く好き。

そんな光田さんフィーバスがエスメラルダに惚れ込み、彼女だけを一途に愛したいと決める姿にも今回はとても説得力を感じられました。相変わらず頬擦りの仕方が色っぽすぎてドキドキしてしまいますが、エスメへの愛情表現として1ミリたりとも離れたくないという気持ちが伝わってきて凄く良かったです。特に処刑前のエスメとの抱擁を引き剥がされるときの光田さんフィーバスの悔しそうな顔が何度観てもたまりません。彼女を離したくない、守りたいという気持ちが凄く伝わってきてグッと来ました。

あと印象的だったのが、クロパンによって救い出されてから歌う「パリの人々よ~」の呼びかけかな。市民たちの顔を見ながら微笑んで歌っていたのがめちゃくちゃかっこよくてビックリしました。情に訴えるように泣き叫ぶようにして歌う神永さんフィーバスとはあまりにも対照的で、まさに希望を与えてくれるような微笑みで市民に呼び掛けていたので、心を動かされずにはいられなかったです。エスメの希望を受け継いでこのように訴えてくれるんだ…と新しい解釈を与えてもらいました。

光田さんフィーバスのお芝居は観れば観るほど「そういうことか」と気付かされることが多いような気がしていて、沼りそうです。本当にかっこよすぎてたまらんのですわ…。岡村さんエスメとの声の相性も凄く良かったので、ハモったときの声の重なり方もとっても素敵でした。

今回は光田さんフィーバスをたっぷりと堪能できて嬉しかったです。お芝居の解釈が好きだなと思うポイントが増えたので、光田さんフィーバスのこともより好きになれた観劇でした!

まとめ

めちゃくちゃ長くなってすみませんでした…。達郎さんカジがとにかく素敵だったということが伝わればそれで良いです。元々達郎さんカジは大好きでしたけど、こうして色んな人のカジモドを観てきて自分の中で解釈が深まってきたタイミングで再び観ることができたので、本当に感無量でした。

もうカテコで登場してくる達郎さんがとにかく救世主みたいで最高にかっこよかったんですよ…。戻ってきてくれたことの嬉しさもあったし、こんなにも素晴らしいお芝居を見せてくれたことへの喜びもあったし、改めて達郎さんカジが大好きだなと感じた観劇になりました。

そしてそんな達郎さんカジに愛された岡村さんエスメ、今回も素晴らしかったです。達郎さんカジが来たことで変わった部分もたくさんあったし、なんだか今回の岡村さんエスメはお芝居全体を通してとっても新鮮でした。凄く良かった…。

仲良いかどうかはお芝居に大きく影響するわけではないけど、やっぱり長年一緒にお芝居してきただけあって呼吸がピッタリなので、観ているこっちも楽しくて仕方なかったです。今期はもう絶対に実現しない組み合わせだと思っていたので、まさかこうして観られるのがとっても幸運だなと思ってずっとその幸せを噛み締めながら観劇していました。本当に最高の観劇になりました…!

大好きな組み合わせ。2人とも戻ってきてくれてありがとうございました!

そしてありえんくらい長いブログを最後まで読んでくださった皆さん、本当に本当にありがとうございました!

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