2016年12月18日マチネ 劇団四季『ノートルダムの鐘』

ノートルダムの鐘
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ゆうき
ゆうき

早くも初日から1週間…2回目は達郎さんカジモドです!

日時:2016年12月18日マチネ公演
場所:四季劇場[秋]
座席:1階S席11列21番

はじめに

もう初日から1週間経つんですよ…早いですよね。
気付けば2016年も残り2週間くらいです。
そして2回目のノートルダム観劇してきました。
本当は14日観劇だったんですけど体調悪化したので見送りました。

でも、1週間という期間の中で初日の余韻だったり考察をすることが出来たので良かったです。
達郎さんを観たかったのもあったので、達郎さん出演の日に観劇出来て良かったです。
恐ろしいほどに海宝くんと達郎さんで感じ方が凄く変わったのでびっくりしました。
それと同時にこんなにも作品の印象も変わって面白いんだぁ…って思いました。

なので、今回は海宝くんのカジモドと達郎さんのカジモドの感じ方の違いとかを主に書いていきます。
もちろん岡村美南さんについても…。

キャストの感想

気になったキャストの感想を書いています。

カジモド:飯田達郎

ゲネの映像とか見ていてすでに達郎さんはカジモド絶対似合うと思いましたよ…。
いざ観たらもうめちゃくちゃ良くてびっくりしちゃいました。
簡単に言うと、海宝くんのカジモドが陽なら達郎さんのカジモドは陰です。
海宝くんが希望に満ちた明るいカジモドで、達郎さんは闇を抱えるカジモド。
Out Thereを聴いていても思ったけど、やっぱり海宝くんの方が希望に満ちているというかキラキラした感じがある。
海宝くんが持つ爽やかさがそのまま歌にも演技にも現れていて、凄くキラキラしているんです。
一方で達郎さんは2幕からのお芝居が本当に凄くて、特にMade of Stoneがもう…凄い。
声質も達郎さんは太めというか厚めだから、より歌にも重厚さが増すんです。
彼がいかに、背中に背負った重荷に苦しみ悩んでいるのかがジンジン伝わってくるくらい重厚。
抑えられない自分の思いを吐き出すような、力強い歌声は迫力満点でした。
そして何より、達郎さんのカジモドはすっっごく可愛いんです。
幼さがあるというか子供のようなカジモドで、もうめちゃくちゃ可愛いです。
海宝くんほど声をしわがらせていなくて、どちらかというと舌っ足らずみたいな喋り方かな。
また、やっぱり上手く言葉を伝えられないもどかしさから頭を叩いたりもして。
その容赦ない頭の叩き方といい、そのもどかしさにもがきあがいている姿が凄く愛しさ込み上げて。
エスメがフィーバスといい感じになっているのを切なそうに見る表情もどこかキュンとして。
まるでずっと今まで遊んでいてくれたお母さんが別の人と出掛けていっちゃう時の子供のような。
なんとなくね、なんとなくだけど…達郎さんのカジモドはどこかエスメに「子が母に向ける愛情」を抱いていたと思う。
海宝くんが青年になったカジモドなら達郎さんはまだ子供のままのカジモドに感じたから。
だから、海宝くんのエスメに向ける愛情は男女のそれなんだけど、達郎さんはそれに加えて母子のそれもあるように思えました。
そういうのも含めて、やっぱり達郎さんのカジモドは苦悩する姿というのが凄く魅力的なんです。
そして体格的に凄くがっしりされているから、実はカジモドが強いっていうのも凄く視覚的に伝わるし。
最後、体を伸ばしてフロローを威嚇する時に一気にフロローより大きく見えたのがアニメそのままで凄く感動。
でも、そんな強そうなカジモドなんだけど、それと同時に凄く弱さを感じさせるカジモドなんです。
苦悩するというか闇を抱えるイメージが凄く似合うから、より弱さが強調されて。
誰かが守ってあげないとひとりでは立ち上がれないような、本当に子供のような存在でした。
それと気のせいなのかもしれないけど、ガーゴイルたちと話す時だけやや話し方が滑らかになるんですね。
フロローやエスメと話す時は凄く喋りにくそうというか舌っ足らずなのに。
それがよりカジモドの自分の世界と、外の世界との区別がついて面白いなあと思いました。
あとねぇ…やっぱりエスメの最期のシーンの達郎さんのカジモドには泣かされます。
エスメに友達と言われて凄く嬉しそうに喜ぶ姿、そしてエスメが死んだことに絶望する姿。
「エスメラルダ、起きて!」ってまるで母が死んだことを分かっていない子供のように…。
嬉しそうというか、元気にというか…それが余計に切なさを増して胸が苦しくなりました。
本当に全体を通して、達郎さんのカジモドは子供のような無邪気さがあって凄く可愛らしいんです。
全然海宝くんとはタイプが違うからその違いも凄く面白いです。
1幕は海宝くん、2幕は達郎さんで観たい…それくらいまったく真逆なタイプのカジモドでした。

フロロー:芝清道

初日に観た時と全然感じ方が違っていて、凄く驚きました。
カジモドに対する愛情というか、カジモドにしか見せない父親の顔がより優しかったように思います。
初日はもっと冷たいというか、所詮血の繋がっていない子供みたいなよそよそしさがありました。
でも今回の芝さんフロローは本当の我が子のような愛情を注いでいて。
凄く優しさと愛情に溢れていて、本当の親子のようにも思えました。
だから余計にフロローが徳の道を外れていってしまうのが切ないし歪んだ愛情に盲目になっていくのが哀しい。
人に愛されるということを知らなかったから、人の愛し方も歪んでしまって。
なんて可哀想な人なんだろうと思いました。
そういう、決して悪い人ではない…完璧な悪役になりきれていない感じが凄く良かったです。
徳の高い人でありつつも自分の欲を抑えきれない未熟さを兼ね備えてて。
男としての葛藤にもがき苦しんでいる様子がさりげない仕草や台詞の発し方から感じられました。
ただ、やはり前回のブログにも書いたように、フロローの描かれ方がやっぱりまだ浅い。
これ以上わかりやすく、なんて言ったら大人向けの作品ではなくなるけど、もっと掘り下げてほしいな。
彼がどうして、エスメのたった一言でここまで豹変するのか、そういう態度の豹変がどうしても納得出来なくて。
ストーカーじみた狂気的な愛情の表現の仕方は本当に芝さん素晴らしいです。
とにかく、カジモドに向ける父親的な優しい愛情、そしてエスメに向ける狂気的な歪んだ愛情。
そのふたつの愛情がまったくベクトルの違う演技で表情でしっかりと伝わってくるのでマジで鳥肌ものです。

エスメラルダ:岡村美南

美しいとか凄いとか本当にそんな一言で表現出来ないって…。
はまり役、っていう表現すら相応しくないくらい…本当に上手く言葉に出来ない。
でも改めて感じたのが、岡村さんって陽より陰かもしれないということ。
もちろん明るい曲も凄く美しく高らかに強く歌うんだけど、それ以上にバラードが美しいなと。
というより、陰のあるキャラクターを演じるのがとても上手。
キャラクターの悲愴とかそういう負の感情を吐露するナンバーは特に秀でていて。
Somedayから、火炙り、そして最期のシーンの演技は本当に凄い。
まだ他の人も演じてないし、なんとも言えないけど…。
多分岡村さんを超えられる人っていないんじゃないかなぁ…と思っています。
それくらいリアルでぐっと心を惹きつけられるお芝居をされていると改めて感じました。
岡村さんって結構低めで落ち着いた声の方なので、よりそういう演技が活きるんだと思います。
Somedayでは岡村さん自身が涙を目に溜めながら歌うのでその姿にもぐっときて。
今まで気高く…というか女性として強さを見せながら勇敢に生きてきた彼女を1幕で観てきたので。
こうして死を目の前にして泣き崩れ、顔を歪ませる表情にハッとさせられます。
アニタもそうなんだけど、岡村さんが演じるとより女性としての強さが強調されるんですね。
だから、誰かが守ってあげなくてもひとりで生きていけるような…そんな強さを感じるんです。
でも、Somedayからの岡村さんエスメは、ただ手を差し伸べるだけでは立ち上がれず。
しっかりと抱き締めてあげないと、手を繋ぎとめてあげないとどこかへ消え去ってしまいそうな。
そんな弱さを感じさせるんです。
発するたった一言すらも、今にも消え入りそうな弱さや不安を露呈させていて。
それでも最期ではカジモドに笑顔を見せて、彼女の持つ包容力という名の優しさを見せて。
力尽きてしまう…岡村さんが死んでしまう役を演じられるのは初ですけど、本当に凄くいいと思います。
もちろん1幕の明るく力強いエスメラルダも凄く素敵なんだけど。
今回は完全に2幕の弱さを見せるエスメラルダにやられました。
濱田さんが四季に在籍していた頃、よく濱田派と樋口派の対立というか比較というか…そういうのがあったんです。
濱田さんはアイーダやエルファバのような闇を抱える、というかシリアスなお芝居が秀でていて。
麻美ちゃんはソフィやピコのようなとにかく明るく元気なお芝居が秀でていて。
岡村さんは多分濱田さん寄りだと思います。
だけど、濱田さんに似ているとは言わないし、むしろこれまでにいなかったようなタイプだと思いました。
どんな役にもしっかり自分の色を持ちつつそのキャラクターの色に完全に染まってしまえるのが。
多分宮田さんは1幕の元気な頃のエスメが凄く似合うと思う。
両者全然性質の違う方なので、その違いが楽しみなんだけど多分濱田さんと樋口さんみたいなはっきりした違いが出てくると思う。
本当に、本当に…岡村さんがエスメに選ばれる理由がわかった気がしました。
彼女の持つ力強さと包容力はもう天性のものだろうし、ただただ表現者として魅力的だと思います。
カジモド、フロロー、フィーバスと同じく私もエスメラルダに恋をしました。

フィーバス:清水大星

凄く誠実なフィーバスです…とにかく真面目そう。
というか歌が上手すぎて声が美しくて、凄く素敵です。
やっぱりもう少し色気というのは欲しいんだけど、生真面目なフィーバスもいい。
なんかね、アニメでもそうなんだけどもっとフィーバスを掘り下げてほしい。
どうしてあのエスメラルダが惚れたんだろうって正直思うところがある。
勇敢なんだ、彼は凄く。
清水さんの真面目なフィーバスからもそれが凄くひしひしと伝わってくる。
だけど、なんか描かれ方がやや浅いなぁ…と思いました。
でも初日に観た時より清水さんのフィーバス好きだなぁ、と感じました。
やっぱりね、エスメに対する愛というのが凄く慎重かつ丁寧。
抱き締める腕も髪を撫でる指も凄く優しさに溢れていて、大切にしようとするのが伝わってきます。
特に2幕でエスメと共に牢屋に入れられてからの清水さんの演技は素晴らしいです。
美しいフィーバスだな、考えてみれば。

クロパン:阿部よしつぐ

初日のあとにアニメのDVD買って見たら、いやまぁよしつぐさんのクロパンってめっちゃ似合ってるじゃん!となって。
なんかもっとおちゃらけたイメージあったけど、凄くアニメそっくりで良かったです。
陰のあるクロパンでありながら今を一生懸命、しかし楽観的に生きようとする感じが凄く良い。
凄く仲間思いなリーダー姿がなんかアンジョルラスに見えなくもないけど…(笑)
狭い小道をひょろひょろと通り抜けられるような猫のような俊敏さと気まぐれさを持ち併せたクロパン。
2回目にしてよしつぐさんのクロパンかなり完成度高いこと気付けて凄く興奮しました。

まとめ

今回は2回目というのもあってか、カジモドが変わったからなのか…かなり全体的に感じ方が違いました。
より理解出来たのもあるし、より作品の深みを感じることが出来て。
多分、カジモドが変わるだけでもこんなに作品の色って変わるんだな…と思いました。

そして席の関係もあるのかな。
初日は2階の最前っていう凄く観やすい席でした。
今回は1階の11列で全体を観るのには最適だったんです。
どちらも舞台からの距離的には変わらないと思うんだけど、やはり階の違いって結構大きいなと思いました。
2階はどうしても俯瞰で観るので、感情移入がしにくいというのもややあるかも。
演者の目線が自分よりも下を向いているために、まるで外から眺めているかのような感覚もありました。
だから前回、物語の進行が早く感じたりして冷静に観れた部分もあったんだと思います。
でも1階になると演者と同じ目線というか、決して俯瞰するように観ることがないから感情移入しやすくて。
舞台の奥行を利用した演出もやっぱり1階の方が観やすかったです。
また、全体を見渡せる席だからエスメラルダだけに集中することもなくて。
ノートルダム大聖堂という大きな舞台の中にエスメラルダが溶け込んでいるようで、凄くすんなり観れました。
その分表情はやっぱり細かいところまでしっかり観れないのだけどね。
この作品においてはこうやって全体を見渡せる席って凄くいいと思います。
舞台の上の方までクワイヤを組み込んだ、全体を使った世界観なので本当にこの辺の席はおすすめです。

そして、今回はカジモドについてもう少し。
先ほども、海宝くんが陽なら達郎さんは陰だと言いました。
それくらい印象がまったく違うカジモドなんですけど、設定すらも違うようなイメージでした。
海宝くんのカジモドは「造られた怪物」、そして達郎さんのカジモドは「生まれながらの怪物」。
海宝くんのカジモドは今の自分に不満を持っていて、楽しいとか嬉しいという感情があまりなくて。
でもエスメに恋をしたことで今の自分を受け入れつつ生きる楽しさを見出していく感じ。
言ってみれば、「美女と野獣」のビーストのようなイメージです。
元々は人間だったのだけど、醜い姿に変えられてしまって、そんな今の自分に不満があって。
それでもこんな自分を受け入れてくれる人と出会って、前向きに生きていこうとする。
だから、最初は負の感情というか雰囲気で包まれていたところから希望を見出していく。
つまり、陽なんです。
そして、まるでビーストのように「造られた怪物」…「醜くされてしまった人間」といった方がいいかな。

一方で達郎さんのカジモドは今の自分に不満すら持っていなくて。
持っていないというより、今の自分を分かっていないというのが正しいのかな。
子供みたいだから理解する力が弱くて、すんなりと今の自分を受け入れてる。
何もかもを心から楽しんでいる感じ。
フロローとの会話も、道化の祭りを眺めるのも、ガーゴイルと話すのも。
エスメに対しても一種の憧れも混じったような恋を抱いて、とにかく何一つ不満がない。
だけど、だんだんと自分がいかに醜くて無力なのかを思い知らされていく。
そうやってだんだんと自分という存在、そして周りの人間たちに悩まされていく。
それが陰であり、生まれながらの怪物らしさを感じさせました。

この解釈の違いには、芝さんのフロローの演じ方の違いも大きく関係していくと思います。
初日はどこかよそよそしさというか冷たさもあったから、カジモドが今の自分を受け入れられないことも納得出来た。
でも今回は本当の親子のように優しく温かく接していたから、カジモドも今の自分に不満を抱いていなかったのかな。
そんな感じで、凄くカジモドの印象が違って面白かったです。

あと、カジモドにとってエスメラルダってただ好きな女の子ではなないんだな…と。
Heaven’s Lightの「好きになってくれたのかな」やFlight into Egyptの「大事に守る花嫁のように」という歌詞。
これらから、いかにエスメラルダを好きで大切に想っているのかが分かってキュンとするんです。
でも、幸せにするんじゃなくて、大事に守ってあげたい存在なんだ…と思いました。
彼は強いから、エスメラルダを守ってあげたいというそんな彼らしい愛情を向けているような気がして。
凄く可愛いな…と思いました。
本当ね、カジモドに感情移入しすぎちゃうからキュンキュンするし切ないし…。
彼の恋が報われてほしかったな…なんて思います。

そんな感じで、今回は特にカジモドを意識しながら観ていたので新たな発見とかがたくさんありました。
もちろん岡村さんのエスメラルダも素敵で、やっぱり彼女が出てる時はエスメばかり観てるんですけど(笑)
やっぱりね、カジモドを通して観る世界観と、フロローを通して観る世界観って絶対違うから。
エスメラルダ単体ではなく、誰かの目線を通して物語を観ていくと別の発見や感じ方があるので凄く楽しいです。
そしてそれによっていかにエスメラルダが魅惑的な女性なのかということも知れる。
凄く深い作品だと思います。

次は21日観劇なので、達郎さん×岡村さんです。
また色々感じることが出来たらいいな。

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