2021年8月9日マチネ 劇団四季『オペラ座の怪人』




オペラ座の怪人
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キャストの感想

キャストの感想です!

オペラ座の怪人:飯田洋輔

3週連続お兄ちゃん!観るたびに私の「好き」を更新してくる最高のファントムですが、今回が連投ラストの公演だったこともあってかすべてを出し切るほどの熱演でした。とにかくアツかったです。こんなにも叫んでしまって良いのかと思うくらいに叫びまくっていて、ファントムがどれだけクリスティーヌを愛しているのかが伝わってきて涙が止まりませんでした。

前回観たときに少し高音出すのキツそうな印象もあったのですが、今回は絶好調。相変わらずの厚くて美しい歌声に魅了されました。本当に歌うまファントムですね。しかも歌に感情を乗せるのがめちゃくちゃ上手い。今回は特に感情の起伏がしっかり歌声で表現されていて、歌うというよりも喋っているかのような歌い方だったので歌がそのままセリフに聞こえるみたいでした。ミュージカルを観ているというよりもストプレを観ているような重厚感がたまらなかったです。

洋輔さんファントムはどこを切り取っても素晴らしいんですわ。とにかく弱者なんですよね…。自分の弱さを、自分を大きく見せて周りを脅すことで誤魔化しているのが本当に切ない。表に出るのが怖くて、みんなの輪に入りたくても入れなくて、ずっと孤独に生きてきた寂しさと悔しさをクリスティーヌに埋めてもらいたかっただけなんだな…っていうのが伝わってくるファントムでした。だから紗衣さんクリスがあんなにも手を差し伸べてくれたんだと思います。

仮面をはぎ取られて地面を這いつくばりながらクリスティーヌに迫っていくシーンでは、クリスティーヌと目が合ったときに泣き笑いの表情で「おぉ、クリスティーヌ…」と名前を呼んで顔を背けたのが印象的でした。この泣き笑いっていうのが説明難しくて、ただの微笑みじゃなくて愛しさに溢れたような表情と寂しさを纏った表情が半々って感じ。

怒りが込み上げてどうしようもない悔しさと憎さをぶつけようとして顔を上げてみたけど、クリスティーヌの美しさと愛しさに心がいっぱいになったような…。怒りの表情が一転して愛しさを孕むような表情に変わったのがとても印象深くて、いかに洋輔さんファントムがクリスティーヌを愛しているのかが伝わってきて胸がキュンとなりました。でも、触れたいのに触れられないもどかしさもあって…。彼が人間に対して臆病になっているのも伝わってきて良かったです。

そんな洋輔さんファントムの愛情表現が物語が進むにつれてどんどんエスカレートしていって、PONRからラストにかけてのお芝居の熱量がとにかく凄い…!まさに「もはや引けない」状態のファントムが、クリスティーヌへ愛を伝えるその本気度が凄すぎてマジで全身震えましたよね。PONRのラスト、AIAOY部分で洋輔さんファントムが叫ぶように歌っていて、まるでこの瞬間にすべてを賭けるかのように全身全霊で愛を叫んでいたのが印象的でした。

だからこそ、クリスティーヌに裏切られてカツラを取られ恥ずかしい一面を晒されてしまったことで洋輔さんファントムの焦りと怒りは最高潮に。地下室に連れていくボートで歌うナンバーは、もう歌じゃなくて叫び。怒りと悲しみをぶつけるように泣き叫ぶ歌声でクリスティーヌに「なぜだ!」と問うていました。ヤケクソ感半端ない。

地下室についてからもずっと自暴自棄になって「それが私をこうした」「哀れみはいらぬ」「この運命には従わねばならぬ」といった歌詞も吐き捨てるように歌っていました。もう彼女にどう思われようが知らんとでもいうように暴走し出して、でもふとしたときに自分の悲しい過去を思い出したように寂しそうに歌い出して…とにかく情緒不安定ですよ(笑)

洋輔さんファントムは怒り狂うとクリスティーヌの腕を力強く握って強引に引っ張るから、この強引さと自分勝手さが凄く不器用でたまらないです。相当、人から優しくされずに生きてきたことが伝わってくるし誰からも愛されずに育ってきたのが感じられて切なくなりました。押し付けることでしか愛を伝えられず、求めることでしか愛を受け入れられない、そんな生きづらい性格をしていて観ているのも聞いているのも苦しかったです。こんなにも生きづらさを感じながら必死に生きてきたファントムが哀れで仕方なく、醜く歪んだ人格が何年もかけて形成されていったのが分かるほど生き様が頑固でこびりついてしまっていたような印象でした。

クリスティーヌに求めていたのは、最初は「私のために歌ってほしい」ということだったはずなのに、いつしかその要求もエスカレート。ひたすらクリスティーヌにぶつけるように激しく歌う洋輔さんファントムの歌唱力も表現力も凄いし、必死感が本当に見苦しくて切なくてしんどい。だから、最後キスされた直後に思考が停止してしまうっていう落差がとても強調されて、個人的には凄く好きなポイントでした。

あれだけ激しく要求したくせにいざ彼女にキスをされたら、抱き締めることはおろか触ることすらもできなくて、いかに自分を誇張してプライドを保っていたかが露呈していました。感情がぐちゃぐちゃになって自分で自分を制御することもできず、感情に任せて彼女たちを追い出し、1人になって傷心しながらボロボロに泣いていたのが本当に不器用すぎて泣きましたよね。

1人で歌うマスカレードも声が掠れそうなほど弱々しくて、さっきまでの威勢はどこへ行ったのやら…。この落差が本当にしんどくて、猿のオルゴールを通して自分の弱さを再認識していたのかなとも思いました。猿のオルゴールを手で目隠ししながら微笑みかけるように歌っていて、それからクリスティーヌが戻ってきたことに気付いてハッとして、優しい笑顔でI love youを告げていて…。

返された指輪を自分の薬指にはめて愛しむようにキスをして、ボロボロに泣きながらクリスティーヌの脱いだヴェールに頬ずりをしていたのも本当に切なすぎました。洋輔さんファントムは最初から一貫して弱さを必死に隠して生きてきた寂しさがあって、ところどころ共感できる部分もあるから凄く背中を押してあげたくなるような愛しさがあるんですよ。こんなにも全身全霊なお芝居をする人ってなかなか出逢えないので、洋輔さんファントムを観ていると心が突き動かされて自然と涙が溢れてしまいます

特に今回はお休み前ということもあってより一層気合いが入っていたように思えましたし、全身全霊のファントムのお芝居を観られてただただ感無量です。めちゃくちゃ熱くて切なくて素敵なお芝居でした。こうしてこの3週間、洋輔さんファントムをたっぷりと堪能できて本当に幸せでした!

クリスティーヌ・ダーエ:山本紗衣

気付いたら私も紗衣さんクリスの虜になっていました…。観劇から少し時間が経って当日のことを思い出しながら、そういえばあそこはああだったなと振り返っているのですが、振り返れば振り返るほど紗衣さんクリス最高だったなという感想しか浮かんできません(笑)

ちゃんと紗衣さんクリスのことを理解したいなと思って、今回はしっかり紗衣さんクリスの表情とかお芝居とか観ていたのですが、紗衣さんクリスの纏う不思議なオーラにただただ圧倒されました。初心者に優しくないっていうと凄く語弊がありますが、紗衣さんクリスは観れば観るほど味が出てくる人だなと個人的に思いました。一見気難しいようで、彼女のことを知っていけばどんどん謎が解明されていくみたいな感覚なんですよ…。

確かに分かりやすく感情表現を表に出すお芝居をする方ではないんですが、お芝居に限らず実際に感情表現が苦手な人ってリアルでもいるじゃないですか。紗衣さんクリスはそもそも前に出るのがあまり得意じゃない感じがあって、その持ち前の素朴さと内向きな性格が逆に色んな可能性を秘めているみたいで凄く好きでした。知る人ぞ知る才能の持ち主って感じ。天才肌。それをファントムは知っていて、そんな彼女を前に前に出したくて仕方ない…みたいな。ファントムも天才肌だから、彼女に何か自分と通じるものを見出したのかも…なんて。色々考えちゃいますね。

TOMの歌い始めも、声が震えているのは単なる緊張だけじゃなく前に出ることの恐怖もあるのかななんて思いました。でもマダムに促され、だんだんと自分の世界に入り込んでいって抑圧された何かから解放されていくような弾けた歌声に変わっていく様が聴いていて本当にワクワクしたんです。この歌い始めだけで誰もを魅了してしまう歌声が最高でした。まさにプリマ・ドンナでした。

そしてリトルロッテではラウルと抱擁を交わしたあとにハッとしたような表情をして少し素っ気なくなるのが細かいなーと思ったポイントです。エンジェルとの約束を思い出したようにラウルから顔を背けてすまし顔になるんだけど、ラウルが歌う言葉たちにパァッと目を輝かせて嬉しそうにしていて、無邪気さも感じられました。この一連の表情の変化を観ていて、そのあとの「私たちもう子供じゃないのよ」という言葉に凄く説得力が感じられて良かったです。

ファントムと出会い、地下に連れられてからは彼の歌声に酔いしれるような表情をしつつも、ふとしたときに紗衣さんクリスの素の部分が垣間見えました。今回も仮面を取ろうとするときは凄く子供みたいに悪戯っ子な笑みを浮かべていたので、可愛すぎて笑いましたよね。童顔なのも相まって本当に子供みたいでした。可愛すぎてにやけが止まらなかったのでマスクしてて良かったですわ(笑)

彼の恐ろしい顔を見て泣きじゃくるように怯えながらも、本当は弱い人なんだとすぐに見抜いて、同情するでもなく自然と彼に手を伸ばしていた…っていうような佇まいも紗衣さんクリスらしくて素敵でした。何もかもわざとらしくないのが凄く良い。取り繕うこともなく、これがありのままの紗衣さんクリスなんだなーって好感持てました。

でもだんだん彼の本性を知って、2幕のマネージャーシーンでは「やめてちょうだい!」「嫌、嫌よ!」「できないわ!」と声を荒げる紗衣さんクリスの声が凄く強くて、取り乱し方もリアルで上手だな~って思いました。紗衣さんってこういうお芝居凄く上手なんですよね。そういや『ウェストサイド物語』でも終盤の狂気的なお芝居上手だったなーっていうの思い出しました。

そして私の大好きな紗衣さんクリスの墓場。赤いスカーフを頬にあてていたのが印象的だったんですけど、今思い返せば「赤いスカーフってそゆことか!」と理解(笑)パパを思い出す大切な宝物に頬ずりするように、愛しむように歌い始めた紗衣さんクリスがとても美しかったです。天国のパパに届くんじゃないかと思うくらい想いのこもった歌い方で、今回も心が浄化されたような気持ちになりました。本当に美しすぎる歌声…。紗衣さんクリスの墓場が一番大好きです。

墓場と並ぶくらい大好きなPONR。今回も情熱的に煽情的に歌っていた紗衣さんクリスにゾクゾクとしながら、りんごが似合うね~可愛いね~と勝手にほっこりしていました。紗衣さん本当に可愛い…。まあそれは置いといてですが、ファントムが現れてカツラを取ろうとするときに睨むようにしてキッと顔を歪めながらファントムのカツラを取ったのが印象的でした。ファントムへの怒りと嫌悪が最高潮に達しているのが伝わってきたし、この感情の昂ぶりが次のシーンへ繋がっていくので、とてもストーリー性を感じられて良かったです。

ラストの地下室は本当に熱演で、ひたすら怒り。紗衣さんクリスは憎しみよりも怒りの感情が強いように感じます。「どうしてここまで苦しめるの!?」というような怒りでいっぱいで、キッと睨む表情も強くて最高でした。そりゃあんな顔で迫られたらさすがのファントムも狼狽えるわって感じです。

でもファントムに「選べ!」と言われて、目を閉じて苦痛の表情を浮かべてから決意を固めて、立ち上がって思い切ってキスをするまでの流れは本当に潔さを感じてかっこよかったです。迷いを断ち切ったキスで、彼を抱き締めるときの表情も迷いを捨てて彼に捧げる覚悟ができていて、もう一度キスをするときは優しく愛しむように手を添えて…。もうこのキスの仕方が凄く美しく、正面から観るのが最高に興奮しました。紗衣さんマジでキスが上手い…。慈しむようなキスをこんな上手に表現できるものなのか…と感心せずにはいられなかったです。

それからファントムが自分たちを逃がそうとしたときの戸惑いの表情については冒頭でも書いたので割愛しますが、感情の起伏が激しすぎて演じるの相当エネルギー使いそうですよね(笑)俳優さんによって演じ方が全然違うし、なんならファントム役の俳優さんとの掛け合いによっても変わってくる部分があるだろうし、公演によって全然印象変わるのがとても面白いなと思いました。

紗衣さんクリスの戸惑いの表情は本当に秀逸だし、まるで幻でも見ていたんじゃないかというような顔でファントムを見続けていて、凄く迷いが感じられて良かったです。むしろその迷いがないほうがファントムにとってはありがたかっただろうし、逆に残酷だなぁ…って。指輪を返しに行くギリギリのところまでずっと迷い続けて、ようやく自分の気持ちに気付く紗衣さんクリスが切なすぎました。

似たもの同士、きっと2人にしか分かり合えないものがあったんだろうな…と思わせるファンクリでした。ラストの泣き顔は本当にずるかったです。あんな顔されちゃファントムが救われないですわ…。本当に紗衣さんクリスは沼。観れば観るほど沼。凄く好きだなと感じられた観劇になりました。

相変わらずカテコはお客さんをしーっかり見ながらちょっと八の字眉毛でお辞儀していたのが紗衣さんらしくて、そんなところも愛しかったです。自分の中で紗衣さんクリスのイメージがいまいち掴めなかったので、今回の観劇で紗衣さんクリスの魅力をたくさん発見できて良かったです。凄く大好きなクリスティーヌになりました!

ラウル・シャニュイ子爵:加藤迪

迪さんラウルも今回色んな発見があったし、めちゃくちゃ熱量高いお芝居していて最高でした。

TOMでボックス席から公演を観ているシーンでは、下手側からだとボックス席の様子がとても見やすかったので観察していました。最初は談笑しながら観ていた迪さんラウルでしたが、隣の夫人にオペラグラス?を借りて一度見て、それから「え…?」となってもう一度オペラグラスでクリスティーヌを見て「もしや彼女は…」となっていたのがとても細かくてビックリしました。

私、今までラウルって最初からクリスティーヌだと知ってて「あれはクリスティーヌ~♪」って歌ってたんだと思っていたので、歌っている途中で気付いたんだ…というのを知れて良かったです(笑)だから、彼女と分かってからの興奮度合いが凄まじくて、「ブラバー!」と称賛するときもめちゃ興奮しまくりの声色で、こういうことだったのか~と理解できて楽しかったです。

相変わらず立ち位置も紳士的で自分が一歩下がってしっかりクリスティーヌを目立たせる位置に立つし、こういうさりげないレディーファーストなところも素敵でした。そしてクリスティーヌを安心させようと、ちょっと力んで強い歌声で歌うのも凄くかっこよかったです。たとえば2幕のマネージャーシーンでの「僕らに付きまとう悪魔」「恐れず僕の言う通りに」の歌詞とか。クリスティーヌを安心させたい、目を覚ましてほしいという気持ちが歌声に込められているようで、とても心が動かされました。

あと、2幕ラストで下手から観る首を吊られているときの迪さんラウルがとても色っぽくてドキドキしました。ちょうどクリスティーヌがファントムにキスしている瞬間、最初は思わず2人を信じられないものを見るような目で見ていたんですけど、だんだん直視できなくなって苦しそうな表情で顔を背けていて、その感じが凄くリアルでセクシーでした。ここは光田さんラウルも色っぽくて好きですが、迪さんラウルのほうが青年らしい反応していてめちゃ好きです。

そしてカテコで登場してくるボロボロの迪さんも爽やかなのに色っぽくて最高でした…(笑)いつか『ノートルダムの鐘』でフィーバスやってくれないかな。めちゃくちゃ観たくなりました。が、まずはとにかく紳士でかっこよくて優しい迪さんラウルを堪能できて嬉しかったです!

カルロッタ・ジュディチェルリ:辻奈々

観れば観るほど辻さんカーラが可愛すぎてめっちゃ好きになっちゃいます。きゃんきゃんした感じがクセになってきて、とにかく「世界の中心は自分なの!」っていうのが前面に出ているのが本当に可愛かったです。なのに全然嫌味がなくて、そうやって当たり前に生きてきたんだろうな~っていうくらい振る舞いが自然なのが逆に凄く好感持てて好きでした。

辻さんカーラは本当にちょろすぎて、おだてられたら簡単に機嫌を取り戻しちゃってニッコニコになっちゃうのも可愛いんですよね…。特にアンドレにちやほやされたときのぷく顔からニコッとした表情に変わっていくのがちょろすぎて、とても可愛すぎました。

あとはイル・ムートでファントムによって声をカエルにされてしまい、恐る恐るサビを歌い出すところの表情がめちゃくちゃ好きです。何が起こったのかよく分からないけど不安げな表情で、慎重に歌い出してみたらいつも通りの歌声だったからだんだん自信を持って歌い出して…。表情のイキイキさと歌声の力強さの表現がとても細かくて、カーラの絶妙な心情の変化が伝わってきて良かったです。

カーラに対してここまで愛着が湧くとは自分でも思っていなかったので、辻さんカーラを何度も堪能できて幸せでした。ちょっと地味でおとなしめな紗衣さんクリスとは対照的できゃんきゃんして自己プロデュース力100点満点の辻さんカーラの華やかさたるや、本当に素晴らしかったです!

メグ・ジリー:五所真理子

マイエンジェル・五所さんメグは今回も本当に可愛すぎてキュンキュンしまくりでした。クリスティーヌにとってマダムが良いお母さん代わりなら、メグは良いお姉さん代わりって感じで凄く心強い存在でした。本当に母性が凄い…。母性というか包容力?とにかく温かい人柄が滲み出ていて、本当に安らぐ存在でした。

すっごく今更なんですけど今回メグ関連で初めて気づいたことがあって、ハンニバルでルフェーブルが支配人たちに劇場を紹介しているときに「この子は誰です?」とアンドレが尋ねるシーンでメグがアンドレたちの元へやってきて割り込むように間を通り抜けていくんですよね。なんで稽古中にこんなことしてるんだろうな~ってずっと思っていたんですけど、稽古に戻ってきたクリスティーヌを誰にも気づかせないように、周りの意識をこっちに向けさせてたんだなっていうのに気づきました。え、メグ優しい~~~!ってなってキュンとなりましたよね。

もうここの五所さんメグの悪戯っ子な笑みが可愛すぎて死ぬかと思いましたし、クリメグ尊すぎて天に召されそうでした。最高…。というかそもそも稽古中にクリメグがずっと手を繋いでいて、あまりの可愛さに尊死するところでした。ずっと観ていたかったです…。

そしてメグの早替えがあるらしく、マネージャーシーンからイル・ムートの転換で12~13秒程度の早替えをしているとのことでした。言われてみたら確かに早替えしていて、しかもカツラも変えていてかなり難易度の高い早替えなんだな…というのを知りました。

イル・ムートの五所さんもめちゃくちゃ可愛くてずっと観ちゃうんですけど、佐藤圭一さんにテキトーにあしらわれていて、ちんちくりんな感じが凄く可愛かったです。ちなみに「あれーはファントムのー声だわー!」って逃げ出すところで、五所さんメグがバッグか何かを椅子の前に落として行っちゃったみたいで、サトケイさんが不思議そうにそれを拾ってフォローしていました(笑)

あとはドン・ファンのリハ。不安げなクリスティーヌを心配するように手を伸ばす五所さんメグが「大丈夫…?」と声をかけて、紗衣さんクリスが「大丈夫」と答えていました。尊い。

他にも可愛くて尊い瞬間があってひたすらガチ恋しそうでした。本当に私のお気に入りキャスティングです…。今回も下手だったのでカテコは五所さんが目の前で眼福でした。大好きな五所さんメグをたっぷり堪能できて嬉しかったです!

マダム・ジリー:戸田愛子

戸田さんマダム、観れば観るほど優しさを感じられて凄く好きです!ファントムの才能を認めているからこそ、そんなファントムが愛してやまないクリスティーヌのことも認めているし、彼女を支えようとしてくれているのが伝わってきてとても素敵でした。

特にTOMでは「彼女の歌を聴いてみてくださいませんか」と言うだけあって、ただ振って終わりなんじゃなくて彼女が歌っている間もしっかりうんうんと頷きながら見守るように聴いていたのが印象的でした。「大丈夫、あなたならやれる」とでも言うように、その気持ちを込めて頷いているような気がして良かったです。

あとはドン・ファンのリハシーンで、紗衣さんクリスが不安げな表情で見てくるからそれに対して悲痛な面持ちで頷いていたのも印象的で、ここは「大丈夫」と勇気づけるように頷く木村智秋さんマダムとは違った反応だったので観ていて面白かったです。戸田さんマダムはとにかくクリスティーヌのことを心配していて、自分が守り切れなかったことに対して責任感のようなものを抱いているようにも思えました。

だから、周りが感情的になってしまっている中でこういう理性的な大人がいるのって凄く心強くて、戸田さんマダムの存在が本当に救いでした。今じゃ全然厳しい印象もないし、たとえあったとしても愛のある厳しさなので安心して身を委ねられそうです。クリスティーヌに対する優しくて温かい接し方も本当に素敵で、今回の観劇でさらに戸田さんマダムの好きなポイントが増えました。細かい部分もしっかり観られて良かったです!

ムッシュー・アンドレ:北澤裕輔/ムッシュー・フィルマン:村俊英

北澤さんアンドレと村さんフィルマンは本当に可愛くて仲良くて素敵で大好きな組み合わせでした。北澤さんアンドレは凄く気さくで人付き合いが本当に上手そうで、北澤さん自身の人柄の良さが伝わってくるのがとても愛しかったです。一方の村さんフィルマンは不愛想だし不器用で北澤さんアンドレとは真逆なんだけど、それすらも可愛く思える愛くるしさがありました。

この2人はとてもバランスが良くて最高だったんですよ…。ムスッとした村さんフィルマンをなだめようと北澤さんアンドレがにっこりしていて、この凸凹感がまた可愛くてキュンと来ていました。

そして北澤さんアンドレが意外と腹黒くて、プリマ・ドンナでカーラをおだててその気にさせたら密かにガッツポーズをしてほくそ笑んでいたのが戦略的すぎて笑いました。そのあと村さんフィルマンと握手もしていて、こういう仕草に初めて気づいたので支配人ズすげえ戦略的だな~って思いました。そうよね、彼らにとって大事なのってプリマ・ドンナが誰かじゃなくて無事オペラが上演されて劇場経営ができるかどうかですもんね。

そんな風に1幕は自分たちの今後を考えて動いていたのに、2幕のマネージャーシーンでは本気でクリスティーヌを心配する場面もあって彼らの心境に変化が出てきているのが伝わってきました。だからなんかやっぱり憎めないですよね。表面は良い感じを繕いつつ、正直あまり役に立たない部分もありながらも、必死に劇場やクリスティーヌを守ろうとしてくれるあたりが本当に可愛いなと思いました。

支配人は今期組み合わせで観ていないのは増田さんアンドレ×村さんフィルマンだけなのですが、多分ベストオブ支配人ズは今回の組み合わせになるんじゃないかと思うくらいバランス良くて本当に最高でした。この数週間、大好きな支配人ズを観られて嬉しかったです!

まとめ

かなり長くなっちゃったんですけど、日本語大丈夫でしたかね…。自分でここまで書いて読み直してみたんですけど、何書いてるかさっぱり分からなくて読解が難しすぎたんですが、いかがでしょう…。長すぎるよっていう場合は教えてくださいね…。

話を戻しますが今回も最高の観劇ができたと思いますし、マジで観に行って良かったです。日に日にオペラ座熱が高まりつつあるのですが、考えれば考えるほどすっげえしんどくなるんだけど同時に凄く楽しいんですよ。キャラクターたちの関係性を考えたり、裏設定を調べてみたり…。そのたびにこの作品の魅力を新たに知って、さらに好きになってハマっていく…という無限ループに陥っています。

でね、そんな中で私がオペラ座の面白さを知ったきっかけとなった洋輔さんファントムをたくさん観られたことが本当に幸せでした。観るたびに「あ~好きだな」と感じるポイントが増えていって、気付けば洋輔さんファントムだけでなく他のキャラクターにも愛着が湧くようになりました。どのキャラクターも愛しくて仕方なくて、どこを観ても楽しいし芸が細かいし、どのキャラクターの視点に立って観てみても切ないし、本当に中毒…。

『オペラ座の怪人』に深くハマっている人がたくさんいるのは知っていましたけど、まさか自分までそっち側に行くとは思いませんでした。沼ですよ、沼。すっごく奥が深くて最高に素晴らしい作品でした。

とにかくお兄ちゃんが戻ってきてからのこの3週間、毎週観劇できて本当に良かったです。この観劇を機に、オペラ座が大好きになりましたし、今後も機会があれば気軽に行けるうちにまた何度でも劇場に足を運びたいです。マジで悔いのないように、今を大切に!

もう私のベストオブファントムです。また戻ってきてくれたら絶対に観に行きます!

ということで、今回もお見苦しい点多々あったと思いますが、最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました!

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