キャストの感想
キャストの感想です!
ベン:山下啓太
山下さんのお芝居が観るごとにどんどん魅力増しているので凄いなーと思いました。1幕と2幕とのギャップがかなり大きいので、ベンが成長していく様がとても分かりやすいです。そして2幕のお芝居は今回も凄く熱かった…。ベンのタングを想う気持ちが感じられて、グッと込み上げるものがありました。なんかね、タングと向き合いながら自分も泣きそうな顔しているのが凄く良かったです。
自分の言葉が自分自身に跳ね返っているのか、それとも単純な愛情ゆえなのか…。1幕のベンでは絶対に見せることのなかったであろう表情をたくさんしていたので、とても印象的でした。とにかく、大切な人をもう誰も失いたくないという強い気持ちをずっと持ち続けて生きてきたベンなので、誰かが誰かの命を故意的に奪おうとすることが絶対に許せないんだろうなーって。ただの倫理観だけであんなことを言っているんじゃないんだなっていう説得力もありました。
そんな中で今回はベンが2幕ラストでエイミーに言う「どこにいても誰といても君を思い出した!」のセリフに対して、本当かな~?という疑い深さを持ちながら、じゃあベンはどんな瞬間にエイミーを思い出していたのかを考えながら1幕から観ていました。
たとえばリジーがカイルのことを話したときに「家族になりたいと思った、たとえ本当のオーナーになれなくても」と言います。この「家族になりたいと思った」ってそれこそエイミーが出ていく直前にベンに放った一言と凄く似ています。これを聞いてベンはどんなことを感じたのかなぁ…って。
山下さんベンはこれを受けてハッとした表情を浮かべるといったことはしていませんでしたが、でも「家族になりたい」ってどういうことなんだろうというのを改めて考えるきっかけになったんだろうなと思います。このシーンのあと、「そうか、そうなんだよ…」と言ってベンはタングに対する想いに気付きますし。直接的にエイミーは出てこないけど、きっとこの瞬間にエイミーのことも少なからず頭によぎったのかなと思いました。
そしてとても分かりやすい形でエイミーのことを思い出していたであろう瞬間がもう1つあって、それがカトウとの会話です。リジーのことが気になっているカトウに、「クリスマスはヒューストンで過ごしてみるとか…」と提案するベン。するとカトウが「電話してみます」と答えます。その返事を聞いて微笑むのですが、その後一瞬だけ山下さんベンが寂しそうな表情をしました。
クリスマスという一大イベントを自分は誰と過ごしているんだろう…ってふと考えたのかなって。エイミーと過ごすことはできないのかなって。カトウとリジーの間を取り持ちつつ、じゃあ自分は…?って考えてしまったのかなって。なんかそういうものを感じさせる表情をして、それから頭を切り替えるように「濡れるぞー!」とタングに声をかけているように見えました。自分の気持ちを誤魔化すことでしか、どうすることもできないといった山下さんベンのもどかしさのようなものを感じられて良かったです。
そしてエイミーに電話するもエイミーが「他の人とも付き合ってみようと思って」と言ったら、目を泳がせて涙が溢れるのを必死にこらえるような表情をしていて、ベン~~~~!(´;ω;`)ってなっちゃいました。あそこの山下さんベンの表情のリアリティが凄い…。涙がこみあげてそれをこらえる仕草や視線のやり方がホンモノすぎて、つられて泣きそうになってしまいます。
1幕は山下さんベンよりもミナミーのほうが愛情の矢印が大きいような印象がずっとあったので、2幕に来て一気に山下さんベンのミナミーへの想いがグンと大きく見えてくるようになるのがたまらなく好きでした。そばにいたら気付けない、本当の意味での大切な存在の大きさを強く実感している山下さんベンがとても切なくて愛しくてたまりませんでした。こういうところの表情のお芝居も含めて、どんどん深みが増していくので観るのが楽しいです。
観れば観るほど山下さんベンの好きなポイントが増えていきます。本当に凄く素敵なベンだと思います。週初めから熱いお芝居を繰り広げて魅了してくださり、ありがとうございました!
タング:長野千紘/安田楓汰
京都公演2度目の長野さん&安田さんタング。こっちのペアも本当に大好きです。うぶかんタングよりも成長速度が速く、凄く頭の回転も速いタングという印象でした。そして愛嬌が抜群なのでひたすらに可愛さしかありませんでした。
なんとなくうぶかんタングは子供っぽい可愛さがあって、こちらのペアは愛嬌があるという点での可愛さが強調されるイメージ。ふとしたときに全身を使って喜びを表現していて、常にウキウキルンルンしているのが伝わってきて可愛すぎました。
一番可愛くて好きー!ってなるのが、マッスルカーに向かうところ。マイクロンシステムズからマッスルカーへの場面転換でタングがベンの後ろをついて歩いていくのですが、このときの長野さん&安田さんタングがリズムに合わせてぴょんぴょん跳ねるようにして歩くのが死ぬほど可愛いんです。ちょっとした動作や仕草も細かくて、ちゃんと学習しているんだなっていうのと心があるんだなっていうのが伝わってくるタングなのが好感持てます。
そして今回も長野さんは2幕RIGで泣きそうになりながら歌っていて、観ていてグッとくるものがありました。タングのように心が清らかで真っ直ぐな人なんだろうなって、長野さんを観ていると感じます。だからか長野さんタングの歌声や話し声を聞いていると凄く心がぽかぽかして温かくなるんです。機械なのでボディはきっと触ったらヒヤッとしているんでしょうけど、心は温かさに溢れているんだろうなぁ…と感じさせる、おひさまのようなタングでした。本当に大好きです。
そういえば、長野さん&安田さんタングは失恋したベンを励ますために「彼女、ひとり?」の真似をしますが、それのためか長野さん&安田さん回では山下さんベンがそのセリフを発するときは柱に寄り掛かったような仕草で言うようになりました。ペアに合わせて仕草を変えてくる山下さん、とても細かいなぁ…って感心しちゃいました。
このペアはカテコで岡村美南さんにも甘えてくるし、マジで眼福でしかないです…。岡村さんにも甘えてくれてありがとうございます…。めっちゃ可愛すぎてたまらんですわ。改めて長野さん&安田さんタングの可愛さを強く実感できた観劇でした!
エイミー:岡村美南
今回も絶好調でした。週初めって基本岡村さんは絶好調なので最高のお芝居に歌にダンスを披露してくださって、観ているこっちも幸せいっぱいでございました…。そして下手寄りはマジでエイミーが近い。目の前に立つことが多いから目の前に岡村さんがいてドキドキ止まらなかったです。やっぱり私の贔屓は顔が良い……。
さて今回のミナミーですが1幕は結構強めのお芝居でした。ベンに対してイライラしているしフラストレーションも溜まりっぱなし。考えてみれば京都公演から、タングを見つけたときの「あれ、生きてるの?」もちょっと怯えるようなイラつくような感じの言い方になっているんですよね。デビュー間もなかった頃は単純な疑問形みたいな言い方だったのですが、京都に来てからは「なんであんなのがいるの」ってちょっと怒ってるような感情も含まれた言い方になっています。少し鳥原ゆきみさんのエイミーに近しい部分が増えました。
とはいえ、今回もイライラしていると言いつつも感情を爆発させたようなお芝居ではありません。ちょっと言い方に棘はあるんですが、それでも我慢をしているのは感じられます。説得させるような諭すような言い方。「もう何度言えば分かるの」といったニュアンスも少なからず含まれていて、ミナミーはこれまでにも何度もその言葉を口にしてきたんだろうなぁ…というのがうかがえました。まるでお母さんです。
ああもう!と思いながらもまだ愛情があるのは、まさに親が子に無償の愛を捧げているようなものに近いのかなぁ…なんて。多分ミナミーはどうしたって山下さんベンのことを嫌いにはなれないんだと思いました。だって、初めて出会ったときからミナミーは山下さんベンにずっと恋し続けてるんだもん。「ふたりのことば」で当時のことを思い返したり理想の未来を想像してみたりするミナミーの表情は、出会った頃のような優しい表情をしているんです。ああ、今も山下さんベンに恋し続けてるんだなって思いました。
だから今の山下さんベンの有様に少なからずショックを受けているし、フラストレーションが溜まってしまうのも仕方ない。「家族になりたかった、私は」の言い方もやっぱり寂しさが募っていたし、すべての言動の裏にはベンへの愛情と共に寂しさを隠せずにいるのが伝わってきました。
そんな1幕冒頭でしたけど、ミナミーのお芝居の魅力はここから先にたくさん詰まっています。先述したように、1幕終盤のベンに電話をかけるシーンのお芝居はまさに注目ポイント。あんなに彼に前を向いてほしいって思っていたくせに、いざ彼が前を向き出すと寂しくなっちゃうんだからめんどくさ可愛いです。まあでも寂しいっていうのは、自分がベンの隣にいないことに対してなんですけどね。
前回のレポでも書きましたが、自分にできなかったことがタングにはできてしまったということに対しても少なからず悔しさがあると思うんです。でもそうやってベンを変えてくれたタングに、冒頭で言い放ったような「粗大ごみ」という表現はもうしない。ベンを変えてくれたのは事実だから、悔しいけど遠くから見守るしかないんだなっていう諦めの気持ちもあるんだと思います。そういった様々な想いを抱えての「離婚届送るわ」なんだと思うと、胸がキュッとなりますね。
そして2幕でのベンからの電話。「さよならエイミー!幸せに―!」と言われたときに寂しそうな表情をするのがもう焦れったい…。好きなら好きって言えばいいのに。素直になればいいのに。大人になると余計な感情が邪魔をして、なかなか素直になれないんですよね。ミナミーもきっとそういう人なんだと思います。
でも「地上の星雲」でベンに想いを告げる決心をして、ミナミーはその場を去っていきます。そのときの決意の表情もマジで最高なのよ…。本当に真っ直ぐな瞳をしていらっしゃる。こういうメリハリのついた表情のお芝居も大好きです。
でね、本編では描かれていないけどこのシーンのあときっとロジャーと別れることになると思うのですが、舞台版での2人はちゃんと円満に別れることができたんだろうなぁ…っていうのが2幕ラストの2人のやりとりから垣間見えました。ロジャーがお花をステージ手前に置いて戻ってきたときに、「ありがとう」って笑顔で声をかけていました。ロジャーにとってもエイミーの幸せを素直に願えるなんて、本当に素敵な男性だったんだろうな…って感じられます。原作だとこの2人は結構色々あってロジャーが大変なクズ野郎だったのでエイミーが相当苦労していましたけど、舞台版はとてもマイルドに描かれていて本当に良かったです。
そしてラストではベンに想いを告げると同時に、ベンとの愛の結晶も生まれるじゃないですか。フィナーレではベンに寄り添いながら、ボニーの顔を覗き込んで「ボニー」って声をかけていて、もうその表情がママでした。美南ママ…。はぁ……。好き。
なんかね、何かが大きく変わったとかそういうことはなかったんですけど、ただひたすらにミナミーが可愛かったな…って。切なくて寂しくて苦しかった時期もあったけど、ずっとベンのことが大好きでベンに恋し続けている女性なんだなっていうのが終始伝わってきたので観ているこっちが恥ずかしくなっちゃいそうでした。純愛ですよ。可愛い……。
でね、カテコでタングがしくしく泣いているのを見て、口をぷくってして「ほら、迎えに行ってあげなさいよ」みたいな顔して山下さんベンを見ていたのがあざとくて萌え死ぬかと思いました。本当になんでこんな可愛いんだかな???夫婦なんですよね、この2人。恋人じゃないんだよね、もう。
冒頭にも書いたけど、山下さんベンとミナミーは恋人の延長線上のような夫婦なんです、マジで。お互いがお互いのことをずっと大好きで、その気持ちが恋から愛に変わったとしてもずっと恋し続ける2人。なんか岡村美南さん、そういう役が凄く似合うんだなって思っちゃって、ひたすら感嘆のため息しか出ません。意外と乙女なんだよね、可愛いです。
もう大したレポにならなかったですが、今回も最高に贔屓が可愛かったという話でした。可愛すぎる贔屓を堪能できて、とても幸せでした。
まとめ
今回は改めてチェンバーズ夫妻にキュンキュンさせられた観劇でした。たまにはこういう日があってもいいよね。凄く可愛かった…。最高の推しカプです。なんかあまりにもこの2人がベストカップルすぎるから、組み合わせが変わったときが怖いですね。どうなっちゃうんだろうな。
山下さんと岡村さんは『パリのアメリカ人』でも共演していて、絡みのあるお芝居も多かったから、凄くお互いやりやすいんだろうなーって思います。その2人の関係性がちゃんと今回もお芝居に現れているので、観ていて無理がないし、自然でいいなーと改めて感じました。どうせなら『ロボット・イン・ザ・ハウス』もこの2人で舞台化してほしいです(笑)
はい、今回も天使でした。舞台に立ち続けてくれてありがとうございました。
さて、次回は10日!ロボット初のリハーサル見学会に参加してきます!!レポも頑張りますので、ぜひ楽しみにしていてくださーい!
コメント