2023年10月22日マチネ 劇団四季『ウィキッド』




ウィキッド
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ゆうき
ゆうき

9年ぶりの東京公演My初日です!

日時:2023年10月22日マチネ公演
場所:四季劇場[秋]
座席:2階B席10列センター




はじめに

『ウィキッド』が東京で上演されるなんて夢みたいで、正直全然実感が湧きませんでした。でも、劇場に着いたら本当に『ウィキッド』の世界が広がっていて、凄く感慨深かった1日になりました。

『ウィキッド』といえば海劇場のイメージだったので、秋劇場で上演されるということも凄く不思議だったのですが、いざ観劇してみるととても馴染んでいて良かったです。

それにしてもこんな大型ミュージカルが東京でたった3ヶ月しか上演されないなんてもったいないなぁと思いました。チケット即日完売だし、前日予約も全然つながる気配がなかったし、リピートするの難しいなぁ…って。まさか完売するなんて思っていなかったので、開幕2日目を先行で取っておいて良かったです。

グッズも可愛いのたくさんあって色々購入しましたが、ランダムのアクリルキーホルダーで無事にエルファバとグリンダを引き当てることができたのでひと安心。今回のグッズ、マジで可愛いの多いから財布の紐が緩んじゃいますね(笑)

『ウィキッド』は私にとって特別な作品です。2008年、親が車の中でCDを聴いていて私も興味を持ち、初めて観劇したのが2009年。元々四季は好きでしたけど、本格的に沼にドボンしたのが『ウィキッド』でした。それから月日が経ち、2014年に『ウィキッド』で岡村美南さんのエルファバを初めて観て惚れ込んで、そこから岡村さんを応援するようになりました。

だから、『ウィキッド』は私にとって四季沼に本格的にドボンした作品でもあり、岡村美南さんと出会った作品でもあるんです。自分の中でたくさんの思い出があるこの作品、そしてエルファバとグリンダに再び会うことができてとても嬉しかったです。

自分なりに感じたことや考察なども含めて今回の観劇レポを書いていきますので、良かったら最後まで読んでもらえると嬉しいです!

総評

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

この作品を最後に観たのは2020年のブロードウェイ公演なので実は3年ぶりなのですが、日本公演自体は2016年の札幌公演、東京公演は2014年以来なのでとても久しぶりでした。特に東京公演のときは私はまだ大学生だったので、30歳を迎えた今観る『ウィキッド』はあの頃と全然見え方や感じ方が変わっていて、とても面白かったです。

昔は「エルファバとグリンダの友情って最高!」「フィエロ、エルファバのことを愛してくれて素敵!」なんてまさに表面上の部分しか見えていなかったな…と。物語をその通りに受け取って楽しんでいたんだなぁ~というのを、今回凄く実感しました。幸せって色んなものの犠牲の上に成り立っているんだなというのを今回は感じました。

それは自分が人生経験を積み重ねて色んな価値観に触れてきたからなのか、それとも演じている役者さんのお芝居の解釈によってそう感じられたのかは分からないのですが、今まで自分が『ウィキッド』に感じていたエルファバとグリンダの不滅の友情って実はそんなに綺麗なものではないのかも…というのを強く感じてしまったんです。

大前提として、三井さんエルファバも真瀬さんグリンダもデビューとは思えない完成度で凄く素敵でした。どちらも今までにないタイプのエルグリだとは思うのですが、息がピッタリで歌声の一体感も凄く心地良くて、どちらも等身大の女の子らしさがあるのでとても生々しい等身大の女の子たちの物語を観ている感覚で非常に面白かったです。

もともと私はエルファバが好きなので、エルファバに凄く共感することが多かったんです。「エルファバ可哀想に」「エルファバ幸せになれて良かったね」って思うたびに、W&IやDTLですらも泣いていたくらい終始エルファバに感情移入していました。三井さんエルファバも自分のことを凄く責め続けていて幸せになる資格なんてないそんなこと考えたこともなかったとすら思っていそうなタイプでした。だから、そんな自分が幸せを感じて思わず笑顔になっちゃう瞬間の愛しさが半端なくて、エルフィー良かったね…と涙がじんわり込み上げました。音程も外さないし圧巻でした。

誰にも頼らずに生きてきたから凄く逞しくて、自分を守るために凄く賢くなって。三井さんエルファバってきっと本来はとても明るい性格なんだろうなと思うんですが、そうできない環境で育ち、周りから常に白い目で見られてきたからこそ、自分の力で生きられるように強く逞しくなっていって、遊ぶ余地もなく真面目さを貫いて生きてきた印象がありました。まだデビューしたてだからかお芝居にコミカルさや自由度はやや欠けるのかなと思うんですけど、クソ真面目エルファバとして高い完成度で演じられているな~と思いました。

その一方で、フィエロと結ばれてからは愛に生きる面がとても強くなった印象もあります。それこそ、グリンダとの友情よりもフィエロとの愛情に重きを置いているような。グリンダのことを大切に思っているのは伝わってくるけど、グリンダへの依存心やもっとグリンダと一緒にいたいと感じられる瞬間はそこまで多くなかったように感じます。淡泊というわけではないんだけど、友情にめちゃくちゃ重きを置くタイプではないなぁとも思ったので、そこは自立していて自分の信じる道を突き進むエルファバとしてはブレていないし、とても新鮮で面白かったです。

あと、闇落ちする瞬間の三井さんエルファバも良かったです。それこそ、自分の決めた道を迷わず突き進むことができる説得力を感じられました。強がっているけど本当は脆い…なんてそんなやわなエルファバではなく、本当に芯から強いんだなと。

私の原点でもある岡村美南さんエルファバとは真逆のタイプではありましたが、まったく違うタイプのエルファバとして凄く新鮮でしたし、三井さんエルファバのお芝居の解釈はとても一貫していて好きでした。

その一方で、今回はそんなエルフィーに対する真瀬さんグリンダのお芝居の解釈がめちゃくちゃ刺さってしまって、グリンダの生き方に共感すると同時にグリンダの切なさに胸を痛めずにはいられませんでした。

グリンダといえば「おバカ」ですけど、真瀬さんグリンダは全然おバカではなくて。むしろ賢さすら感じました。自分がみんなから愛されるためにはどのように振る舞えば良いかを常に計算しながら生きているような、あざと賢さのあるグリンダでした。自分が幸せになるために賢く生きてきたグリンダなので、周りの人たちが自分をどのように思っているのか、自分に何を期待しているのかを察することもできるんだと思います。

フィエロに愛されていないことに気付いて凄く胸を痛めながらも「みんなから愛されることが私の幸せ、そうでしょ?」と自分に言い聞かせて、胸の痛みから目を逸らしてみんなを笑顔にしようとする、そんな健気な姿に思わずじんわりと涙が込み上げました。真瀬さんグリンダは結構感情が表情に現れるタイプだから、観ていてすっごく分かりやすかったです。

そして元宝塚男役の経歴をお持ちなだけに、真瀬さんグリンダはやや男っぽい一面もあるのが新鮮でした。「私のことは、グリンダって呼んでいいわよ」って言うときに声が低めになって男役ボイスに一瞬なったのは不意打ちで笑いました。ポピュラーなんかはとにかく動きがうるさいし観ていて飽きないんですけど、天然ぶっとびキャラではないのでその辺も計算してやってるのかもしれませんね。シズ大学にいた頃はどこまでが本当の彼女なのかが分からないくらい多面的で、個人的に凄く好きでした。そんな1幕とは打って変わった2幕の切ないお芝居の数々、本当に胸が締め付けられて私は大変好きでした。

エルファバは自分を犠牲にする(悪を演じてこの世から抹殺される)ことで本当の幸せを手に入れて、グリンダは自分を犠牲にする(善を演じてみんなに愛を捧げる)ことで偽りの幸せを手に入れた。三井さん×真瀬さんは、そんな2人の真逆な構図が色濃くはっきりと出る組み合わせに感じました。

そんな2人の結末に大きく関わるのがフィエロです。今まではエルファバに共感していたため、エルファバを受け入れて愛してくれるフィエロって素敵だなと思っていたんですけど、今回観てみたら最低な男やん!になりました。グリンダと正式に付き合っていたのかは分かりませんけど、エルファバを愛していることに気付いたなら早いうちにグリンダにちゃんと別れを告げてやれよ…。そうすればエルファバもグリンダもあんな大喧嘩することなかったのに…。きっとネッサも死なずに済んだのに…。なーにが「僕はそのつもりだった」だよ!ってなりました(笑)浮気する男ってこんな感じなんやろな…と、フィエロに対する軽蔑の気持ちが自分の中で強く芽生えてしまったのは個人的に大きな変化です。

フィエロがたとえそんな男であろうとも、エルファバにとっては初めて自分を愛してくれた人なわけなので、エルファバが幸せそうな姿を観たら泣かずにはいられないんですけどね…。でも、その裏ではグリンダが心を痛めているわけじゃない。全員が幸せにはなれない、誰かが犠牲になってしまうのはとても残酷だなと思いました。CFYを見習ってくれよな!?

それこそ、エルファバ視点から見たフィエロはとても素敵な男性だけど、グリンダ視点から見たフィエロは最低な人なわけで、「物事を違う角度から見る」とこんなにも印象が変わるっていうことの象徴のようなキャラクターでした。

でね、一番残酷だな~と感じたのがフィエロからの手紙です。ここからは完全に私個人の見解なので、あくまで個人の感想として読み進めてもらえたら嬉しいです。

以前、バックステージツアーが開催されていたときにフィエロからの手紙が公開されていたんですけど、その時期だかにフィエロからの手紙の内容に関するレポみたいのが流れてきて、2人で逃げ延びるための今後の計画と「僕は生きている。僕が生きていることを他の誰にも知られてはいけない。グリンダにも内緒だよ。」っていうメッセージが記されていることが判明したことを観劇しながらふと思い出したんです。

チステリーから手紙を受け取ったエルファバは、グリンダに「私たち、もう二度と彼の顔を見れないわ」って言うんですね。「死んだ」とはハッキリ言っていないけど、グリンダはそう早合点してしまうので、死んだと思い込んでいます。表現が絶妙ですよね。あえて「私たち」って自分を含めた表現でわざわざ言うあたりも。エルファバは本当に賢い子です。

エルファバはこのあとフィエロと落ち合って2人でひっそり逃げ延びるために、グリンダに別れを告げなきゃならなくなりました。「降参するわ」と言うのも今すぐここから立ち去る必要があるから。グリンダが「本当のことをみんなに話してくる!」ってエルファバを説得しようとしますけど、エルファバは「ダメよ!あなたはみんなに愛されたままでいてほしいの」って言うんですね。

このセリフ、私はずっとグリンダを想ってのことだと思っていました。もちろんエルファバにとってグリンダが大切な友達であることは間違いないし、本当のことを話してしまったらグリンダも悪者扱いされてしまうし、グリンダには幸せになってほしいと思っているから、本心だとは思います。

でも、正直グリンダについてこられるのは困るんですよね。だって、フィエロと一緒になるためには言い方悪いけどグリンダが邪魔になるわけだし、フィエロが生きていることをグリンダにも知られちゃいけないと彼に言われているわけだから。だから、グリンダにはオズにとどまっていてもらわないと困るんですよね。そのために、彼女には「善い魔女」であり続けてもらい、自分は「悪い魔女」としてこの世から消える必要があった…。

「魔女が水に溶ける」だなんてそんなバカげたことを本気で信じてしまうオズの人々の迷信を利用して、エルファバは見事にドロシーに水をかけられて溶けて消えてしまいます。そういう魔法を使って消えたように見せかけただけでしょうけど。でも、それをグリンダの目の前でわざわざ見せる必要があったのも、彼女や国民に、自分がこの世から消えたことを証明するためだったんですよね。「逃げる」じゃダメなんですよね、「死ぬ」ことにしないと。エルファバは本当に賢いです。

「あなたはみんなに愛されたままでいてほしいの」って一見凄く親友想いな言葉だなと思ったんですけど、その裏に隠された思惑としてフィエロと幸せになるための口実のような言葉でもあるんだなと思ったら、今回このエルファバのセリフを聞いてゾッとしちゃったんですよ。エルファバは賢いから、グリンダを傷つけないようにこの言葉を選んだのかもしれないですけど。でも、ちょっと穿った見方をしてしまえば「みんなから愛されることが幸せ」なグリンダの信念を利用した言い方でもあるなぁ…って。エルフィーは優しい子だからグリンダのことを苦しめたいなんて1ミリも思っていないでしょうけどね。でもなんか、今回は個人的にすんなりと受け入れられなかったんです。

真実がどこにあるかは分からない。でも、エルファバはフィエロが生きていることを知っていて、グリンダに内緒にしなければならないっていう立場でああいう振る舞いをしたのは事実なので、見方によって全然違う真実が見えてくるのが怖いなぁ…って思いました。

For Goodだってエルファバとグリンダが別れを惜しむ美しい友情を描いたナンバーだなとずっと思っていました。だけど、美しいナンバーによって友情が美化されすぎていたのかもしれない…って。彼女たちの友情に嘘は一切ないけど、きっとそれだけじゃないんだって思っちゃういますよね。

For Goodでは、グリンダは本気でエルファバとの別れを惜しんでいるわけで。エルファバもグリンダともう二度と会えないと分かっているから別れを惜しんではいるんだけど、でもその先に待っている幸せがあることも分かっているわけで…。「私の夢を叶えて、あなたならきっとできるはず~」なんてエルファバに歌われたら、グリンダはその託された想いを叶えなきゃってなりますもんね。なんか…なんかグリンダだけが真実を知らされないこの状況を踏まえて、素直に「For Good良い曲だ~」ってなれなくなっちゃったんです。愛に生きる三井さんエルファバだから、余計に納得してしまいました。

でも、これも私はフィエロからの手紙の内容と真相を知っているからこう感じているわけで、フィエロからの手紙を知らなければ、今まで通りエルファバとグリンダの友情素敵~!ってなっていたと思います。物事を違う角度から見ると、こんなにも見え方が変わるんですよね…。フィエロからの手紙の内容なんて本編では語られていないから、そりゃ真相を知らずに観ている人のほうが多いですけど。もちろん、フィエロの手紙の内容を踏まえてきっとエルファバはこういう風に動いているんだろうなというのは私の憶測です。ただ、そういう捉え方をしてしまうと、エルファバに対する見方は大きく変わりました。

少し話が変わりますがALAYMのラスト、エルファバは「ただ、生まれて初めて…幸せ」って歌いますが、原語では「I feel wicked」なんですよね。フィエロと結ばれたことに対する喜びやグリンダへの罪悪感からか、エルファバ自身がwicked(悪い女)であることを感じるっていう意味合いなわけですが、日本語訳ではそこ削ぎ落されちゃってるのでただただエルファバが幸せを噛み締めているナンバーになっちゃっていますが…。ALAYMで一度「I feel wicked」になった彼女は、For Goodでもグリンダを目の前にしてきっと少なからず「I feel wicked」な気持ちを抱いたんじゃないかなぁ…って感じました。グリンダへの感謝と同時に罪悪感、そして秘密裏にフィエロと結ばれることへの喜び…。大切な友人に嘘をついて別れて愛する人のもとへ向かい自らの幸せな人生を掴むために、自分を犠牲にしてでも悪い魔女に徹しようとすら決心する。そういう意味で、For Goodのエルファバはまさにwickedだなぁ…と思いました。

怖いですよね…。エルファバがどこまで確信を持ってラスト、グリンダと接していたのか分からないんだけどさ。最後の最後で本当のwickedになっちゃったような気がして。物事を違った角度から見ると、あんなに心が美しいと思っていたエルファバがこんなに怖く見えちゃったんだもの。深く考えすぎなのかもしれないですけどね。

だとしても、エルファバとグリンダの友情はお互いにとってかけがえのないものであったのは確か。エルファバがグリンダと出会って変わったのも事実だし、グリンダがエルファバと出会って変わったのも事実。だからどんな別れ方であれ、もう二度と会えないとしても、お互いにとって大切な存在であり、「あなたを忘れない」ということだけは決して変わらないんだろうなとは思います。友情って永遠のようで実はとても呆気なくて、なんだか切ないですね。さすがに1回観ただけではラストの三井さんエルファバと真瀬さんグリンダの想いの大きさが均等だったのかがはっきりとは分からなかったので、次観たときにそこも確認したいと思います。

また、フィエロが「グリンダにも知られてはいけない」と手紙に記したのは、エルファバと逃避行する目的だけでなく、グリンダを守るためでもあったと信じたいですけどね。フィエロもそこまで薄情な人じゃないと信じたいですよ。これも、物事を違う角度から見ればまったく別の真実が見えてくると思っています。

その一方で、残されたグリンダはエルファバの想いを受け継いで、みんなに愛されたままの善い魔女として生き続けなければならなくなった。エルファバを守るために。表面上は、エルファバの犠牲の上にグリンダの幸せが成り立ったように見えますけど、本当はグリンダの犠牲の上にエルファバの幸せが成り立ってしまったというわけですよね。グリンダは真実を知らされず、大切なものを失ってもなお、みんなにこの身を捧げて「みんなから愛される存在」として偽りの幸せを手に入れることになったんだなぁ…って思ったら、グリンダのことがどうしようもなく愛しくて切なくなってしまいました。

これを踏まえると、冒頭のグッドニュースで真瀬さんグリンダの表情がやや堅く感じたので「緊張してんのかな~」って思ってたんですけど、そうではなくて彼女からの想いを託された責任感と重圧によるものなのかもしれないって思いました。だって、「みんなに愛される存在でいたい」から「みんなに愛される存在でいなきゃいけない」に変わったんですから。義務感や使命感を抱きながら彼女はオズの人々の前に立っているんだろうな、と思ったら次観たら冒頭から泣いちゃいそうです。

「みんな私に会えて嬉しいのね?私もよ」なんて言うけど、その言葉にどれだけ本心が込められているのか…。偽りの幸せを演じ続ける彼女の苦しみを理解できる人なんて、きっと誰もいないんだろうなと思いました。みんなから愛される存在なのに、彼女は孤独なんだなーって。

あー、、、幸せってなんなんだろうなぁ…。深い。

あんなに本編ではエルファバが孤独でグリンダがみんなに愛された人気者であることが描かれていたのに、ラストはエルファバはフィエロに愛されたことによって孤独ではなくなり、グリンダは真実を隠して生き続けることで孤独になってしまったという逆転の構成が上手いけど残酷だよぉ~ってなりました。つらいね。

真瀬さんグリンダの場合、「おバカが成長していく物語」ではなくて、「自分を演じて幸せを掴んできた彼女が、自分を犠牲にして幸せを演じる物語」に感じました。賢い真瀬さんグリンダだからこそ、グリンダの苦しみがより一層強く感じられたような気がします。なので、今回は真瀬さんグリンダを観てとても衝撃を受けたし、こんなにも空っぽな彼女が愛しくて切なくて大好きになりました。

そして、大人になった今はグリンダの生き方に凄く共感できるようになりました。昔はエルファバのこといじめて嫌な人~ってなる瞬間もあったけど、自分が周りから嫌われないように、自分が好かれるように振る舞う女の子ってたくさんいると思うんです。たとえ誰かを傷つけたとしても。誰かから必要とされることを自分の存在意義と感じる彼女は、SNSが普及した今特に凄く共感できるようになりました。生き方としてかっこいいのはエルファバだからエルファバに凄く憧れを感じるんですけど、大人になってみて凄く寄り添えるのはグリンダだなぁ…ってなったのは我ながら大きな変化です。

時には誰かを傷つけながら自分を誇示してきたグリンダが、愛する人たちを守るために自分の身を捧げるって凄く大きな成長ですよね。どうしてもエルファバがフューチャーされやすい作品ですが、グリンダ視点で観る『ウィキッド』って本当に全然見え方が変わりました。真瀬さんグリンダだからここまでグリンダに共感できたのか、それとも自分が大人になったからただそういう視点で観られるようになったのかは正直分かりません。多分どっちもあると思います。今後別の人で観たときに自分がどう感じるのか、早く知りたいです。

そして、この作品は「物事を違う角度から見ることで見える真実が変わる」というメッセージ性が込められているので、私が今回感じたことはあくまで私が観た角度から見えたものたちです。なので、私が感じたことに対して違う意見があっても当然だと思います。あくまで私の個人的な感想なので、ぜひご自身で観劇される際はご自身の角度から作品を観て楽しんでもらえたら嬉しいです!

まぁ、そんなわけで本当に全然見え方や感じ方が変わった今回の観劇でした。キャストがどう、以前に、キャラクターそのものへの感じ方が変わったので、今回はそこまでキャスト一人ひとりに対して色々感じる余裕がなかったのが正直なところです。でも、本当に素晴らしいキャストで再演してもらえて、凄く素敵な時間を過ごせました。

何より、エルファバ派の私がこんなにグリンダに共感してしまったので、我ながらビックリでした。物事を違う角度から見るためには、ただ回数重ねるだけじゃきっとダメで。人生経験を重ねる中で色んな人と出会って色んな考え方や価値観に触れていくことが大事なんだろうなと思いました。凄いわ、『ウィキッド』って人生そのものだよ。

そして再演してくれてありがとうの気持ち…。それこそ2009年に観ていた八重沢さんモリブルとかちゃみさんオズ陛下を再び観られるなんて思わなかったので、凄くテンション上がっちゃいました。周りを固める俳優さんたちが歴代キャストだと凄く安心して観られますね。今回はデビューさんが多いし。まりえちゃんネッサもめちゃくちゃ良かったんですけど、ネッサに関してはまた次観劇したときにでも書きたいと思います。今回はエルグリのこと書くだけでも頭がぐちゃぐちゃになっちゃったので(笑)

いやでも、色々感じたことはあったものの改めて『ウィキッド』って良い作品だな~って思いました。3ヶ月しかやらないのマジでもったいないけど、何はともあれ戻ってきてくれてありがとう!そしてデビューされた方々、本当におめでとうございました!皆さんのこれからの進化が楽しみです!

まとめ

だらだら書いちゃったし今回はグリンダに凄く共感してしまったがためにグリンダ視点の感想が多めになってしまいましたけど、もちろんエルファバも大好きなのは変わりません。どんな結末であれ、彼女自身が拓いた道ですからね。最終的に、自由を手に入れたわけですから。

今期、チケットたくさん持っているわけではないですけどできる限り観てエルファバとグリンダへの理解をもっと深められたらいいな~と思っています。大人になった今観ることで、きっとまだまだ新しい発見がありそうですし!

ということで、かなり長くなりましたが最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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