2022年3月10日マチネ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』@京都(リハ見あり)




ロボット・イン・ザ・ガーデン
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ゆうき
ゆうき

ロボット初のリハ見だよ!!!

日時:2022年3月10日マチネ公演
場所:京都劇場
座席:S席1階G列18番




はじめに

今週はたくさん会えるね!嬉しいね!ということで早くも今週2回目の観劇です。気付けば今回で2022年15回目の岡村美南さんです!

そして『ロボット・イン・ザ・ガーデン』初の有人イベント!リハーサル見学会の日です。いやぁ…リハ見なんていつぶりかしら。コロナで対面イベントがほぼ消滅してしまったことにより、私にとっては2019年以来のリハ見になります。

しかも以前みたいに当日の飛び込み参加ができなくなり、事前申し込み制になりました。これキャストが分からない状態で申し込むことになるので、俳優さんを追いかけている人にとってはなかなかの賭けですね。私も正直ギリギリまで申し込んでいなかったのですが、初日に向けての稽古写真が出て岡村美南さんが確定だろうなっていうの分かったので急いで滑り込みで申し込んできました。

おかげで無事に当選!ということで、今回は本編の感想ももちろんですが、リハーサル見学会の様子も合わせてレポしてまいります。ぜひ最後までご覧くださいませ!

総評

全体の感想です!

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

今回の客席はとても温かくて笑いの絶えない公演でした。タングが何かすれば客席から笑いが起こって、みんなでタングを見守っているような感覚になれた観劇ができました。正直めっちゃ楽しかったです。朝には岡村美南さんがラジオに出演されて舞台の魅力をお話しされていたのですが、「俳優のコンディションによっても変わるし、お客様のコンディションによっても変わる」と言っていたのがまさに実感できた観劇です。

ここ最近贅沢にも前方席ばかり座っていたので、今回前予で取ったG列センターはいつもより少し距離を感じたのですが、その分全体を観られました。おかげでいつもみたいにエイミーだけに偏り過ぎず、後ろのほうではどんなことやってるのかなーとか視野を広げて観られたのが個人的には収穫になりました。

とにかくね、今回はまちまりさんブライオニーと長手さんデイブが面白すぎ(笑)この2人はなーんでこんなに面白いんですかね。そりゃエイミーも羨ましがりますわ。息がピッタリなのでおしどり夫婦としての説得力もあったし、本当にチェンバーズ夫妻とは真逆の感じが出ていて最高でした。

いつもの寝起きのシーンは、両目を手でぱっちりと開けて起きたよーってアピールする長手さんデイブに、まちまりさんブライが真っ直ぐ立って「何が見えますか?」と問いかけて、そしたら長手さんデイブが「美しい人……」とうっとりするように言っていました。それがあまりにもシュールでめちゃくちゃ面白すぎて腹筋死にました。なんでこんなにレパートリーがあってしかも息ピッタリなんですかね(笑)

あと、今更ながらハッとしたのが結婚記念パーティーでのやりとり。ロジャーがやってくるとデイブが「彼は今フリー」と言って、そしたらブライオニーも「なんと!エイミーもよ!」って言うんですけど、これ2人が仕組んだのか…!とようやく合点がいきました(笑)すげえ今更。エイミーに新しい人を紹介するべく、あんな小芝居して2人に接点を持たせたんだなぁ…って思うと、やっぱりブライオニー&デイブ夫妻は可愛くて憎めないです。

それからガーデンパーティーのシーンでもなかなかの存在感がありました。まず山下さんベンに「あんたもちゃんとした格好すればそれなりなのに」とまちまりさんブライオニーが言うと、山下さんベンがへへっと笑うので、まちまりさんブライが「何笑ってんのよ」と辛辣なツッコミをオフマイクで言っていて笑いました(笑)まちまりさんブライ、マジで死ぬほど面白すぎましたわ…。

からの「Gift」ではエイミーが翼を表現するように両手を広げてファサァァッてやるんですけど、これを見ていたまちまりさんブライと長手さんデイブが後ろのほうで同じように両手を広げて真似していました(笑)もうそっちが気になっちゃって、手前のベンとエイミーに全然集中できなかったです。本当にしんどい…(笑)

でも普段ならベンとエイミーに集中してしまうところを、視野を広げたことで色んなものに気付けたのは個人的にも凄く良い収穫でした。観れば観るほどまちまりさんブライ&長手さんデイブ夫妻が大好きになっていくので、いつまでも仲が良い素敵な夫婦だなあ…と思えた観劇になりました。いやね、まさか東京公演の初日時点ではこんなにこの2人の組み合わせがしっくり来る日が訪れるなんて想像もしていなかったのでビックリです。

そんな熟年夫婦のブライオニー&デイブ夫妻とは対照的に、結婚5年目のベンとエイミー夫妻。岡村さんがラジオに出演したときにベンとエイミーは結婚5年目だって話していました。そうか、5年目なのか…という気持ちで観るとまた感じ方が変わりますね。私は結婚の経験がないので結婚5年目ってどんなもんなのかまったく想像つかないのですが、さすがに新婚の頃のようなラブラブっぷりはなくなりますよね。そろそろ廃り始めてくる頃なのかな?笑

でも5年かけてエイミーは殻に閉じこもってしまったベンを変えようとしてできなかったんですよね。何も変わってくれないベンに、5年もかけられたって逆に凄いと思うのですが…。ゆきみさんエイミーがあれだけ愛想を尽かしてしまうのも無理ありません。でもミナミーは5年かけてでも10年かけてでも彼を変えたいっていう気持ちを持ち続けながら、ベンと一緒に生きる未来を選んだだろうなって改めて感じました。

それくらい、ベンのことが好きなのが伝わってきました。まあベンを好きな気持ちとベンを変えたい気持ちはイコールではないから、ベンに呆れてしまう瞬間もあるし落胆してしまうことも少なくないでしょう。なんで分かってくれないのよ!というもどかしさを抱きつつも、彼を嫌いにはなれないっていうもどかしさもね…。

で、多分あの日もタングが現れなければ、いつも通りやり過ごして今後もあんな風に小言を言いながらベンを叱りつけて、何も変わらない毎日を過ごしていたんだろうなぁ…って思いました。エイミーは結局何をきっかけに限界を感じてしまったかって、タングに対して興味をそそられて自発的に動き出したベンに対してなんでしょうね。これ、私も最近のブログに書いたことだし岡村さんもラジオでおっしゃっていたのですが、自分にできなかったことをタングができてしまったということに悔しさがあったんだと思います。

5年もかけてベンを変えようとしていたのに自分じゃどうすることもできなくて、でも突然現れたボロボロのロボットがいとも簡単に彼を動かしたっていう。悔しかっただろうなぁ…。違う、そうじゃない!ってエイミーとしては思うでしょうし、そりゃ泣きたくなるし寂しくなりますよね。

だからこの「5年」っていう積み重ねてきた時間の重みと、その5年をかけてまでしてもエイミーの抱いていた希望が簡単に打ち砕かれた「虚しさ」というものをより一層感じられた観劇になりました。新婚さんってわけでもないし、ブライオニーとデイブのような熟年夫婦でもない。この5年っていうのが凄くリアルで、エイミーが結婚生活に終止符を打ってしまうほどの想いがこの5年間に込められているんだなって思いました。やっぱり、知っているのと知らないのとでは見え方・感じ方は全然変わるもんですな。

また、ラジオで岡村さんがおっしゃっていたのですが、エイミーは現代的な女性であるという点にもお芝居のヒントが隠されているのを改めて実感しました。物語はベンの日常が大きく動いたとある1日を始点として描かれていますが、その瞬間までは2人にとってもこれまでの5年間の日常の中の1日に過ぎないわけですよね。冒頭のシーンって。タングがやってくるという大きな出来事はあれど、チェンバーズ夫妻には共に5年間歩んできた結婚生活の1日に過ぎない。

あの日だけ何かいつもと違う特別なことをしているというわけでもない。普遍的な1日。そういった日常らしさをちゃんと出せている山下さんと岡村さんのお芝居は凄いなーって思いました。ベンの「洗濯もしとく?」とかエイミーの「あなたが自分で作ってもいいのよ」とか、別に舞台用に用意された言葉ではなく、彼らの5年間ではきっと何度も出てきたであろう言葉たちなんだなっていう説得力がありました。いい意味で「普通」。でも「普通」を演じるって実は一番難しいことだったりします。

だから、岡村さんにしろ山下さんにしろちゃんとその日その日のお芝居をしていて、息遣いも違うし言い方も異なっているから、凄くリアリティがあるなって感じたんですよねぇ…。本当に今更なんですけどね。岡村さんのラジオでのお話を聞いて、改めて気付かされたポイントがたくさんあって凄く楽しかったです。

あと、個人的にめっちゃ良い!ってなったのが、エイミーに声をかけるまちまりさんブライオニーのセリフの言い方。「弟を気にしてくれているのは嬉しいけど、あなたも自分の人生を生きなきゃ」という言葉をエイミーに投げかけます。今回は「弟を気にしてくれているのは嬉しい…。けど、あなたも~」といつもとはちょっと違う区切り方をして言ったんですよ。これ、めっちゃ良いなって思っちゃいました。

別に普段の言い方が悪いとかではなく、今回の言い方になると「弟を気にしてくれているのは嬉しい」という言葉に凄くブライオニーのベンに対する思いやりを感じられるんですよ。でもそこに一拍置くことで、「けど、あなたも自分の人生を生きなきゃ」とエイミーに対する思いやりも感じられるのよ。ベンとエイミー、両方に幸せになってほしいっていうブライオニーの想いが凄く感じられる言い方でした。だからめっちゃ好きでした。

なんかね、こういうさりげないセリフにしたって言い方や区切り方を変えるだけでこんなにも印象変わるんだよなぁ…と思って、なんだか今回は「家族」を思いやる人たちがたくさんいる心温かい家族の物語なんだなということを改めて感じられた観劇になりました。色んな発見や再認識できることがあって、本当に充実していました。

そんな本編もありつつ、カテコも家族が可愛くてほっこり。今回はタングを挟むようにして山下さんがタングの右手を、岡村さんがタングの左手を握って捌けていきました。正面向いているときはそれでもいいんだけど、下手に向かうときに方向転換すると岡村さんが客席から見てタングに被るようになっちゃうから自分はどこにいたらよいか…とあたふたして、結局諦めて普通に歩いていたのが可愛かったです(笑)本当にチェンバーズ一家が可愛すぎて癒しでした…。

今回はそんな感じかな!他にも色々面白かったシーンや気付いたこともあったのですが、正直連日の観劇とブログ執筆と合間に仕事もしていて寝不足なのか疲労が限界なので今回はこの辺にします。あとリハ見レポもあるのでキャストの感想は割愛で!とりあえずすっごく温かくて素敵な公演でした。観られて良かったです!

NEXT>>リハーサル見学会レポです!

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