2021年9月11日マチネ 劇団四季『アナと雪の女王』




アナと雪の女王
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キャストの感想

キャストの感想です!

エルサ:三井莉穂

2回目の三井さんエルサです!前回観たときに衝撃を受けて一気に好きになったキャスティングでしたが、2回目観てみて好き度がさらに加速しました。もうこれが私の求めているエルサ像…っていうくらい、まんま映画のエルサでした。

とにかく今回三井さんが絶好調で、歌声の伸びはもちろん声量も凄すぎて凄かったです(語彙力)。ジャスミンのときは結構歌が不安定なときもあってソワソワすることが多かったんですけど、エルサは音域的にも声質的にも合っているし、本当に何一つ不安なく観られました。もうドンピシャにスコーンとその音に届く歌声を出していたので圧巻でした。

そして改めて感じたこととしては、三井さんエルサはアグナルの教えがしっかり体に染み込んでいて呪縛から解き放たれることなく生きてきたんだなぁ…という彼女の生き様を垣間見たことです。「人に見せないで、感じないで」というこんな一言がエルサを13年間も苦しめてきたんだなぁ…というのが凄く感じられました。

だから三井さんエルサは笑うことがとにかく苦手。笑おうとしても笑えない。Dangerous to Dreamでも「笑いそう、変よね」と歌いながら微笑んではみるもののすぐに強張った表情に戻ってしまう。ずっと笑わずに生きてきた証拠だなと感じました。でも、DtDのラストで「それは危険な夢~」と歌うときに少しだけ微笑んだのが印象深くて、三井さんエルサは笑いたいんだな…っていうのも凄く伝わってきました。

笑いたいのに笑えないってどれだけ苦しいだろう…って、考えると凄く胸が苦しかったです。三井さんエルサを観ていると凄くつらいのが感じられて、葛藤や不安が全面に出ていて、太陽のように明るいぺーちゃんアナとは対照的なのも個人的に姉妹の関係性が色濃く出て大好きです。無神経なアナに声を荒げるときのお芝居とかも前回観たときより自然になっていたし、お芝居がかなり柔軟になった印象がありました。だからさらに魅力的になっていて、凄く良かったです。

そして何より圧巻だったのはレリゴーです。三井さんのパワフルボイスが響き渡っていたのももちろん凄かったし、エルサが自分の生き方を肯定するようになったきっかけがここで生まれたというのが凄く伝わってきてグッと来ました。三井さんエルサの表情が一瞬一瞬どれも良すぎて、これマジで映像に残してほしいくらい素晴らしかったです。

先述したように、今回のレリゴーでは三井さんエルサがノースマウンテンで魔法を繰り出すたびにどんどん自信をつけていったのが伝わってきました。歌い始めは表情も暗く、自信なさげな感じだったのに、試しに魔法を発動してみたら凄く綺麗に輝いて、魔法はなにも人を攻撃してしまうような恐ろしいものではないということに驚いていたような印象がありました。ステージ上に渦巻く魔法に驚いて、次に放った魔法には笑顔を見せて、そうして魔法を発動していくうちに目つきが変わったんです。

魔法を発動することが怖くない、誰も傷つけない、魔法でこんな綺麗なものが作れる…ということが分かってどんどん自信がみなぎってきたような表情になっていました。同時に歌声にも覇気が出てきて、弱々しい歌声から力強い歌声に変化していったのもエルサの自信を表していて良かったです。三井さんエルサはずっと笑うことができなかった人なので、ここで笑顔を見せるっていうのが凄く印象的でした。

だからこそラストにかけてはどんどん歌声にエネルギーがみなぎっていて、一気に爆発するのがとても迫力あって素晴らしかったです。今回は歌声に一切ブレもなく、真っ直ぐに突き抜ける高音で歌っていたのでレリゴーの歌詞にも説得力が増して最高にかっこよすぎました。三井さんエルサ、マジで歌が圧倒的に上手すぎてレリゴーが本当に最高でした。最高すぎて涙出そうでした…。

2幕も歌唱力が安定していて、難易度の高いMonsterも安定して歌っていたのは凄かったです。特に自分が死ねば…という考えに引っ張られていたエルサが「ダメ!」と自分を鼓舞するときの歌い方だったり表情だったりは凄く力強さがあって、エルサの葛藤からの決意の変化が歌声でしっかり表現されていました。高音の伸びも凄まじいし、本当に澄んだ綺麗な声だしパワフルさもあって聴き心地も最高でした。

そんな感じで三井さんエルサは終始ずっと葛藤と不安にさいなまれているタイプのエルサなので、最後に笑顔になるときのギャップがたまらなかったです。本当はこうやって笑える人なんだよなぁ…って。ずっと笑顔を見せずに生きてきたからこそ、ここで見せる笑顔の破壊力は凄まじすぎました。

あと、岡本さんエルサとの違いとしては三井さんエルサは1人でいるときほど輝くタイプだなぁ…ということです。岡本さんエルサって自分のこと以上にアナのことを大切に想っていて、アナのことが大好きで愛しくてたまらないのが伝わってくるんですよ。だからDtDだったりICLYだったりラストだったり…アナと向き合うときのお芝居がすっごく輝くんですが、三井さんエルサはレリゴーだったりMonsterだったり、自分自身と向き合うときのお芝居がかなり魅力的だなと思いました。

だから両者全然タイプが違うし、それぞれに違った魅力があるなーって感じました。ここは三井さんのが好き!ここは岡本さんのが好き!みたいな感じで、それぞれに好きなポイントがあります。そういう意味でもどっちのエルサも大好きだし、こうやって違ったエルサを観られることが幸せだとも思いました。今回はガッツリ三井さんエルサに魅せられましたし、岡本さんエルサとの違いを発見できたのも凄く楽しかったです。

とにかく今回は三井さんエルサの歌声にひたすら圧倒されて、三井さんエルサの感情表現にグッと来て、三井さんエルサの表情の変化に感動して…と魅了されまくりでした。三井さんが演じるエルサは松たか子さんが演じるエルサのように繊細で常に困り眉で今にも壊れてしまいそうな寂しさをずっと抱いている女性で、きっとエルサオタクたちが好きなエルサ像ドンピシャだと思います。だからアナ雪オタクの人たちにはかなり刺さるんじゃないかな?私も大好きです。

そんなわけで大好きな三井さんエルサをまたまた堪能できて幸せでした!そして今回観てさらに三井さんエルサを好きになりました!三井さんエルサのレリゴーはマジで国宝級です。三井さんエルサをまだ観れていない方はぜひぜひ観てみてくださいまし!

アナ:三平果歩

2ヶ月ぶりのぺーちゃんアナ!やっぱりぺーちゃんはアナを演じるために生まれてきたといってもいいくらいしっくり来ますね…。まんまアナでした。凄く安心して観ていられるし、決して無理して演じている感じがしないのもぺーちゃんらしいなぁ…と。ぺーちゃんの素がそのままアナと通じているというのが、まさにハマり役である証拠だなと思いました。

くしゃっとした笑顔も底抜けに明るい声も本当にまんまアナで、太陽みたいな存在であることの説得力がえげつなかったです。前回ガチガチだった町島さんアナを観たことで、余計にぺーちゃんアナのナチュラルさが際立って、やっぱりぺーちゃんってすげえんだな…と再認識しました。

動きもスマートだしコミカルなお芝居もなんなくやってのけてしまうし、何もかもがアニメーションなんですよね(笑)お芝居そのものが本当にナチュラルなので、北村さんストフや塚田さんハンスとの掛け合いもかなりスムーズで違和感なく観られました。特にこの2人との掛け合いってテンポも重要だし、ちゃんとお互いのテンポを大事にしつつぺーちゃんアナのペースに持っていけるほどの技量を持っているのもアナらしくて良かったです。

そういうスピード感がコミカルさを生み出し、かつアナの少し自分勝手なように思える振る舞いを助長させるし、とにかくアナを演じるにあたってのテンポの重要さをひしひしと痛感できた観劇になりました。ぺーちゃんアナが作り出す間も最高でした!

あと、ぺーちゃんアナは凄く明るいからその裏に隠れた寂しさみたいなものが見えたときにグッと来てしまいます。特にICLYでエルサに向ける表情は、あからさまに寂しそうな表情をするわけではないんだけどふとしたときに翳りが見えて、「あ、この子は本当は凄く寂しいんだな」というのが伝わってきました。エルサばかりが孤独を求めていたけど、アナもずっと孤独で、でもそれを感じさせないくらい明るくて元気いっぱいで…。その健気さに泣きそうになりましたし、ぺーちゃんアナがエルサのこと大好きなのも伝わってくるから、ぺーちゃんアナを観ているととても胸がキュッとなります。

常に全力で前向きで明るいからこそ、自分の未熟な部分や寂しさにあえて気付かないフリをしてきて、でもエルサを目の前にするとそれがダダ洩れしてしまう、そんな三平果歩ちゃんのアナが大好きでした。ギャップがいいですね…。家族に対する愛情が深くて重いのは『マンマ・ミーア!』のときから相変わらずですが、それが真実の愛へと結びついているのでとても物語に説得力がありました。

あとは相変わらず爆弾も投下してくるから、今回のパーティーでのエルサへのエスコートはさすがに尊死でしたよ。この子は本当に天然タラシだわ…。早く岡村美南さんがエルサデビューして、たっぷり美南ルサに重い愛情をぶつけてほしいと強く感じた観劇になりました!とにかく久々に元気そうなぺーちゃんアナを観られて嬉しかったです!

クリストフ:北村優

2回目の北村さんストフ!安定感があって北村さんの頼れるお兄ちゃんらしさが全開でとても男らしいストフでした。前回は町島さんアナをフォローするようにお芝居していた印象もありましたが、今回はしっかりと北村さんらしいお芝居をされていたように感じました。というのも前は町島さんアナのテンポに合わせるようにセリフを話したり動いたり…という感じだったのが、今回はぺーちゃんアナの間をいい意味で待たずに動いたり喋ったりしていたので、ストフの若干身勝手で頑固な部分も強調されていて良かったです。

また、ぺーちゃんアナが本当に自分のペースを持っていて誰彼構わず巻き込んでいくタイプのアナなので、北村さんストフが若干翻弄されつつもお兄ちゃんらしくアナの手綱を握って引っ張っていったのも素敵でした。神永さんストフはアナ相手にも全力で噛みつきにいくタイプのストフですが、北村さんストフはそうではなくて自分の立ち位置を変えて相手をリードしたり支えたりできるタイプのストフだなぁ…と感じました。多分、神永さんストフよりも視野が広い。

そういう意味でも映画1作目のときのストフにすっごく似てる部分があるんですよね。ストフはアナ雪2でかなり自分勝手な男になってしまったけど、1作目は本当に良い男だったので…(笑)落ち着きがあるのとは違うけど、凄く大人な対応ができるし、ムキになりすぎず感情的になりすぎないのも北村さんストフの魅力であり、映画版ストフとの共通点だなーと感じました。本当にキャラクターの再現度が高いです。

また、神永さんストフは笑わせに行こうとする演技をする場面も多々あるのですが、北村さんストフは神永さんが狙ってやる場面もわりとシンプルにお芝居をしていたりセリフを誇張して言わなかったり…と凄く自然に演じています。その分ぺーちゃんアナのコミカルさが引き立つので、ちゃんと相手を見ながらお芝居できるのも素敵だなと思いました。北村さんストフ、観れば観るほど良い男です(笑)

歌も相変わらず上手いし声も良いし、ずっと聴いていたかったです。ぺーちゃんアナとの掛け合いも本当に最高だったので、好きな俳優さん同士の絡みを観られて幸せでした!

ハンス:塚田拓也

2回目の塚田さんハンス!前回観て衝撃を受けまくったハンスだったので、また観ることができて嬉しかったです。前回はフラットに観られたんですけど、今回は「こんな好青年だけど全部嘘なんだよな…」と思いながら観てしまったので、塚田さんハンスが笑うたびに好青年っぷりを発揮するたびにゾクゾクしました(笑)

1幕は本当に好青年だし人当たりも良くて笑顔も爽やかで優しくて、むしろ欠点は何一つないんですけど、穿った見方をしてしまった私は逆にその満面の笑みに隠された魂胆が垣間見えてしまったような気がして恐ろしくなりました。結末を理解した上で観る塚田さんハンスの怖さはヤバいです。

そんな中でやはり特筆すべきなのは2幕の裏切りシーン。アナにキスをしようとするところまでは本当に素敵な王子様なのに、「君を愛してくれる人がいればいいんだが…」と言った瞬間からの冷え切った声色と表情はマジで恐ろしすぎました。人間ってこんな冷酷な表情できるんだ…と驚かずにはいられません。それくらい、1幕とのギャップが凄すぎてその落差にゾッとしたし、悪役としてめちゃくちゃ輝いていて良かったです。

声色に含みを持たせたような蔑む言い方。吐き捨てるような言葉の数々。そして圧と憎悪でいっぱいの鋭い目つき。勝利を確信したようなにやけた笑顔。どれもおぞましすぎて、100点満点でした。こんな一瞬で変化できるって凄すぎるし、誰が観ても「こいつはヤバいやつだ!」となるくらい完璧な悪役を演じてて、塚田さんハンス凄すぎました。

1幕ですっごく素敵な好青年を演じていたからこそのギャップだと思うので、思い返せば全部計画通りだったんだなってことですよ…。だからそういう目線で1幕から観ていると、塚田さんハンスの笑顔が逆に怖くなります。ニコニコと笑っていて良い人そうなんだけど、なんか心は笑ってないな…とかなんとなく感じられました。だから、塚田さんハンスはあえて1幕からそういう目線で観てみてほしいです。1幕の心が笑ってない感じ最高にそそられるので(笑)

あとはエルサを殺そうとしているときの塚田さんハンスの表情も秀逸。ここまで目がいかれちゃってる塚田さんを観たことがないので、終始恐ろしすぎました。マジで悪役というスタンスに振り切ったお芝居をしているからこそ、どの瞬間も最高に悪役顔しているのでめっちゃ映画まんまのハンスです。再現度が高すぎる…!逆にここまで悪役に徹してくれているので、観ていて気持ち良かったです。

改めて塚田さんハンスのヤバさを再認識できましたし、ぺーちゃんアナとの掛け合いも観ることができて幸せでした。バカップルっぷりはぺーちゃんアナ×杉浦さんハンスのがあって観ていて面白いですが、2幕はやっぱり塚田さんハンスが最高にかっこいいです…。塚田さんハンス沼にドボンしそうですね。堪能できて良かったです!

まとめ

病み上がり1発目の観劇をアナ雪に決めて良かったです。それくらい最高の公演を観られたと思いますし、最高の組み合わせを観られて本当に幸せでした。改めて『アナと雪の女王』という作品の凄さを実感できて、姉妹の尊さを再認識できて本当に本当に幸せでした。

私が大好きな三井さんエルサ×三平ちゃんアナを堪能できて嬉しかったですし、やっぱりこの姉妹の組み合わせは素晴らしかったです。組み合わせによって色んな化学反応が起こるし、全然姉妹の雰囲気も関係性も異なるので、これからも色んな組み合わせで観たいなーとは思うのですが、今のところ個人的なベスト姉妹はりほぺーです。声の相性が抜群すぎて何度観てもSUKI…。

あとは三井さんエルサ×町島さんアナがまだ観られていないので、次こそ観られたらいいな…!そして来週の18日のバースデー直前アナ雪がキャストどうなるのかも楽しみなので、月曜日のキャス変をワクワクしながら待ちたいと思います。

何はともあれ、尊すぎるりほぺー姉妹を観られて幸せでした!

そして最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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