2023年5月31日マチネ 劇団四季『アナと雪の女王』




アナと雪の女王
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キャストの感想

キャストの感想です!

エルサ:三井莉穂

2021年9月ぶりの三井さんでした。三井さんは『ウィキッド』のエルファバ役候補なので、多分そのうち抜けちゃうししばらく観られないだろうな~って思って、戻ってきたら絶対に観たいと思っていたので観られて嬉しかったです。いやもう相変わらずの八の字の困り眉がお似合いで、めっちゃエルサでしたわ…。

私、もともと三井さんエルサが凄く好きだったんです。あまりにも不安がっていて一人でいることに安心感を覚えるような孤独なエルサ像がしっくり来ていて、レリゴで一気に開放されていく伸び伸びとした姿がめっちゃ気持ち良くて。そんなエルサっぽさは今も健在だったのでとても安心しました。

でも心なしか以前よりも穏やかに笑えるようになっていて、Dangerous To Dreamでもアナを見つめながら優しく笑っていたり、戴冠式を無事に終えられたことに安堵しながら穏やかに笑っていたり、その辺は岡本瑞恵さんのエルサに雰囲気が近しかったかも。ちゃんとお姉さんなんだなっていう説得力が出た気がします。

今まではガチガチに固められた心をなかなか解放できずにいる女の子っぽさがあったけど、久々に観たらちょっとお姉さんらしさも出ていて、つかの間とはいえエルサも大好きな妹に再会できたことや父の教えを守れたことに素直に喜びを感じているんだなぁ…っていうのが伝わってきました。以前はそのことにすら戸惑いを感じていて喜んでいいのか分からないような佇まいだったからね。どちらの三井さんエルサのお芝居も凄く好きです。

三井さんエルサは父の教えをガチガチに体に染み込ませたような雰囲気があって、観ているだけで可哀想になるようなエルサだったんですけど、改めて観てみてもアナとの距離感に戸惑っているし周囲の人にどう振る舞えば良いか分からず困ってるし喜怒哀楽もハッキリしすぎず常に戸惑っているしで、なんかめっちゃエルサだな…ってなりました(笑)常に困り眉だから本当に可愛い。センシティブエルサ。

だからこそレリゴで眉がシャキッとして(?)イキイキと歌う三井さんエルサの佇まいにやられるんですよねぇ。要はギャップよ。エルサが本当の自分を見つけたっていう説得力が凄く感じられる瞬間。レリゴで伸び伸びと歌い上げる三井さんエルサを観たときに、これだよこれー!ってなりました。軽々とハイトーンを歌い上げる喉の強さもさすがですけど、一人でいることで安心感を覚えて力を最大限に発揮できるのがそのパワフルな歌声からヒシヒシと伝わってきました。

三井さんは歌い方の癖として、繊細に歌うDangerous To Dreamのようなナンバーよりもパワフルにハイトーンで歌い上げるレリゴやMonsterのようなナンバーが多分合っていて、だからエルサが自身の力を最大限に発揮できるときに三井さんの魅力が大爆発すると思っています。アナと一緒にいることで魅力を発揮する岡本さんエルサと違う部分だなぁ…って以前観劇したときも思いましたけど、やっぱりパワフルに歌い上げる三井さんエルサのバイタリティは見事でした。

でも、アナといると魅力を発揮できないというわけではなく、ICLYでも苦悩して葛藤している姿は凄く感じられました。三井さんエルサは戸惑ってるからね、常に…。だからとっても不器用で、アナを避けたいんだろうなっていうのも凄く説得力を感じられて良かったです。本当はあんな穏やかに笑えるのにね。そういったエルサの心情表現もこの1年半でかなり深化した気がします。エルサというキャラクターにとても厚みが増していて、終始三井さんエルサには引き込まれました。

以前はアナの俳優さん(というかぺーちゃん)と対峙することで相対的にお姉さんという感じが出ていたけど、今回はちゃんとお姉さんらしい佇まいをしていたのが凄く良かったです。町島さんアナとの関係性ゆえなのかな。私の大好きなエルサがそこにいました。久々に大好きな三井さんエルサを観られて感無量でした!

アナ:町島智子

町島さんアナは2021年8月以来で、ちょうどデビューしてまだ間もない頃に観たきりでした。町島さんにとってこんな大きな役は初めてだったからかデビューしたての頃はお芝居がとてもガチガチで観ているこっちがソワソワしてしまいましたけど、あの頃から1年半が経った今の町島さんアナは見違えるほど魅力的になっていました。

お芝居が柔らかくなっていて、必死にセリフを喋っていたデビュー当時に比べて、かなり感情を込めながらそのときのアナの心情に合わせてちゃんとセリフを言えるようになっていて、なんなら遊びを含ませることもできて…。こっちがソワソワする瞬間なんて一切なく、アナとして伸び伸びと生きている町島さんの姿に非常に胸打たれました。とっても良かったわ…。

アナとしてのユーモアセンスは正直あまりないんだけど、でもちゃんとアナなんですよ。三平果歩ちゃんのアナは映画からそのまま飛び出してきたようなアナそのものでしたが、町島さんアナは映画のアナとはちょっと雰囲気が異なるけど、でもちゃんとアナとして確立しているのが素敵。顔立ちはとても大人っぽいのでお姉さん的な優しさのある雰囲気もありつつ、でも妹気質を感じさせる愛嬌の良さや甘えたな一面はすっごく可愛くて、エルサといるときの町島さんアナの可愛さったらなかったですね。ああ、エルサのことが大好きなんだなぁ…ってとても伝わってきました。

駄々っ子というわけじゃないんですが、たとえばICLYで「離れているべきよ」ってエルサが歌ったときだったかな、町島さんアナが寂しそうに首を横に振っていて、姉からの愛に凄く飢えている様子が伝わってきました。エルサと一緒にいるときの町島さんアナって、なんだか置いていかれた子供のような寂しそうな佇まいをしていて、それがすっごく妹っぽさを感じさせて好きでした。エルサのことが好きで、エルサを愛したいしエルサに愛されたいっていう気持ちが凄く強いアナだなぁ…って。ハンスやらクリストフやら気になる男はいるけど、何よりもエルサだけをずっと大切に思ってきたっていうようなアナでした。芯が強いんだよね、町島さんアナ。「私にはエルサしかいない」って感じさせるようなエルサへの想いに溢れたアナ。

町島さんがアナという大役を掴んだことに対するアナというキャラクターへの想いの強さゆえなのかもしれないけど、エルサを大切に思う気持ちも痛いほど伝わってきて、なんかめっちゃ良かったんですよ。デビュー間もない頃の町島さんからは想像もできないほどの深化でした。映画のイメージ通りのアナを期待する人からしたらちょっとイメージとは異なるかもしれないけど、舞台版アナとして町島さんアナのアプローチはとても好きだったな。凄くアナへの愛が感じられるお芝居でした。

あと、やっぱり町島さんアナは歌が良すぎるのよ。とにかく歌がうめえ…。伸びやかに歌うから聴いているこっちも凄く気持ちよくなっちゃいました。町島さんアナの音源化頼むよ四季ちゃん!特に町島さんアナのFor The First Time In Forever(長すぎるから普通に日本語訳のがええな)は凄く好き。アナの喜びと嬉しさと期待がすべて込められたような伸びやかな歌声は聴いているこっちまでワクワクしちゃいましたもん。クセのない真っ直ぐな歌声なので、めっちゃ綺麗に伸びるんですよね。アナにとって扉が開くことがどれだけ嬉しいのかが歌声から凄く伝わってきたし、アナの真っ直ぐな性格がそのまま歌声にあらわれていて良かったです。ずっと聴いていたいな。そしてやっぱりTrue Love歌ってほしかった。

ちょこちょこ町島さんアナのレポは拝見していたので凄く楽しみにしていたのですが、想像以上に魅力的になっていて嬉しかったです。いきなり大役を掴んだシンデレラガールなので、ここから先色んな役で拝見したいなと思わせてくれるほど素敵なお芝居でした。そしてこれから先、ますますアナとしても魅力的になっていくんだろうなと期待が持てました。今このタイミングで町島さんアナを観られて嬉しかったです!三井さんエルサとの組み合わせも最高でした!

クリストフ:南晶人

初めましての南さんクリストフでした。なんかめっちゃ野生で育ったんだろうな~っていう感じがする男くささがあったので、とてもクリストフに似合っていましたわ(笑)

歌はとても伸びやかだし表情のお芝居も細やかで良かったんですけど、いかんせん気になったのが滑舌かなぁ。滑舌が悪いというのかところどころ言葉がぽろっと抜けるような感じなんですよね。抜けるというのはセリフを忘れるということじゃなくて、一音一音がハッキリしないみたいな。要は滑舌なんですけど、喋るシーンはほとんどそんな感じで、どうしても気になっちゃってクリストフのセリフに集中できなかったんですよね…。

正直、浅利さんがご存命だったら多分今すぐ役を下ろされてそうなほどの滑舌だったので、どうにかならないものかなぁ…と。言葉を大切にする四季において滑舌の悪さって致命的ですし、何か理由があるにしてもここまで全編にわたってとなると、さすがにキャスティングは考えたほうが良い気もするなぁ…って思いました。

滑舌以外の部分は本当にすっごく素敵だったんですよ。お芝居だってとても良かったし、野蛮で大雑把だけどちょっとビビりなところも凄く多面的で魅力いっぱいだったし、体格の良さもめっちゃクリストフっぽくて良かったし。だからなんかもったいないなぁ…ってなって、ずっとモヤモヤしています。でも、一度サードキャストも観たかったので南さんクリストフを観られたことは嬉しかったです!

オラフ:小林英恵

小林さんオラフ観るのもめっちゃ久々でしたけど、めっちゃ小林さんそのものがオラフだな~ってなって笑っちゃいました(笑)オラフに似てますもんね、表情の作り方とか全部(笑)完全憑依型のオラフで女性ならではの柔らかさも持っているので、観ていてとてもほっこりしました。

声の出し方ってもともとこんな感じでしたっけ?久々に観たら結構アニメナイズされたように思ったんですけど、それがより中性的な感じを増していてレディオラフとしての魅力につながっていたように感じます。あと、小林さんオラフは間の取り方が絶妙で好き。何も考えずに生きているような能天気っぽさが出ていて、笑いを誘われました。

演出変更なのかところどころセリフの言い方?も変わったように感じますが、どんな出方であれ小林さんオラフの安定感と安心感は抜群でした。エルサとアナを繋ぐ架け橋としてドンと構えるその佇まいがとても良かったです。久々に観れて嬉しかった~!

ハンス:塚田拓也

塚田さんハンスもかなり久しぶりですが、相変わらずギャップがやべえハンスでしたわ…。なんか1幕冒頭の猫被った塚田さんハンス、以前よりも爽やかさに磨きがかかっていません…?こんなに柔らかく笑うんだっけとなって、それが全部芝居なんだと思うと怖くてゾッとしました。一見マジで好青年だし凄く真摯に国民にもアナにも向き合ってくれるから、そりゃ誰だってハンスを信じてしまうわ…ってなります。だからこそ、豹変したときの衝撃がでかかったです。

悪ハンスになる瞬間のスイッチの切り替えがセリフを発した瞬間に伝わるのがヤバいですよね。絶対零度の声色とアナの人の良さにつけ込んだ卑劣さが全面に出てくるあのお芝居、何度観てもたまりません。やっぱり塚田さんハンスはいいなぁ…。この豹変のギャップは初心者でも凄く分かりやすいし、ザ・ディズニーのヴィランって感じだし、人間としても怖いし、もう何も信じられなくなりました(笑)

マジで1幕の紳士的な優しいハンスはいずこへ…むしろあれは全部演技だったっていうのか…?と思うと凄いですよね。塚田さんハンス、あまりにも顔がイイのでその顔にも見惚れるけど、甘いマスクと下手に出てくる礼儀の良さにもつい心を許してしまいますもんね。それに、町島さんアナがジャイアンツの原監督がよくやるようなグータッチポーズをしたら(伝わる?)、塚田さんハンスも同じように真似てきて、ユーモアもあるし、距離感の詰め方が絶妙すぎるんですわ。あんなん惚れる。

そして町島さんアナがとてもちっちゃいので身長差が凄くて、キスするときは塚田さんハンスが一生懸命腰を屈めていたのが可愛かったです(笑)あれは腰やられそう(笑)一生懸命首あげてる町島さんアナも可愛かったけどね(笑)すべてがオール可愛いに包まれていました。

塚田さんハンスはもう一度観たいと思っていたのでこのタイミングで観られて嬉しかったです!本当に最高のキャスティング。ハンスは嫌いなんだけど塚田さんハンスはめっちゃ好きなんですわ。相変わらず最高のハンスでした~!

オーケン:塩地仁

塩地さんオーケンは初めましてだったんですけど、すっごく優しそうな顔したオーケンですね。その優しそうな雰囲気がまた面白くてじわじわ来ました。観るからに危険人物って感じじゃないのがまた絶妙なんですよねぇ…。あ、でもその柔らかそうな雰囲気は映画のオーケンに近しいのかしら。

今回はマジで中高生の団体が凄く盛り上がってくれたおかげで、ヒュッゲがめちゃくちゃ楽しかったんですけど、あれだけ盛り上がってくれたらオーケンやる俳優さんも楽しいよなぁ…って思います。塩地さんオーケンも盛大に「フッフー」を返してくれる客席に向かって「意外な反応…」って圧倒されていたし、コール&レスポンス楽しすぎました(笑)

それにしてもクリストフには凄く塩対応なオーケンだったので笑いました。クリストフに対して冷めた視線を送っている瞬間があって、あからさますぎる反応にじわじわ来ちゃいましたよね。お歌も上手でしたし本当に人当たりが良さそうな優しい佇まいをされていたので、凄く印象に残っちゃったし盛大に爪痕残しましたね。ようやくサードオーケンが観られて嬉しかったです!

アグナル王:鈴木涼太/イドゥーナ妃:小林由希子

いつの間にか涼太さんがアグナル王デビューしているし、ゆっこさんがイドゥーナ妃デビューしているしで驚きですわ。でもどちらもすっごく観たかったので同時に観られて嬉しかったし、涼太さんパパとゆっこさんママはあまりにもビジュが良すぎるのでそりゃ美人の姉妹が生まれるわ~って納得でした。というか、涼太さんとゆっこさんが親を演じているっていうことにもまだ馴染めていなくて、なんか時間の経過を感じてしまいました。

涼太さんアグナルは凄く穏やかで優しい顔つきのパパでした。阿久津さんアグナルのようなキチッとした真面目で教育熱心な感じとは違って、エルサに魔法を隠すよう教えることにも少なからず心を痛めているような感じもあったと思います。めっちゃ涼太さんらしいアグナルだなぁ…って思ったし、あと5年早くアナ雪をやっていれば涼太さんがクリストフやハンスをやっていた可能性だってあるし、もっと涼太さんのお芝居観たかったなぁ…という気持ちと贅沢な気持ちとでいっぱいです。

そんな涼太さんがついにヒュッゲデビューですよ(笑)かつて王子と呼ばれていたような爽やか系イケメンがヒュッゲしてるのあまりにも衝撃的すぎて笑っちゃいました。そうか、アグナル枠はもれなくヒュッゲデビューもしてしまうんや…となり、じわじわ来ました。いや、逆にアナ雪だからこんな涼太さんを観られたのかもしれない。とても新鮮すぎて観るの楽しかったです。

そしてゆっこさんイドゥーナはとても優しいママでした。怒ったりするの苦手そうなママだなぁ…ってなんとなく。いや、そもそもゆっこさんがママやってるのか信じられないというか(笑)私の初リトマのアリエル役はゆっこさんだったので、ゆっこさんがママやるなんてなぁ…って感慨深い気持ちでいっぱいでした。包容力はもう少し年齢と経験を積んで培われていくんだと思うのですが、とにかく優しさに溢れていたのが素敵だったな。愛情をいっぱい注いで育ててくれたんだろうし、可愛らしいママだったので個人的に凄く好きでした。

あまりにも贅沢過ぎるキャスティングでした。2人とも観られてめっちゃ嬉しかったです~!

まとめ

書きなぐりましたが、だいたいこんな感じです。1年半ぶりだからすべてが新鮮で目が足りませんでした。とにかく今回はみつまち姉妹をこの目で観てみたかったので、目的を達成できて良かったです。想像以上に素敵な姉妹でした。エルサとアナに会えたよ、嬉しかった…。

私自身、久しぶりの観劇によってアナ雪という作品の見方や感じ方が凄く変わったし、キャストの変化を凄く実感できたし、とても収穫の多い観劇ができて良かったです。たまにはいつもと違う作品を観劇して違った刺激を得るのも良いですな。

多分もう少し三井さんはエルサを演じてくれると思うけど、7月にでも入ったら『ウィキッド』の稽古で抜けられてしまう気がするので、都合がつけばもう一度どこかで観れたら嬉しいな~。本当に凄く好きなエルサなので、『ウィキッド』が終わったらまた戻ってきてくれると嬉しいです。

あとはね、谷原志音ちゃんのエルサと三代川柚姫さんのアナも気になっているので、そろったらいつか観に行きたいと思います!大人キャストはできるだけ全制覇を目指して…(笑)

ひとまずこんな感じです。久々にアナ雪充できて幸せでした。皆さんも最後まで長々と読んでくださり、ありがとうございました!

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