2022年7月17日ソワレ 『ミュージカル・ガラ・コンサート~10th Anniversary~』




演劇全般
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ナンバーの感想

まずはセットリストです!

◆1幕◆
1:Overture(『ジプシー』)
2:Luck Be a Lady(『ガイズ&ドールズ』)
3:Let It Go × Defying Gravity(『アナと雪の女王』×『ウィキッド』)
4:Oh, What a Beautiful Mornin’(『オクラホマ』)
5:I Don’t Know How to Love Him(『ジーザス・クライスト=スーパースター』)
6:The Music of the Night(『オペラ座の怪人』)
7:Buenos Aires(『エビータ』)
8:Out There(『ノートルダムの鐘』)
9:As Long As You’re Mine(『ウィキッド』)
10:Ich Gehor Nur Mir(『エリザベート』)
11:Lily’s Eyes(『シークレット・ガーデン』)
12:Singin’ in the Rain(『雨に唄えば』)
13:Over the Rainbow(『オズの魔法使い』)
14:Being Alive(『カンパニー』)
◆2幕◆
1:Stars(『レ・ミゼラブル』)
2:Waving Through a Window(『ディア・エヴァン・ハンセン』)
3:If I Loved You(『回転木馬』)
4:Gimme Gimme(『モダン・ミリー』)
5:All I Ask of You(『オペラ座の怪人』)
6:Unusual Way(『ナイン』)
7:Into the Unknown(『アナと雪の女王2』)
8:Make Them Hear You(『ラグタイム』)
9:For Good(『ウィキッド』)
10:The Best of Times(『ラ・カージュ・オ・フォール』)
EN:SomeWhere(『ウエストサイド物語』)

すごない…?こんなに歌ってくれたんですよ。知っている曲だけではなかったので今回初めて聴いたナンバーも多かったですが、四季オタならきっと大満足できるセトリだと思いました。特に1幕は四季で上演された作品のナンバーが多かったですし、聴けて大興奮でした。嬉しかったです。

今回は特に印象に残っているナンバーを中心に感想を書いていきたいと思います。

Let It Go × Defying Gravity

ケイシーとウィレマインによるデュエットでした。『アナと雪の女王』と『ウィキッド』は題材も似ていますし、1幕ラストに歌われるこれらのナンバーも非常に似ていることもあって、以前からよく比較されていました。そんなナンバーをコラボさせちゃうの天才すぎるんですよ。

レリゴーが始まったかと思いきや、するっとDGが差し込まれて、聴きながら脳内パニックになりそうでした。全然違和感がなくて、メロディーラインも似ているのか、サビに向かってどんどん盛り上がっていく感じも凄く綺麗に溶け込んでいてただただ凄かったです。

そしてケイシーとウィレマインの歌声が本当に聴いていてスカッとするくらい伸びやかで、スコーンと弾けるハイトーンが素晴らしすぎました。Wエルサ、Wエルファバによるレリゴー×DGはマジ圧巻。正直ね、それぞれ別に聴きたかった気持ちもあるんですよ。だけど、ここでしか聴けない貴重なコラボもめちゃくちゃ興奮したので、聴けて大満足でした!セトリの序盤にこんなの持ってこられたら即死ですわ!笑

I Don’t Know How to Love Him

ケイシーが歌った「私はイエスが分からない」です。セトリちらっと見てはいたんですけどこのナンバーあるの全然気づいてなかったので、曲が流れた瞬間にハッとなりました。ちょうど数日前にジーザスのサントラ聴いていたところだったのでリアルタイムすぎて、しかもケイシーの歌声で聴けるなんて幸せすぎておんおんしてしまいました。

ケイシーの優しくて温かな歌声に包まれる感覚、まさにマリアそのものでした。同時に高音の部分はケイシーの力強い歌声で攻めるように歌うのも凄く新鮮で、ちょっと気だるげな雰囲気を纏いながら苦悩するように歌う姿もまた美しくて、引き込まれずにはいられなかったです。いや、ケイシーに歌わせたの天才では…。本当に素晴らしかったです!

The Music of the Night

ノームによるMOTN。深みと厚みのある優しい歌声に包まれて、静寂な夜に灯る熱い想いがそっと流れていくみたいでとても綺麗でした。照明や演出も相まって、ファントムが闇夜にただ1人佇んでクリスティーヌを想いながら歌う情景が浮かぶんですよね。凄くストーリー性があるMOTNでした。

同時にハイトーンの直前でアレンジを入れてきて「!?」ってなりました。めっちゃかっこよすぎる…。こういうアレンジ入れてくるところがブロードウェイ俳優さんたちのすげえところですわ。思わず鳥肌が立つようなパワフルさを突然出してきて、緩急のつけ方に圧倒されてしまいました。とても素晴らしい歌声を聴けて大満足です。

Buenos Aires

ウィレマインによる「ブエノスアイレス」。かなりポップでアップテンポな演奏の中、伸び伸びと歌うウィレマインの歌声がとにかく聞いていて心地良すぎました。四季で観たときも志音ちゃんのパワフルボイスに圧倒されましたけど、ウィレマインのパワフルボイスも最高すぎて、思わず手拍子したくなっちゃうくらいノリノリになっちゃいましたよ。

エバの上京したてのワクワクしている感じも歌声や佇まいから滲み出ているし、圧倒的スター性を持った説得力のあるオーラも凄まじかったです。歓声を上げたいくらいにかっこいいブエノスアイレスを聴けて幸せでしたわ!

Out There

マイケル・アーデンによるOT。もう、ただただ圧巻…。このナンバーを聴けただけでもチケット代を払った価値があると言いたいです。サントラで散々マイケル・アーデンの歌声は聴いていましたけど、やっぱり生で聴く歌声は厚みと感動が桁違いでした。音程を一切外すこともなく、伸び伸びと歌っていて、スコーンと突き抜けるハイトーンがすっごく爽快感あって素敵でした。

同時に、カジモドが外に憧れる様子をマイクを持ってスーツを着ながらですけど表現していて、外の世界に対する眩さと憧れが表情や仕草から伝わってきました。今きっとカジモドには美しい世界が眼下に広がっているんだろうなぁ…というのが凄く感じられて、コンサートでありながら一気にノートルダムの世界へといざなわれた気がします。さすがにこのナンバーは人一倍拍手も大きくて、全員が圧倒されたのが伝わった瞬間でした。マジで生でマイケル・アーデンのOT聴けたことは一生の思い出です!

As Long As You’re Mine

ケイシーとジェイによるデュエット。ジェイのほうがケイシーより若いとは思うので、精神的にエルファバのほうがお姉さんって感じのフィエルでした。ケイシーの歌声は相変わらずのパワフルさに加えて、フィエロに対して恋い焦がれるような甘さとほろ苦さも含んでいて、とても妖艶で美しかったです。一方のジェイも爽やかかつ真っ直ぐ伸びる歌声がとてもかっこよくて、年下の男性が一生懸命好きな年上の女性をリードしようと背伸びする感じもあってとっても可愛かったです。

でさ、歌い終わったあとにちょっと照れるようにして2人で手繋いで歩いて舞台奥の階段のぼっていったのがめちゃくちゃ可愛くてキュンとなりました。小学生か(笑)初々しいフィエルを拝めて眼福でした。

Ich Gehor Nur Mir

ウィレマインによる「私だけに」。ドイツ語?で歌われたそうなので、ちょっと歌詞はまったく聞き取れなかったんですけど、それでもただただ凄いとしか言えなかったです。私、『エリザベート』は生で観たことまだないんですけどCDだけはずっと聴いていて、あとは新妻聖子さんのアルバムにもこのナンバーが入っているのでカバーで聴いていました。日本人が歌うこの曲ももちろん美しくて素敵なんだけど、ウィレマインが歌うとエリザベートの決意や強い意志がより鮮明になる印象でした。

スコーンと突き抜けるパワフルボイスで歌い上げる「私だけに」は本当に圧巻。まさにレリゴーやDGのような迫力を感じさせるナンバーになっていて、「あ、この歌ってこんなに迫力があるナンバーだったんだ」とハッとさせられたくらいです。ナンバーの印象や解釈をガラリと変えてしまう歌声を持っているって天才だと思います。言葉では伝えきれないけど、本当に素晴らしかったです!

Stars

ノームによって歌われました。ノームといえばジャベールっていうくらい、彼を代表する役の一つではありますが、その持ち役でもあるジャベールのナンバーを聴けたことは本当に嬉しかったです。MOTNもそうなんだけど、ノームが作り出す歌の雰囲気や世界観が凄いんですよ…。一気に作品の世界に引き込まれるので、この瞬間はレミゼの世界観にどっぷりと浸かっていました。

そして歌の途中でしゃがみ込んで祈るように十字を切ったのがとても印象的でした。レミゼでもジャベールがそれをやっていたかどうかは正直覚えていないんですけど、とても神聖な気持ちになりました。ノームの行動すべてが美しいというか、説得力があるんです。彼の持つ雰囲気がそのまま役にも歌にも反映されて、ただひたすらに心が研ぎ澄まされるような感覚でした。

Gimme Gimme

ケイシーが歌ってくれたナンバーで、私は初めて聴いたんですけど、この1曲だけでもストーリーがどんどん繰り広げられていくのが凄かったです。最初はゆったりとしたジャズチックな雰囲気で始まって、ケイシーもゆったりと落ち着いた歌声で歌っていました。でもだんだん曲調がアップテンポになっていって、少しずつポップな感じになっていくんですね。するとケイシーもノリノリになってきて、体を揺らしながら声を弾ませて歌うようになりました。

最初こそアンニュイな感じで歌っていたのに、だんだんとパワーが漲ってくるみたいに表情にも歌声にも覇気が出てきて、きっとこのナンバーを歌う人物の人生が明るい方向へと動いていっているんだろうなーっていうのが伝わってきました。この1曲だけでケイシーの色んな一面を垣間見ることができてとても嬉しかったです!

All I Ask of You

ウィレマインとジェイがデュエットしていました。ジェイはラウルを演じているということで、さすがの貫禄でした。一方のクリスティーヌパートをウィレマインが歌っていたので、またもジェイラウルがちょっと年下感あって可愛かったです。

ウィレマインはこんな音域も出せるの!?ってくらいソプラノも綺麗でしたし、ちょっと最強すぎますな。彼女の歌声の圧に負けないほど、ジェイも圧巻の歌声で彼女を一生懸命リードし包み込んでいたのがとても素敵でした。凄く贅沢なデュエットを堪能できて嬉しかったです。

Into the Unknown

度肝を抜かれたウィレマインのイントゥジ…。本家エルサ様ということで、そりゃもう歌声に関しては圧巻だったんですけど、何が凄いってまさかの途中から日本語で歌い出したことです。最初は英語で歌い始めたんですけど、1番の「どうかしてるわ空耳よきっと」から日本語になって、!?!?!と脳内がパニックを起こしました。

日本語ってただでさえ相当難しいだろうに、メロディーにはめ込みながら歌うのってさらに難しいと思うんですよ。それをちゃんとしっかりはめ込んでいたのも凄いし、発音も凄く滑らかで日本語として聞き取れたっていうことが本当に凄すぎてビックリしました。そのまま1番は日本語で歌い切って、サビの「未知の旅へ~~~」もハイトーンでしっかりと音程バチッと当ててきたのでマジで凄かったです。

2番は英語で歌っていましたけど、もちろん本人も英語のほうが歌いやすいだろうしさらにパワーアップしてスコーンと出る爽快感溢れる歌声でハイトーンを歌い切っていたのがさすがすぎました。感動ですよ…。本物のエルサ様の歌声を聴けてしまうなんて、こんな嬉しいことあるかいな…って感じです。日本語で歌ってくれたことももちろんですが、何より生で聴けたっていうことがマジで感動でした!

For Good

ケイシーとウィレマインのWエルファバによるFor Good。貴重すぎました。ケイシーがグリンダパートを歌っていたのも貴重だし、2人の歌姫によるパワフルなFGは圧巻でした。2人とも黒のドレスに身を包んでいて、ケイシーは脚が見えるスリット?の入ったドレスで、それもすっごく可愛かったです。

で、ケイシーのグリンダを観ていたらふとBWで観たケイシーのエルサを思い出して。そういえば歌声はパワフルでイケイケなのに精神性は凄く受け受しくて庇護欲を掻き立てられるエルサだったな~って。まさにそれを感じさせる佇まいがグリンダにも表れていて、受け受しいケイシーが本当に可愛すぎてキュンとなっていました。棘のある感じではない、丸みを帯びた歌声も本当に綺麗でした。

ウィレマインのエルファバもお姉さんらしさ全開でただガンガン攻め立てる歌声ではなくて、グリンダへの愛や優しさを感じさせる柔らかさのある歌声がとても素敵でした。2人の声のハモリも音の厚みが凄かったし、ひたすら耳が幸せ。最後は本編と同じようにハグしていたのも素敵でしたし、ケイシーはカーテシーのようなお辞儀(片足を後ろにちょんってやるやつ)をしていたのも可愛かったです。歌姫2人のFGデュエット、マジで最高でした!

The Best of Times

2幕ラストに歌われた5人のデュエット。ラカージュは観たことないのでこのナンバーは初めて聴いたんですけど、とっても素敵な歌でした。「今が最高の時間だよ」って楽しそうに顔を見合わせて歌う5人が本当に素敵で、終わらないで~~~って思っちゃいましたよね。ノームが手拍子を促してくれたおかげで、最後は客席もステージも一体となって盛り上がれたのが嬉しかったです。最高のフィナーレでした!

まとめ

あまりにも贅沢すぎてあっという間の2時間でした。どのナンバーも圧巻の歌声でぶん殴られてきて凄く贅沢…。もはやチケット代実質タダでした。ケイシー目当てでチケット取ったものの、結果的に全員が本当に素晴らしくて凄かったです。これを機に知った俳優さんもいるし、こんな素敵な人たちに出会えて本当に本当に幸せでした。

今のご時世、円安も進んでいますしコロナも悪化している状況なので気軽に海外へ行けないため、逆に日本に来てくれて日本で観られるなんて凄く恵まれているなーと思いました。日本でブロードウェイの神たちの歌声を拝めるなんて、本当に幸せなコンサートでした。行けて良かったです。私のQOLが爆上がりしました。

ノーム、ケイシー、ウィレマイン、ジェイ、そしてマイケル・アーデン。日本へ来てくれてありがとうございました!最高でした!

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