2023年7月12日～17日 劇団四季『クレイジー・フォー・ユー』観劇レポまとめ

キャストの感想
まとめ

キャストの感想

キャストの感想です！

ボビー・チャイルド：萩原隆匡

久々に戻ってきた萩原さんボビー、戻りの初日はちょっとヒヤッとすることも多かったですが調子を取り戻していらっしゃったので安心しました。やっぱり萩原さんボビーのコメディの上手さは異常。間の取り方も立ち居振る舞いも面白すぎて、何度観ても笑っちゃいますね（笑）

緩急のつけ方があまりにも上手すぎるので引き込まれるし、萩原さんボビーのコメディの上手さって松島勇気さんボビーのときに感じていたものに凄く感覚が似ているので、松島さんボビーのお芝居が体に馴染んでいる私にとってはとても親近感があって安心できるボビーでもありました。

あと、萩原さんのお芝居の細かさで言うと、ポリーに劇場を案内してもらうシーンで「ツーカーの、仲さ！」と言ったあとに持っていた帽子を上下に大きく仰ぎながら笑うという癖が萩原さんボビーにはあるらしく、偽ザングラーとしてポリーの前に現れたときにも「ツーカーの、仲ですとも！」のあとに「そうでしょうとも！」と笑いながら持っていた帽子を上下に大きく仰いじゃっていて、ボビーの癖が出ちゃっているというのがとてもお芝居細かくて好きなポイントです。そのあとハッとしてザングラーに戻りますけど、油断したときにボビーの癖が出ちゃうって凄く親近感があっていいなと思いながらいつも観ています（笑）

また、They Can’t～で囁くように歌う萩原さんボビーが本当に好き。ポリーへの想いを思い出として大切にしまおうとしているのが、囁くような歌声からも感じられてとても切ないし、これまで散々騒がしくてうるさかったボビーからは想像もできないほどロマンチックな一面を見せるのがギャップ萌えしちゃうんですよね。たまらなく好き。そして萩原さんボビー、声が本当に良すぎるのでずっと聴いていたいなと思いました。久々に戻ってきた萩原さんボビーをたっぷり堪能できた1週間で、改めて萩原さんボビーの凄さを再認識できて大満足でした！

ポリー・ベーカー：町真理子

今週もまちまりさんポリーは相変わらず面白くて観るのが楽しかったです。個人的にはまちまりさんポリーは洋一郎さんボビーと、萩原さんボビーは萌さんポリーとのほうがお芝居の相性良いな～と思ってはいるのですが、萩原さんボビーとの掛け合いもやっぱりお互い凄くお芝居に柔軟性があるだけに凄く面白くてコメディ要素がかなり強くて良かったです。

あと、渡久山さんランクが戻ってきたからまちまりさんポリーとの掛け合いはさらに面白くなっていて、今週のキャストのコメディの強さを再認識しました。まちまりさんポリー、ランクの一挙一動に対してやることが日替わりなのあまりにも面白すぎるし、どんどん自由度が増していって観るの楽しかったです。

今週のまちまりさんポリーは、ボビーの去り際のお芝居が個人的にかなり好きになりました。今までの普通に寂しさを隠しもしないお芝居も新鮮でしたけど、やっぱりポリーらしく、ボビーに対してはなんてことないように強がっていてほしい気持ちが個人的にはあって。「行っちゃうの？」は思わず寂しさが出るのですが、そのあとの「そうね」はちょっと笑いながら言うのが凄く好きで、でもボビーの顔は直視できないっていうそのギャップがとても良いなと思いました。

あと、But Not For Meもボロボロに泣いちゃって苦しそうにする姿も凄く愛しくてたまりませんね。ポリーにとって恋がどれほど苦しくて切ないものかが体現されていて、観るたびに胸が苦しくなります。どんどんまちまりさんポリーも良くなるので、凄く好きだなと思うポイントが増えていって嬉しいです。元々まちまりさんのお芝居は凄く好きでしたし、ポリーも絶対に素敵になると思っていたので予想通り。観ていて楽しいポリーなので、今週もたくさん笑わせてもらいました。堪能できて嬉しかったです！

ランク・ホーキンス：渡久山慶

久々の渡久山さんランク、以前の10倍くらい面白くなってて本当に毎回腹筋が死んでしまいます（笑）この間、『アナと雪の女王』に出演してただけだよね…？こんなにコメディスキル上がるもんなの…？もうやることが不意打ちすぎるし、勢いがあるし、細かいしで本当に面白すぎました。

渡久山さんランクは背が高いしかっこいいので喋らなければ完璧なのに、喋り出すとアホっぽさ丸出しで意外と小心者だから打たれ弱いしで、そのギャップがまた面白くて好きです。ちょっとトーン高めの声で喋るときもあれば、不意に低めのイケボで決めてくるときもあるので、緩急のつけ方も上手すぎ。すべてにおいてこんなにもコメディが上手いランクって出会ったことないので、ただ若くて新鮮なだけじゃなくてあまりにもランクとして完璧だな～って思いながら毎回観ていました。

ランクは別に悪い人ではないけど、ボビーたちを邪魔したいという気持ちがあるがゆえにそういう側のキャラクターに分類されてしまうのだけど、渡久山さんランクは本当にアホすぎて憎めないどころか愛しささえ芽生えてくるっていうのが良いですね。むしろこんなにアホっぷりを全面に出せるのが凄すぎます（笑）

誘惑してくるアイリーンに対しても、本能に逆らえない感じがとても出ていて好きです。鼻の下が伸びてたり興奮しすぎて鼻息荒くなってたり肩で息してたり、胸に思わず手が伸びたり…というように、とにかくすけべすぎて気持ち悪いのですが（笑）それすらも渡久山さんランクだから許される愛嬌があって、Naughty Babyってただアイリーンが誘惑する曲なんじゃなく、アイリーンとランクが本能でお互いを求め合うナンバーなんだなと気付かされました。渡久山さんランクのお芝居の解釈、本当に好きです。

アイリーンと夫婦になってからの高速回転も本当に勢いありすぎて面白いし、Nice Workの感動や余韻を吹っ飛ばしてくれるほどの破壊力があるので逆に清々しい（笑）岡村さんアイリーンがしっかり者だから、これだけ渡久山さんランクがぶっ飛んでいても上手くやっていけそうだなって感じがします（笑）もともとお芝居もコメディも上手でしたけど、戻ってきてからの勢いが凄まじすぎてマジで超絶好きになりました。岡村さんアイリーンとの絡みも並びも最高だし、ずっと観ていたいです。今週は特に渡久山さんランクに笑わされた1週間でした。戻ってきてくださって、ありがとうございました！

アイリーン・ロス：岡村美南

岡村さんアイリーンは今週も凄く良かったけど、渡久山さんランクが戻ってきてからの岡村さんアイリーンの魅力大爆発っぷりが凄まじいですわ…。個人的な感想ですが、岡村さんって年上の包容力ある男性に守ってもらうという女性像よりも、どうしようもない男性をしっかりリードしてあげるタイプの女性像のほうがしっくりくるイメージなんですね。それこそ『ロボット・イン・ザ・ガーデン』の山下啓太さんベンがワンコ系だったみたいに、渡久山さんランクも大型犬だけど小心者みたいなどうしようもない部分は結構似通っていると思っていて、だらしない男性をしっかり支えてあげるみたいな役どころが岡村さん非常に似合うと思っています。だから、渡久山さんランクとの相性があまりにも抜群だな～と感じた1週間でした。

私がまだ渡久山さんランク×恒川さんアイリーンを観られていないので、この組み合わせを観たら印象が変わるかもしれませんが、とにかく渡久山さんランクと岡村さんアイリーンはお似合いすぎるほどにお似合いだなと思いました。高身長美男美女だしね。ただただ目の保養（笑）

岡村さんアイリーンもこの1週間でNaughty Babyの歌い方が色々変化あって毎回ドキドキしましたし、どんどんお芝居がブラッシュアップされていってアイリーンとしての面白さが出てきているのが好きです。ホテルの看板を破壊したランクに向かって言う「凄く欲求不満なのね」の言い方も以前は力んだ言い方してましたが、あえて軽く言うことで面白さが増して、笑いも起きるようになりました。岡村さんアイリーン、こういうさらっとセリフを言うみたいなのが増えて「狙ってない面白さ」があるの好きです。昔よりもコメディとても上手になっているし、本人もやりがい感じてるだろうなと思います。

渡久山さんランクが戻ってきてからはより一層ランクに対する呆れた感情を隠しもしなくなったし、表情も本当に細かく変わるので凄く観ていて楽しいです。今週はバッグ投げるのも恐ろしいほど上達していてそのうちセットの裏側に飛んでいくんじゃないかというほどの飛躍っぷりでした。

The Real Americanでリズムに乗っちゃってると気付いたときの反応も以前は毅然として部屋の中に入っていきましたが、ここ最近は恥ずかしさが勝ってきてアワアワしながら部屋の中に入っていったりしてて可愛さもアップ。岡村さんアイリーンあまりにも可愛すぎて本当に観るの楽しいです…。

高身長の渡久山さんランクと並ぶと岡村さんアイリーンも上目遣いになるのでファンとしてはたまらないし、今週はとにかく可愛い岡村さんアイリーンをたっぷり堪能できて幸せでした。今週も舞台に立ってくださってありがとうございました！

ベラ・ザングラー：荒川務

今週は特に荒川さんザングラーに魅せられた1週間でした。荒川さんザングラーの相手の芝居や呼吸に合わせてお芝居するというのを体現した姿にとことん感動しましたし、荒川さんザングラーがいるからこそボビーやポリーの物語がより一層深みを感じられました。

先述しましたけど、ボビーを演じてきたからこそボビーの気持ちはもちろん、ポリーのことも凄く理解しているんだろうなっていうのがお芝居から伝わってきました。だから、ポリーとの向き合い方もかつてのボビー経験者という立場も踏まえながらまるで当時好きだった女の子に手を差し伸べるかのような、そんな温かさも感じられたような気がします。

ただのザングラーではなく、ボビーとポリーが幸せになることを心から願うようなザングラーだなぁ…って。ザングラーさんがこんなにも頼りがいのある人だと認識したことが正直あまりなかったので、17日の荒川さんザングラーの仕草は本当にハッとしました。荒川さんザングラーから気付かされることがとても多くて、観るのが本当に楽しいです。ザングラーをボビー経験者が演じるというのも四季では初めてでしょうし、今期は本当に恵まれていますね。改めて、荒川さんザングラーを観られてたくさんの発見があって、とても充実した観劇ができました！

テス：宮田愛

宮田さんテスにも凄くハッとさせられた1週間でした。荒川さんザングラー同様、ポリーを演じた経験があるからこそボビーがどんな気持ちを抱いているかを理解していて、それをテスとしてどのようにボビーをサポートするのかというのをお芝居に活かしているので、凄くお芝居に深みがあって素敵でした。

宮田さんテスはボビーのことを友達として凄く大切にしていて、お姉さん的な立場としてボビーのことも含めてしっかり面倒を見ている感じが好きです。頼りがいがあるのはもちろん、厳しさも優しさもあって、テスとしての説得力があるのが良いです。これまで色んな方のテスを観てきましたけど、宮田さんが一番テスとしてしっくり来る印象が個人的にありますね。

ダンスも上手だしコメディも上手いしお芝居もポリー経験者ならではの説得力があるし、あまりにも完璧すぎて宮田さんテスの誕生に痺れた1週間でした。そんな宮田さんテスと荒川さんザングラーが揃うと、凄く引き締まるのがまたいいですね。今週も素敵な宮田さんテスをたっぷり堪能できて幸せでした！