2023年7月20日~22日 劇団四季『クレイジー・フォー・ユー』観劇レポまとめ




クレイジー・フォー・ユー
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キャストの感想

キャストの感想です!

ボビー・チャイルド:萩原隆匡

改めて萩原さんボビーのお芝居の上手さとコメディの上手さを痛感した1週間でした。萩原さんボビーは8年前のデビュー当日を観ているから、あのときのキザでひたすらかっこよくて爽やかだった萩原さんボビーからは想像もできないほど今は三枚目に振り切っていて、本当に面白くなったなぁ…という印象があります。

萩原さんボビーは凄く愛嬌がある一方でちゃんと大人だなぁ…という印象もあって、たとえ喧嘩中でもポリーに対してムキになることがそんなになくて。もうすでに彼女を許していて、むしろそんなポリーでさえも可愛いんだろうなっていうのが伝わってきて、とことんポリーのこと好きなんだなって感じられました。20日の公演では、多分本来正面を向いているはずのシーンでもポリーをずっと見ていて、どれだけポリー好きなの~!?ってニヤニヤしちゃいました。

そこからの、ポリーへの愛を思い出に昇華していく萩原さんボビーのThey Can’t~が本当に好き。あんなに優しくて愛のこもった歌声を聴いたら誰だって好きになっちゃうし、囁くような歌声がもうたまらなくて毎回キュンとなっていました。萩原さん、ダンスの人でもあるけどお芝居の人でもあるからこういう緩急のつけ方がとても上手で、凄く引き込まれてばかりでした。

Nice Workでの「ポリー!」の叫びも凄く良かった。力強さと想いが爆発する感じが声に乗っていて、ここのポリーの名前を呼ぶボビーって感動ポイントだと思っているので、萩原さんボビーの愛が爆発した叫びはとても胸が締め付けられる感覚で良かったです。

8年前は数回しか萩原さんボビーを拝見できなかったので、今期ではたくさん拝見できて嬉しかったです。お芝居もコメディの見せ方もすべてめちゃくちゃ好きなボビーでした。私にとっては萩原さんボビーって岡村さんポリーを愛してくれた一人でもあって、個人的に思い入れのある大切なキャストでもあります。今回は違う立場での共演でしたけど、岡村さんアイリーンとの掛け合いも相変わらず息ピッタリで最高でした。また全国でさらに進化した萩原さんボビーを観られることを楽しみにしています!

ポリー・ベーカー:町真理子

まちまりさんポリーのお芝居もどんどん好きなポイントが増えて、特にこの1週間のお芝居は引き込まれる瞬間が多々あって、改めて素敵なポリーが誕生したなぁ…と感じました。高身長ポリーに慣れていたからまちまりさんポリーがちっちゃくて本当に可愛いと思っていましたけど、Stiff Upper Lipのテーブル上でのボビポリタップ対決で勝利したボビーが腕を上げた瞬間に、ボビーの二の腕にまちまりさんポリーの顎がすっぽりと乗っちゃう構図が死ぬほど好きでした。あれマジで可愛すぎて毎回観ながらキュンとしていました(笑)

ちっちゃいけどとてもエネルギッシュで逞しくて、そのギャップも凄く良かったです。デッドロック育ちらしい泥くささのようなものも持ち合わせていて、とても田舎育ち感がある逞しい女性だったので、ポリーにピッタリだな~と改めて思いました。その一方で弱さも隠さない、打たれ弱い一面もあったりして、喜怒哀楽がハッキリしているのが凄く可愛らしかったです。

ここ最近はボビーがニューヨークへ帰ると言い出したときも寂しそうにはするけど強がりな一面も見せながら彼を送り出すようになって、個人的には凄く好きなお芝居でした。22日は「君の歌を覚えていたい」と言われたときも、思わず笑みを浮かべるけどボビーの顔は見れなくて、それがとても良かったです。ボビーの顔を見たらきっと寂しくなっちゃうんだろうなぁ…って伝わってきて、切なさが感じられました。素直になれないポリー、本当に可愛くて好きです。

そのくせBut Not For Meでは一気に弱さをさらけ出して、とことん泣いちゃうのも可愛い。まちまりさんポリー、本当によく泣いていました。ちっちゃい頃、よく男子たちにからかわれて泣いてたんだろうな~。まちまりさんならではの芸の細かさとお芝居の丁寧さ、感情表現でポリーという女の子がとてもイキイキとしていて、本当に魅力たっぷりでした。

デビュー直後に比べても凄く面白くなってるし、まちまりさんの本領発揮だな…とここ最近は観るのがとても楽しかったです。全国でもさらにパワーアップしたまちまりさんポリーが観られることを楽しみにしたいと思います。改めて、デビューおめでとうございました!

ランク・ホーキンス:渡久山慶

渡久山さんランク、最後まで突き抜けた面白さがあって最高でした。図体はでかいのにめちゃくちゃ小心者なのが面白いし、アイリーンに呼ばれたらちゃんとやってくるあたり、忠犬だなぁ~って思いながら観ていました。渡久山さんランクはとても犬らしくて、愛嬌があって憎めなくて可愛かったです(笑)

もちろん狙ってやってる部分もあるでしょうけど、あえて頭空っぽにして何も考えずに色々やってそうな感じもあって、何をし出すか分からないところがマジで面白くてよく不意打ちを食らっていました(笑)その日その日のランクの人生を生きていて、渡久山さんってこんなに凄い俳優さんだったんだと気付かされた日々でもありました。

ランクってもう少し年齢層高めのイメージがありましたが、若い渡久山さんが演じても一切違和感がないし、アイリーンと恋に落ちるという意味でもアイリーンと年齢が近いほうがしっくり来るし、野蛮で面白ければ年齢関係なく演じられる役なんだなと気付かされましたよね。むしろ渡久山さんが演じたことでランクのイメージがガラッと変わって、こんなにランクって面白いキャラクターなんだって実感してしまったので、この先新しくランクとしてデビューする人たちのハードルが上がりそうです。それくらい、渡久山さんランクの誕生は画期的だったと思います。

喋らなければイケメンだし高身長だしイケボだしかっこいいのに、喋るとめちゃくちゃマヌケっぷりが発揮されるの面白すぎて本当に凄いなと思いました。こんなにランクに対してマヌケだと感じたこともないので、マヌケさをここまで表現できるって凄いことですよ。アワアワしたり変な動きしたりあえて高めの声で喋ったり、とにかくランクがマヌケすぎて愛しさすら芽生えました。いやぁ、面白かったな…。なんなら途中から渡久山さんランクを半分目当てに観劇していたところもありましたし(笑)

でも、マジで喋らなければイケメンなんですよね…。スタイルが凄く良いし、不意に出すイケボが本当にかっこいいのがずるくて、むしろやかましさすら感じる(笑)岡村さんアイリーンと並ぶと高身長美男美女カップルで凄く映えていたし、めちゃくちゃ好きでした。岡村さんアイリーンと並んでこんなに映えるランク、他にいないですよ…。贔屓と同時期にこんな素敵なランクが誕生してくれて本当に嬉しかったです。ランクとしてデビューしてくださって本当にありがとうございました!

アイリーン・ロス:岡村美南

渡久山さんランクと同タイミングで岡村さんアイリーンがデビューしてくださって本当に良かったです。もちろん岡村さんアイリーン単体でも凄く魅力的で素晴らしかったけど、渡久山さんランクと共演したことでより岡村さんアイリーンの魅力が増したような気がします。どうしようもなくだらしない男性を支えるしっかり者の女性を演じるの本当に上手いんですよね、岡村さん。アイリーンに対してそんなイメージは一切なかったのに、このカップルの誕生でガラッと印象変わりました。

もうね、マジで岡村さんアイリーンの優しくて穏やかな表情がたまらなく素敵で可愛くて、オペラグラスで観たときに思わずドキッとしてしまいました。岡村さんアイリーンはランクと恋に落ちる前からわりと棘のないまろやかタイプのアイリーンでしたけど、ランクと恋に落ちてからはさらに破顔してとっても愛に溢れた穏やかな表情していて、包容力すら感じるくらいの温かみのある女性になっているので、岡村さんらしいな~って思います。

アイリーンはなかなかお芝居で遊ぶ余裕がある役ではありませんでしたが、開幕直後に比べて結構コメディの部分は間の取り方や言い方を変えてくることで岡村さんなりに面白さをどんどん追求されていったのが凄くいいなと感じました。コメディをもっとやりたかったと以前何かのインタビューで後悔されていたので、リベンジできたんじゃないかなぁ…なんて思っています。アイリーン、出番少ないけどしっかり笑いを取れる役どころだから演じ甲斐もあったでしょうしね。

あと、岡村さんは凄く教養のある知的なアイリーンという印象があって礼儀もそれなりにわきまえてはいますけど、ランクに対して呆れた様子を隠そうともしないのは個人的に好きでした。途方に暮れたような顔してるのも面白かったし、引きつった笑みを浮かべるのもとても絶妙な表情してるな~って思って、表情でのお芝居も本当に上手だなと感じました。一つ一つのお芝居に対する丁寧さは昔からずっと変わっていなくて、私の好きなポイントでもあります。

アイリーンという新しい役どころでも、岡村さんのお芝居の丁寧さは変わらないし、大胆に色っぽく誘惑する一面やちょっと高圧的な態度でピリピリとした雰囲気を醸し出すお芝居はとても新鮮だったし、指先に至るまで細かくお芝居するのも岡村さんだなぁ…って感じで素敵だったし、意外とこんなにハマり役になるとは思っていなかったので良い意味で期待を裏切ってくれて嬉しかったです。

アイリーンってそんなに出番多くないし歌もダンスも少ない役どころですけど、でも実力がある人が演じるとアイリーンもこんなに存在感があって面白いんだなというのを再認識できたので、岡村さんの贅沢使いではありましたが岡村さんが演じてくださったことでCFYの物語全体のお芝居の基盤がしっかり固まった印象がありました。Naughty Babyもめちゃくちゃ歌上手くて凄かったしなぁ…。歌上手すぎなんですよ(笑)ここぞとばかりに本領発揮してくる岡村さんアイリーンが愛しくて最高でした。

岡村さんアイリーンをたっぷり堪能できて幸せでした。カツラも似合ってたしお芝居のトーンも合っていたと思うし、ポリーを経たからできたアイリーンのお芝居だったと思います。デビューから横浜ラストまで見届けられて本当に嬉しかったです。改めて、デビューおめでとうございました!

ベラ・ザングラー:荒川務

荒川さんがいたからCFYカンパニーがこんなにも結束したんじゃないかと思うくらい、中心的な存在でした。カテコを観ていても荒川さんが凄く盛り上げてくださっているのが分かるし、大ベテランだからと威張らずに皆さんと楽しく接している様子を観ると、とても素敵な先輩だったんだなぁ…というのも伝わってきました。

そんな大ベテランが演じるザングラー、お芝居に締まりがあるので真面目なシーンでの説得力が凄くあって、何度観てもBut Not For Meでのポリーとの対話は感動していました。ポリーのことはボビーのガールフレンドとして接していて、大人として誠実に、でも優しく向き合ってくれる姿が素敵でした。

ザングラーさんってニューヨークにおいてショーで成功した凄い人なんだけど、不倫もしちゃうしテスのためにデッドロックまで追いかけてきちゃうしすべてを捨てちゃうし、愛が強い人でもありますよね。だらしない一面もあるけど、人を見る目は確かにあって宣伝する力もあって、実力はちゃんとある人。そのザングラーの人としての魅力を、荒川さんが緩急のお芝居でしっかり表現されていたのが本当に凄いなと思いました。

もちろん、初代ボビーの人だからっていう先入観もあると思うんですよ。レジェンドがザングラーとして戻ってくるということ自体が凄いことだし、その期待値も含まれているとは思うんですけど、でもそれくらい凄い人がザングラーを演じているっていうこと自体がやっぱりとても恵まれていると思うし、作品の深みが増した気がします。奇跡的なキャスティングでした。

宮田さんテスとの掛け合いもとても色っぽさがあってドキドキしましたし、仲良しなのも伝わってきてほっこりしました。そのときそのときでのザングラーの人生を生きているお芝居もさすがでしたし、私自身、荒川さんザングラーから学んだことがたくさんありました。今期はたくさんの素敵なキャストに出会えて嬉しかったですが、荒川さんザングラーに出会えたことも凄く貴重な経験でした。デビューしてくださって、本当にありがとうございました!

テス:宮田愛

宮田さんテスのハマりっぷりも凄かったなぁ…。今の宮田さんが演じるからこんなにピッタリなのであって、ポリーを演じていた頃だったらきっとここまで魅力的なテスにはなっていなかったと思うので、年齢や経験を重ねて生まれたものをすべてテスのお芝居にぶつけられているんでしょうね。お綺麗だしお若いんだけど良い意味で貫禄があるのが凄くて、テスとしての説得力が凄かったです。

ちゃんと叱れるテスなのも良いですね。みんなを甘やかすんじゃなくて、厳しい目線でみんなをしっかりマネジメントできるところはダンスディレクターとして申し分なかったし、それでいて気さくで面白い一面もあるってもう友達にしたいタイプNo.1じゃないですかねぇ。

そしてとても友達思いなところが好きです。いかにも友達を大切にしてます~!って見せびらかすんじゃなくて、さりげなく友達を見守る感じが好き。以前も書きましたが、IGRで落ち込んでいたボビーを気にかけて、ボビーが嬉しそうにしているのを見て安心した表情を浮かべるっていう宮田さんテスのお芝居が本当に好きでした。IGRでテスがボビーを気にかけているっていうの、凄く良くて。宮田さんのテスのお芝居の解釈があまりにも一致しすぎていて、ドンピシャで好きになりました。

ちゃんとお姉さんだし人を大切にしているし、理想過ぎる女性なんですわ…。そりゃザングラーもゾッコンになっちゃうのが分かります。女性としての色気もあるので、あまりにも魅力いっぱい。本当に素敵なテスが誕生してくれて嬉しかったです。荒川さんザングラーと同タイミングでのデビューっていうのもなんか良いですね。デビューしてくださってありがとうございました!

まとめ

終わっちゃったな…。あっという間の3ヶ月間でした。実際に3ヶ月間みっちり通ったというわけではないので、岡村さんが出演していた約1ヶ月半の期間に集中して通ったというのが正しいのですが、自分でもたくさん通ったなとは思うもののもっと行けたな…という後悔も少々。

こんなに大好きな作品が8年ぶりに上演してくれた今だからこそ、行けるときに行くということをもっとすれば良かったとすら感じるほどに今期CFYは魅力でいっぱいでした。本当に毎日楽しかった。

ちょうどこの間に頸椎椎間板ヘルニアを患い、2000回記念公演あたりには突然の背中の激痛が襲って、背中の筋肉が捻挫しているような状態になって、正直観劇がしんどいと感じたときもありました。本当は無理をすべきではない状態だったかもしれませんが、それでも通い続けて今は良かったと感じています。まあね、ここから全国公演までに1ヶ月程度のお休み期間もあるので、その間に治療を頑張って少しでも体調を万全な状態に戻しておきたいです。

何はともあれ、色々あったけど最後まで駆け抜けたCFYカンパニーに拍手!

そして、この3ヶ月間本当に幸せをたくさんもらいました。岡村さん、アイリーンを演じてくださってありがとうございました。もう大大大好きです!

8年ぶりに上演してくださって、ありがとうございました。もともと一番好きな作品でしたけど、さらに好きな作品になりました。

ということで、今期のCFYはさまざまな事情で週ごとのまとめブログとなりましたが、読んでくださった皆さんもありがとうございました!また全国でよろしくお願いします!

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コメント

  1. まい より:

    ゆうきさん、はじめまして。本当にクレイジーフォーユー良かったですね!きめ細かいレビュー、そうそう!(笑)と納得しながら読ませていただきました。

    20年ほど前の観劇時と比較して一つ一つの場面が全く違う印象を受けましたし、説得力がすごかったですよね。本当に素晴らしいキャストに恵まれた公演でしたね。

    久々の公演にも関わらず、舞台が進化し続けていること&キャストの表現力の素晴らしさに、純粋に感動しました。私も荒川さんの影響力・作っている空気感というのを、なんとなくですが感じ取りましたよ。カーテンコールでボビーの登場の時にも、1番掛け声を出しているのは荒川さんだと思いました。

    同じクレイジーフォーユーファンとして、これからもレビュー楽しみに読ませていただきますね!

    • yunky373 yunky373 より:

      まい様
      はじめまして、コメントありがとうございます!ブログ読んでくださり、ありがとうございました!

      今期のキャストのお芝居は本当に説得力が凄かったですよね。20年ほど前となるとまたキャストの雰囲気やお芝居も全然違うかと思いますが、今期は今だからこそ演じられるCFYという感じでとても新しさと洗練さを感じられて私も通うのがとても楽しかったです。

      荒川さんはやはり凄いですよね~!荒川さんがいることでカンパニーの結束力が高まっているような気もして、カーテンコールで盛り上げてくださるのもやっぱり荒川さんで。荒川さんが久しぶりにCFYに戻ってきてくださって本当にありがたいなと感じました。本当に今期はキャストに恵まれていました!

      全国も通えたら通いますので、ぜひぜひ読んでいただけたら嬉しいです!コメントありがとうございました!

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