2022年6月28日ソワレ 劇団四季『ノートルダムの鐘』@横浜




ノートルダムの鐘
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キャストの感想

キャストの感想です!

カジモド:金本泰潤

久しぶりの泰潤さんカジモドでしたが、本当にリアルカジモドと言ってもいいくらいの迫力と繊細さと力強さで圧巻でした。ここまで役作りを徹底しているのも凄すぎるし、繊細さと力強さが共存した強さと弱さの表現があまりにも上手すぎます。確かに泰潤さんは体格が良いのでそれだけ迫力もあるんですけど、それ以上に繊細な部分の演じ方がとても上手で、観ている人たちに「守ってあげたい」と思わせるのが凄いなと思います。庇護欲を掻き立てられるのよね。それが凄い…。

Out Thereを聴いていても感情の込め方が本当に上手で、外への憧れに対するキラキラとした感情が歌声にそのまま乗っていてとても聴き心地が良かったです。思わず泣いてしまいそうになるくらいでした。

本当に無邪気で、フロローのことを一切疑わない純粋さも凄く切なかったです。今日の話をするときに、村さんフロローが聖アフロディージアスの名前を口パクしながら導こうとしてくれるので、その唇の動きを読みながら「せ、い、あふ、ろ…」って言っていたのが可愛すぎました。泰潤さんカジの体にはフロローの教えがしっかりと刻まれているためか、本当に信仰心に溢れていて、至るところで十字を切っていたのが印象的でした。あぁ、カジモドにはフロローが絶対的であり世界のすべてだったんだなぁ…と思うと、居たたまれなかったです。

そしてTOTWは、「二人でいる」のあとに凄く嬉しそうに両手を広げて喜んでいた泰潤さんカジがとってもピュアで素敵でした。ちょうど私の席からは背中しか見えなかったんですけど、きっと凄く幸せそうな笑みを浮かべていたんだろうなぁ…というのが背中からも感じられました。泰潤さんカジはこうやってまず自分がやってのけたことを、エスメにも「ほら」というように導いてくれるのが好きです。泰潤さんカジはいつだって、エスメに新しい世界を見せてくれるんですよね。それがすっごく好き。エスメも彼を「友達」と呼ぶ理由に説得力があるような気がするので、とても納得しながら観られました。

で、2幕のIn a Place of Miraclesは今回の席から観ると画角がとても良かったです。手前に座り込んでいるカジモドと、その奥にいるエスメとフィーバスの構図が良いのよ…。カジモド越しのエスメとフィーバスを観ていると、カジモドの切なさがより伝わってきます。そしてこのとき、泰潤さんカジの顔からぽたぽたと水滴が何度も垂れていて、それが汗なのか涙なのかも分からないくらいに顔中が濡れていました。多分汗だとは思うんですけど、とにかく凄かったの。こんなに汗かくのか…と驚きました。

でもちょうど場面的に涙と捉えても違和感がないし、あんなに危険を顧みずにエスメを助けようとしたのに彼女は全然自分に振り向いてくれないわけだから、切ないですよね。自分はあの鐘つき堂からは出られないわけだし、そんな自由のない自分と、自由を手に入れようとするエスメたちとの対比は今回の席からだと凄くグッとくるものがありました。

また、今回のMOSはとにかく圧巻!ラストのロングトーンもしっかりキーを合わせると共に絶唱までして、カジモドの怒りや悲しみといった感情が大爆発していました。こんなにも素晴らしい泰潤さんカジのMOSは聴いたことない…ってくらい、とても素晴らしかったし迫力が凄かったし、鳥肌立ちまくりでした。パワフル系の歌声だから、キーがハマったときの爆発力が本当に凄まじかったです。

そのあと、処刑のシーンでエスメが火炙りになったのを下手側のセット上部で見ていた泰潤さんカジが、「その瞬間カジモドは決意した!」というセリフと共に足にまとわりついた紐を解いて救出へと向かうんですけど、発狂したような声を出した泰潤さんカジの顔が観たことないくらい真っ赤に染まっていたんです。それがもう、人間ってこんなに紅潮するものなの!?と驚いてしまうくらいに真っ赤になっていて、泰潤さんカジの怒りがリアルに伝わってきた瞬間でした。

エスメを救出するときの「やめろー!」も救い出してからの「サンクチュアリ―!聖域だー!」も腹の底から地鳴りがするような大迫力の声で叫んでいて、とにかく激アツだったんです。こんな熱量でお芝居していたら喉が枯れてしまうのでは…と思うくらいに声を張り上げていて、その必死さとリアルさに目頭が熱くなりました。もはやお芝居とは思えないくらいのリアリティで、ひたすら息を呑みました。

それだけ凄いお芝居をした直後ですから、救出したエスメの元へと向かったときの泰潤さんカジはもうずっとぽたぽたぽたぽた…と顔から汗や涙が垂れまくっていて凄かったです。顔に水道でも通っているのかな…と思うくらいの代謝量で、オペラグラス使ってそのシーン観ていたんですけど、正直そっちに気を取られてしまいました(笑)本当に凄すぎなのよ…人間ってこんなにぽたぽた汗や涙が垂れるものなのかと驚くほどに、泰潤さんカジはすべてを出し切ったんだなっていうのが伝わってきました。

その後フロローを投げ飛ばし、エスメの亡骸に縋りつくフィーバスをあやし、エスメの亡骸を抱きかかえて舞台中央へと歩いていく泰潤さんカジ。その歩き方もよたっ…よたっ…としているんですよ。骨が砕け散った体で、自力で起き上がるのもやっとだろうに、エスメを抱きかかえるなんて。その痛ましい姿と共に、横たわらせたエスメを愛しそうに見つめながら泣きじゃくる姿は本当に涙を誘いました。

で、民衆たちが恐る恐る近づいてくるときに泰潤さんカジはエスメを守るように自分の腕を彼女の体に回して触れないようにさせるんですよね。それが凄く好き。彼女たちがエスメに危害を加えるんじゃないかという恐れや警戒心から、弱々しくですけどエスメを守ろうとするのが本当に泰潤さんカジらしくて好きな仕草の一つでもあります。どんなにエスメが振り向いてくれなくても、一途にエスメを想い続けて、最後の最後まで守り切った泰潤さんカジの姿はどこまでも健気で愛しさしかありませんでした。

そしてここでも、美しいクワイヤさんやアンサンブルさんたちの歌声に紛れて泰潤さんカジの金切り声のようなか細い泣き声が聞こえてきたような気がしました。あぁ、どこまでも泣かせてくる…と思いました。どの瞬間もカジモドの人生を抜かりなく生き抜いた泰潤さん、本当に素晴らしかったです。抜けちゃう前に改めて泰潤さんのカジモドを観られて幸せでした!

エスメラルダ:岡村美南

誕生日前日だろうが関係なく、岡村さんはいつも通り素敵なエスメラルダでした。冒頭にも書いたようにタンバリンをキャッチできないハプニングがあったんですが、最後タンバリンを自分の体に打ち付けて鳴らしながら歌うところは途中からするっと入り込むように体に打ち付け始めていました。そんなミスを自分でカバーする姿を観て、だいぶ柔軟にハプニングやミスに対処できるようになったなぁ…と感心していました(笑)

何だかんだたくさん観ているのであらゆる作品で色んなハプニングやらミスやらにも遭遇しているんだけど、不測の事態が起こると結構焦りが表面に出ちゃうんですよね、岡村さん。一瞬頭が真っ白になっちゃう感じは伝わってくるんですが、それもこれくらいのハプニングなら動じなくなりました。柔軟にお芝居をちょっと変えてみたりしながら自分でしっかりカバーするようになったので、経験者になったなぁ…って当たり前のようなことを思いましたわ。でも堂々としているほうが凄くかっこいいし、今回のもエスメラルダとして人を魅了する強さと存在感は健在だったので最高でした。

そしてその堂々とした佇まいから伝わってくる正義感の強さと自分の生きたいように生きるという強い意志は岡村さんらしさの漂うエスメ像で、裏表が一切なさそうな真っ直ぐさがたまらなく好きです。カジモドに優しくしなきゃ…という義務感ではなく自分がそうしたいからする、フロローが憎くて歯向かうのではなくフロローが間違ったことをしているから指摘する、というような行動原理なのよね。自分の信じる正義=人はみな平等であるべき、という考えから、誰に対しても率直に、自分の気持ちに偽りなく接する。岡村さんは、それを強く感じるエスメだなと改めて感じました。

今回の席から観るTOTWは、柵に腰かけてカジモドと向かい合う瞬間は角度的に若干泰潤さんに被っちゃったんですが、でも岡村さんエスメの表情を真正面から観られました。あんなに優しくて温かくて慈愛に満ちた表情をするのかぁ…という嬉しさと、あんな表情をカジに向けているのか…という羨ましさとで頭沸きそうでしたね。嬉しいよなぁ、あんな表情を向けてもらえるなんて。カジは好奇、恐怖、軽蔑…そういった目でしか人から見てもらえていなかっただろうから、あんなに温かい笑顔を向けてもらえたらそりゃ好きになりますし嬉しくなっちゃって朝から鐘鳴らしちゃいますよね。分かる、分かるよカジモド…。

鐘を鳴らし終えて興奮気味のカジモドを、愛しそうな眼差しで見つめる姿も印象的でした。穢れが一切ないピュアな彼を見て、美しいって感じていたんだろうなと思います。でもフロローが来たことで一瞬にして冷め切った表情になったその変化も良かったです。美しくて穢れを知らないカジモドを責めるフロローを、すかさず「私のせいです、閣下」と助けるのも、彼女なりの正義なんだろうなぁ…と思うし、厚かましくない恩着せがましくないそのさりげなさが凄く好き。

そしてフロローに対して言う「分かってるの?私を見るその目つきで」の言い方は、先週同様「分かってるの。」と語尾を上げない言い方で固めてきました。ここ、疑問形の言い方でないとだいぶニュアンス変わってくるけど、きっぱり言い切ることで彼に対する拒絶の意味合いがかなり強くなったように感じるので、自分の意見をはっきりと伝える岡村さんエスメらしさは増したような印象があって嫌いじゃないです。なんかここ最近の岡村さんエスメ、フロローに対する嫌悪感が相当強いですね(笑)気の強い女、嫌いじゃないよ♡♡♡

2幕、奇跡御殿のシーンでカジモドに「僕が守るよ」と言われたときに、困ったような表情を浮かべながらもうんうん…って頷いてあげるのが優しいなと思いました。優しいんだけどその優しさが残酷なものであることに彼女はきっと気付いていないんでしょうね。カジモドの気持ちを考えると、彼を頼ってくれるエスメはカジモドの優しさを利用しているだけというふうにも捉えられてしまうので、なかなか難しいところです。彼女にとっては自分の正義を信じて接しているつもりなのかもしれないけど、それがカジモドを知らぬ間に傷つけていることには気づいていないであろうところは、非常につらいなと思いました。要は、誰でも完璧な人はいないってことですね。

そしてバスティーユ。フロローに迫られ押し倒されたときに、抵抗するために彼の顔を引っかくようにして手で押しやる瞬間があります。それと同時にフロローが自分の体から離れていくんですけど、そのときにフロローの顔に触れた自分の手を一瞥するんですよね。眉間に皺を寄せて今にも泣きそうな引きつった顔をしながら。その表情と仕草が凄く好きだなと再認識しました。以前もやっていたかどうかは正直覚えてないんですけど、今期はその仕草やるようになっています。

自分が悪事に手を染めたことはないけど、まるで「穢れた存在」にでも触れてしまったかのような嫌悪感に満ちた表情が凄く良いです。汚らしいものに触れてしまったことへの嫌悪感と彼に対する怒り、悔しさ。色んな感情がそのフロローに触れた自分の手を一瞥する表情に込められているように感じました。とことんフロローに対する嫌悪感が凄いです、今期の岡村さんエスメ。

からのフィーバスとの対峙。フィーバスが説得を試みるも断固として拒否する岡村さんエスメは、ちょうど私の席からは背中になっちゃったので表情が見えなかったんですけど、「絶対に嫌」とちょっと駄々こねているように思える言い方好きなんですよね。何をされようとも、フロローに屈したくなかったんだよなぁ…。自分の信念を曲げたくなかったし、そんな卑怯な手を使う彼がどうしても許せなかった。だからたとえ死のうとも、彼にだけは絶対に従いたくなかったという意思が感じられるのが凄く好きです。嫌悪感が強くなったから余計にその頑固さにも説得力が出ました。良きです。

そして今回のSomedayは、泣き崩れてフィーバスに抱き締められてからはしばらく目を伏せて俯いていたのが印象的でした。絶望かな…?なんだろう。いつもよりなかなか顔を上げないので、悔しい思いや現実を受け入れられない部分が強かったのかな。というか角度的にそう見えただけかな?どちらにしても、光を受けて神秘的な佇まいに見える岡村さんエスメ、本当にそのまま天に召されそうな感じがするくらいに美しくて心が洗われました。ほんと、聖母の生まれ変わりだわ…。

あと、今回の席の角度的になのか分かりませんが、処刑シーンでフロローにツバを吐きかけるところは結構な勢いで飛沫が飛んでるのが見えました(笑)いつも音だけでブーッてやってるのかと思ったけど、めっちゃガチで飛沫飛んでて笑いました。もうそれ村さんフロローの顔ミストかけられたみたいにびしょびしょじゃん(笑)いいね、とことんフロローに対して嫌悪感剥き出しだね。そのリアルさがたまらなく愛しいです。

そして息を引き取るシーン。音もなく静かに力尽きたように息絶えていくの上手いんよな???なんでこんな上手いんかね???リアルすぎるんよ。天に召される瞬間のスゥ…と起き上がる姿も凄いし、なんなん???????こういうところなんですよね。上手いのよ。上手いっていうか、リアルなの。もちろんお芝居だって分かってはいるんだけど、本当に天に召されてしまったかのような錯覚に陥ってしまうんです。それが凄いなぁ…といつも感心させられるし、岡村美南さんの好きなところです。どこまでも丁寧なの。最後の瞬間まで本当に好きでした。

別に誕生日前日だからといってお芝居を変えてくるなんてことはもちろんなく、いつも通りその日のエスメラルダを生きていました。どんどんフロローに対する嫌悪感が強くなっていって、悪に対して手厳しいエスメになってきているのがとても面白いです。いいね、あんなに平等に誰に対しても分け隔てなく接しているエスメが彼だけは生理的に受け付けなくなってきているの最高に好きです。いいんだよ、人間だもの。完璧じゃなくて良いです。

そういうちょっと不器用なところも岡村さんエスメらしくて、愛しさが募りました。岡村さんの魅力が存分に詰まった35歳最後のエスメラルダを見届けられて、本当に幸せでした。これからも彼女が彼女らしく胸を張ってお芝居をする姿を見届けていきたいです。改めて、お誕生日おめでとうございました!

まとめ

当日行けるなら行きたかったなぁ…という気持ちはありましたが、でもこの前夜祭を見届けられたことが何よりも幸せです。誕生日前日だから良いとかそういうんじゃなくて、やっぱりいつ観ても良いものは良いんですよね。改めて岡村美南さんの素晴らしいお芝居を観られて、あぁやっぱり岡村さんが好きだなぁ…と感じられて、最高の1日でした。

まあね、誕生日観劇は来年以降にリベンジしたい…!のでまだまだ在籍しててね!

そして6月29日、お誕生日おめでとうございました!!これからもずっとずっと応援していきます。ついていきます。ファンでいられる限り、毎年お誕生日お祝いさせてね。ずっと大好きです。

今回も長くなりましたが、最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました!

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