2021年12月26日マチネ 劇団四季『オペラ座の怪人』




オペラ座の怪人
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ゆうき
ゆうき

2021年の観劇納めです!

日時:2021年12月26日マチネ公演
場所:四季劇場[秋]
座席:S席1階4列14番




はじめに

2021年も残すところあと数日。激動の1年でございました…。そんな2021年の締めくくりとして選んだのは『オペラ座の怪人』です!去年の今頃は見向きもしていなかった演目でしたが、ふと5月に観に行ったら沼落ちしてその後短期集中的に通った作品です。私にとって2021年を代表する作品でもあります。

ずっと観に行きたいと思ってはいたもののなかなか機会もなく、気付いたら千穐楽が近づいている影響でチケットも完売していて「こりゃもう観れないな…」と半ば諦めていました。しかしながらご縁をいただき、無事に年内滑り込み観劇達成…。ちょうどスタンプラリーも4個まで溜まっていたので、今回で無事5個目ゲットです!

年内もう一度岡村美南さんに会えるかなぁ…なんて期待していたのですが、それは来年に持ち越しですね(実はこの前お見掛けはしたんですけどね…)。とにかく大好きな作品で2021年ラストを飾れたので大満足です。

新たなファントムもデビューしたし、キャストの感想も含めてしっかりとレポしてまいります。ぜひ最後までご覧くださいませ!

総評

全体の感想です!

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

3ヶ月ぶりなのですが全体的に結束力が強まった印象がありました。「ここってこんな表情してたっけ?!」となるような瞬間があったり、俳優さんたちの掛け合いのテンポが変わっていたり、どんどんブラッシュアップされているのを感じられた公演でした。

そんな中でデビューの清水大星さんファントムはキャラの作り込みもお芝居もすっごく新鮮で、これまでのオペラ座とはガラッと雰囲気が変わって面白かったです。私がこれまでちゃんと認識して観たファントムは佐野正幸さんと飯田洋輔さんだけですが、この2人のファントムとはまるで違いました。一言で表すなら「サイコパス」。とにかく怖かったです。初めてファントムに感情移入できなかったほどにサイコパスすぎて、かつてこんな感情を抱きながらオペラ座を観たことがなかったので未だに感情迷子です(笑)

でもちゃんと清水さんならではのファントムを確立していて、オリジナリティに溢れたお芝居をしていたので、色んな発見があって観るのが楽しすぎました。ファントムがサイコパスであればあるほどクリスティーヌも怒りをぶつけやすいんだろうなと思ったくらいに、紗衣さんクリスの怒りも頂点に達していました。だからプリンシパルが誰か1人でも変わるとキャラクターの関係性も大きく変わるので、今回のオペラ座はこれまで観てきたものとはまるで別物のような印象を受けました。

ファントムの独りよがり感が凄いため、ファントムVSクリスティーヌやラウルたちの構図が強調されていたように感じます。私が一番観てきた飯田洋輔さんファントムは、観ているとこちらが思わず手を差し伸べたくなってしまうような稚拙さがあったり、一方の佐野正幸さんファントムも切なさがあったり…とつい助けてあげたくなるようなファントムがデフォだと思っていました。だからすべてが新鮮。

こんなにも感情の振れ幅が大きくて怒らせたら怖いファントムには出会ったことがなかったので、自分がクリスティーヌだったら絶対に近寄りたくないし好かれたくもないな…と思いました(笑)ファントムとクリスティーヌの関係性も、いつになく歪さと不自然さを感じてしまって、正直凄く気持ち悪かったんですよ。気持ち悪いっていうのは、心につっかえたものがあってモヤモヤするっていう意味です。なんでこの2人が…?と思うようなアンバランスさが凄く不思議で、逆に興味をそそられました。

ある意味では洋輔さんファントム×海沼千明さんクリスティーヌのときに感じた、2人が信頼関係で結ばれているとか共依存の関係性であるといった強い結びつきを、今回の2人ではまったく感じられませんでした。単純に清水さんファントムが初見で全体像を掴めていなかったのもあるし、解像度が低いから理解に及んでいないだけっていうのもあるし、そもそも清水さんファントムがクリスティーヌに抱いている感情が愛情ではない別のものに感じたからというのもあると思います。

ちゃんとした答えは自分の中で出ていないし未だにモヤモヤとしたものはあるんですけど、でもそれこそがファントムとクリスティーヌの関係性として間違ってはいないんだろうなということも感じています。清水さんファントム、自分の容姿にとてつもないほどのコンプレックスを抱いていたので美しいものに醜いほどの渇望を抱いてしまったのかなぁ…と自分を納得させました(笑)

いやぁ…もっとたくさん観て清水さんファントムのことを理解したいです。初見ってあれこれ考える余裕がなさすぎて気付いたら終わっちゃってたので、必死に脳内再生しながらどんなんだったっけ…と頭の中を整理しています。衝撃的な部分は多かったですけど、凄く素敵なファントムに出会えたなと思いました。東京公演も残すところあと2週間ですから、ギリギリのタイミングで観ることができて良かったです!

他のお馴染みのキャストも安定感抜群で、安心しながら観られました。やっぱりオペラ座の出演俳優さんたちはみんな歌うめえ…。次元が違いますな…。この前のALWコンでも感じましたが、ロイド=ウェバーの楽曲って本当に歌うの難しいですよね。改めてアンドリュー・ロイド=ウェバーの凄さとこの作品が持つ世界観の重厚さと美しさを強く実感しました。

そして千穐楽が近くなっているのもあって久々の満席。9月に通っていたときはガラガラだったのになぁ…という気持ちもありますが、その分拍手の厚みもあって大きな拍手がカンパニーに贈られていて、ついつい嬉しくなりました。残念ながらニアミスでクリスマス特別カテコは観れなかったですが、今回のカテコも大盛り上がりでした!

とにかく、今回は久々の観劇だったので1幕のオーバーチュアが流れた途端に両目から涙がブワっと溢れてしまって鳥肌も止まらなくなってしまったのですが、それくらいこの作品の持つ魅力に引き込まれた観劇でした。

慣れってダレますよね。四季が「慣れ・だれ・崩れ=去れ」を教訓として掲げているのがとても納得できました。常に新鮮さを持って観劇することって上質な観劇をする上でとても大事だなと感じたので、3ヶ月間秋劇場を訪れなかったのはある意味で1つの正解だったかもしれません。今回は初見のような新鮮さと衝撃をたっぷり感じながら観劇できたので、とても充実していました。

本当に、このタイミングで観ることができて良かったです。どうか残り2週間、無事に千穐楽まで駆け抜けられますように!

NEXT>>キャストの感想です!

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