2022年1月22日ソワレ 劇団四季『ロボット・イン・ザ・ガーデン』




ロボット・イン・ザ・ガーデン
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キャストの感想

キャストの感想です!

ベン:田邊真也

久しぶりに観るとやっぱりベンは田邊さんまんまだなーと思いました。本当にそのまんま。原作の雰囲気まんまで、馴染みのあるお芝居に安心感と説得力を感じて凄くしっくり来る観劇ができました。もう出だしの無気力感が凄いし、それなりに歳を重ねているのも漂っていて、だからこそ余計にダメダメっぷりが伝わってくる。そりゃエイミーも愛想尽かしますわ。さすがのミナミーでも愛想尽かすんじゃないかってくらい、どうしようもない感じが漂っていました。

なんかね、「考える」ということをやめちゃった人ってこんな感じなんだろうなーっていう印象。毎日を虚しく生きているのが伝わってくるし、色んなことを諦めちゃったんだろうなーっていうのも伝わってきました。年齢を重ねていろんな経験を積んでいるはずなのに、凄く空っぽ。まさにベンですよね。

ゆきみさんエイミーがとにかくテキパキする人なので、余計にコントラストも効いて良かったです。山下さんベンのほうがまだもがいている感じあるかも。まあ彼は世話を焼いてくれるエイミーに甘えてばっかりなので、別の意味で「考える」ことをやめてしまった人間でもありますが(笑)

そして田邊さんは細かい部分までしっかり拾ってお芝居する人だなぁ…と再認識。タングがちょっとした反応を見せればそれを見逃さないし、タングが足にシャワーキャップをつけているのを見れば「え?!」って驚くし、タングがついてこなければ「こっちこっち!」って呼びかけるし、タングを持ち上げれば「重い…」って言うし。台本通りではないリアルなお芝居がベンの人間性をしっかり浮き立たせていました。ほんとこういうところ含めて田邊さんは上手だなと思います。

あとは両親を失った心の傷の深さもかなり感じられました。回想で両親が旅に出かけていってしまうのを引き留める田邊さんベンが放った「行くなよぉ…」が泣きべそをかきながら言うというよりも、心にぽっかり穴が開いてしまったように虚しさを込み上げさせて言っていたのがとても印象的でした。山下さんベンは多分未だにボロ泣きするタイプでしょうけど、今回の田邊さんベンは涙すらも枯れちゃったような印象を受けて、傷の深さを感じた瞬間でした。

そして旅に出てからの田邊さんベンのお芝居も素敵です。田邊さんベンはちゃんと自分の意見をはっきり言える人だったんじゃないかなぁ…と思いました。事故以降心を完全に閉ざしてしまいましたが、感情を表に出せる人だったし、人に対してしっかり怒れる人だったんだろうなと。山下さんベンほど物腰が柔らかいというわけでもなく、誰にでも優しすぎる人というわけでもないんだなーというのが今回の発見でした。

山下さんベンは「お人よし」という言葉が凄くしっくり来ます。誰にでも分け隔てなく優しくて、なんなら道端に咲いている花にも気を配るだろうし、部屋に入ってきた虫すらも殺せない人っていう感じ。エイミーが声を荒げたときに言う「タングが怖がってる」も、山下さんベンの場合は言い訳としてタングを利用したというよりもタングが本気でビックリするかもしれないって本心で思って言ってるのかなぁ…とも思います。

山下さんにとっては生き物すべてが庇護の対象のような感じで、田邊さんは生き物すべてに対して対等に向き合う人っていう印象がありました。それを強く感じたのが2幕終盤のRIGです。タングと1対1で向き合うこのナンバーですが、田邊さんベンはタングの目線に合わせて腰を屈めたり、しゃがんでタングより下の位置になってみたり、凄く対等にタングと向き合っているなーと思ったんです。

タングを子供のように愛しく思いつつ、タングをただの機械だと思わずに1人の人間のように接しているのが凄くベンらしいし田邊さんらしいと感じました。だから2幕終盤でタングに厳しく諭すシーンも凄く本気で怒っていて、田邊さんのメリハリのついたお芝居に凄く引き込まれました。相手を傷つけると分かっていながら相手のためを思って本気で怒れる田邊さんベンは本当にかっこよかったです。

やっぱりね、こういうところからも人生経験をそれなりに重ねてきたんだろうなぁ…というのが伝わる田邊さんベンは、言葉の1つ1つに重みを感じました。ずっしりと重くのしかかってくるんだけど、無責任に言い放っているんじゃなくて、しっかり自分も一緒に責任を負ってくれる。なんかね、思いやりを感じたんです。山下さんベンとはまったくアプローチが違いますし、どっちが正解とかどっちが良いと決めつけることはできませんが、やっぱり田邊さんはベンなんだな…という説得力を感じました。

田邊さんベンは優しいというよりは思いやりがある人です。個人的にさすが!と思ったのが、エイミーのお腹に心臓の音が2つ聞こえるとタングが告げるシーン。タングが心臓の音を聞かせてくれる流れになって、エイミーがベンの元に近づいてきたときに、座りなとでも言うようにエイミーの肩を抱いてソファーに座らせたんです。すっごく自然に。それを観た瞬間に「田邊さんベン、マジいい男」と思いました。スマートに気遣いができるのも大人の男っていう感じだし、エイミーが大切にされているようで、凄く嬉しくなった瞬間でした。こりゃもう田邊鳥原チェンバーズ夫妻は未来永劫幸せになれますわ…。

凄く久しぶりに観たことに加えて、山下啓太さんのベンがデビューしたことで、田邊さんベンの印象は大きく変わりました。こんなにも田邊さんってベンだったんだなぁ…と、語彙力のないことしか言えません。でもそれくらい細部に至るまでちゃんとベンでした。ベンがちゃんと舞台上に存在していて、ベンが自分の人生を必死に生きていました。タングに対してもエイミーに対してもその他の人たちに対しても、しっかりと1対1で向き合って「個」を認めてくれる。そんな田邊さんベンが大好きでした。やっぱり田邊さんは凄かったです。

最後にこうして田邊さんベンを観られたこと、自分の中で田邊さんと山下さんそれぞれのベンはどういう印象だったのか再評価ができたこと、凄く幸せでした。そして今回も本当に魅力溢れる素晴らしいお芝居でした!本当にお疲れ様でした!

タング:前田更紗/小原てつを

何だかんだデビューから出演回に当たりまくっている前田さん&小原さんタング。今回初めて田邊さんベンとの組み合わせを観たのですが、まだ回数重ねていないのもあって少し息が揃わない瞬間もありました。でも田邊さんが上手くフォローを入れながら進めていたので、まさにタングを支えてあげるベンの構図にピッタリで凄く良かったです。

このペアは基本的に前田さんがメインで喋りますが、物語の途中以降どんどん小原さんも喋るようになっていって、タングの声が変わっていって進化していく様を表現しています。「2人で1人」という感じがして、タングには色んな可能性が秘められているのをまさに体現しているようにも思えて、どんどん好きになっていきました。

お芝居はうぶちゃんのタングを参考にしているのかなぁ…と思う瞬間も多々ありましたが、どんどん前田さん&小原さんのオリジナル要素も加えていって唯一無二のタングになっていったのが良かったです。特に「ドライブする?」のあとの「ブオン!ブオン!」っていうエンジン音とか、2幕で失恋したベンを励ますときの「ブオオオン!」とか、タングの男性ボイスが目立つお芝居が凄く好きでした(笑)ちゃんと旅の途中で聴いてきた音を学習しているんですね(笑)

やはりディテールのお芝居は初演から出演し続けている他の2ペアに比べるとあっさりとしていますが、タング同様日に日に進化しているので、今後のブラッシュアップがさらに楽しみです。そしてカテコで勝手に帰っちゃうタングにはめちゃくちゃ笑いました。この辺も今後公演重ねていって田邊さんと仲良くなれるといいな(笑)他の2ペアとは違うタングなのが本当に好きだしオリジナリティに溢れているので、逆にもっとやれって思います(笑)

でも何かとご縁があってこのペアは5公演中4公演も観ることができたので、たくさん見届けられて嬉しかったです!改めて、デビューおめでとうございました!

エイミー:鳥原ゆきみ

やっぱりゆきみさんは女神でしたわ~~~。本当にお綺麗だし面白いし可愛いし最高でした。元々ゆきみさんのエイミーが大好きだったので、最後にまた会えて嬉しかったです。何よりね、同役を贔屓が演じましたから、より一層エイミーというキャラクターには愛着が湧いたわけですよ。なのでオリジナルのエイミーであるゆきみさんのお芝居を観て、エイミーってこんな一面もあるんだなぁ…と再認識できたことでたくさんの収穫がありました。

なんとなく今回はちょっと歌うときにキーが上がりきらない瞬間が多々あって喉の調子が不調なのかな~と思いましたけど、ゆきみさんボイスで聴くセリフや歌詞の数々は「これこれ!」となる瞬間が多くて楽しかったです。何だかんだ、私の中ではゆきみさんのお芝居が体に染みついているようです。

でね、冒頭にも書きましたけどお芝居が本当にナチュラル!まんまゆきみさんでしたわ。岡村さんみたいにしっかり作り込んでお芝居するタイプの人じゃないから、ありのままの自分でエイミーを演じている印象でした。ゆきみさん、素が本当に面白いド天然の方なので、エイミーにもそれが反映されまくり。謎に「おっおーおおっー」って胸に拳を当ててイギリスの国家を歌っていたり、タングにコーヒーこぼされて「あああああ!」って断末魔を上げたり、「はははは」って乾いた笑いをしょっちゅうしたり、もう全部全部ゆきみさんなんですよ。愛嬌しかなかった(笑)

そういうところがエイミーっていうより『ウィキッド』のグリンダっぽいなって。私はゆきみさんのグリンダを観たことはないのですが、節々で「あ、これはグリンダだな」って思う瞬間があるわけです。だから『ウィキッド』を観た方であれば伝わりやすいと思いますが、ゆきみさんはグリンダ系統のエイミー、岡村さんはエルファバ系統のエイミーだなっていう印象を抱きました。エルファバとグリンダって正反対の性格をしているので、同じエイミーという役でありながらゆきみさんと岡村さんでまるで正反対に感じたのはそういうことなんだろうなぁ…と我ながら納得しました。

ま、グリンダとエイミーで大きく違うところは「みんなから愛されてきた人かどうか」っていうところなんですけど。ミナミーを観た直後だと正直ゆきみさんエイミーはそこまで家庭環境悪くなかったんじゃないか…とすら錯覚してしまいました。グリンダ精神で「みんな私のことが大好きだから」なんて言って笑い飛ばしてそうな感じもするくらい、明るくて。逆にミナミーがあまりにも寂しそうな演技が上手すぎなんでしょうな。なんてったって岡村さんはエルファバ寄りのエイミーですから(笑)

ゆきみさんエイミーって一度決めたらその方向にきっぱり意識を向けられる人なんだろうなぁ…というのが今回の印象です。ベンと別れて新しい道に進むぞって決めたら結構そこに突き進める印象があったし、過去のことも過去のこととして完全に割り切っちゃっているように見えました。だからそこまで寂しさを感じなかったのかもしれませんね。何においても引きずっちゃうミナミーとは正反対。

根が相当ポジティブなんじゃないかな。自分がこうと決めたらそこに向かって突き進む人で、ベンに対してもきっぱりと意見を強く言える人。ベンに対して容赦ないのは長年連れ添った時間によって生まれた距離感が影響しているとは思いますが、自分が思い描く理想を実現するために必要なことはすべてやるっていう精神があるんだと思います。だから時に感情的にもなってしまいがち。そしてベンを置き去りにしてしまいがち。

でもこうやってどんどん前に進もうとしていくゆきみさんエイミーの姿が、立ち止まってばかりの田邊さんベンとの対比を色濃く浮かび上がらせていて良いなーって思いました。そしてこんなにテキパキしていたゆきみさんエイミーが、ベンと離れている中で「一緒に歩むことの大切さ」や「時には後ろを振り返ることの大切さ」を実感したっていうのが凄くグッと来ました。1幕冒頭にあった棘が、2幕ラストでは一切なくなって丸みを帯びているんですね。それってエイミーも大切なことに気付いたからだと思うんです。

ベンやタングが旅を通して大切なことに気付く貴重な時間を過ごしたように、エイミーにとってもたくさんのことに気付かされて成長したようなお芝居をゆきみさんはしている印象がありました。こういうところに、ゆきみさんが仰っていた「エイミーはもう一度ベンに恋をする」というアナザーストーリーの説得力を感じられたんです。この辺のアプローチも岡村さんと全然違うし、当然お芝居の印象も違ったので面白かったです。

あ、あとね、ベンに容赦ないっていう話と繋がるかもしれないけど、ゆきみさんエイミーは基本誰に対しても分け隔てなくてゼロ距離!良い意味で誰に対しても遠慮がないです。ブライオニーに対しても、彼女の失敗を笑ってからかったりデイブのことを「えー」ってけなしてみたり、タングにも「心臓の音が2つ聞こえる」って言われて「それって本当?」ってからかい半分で疑うように言っていたり。誰に対してもありのままの自分を隠さないで、かつ冗談を交えながら向き合える人なんだなって思いました。

その点はミナミーのほうが人付き合いとしては大人かな。無邪気な子供時代を過ごせていなかったからなのか、人に無意識のうちに距離を作ってしまっている印象があります。そういうところも、ミナミーから寂しさが漂う原因かもしれません。とことんこの2人は対極にありますなぁ。

でも私、ゆきみさんエイミーで物凄く好きな瞬間があって、それが2幕ラストでベンと再会するときの立ち居振る舞いです。ストール?みたいなものを頭に巻いて「久しぶり」ってベンに声をかけるんですよね。これ、1幕でサングラスとストールを巻いている貴婦人を彷彿とさせているなぁ…と思って。あの貴婦人は決してエイミーではありませんが、ゆきみさんにとってはあの貴婦人もエイミーと地続きなんでしょうね。エイミーも姿・形を変えて、心はベンと共に、ベンを見守っていたんだろうなーっていうのが感じられて、なんだかほっこりしちゃいました。ベンのパパとママも遠いところからベンを見守っていたし、エイミーもきっとそうだったんだろうなぁ…と感じる瞬間で個人的には凄く好きでした。

あと、そもそも1幕ラストの貴婦人もゆきみさんまんまだったのが良かったです(笑)ゆきみさんは小道具としてタバコを持っていて優雅に吹かせているんですよね。そしてセンターにやってきて踊るゆきみさんも堂々としていて、どこかのコソコソしてる不審者さんとは大違いだなぁって思いました。ゆきみさんの作り込まない自然体な感じがかっこいいなーと思ったし、逆に贔屓の一生懸命作り込んだキャラクター性も愛しくなりました(笑)

パラオはお腹出さないゆきみさん。でもゆるーく踊っているのがとても可愛くてキュンとしちゃいました。もう今後ガッツリ踊るゆきみさんなんて観られないでしょうから、しっかり目に焼き付けてきましたよ~。

正直挙げたらキリがないくらい、ゆきみさんエイミーを観ていて感じたことや発見したことはたくさんあったのですがこの辺で。岡村美南さんのエイミーを観たからこそ気付けたゆきみさんエイミーの魅力や印象があったので、最後にもう一度観られて良かったです。やっぱりね、エイミーと言えばゆきみさんのイメージが強いですし、オリジナルのエイミーがあってこそ今後続いていく他キャストのエイミーができあがっていくわけなので、これぞエイミー!と言える原作寄りなエイミーを観られたことは凄く大きな収穫でした。

ベンに対する愛情の向け方は岡村さんと全然違いますけど、でもどちらもベンを愛する気持ちは凄く強いエイミーです。どちらも違ってどちらも良い。こんなにもあらゆる角度からエイミーというキャラクターを深掘りできたことは私にとっても幸せなことでした。本当にね、ゆきみさんが作り上げるエイミー像は魅力がいっぱいです。時々おっさんみたいな声が出ちゃうところもリアリティあって面白いし、ただ可愛いだけの女性じゃないところも凄く好きでした。大大大好きなゆきみさんエイミーを観られて、本当に幸せでした!

ボリンジャー:野中万寿夫

Wキャストの佐野正幸さんは残念ながら観られませんでしたが、オリキャスの万寿夫さんボリンジャーを今期もたくさん観られたのは嬉しかったです。オリキャスの安定感としっくり来る感じ、特にボリンジャーは悪役でもありますから見慣れている万寿夫さんだったので何も心配はなかったです。

万寿夫さんの冷淡で何を考えているか分からない感じは凄く恐ろしいんですけど、見るからに悪役じゃないところがいいなーと思いました。というのも以前、オフステの中で「ボリンジャーを悪役として描きたくない」という演出を受けたと万寿夫さんが話していたのが印象的だったからです。

ボリンジャーはベンやタングの敵として登場はするものの、悪役ではないのかぁ…とその話を聞きながら考えさせられたんです。ボリンジャーが歌う「至高の砦」は悪役のナンバーにしては結構ポップだなぁってずっと思っていました。もしかしたら音楽の雰囲気も演出の意図に組み込まれているのかもしれませんね。そういう意味では万寿夫さんボリンジャーの、一見普通のおじさんっていう佇まいは正解なのかなと思いました。その後豹変するときのギャップがまた良いですけどね!

今回は「搭載」っていう言葉がなかなか出てこずに詰まってしまった瞬間もありましたが、でも全体を通して素晴らしいお芝居をされていました。あからさまに悪そうな顔をするでもなく、ちょっと近寄りにくい気難しい老人っぽさが見事なんですよね。ベンが「あんたは、愚かだ」と言ったあとの「そいつを殺せ」の言い方が凄く好きなんですけど、心がないような冷たい言い方が最高に痺れます。

ロボットなのに心があるタングと、人間なのにまるで心がないボリンジャーの対比が生まれているようで凄く好きでした。そしてこんな冷たい心を持ったボリンジャーを演じた10分後くらいには優しい笑顔をしたパパになっているんだから凄いです。同じ俳優さんなのに、表情だけでこんなに演じ分けができるなんて凄いなーと改めて感じました。万寿夫さんもナチュラルなお芝居でベテランとしての貫禄も見せつけていて、改めて凄い俳優さんだと感じられた観劇になりました!

カトウ:小林唯

今期デビューの唯くんカトウでしたが、もう普通に馴染んでいましたね。それこそデビュー初日に観たときはオリキャスの萩原隆匡さんとの違いを探してしまったり、萩原さんの面影を追いながら観てしまったり…ということをしてしまいましたが、今はもう唯くんをカトウとして観ることができています。

唯くんは本人がお調子者な一面もあって、カトウ以外の役どころでは結構そのやんちゃっぷりが出ていました。特にマッスルカーのシーンね。今回はベンとタングを見送るときに持つフラッグを逆さまに持ってしまっていたなんて可愛らしいミスもしていましたが、そういうところも含めて唯くんらしくて可愛さ満点でした(笑)

あとここのマッスルカーの店員さんは日によってやることが違います。今回はスマホ?ゲーム?に夢中でベンに話しかけられてもずーっとゲームやっていました。若者らしくて可愛いし、チークが濃くてほっぺがピンクになっているのも可愛すぎて反則です(笑)

そんな可愛い一面とは正反対に、カトウのお芝居は凄く落ち着き払っていてメリハリがあって良かったです。若いながらに才能を認められて選抜メンバーとしてボリンジャーと共に極秘プロジェクトに参加した彼は、覚悟を持って「逃げた」んだなというのが伝わってきました。低めの声で淡々と話していく様はカトウの聡明さと強い覚悟を感じたし、唯くんの作り出す間がその場の空気を一層引き締めていて緊張感をもたらしていました。唯くんってこんなに魅せるお芝居ができたんだな~っていうのが率直な感想です。

オリキャスの萩原さんが凄くお芝居上手だったから、カトウの聡明さと必死さと優しさがすべて詰まったお芝居にいつも魅了されていたのですが、萩原さんとはまた違う才能を感じさせる若者像で凄く良かったです。萩原さんは年齢も相まって、色んな経験を積んでいるように感じてセリフ1つ1つに説得力を感じました。その点唯くんはカトウを演じるには少し若いのかなとも思いましたが、若くて優秀だからこその苦悩もあったのかなと思わせる風貌でした。

うん、と言いつつ『パリのアメリカ人』の質問コーナーで全然漢字が読めなかったおバカな唯くんを知っているので、ついついあの頃の面影がちらついてしまうんですけど(笑)でもカトウのお芝居はこれまでのお調子者な唯くんからは想像ができない、シリアスで重みのあるお芝居で凄く良かったです。

スーツも着こなすというよりスーツに着せられている感満載でお坊ちゃま感溢れていたのが唯くんらしくて可愛かったですねぇ。やっぱり唯くんは可愛い。でも凄く唯くんの魅力が爆発していた役どころだったと思いますし、色んな役で唯くんの歌やダンスやお芝居を観られたので大満足でした!

リジー:相原萌

萌さんリジーは前回公演から結構お芝居の雰囲気が変わって、より自然体になった印象を受けました。萌さんって話すときにちょっとクセがあって、語尾が少し上がるんですよね。でもそれが今期の公演からかなり自然な喋り方になっていたし、何よりリジーのお芝居そのものにどんどん肉付けをしていって魅力的になっていました。

個人的に一番好きだなーって思ったのが、ベンにカトウの話をするときに思わず前のめりになっちゃう仕草です。前回公演まではどのように演じていたのか覚えていないのですが、「でも本物の才能と情熱があるのよ!」とカトウのことを話すときに熱心になりすぎて身を乗り出しちゃうんですよ。その勢いにベンも驚いて後ずさっちゃうんですが、ここの仕草もわざとらしさは一切なくて。そのあとハッとなって慌てて元の位置に戻って、脚をピーンと伸ばしながら照れ笑いをする萌さんリジーが死ぬほど可愛くて個人的なキュンポイントでした。

萌さんリジーは愛嬌も抜群なのでクシャっと笑う笑顔が本当に可愛くて大好きです。どうして出会ったばかりのベンにグイグイ行くのかは気になりますが、あんな可愛かったらそりゃベンも気を許したくなっちゃいますよ~。まあでもやっぱりカトウと並んだときのお似合いっぷりはさすがですから、カトウとリジーのアナザーストーリ―もぜひ上演してほしいものです。

そして萌さんと言えばリジー以外の役で登場するときのインパクトと存在感がとにかく凄い…!やっぱり一番はマイクロンシステムズのアンドロイドさんですかね。下手側で低姿勢になってパソコンを思い切りタイピングする萌さんが大好きでいつも観ているのですが、今回も強くタイピングしすぎてキーボードを壊していました。そして近くにいる軽部さんポラリスに直してもらうよう頼んで、ちゃんと直してもらっていました。ここ、実はやっていること日替わりで違っていて、萌さんとポラリスたちとの絡みがマジで面白いので必見です。

CAさんも可愛いしメアちゃんも可愛いしで見どころだらけですが、本当に萌さんのオールマイティさにはいつも驚かされていました。歌も上手いしダンスもバリバリできるしスタイルもいいし可愛いし…。Wキャストの山崎遥香さんは残念ながら観られなかったのですが、やまはるさんを観たあとにもう一度萌さんを観たらきっと色んなことに気付けるんだろうなーと思います。それは次回の京都公演にお預けですね!とにかくキュートで可愛い萌さんをたくさん堪能できて、さらに萌さんのことが好きになれた東京公演でした!

ブライオニー:町真理子

観れば観るほどどんどんまちまりさんのブライオニーが大好きになりました。やっぱりオリキャスの加藤あゆ美さんの印象が強い役でもあったので、今期初日に観たときはなかなか受け入れられなくて自分の中でまだ咀嚼しきれていなかった部分もあったのですが、この3週間ガッツリとまちまりさんブライオニーを観たことでどんどん魅力に気付けて、今ではあゆ美さんと並ぶくらい大好きです。

とにかくかっこいいのよ。男前。こんなお姉さんがいたら「ついていきます!」って言いたくなるくらいの姉御肌なブライオニーでした。頼りになるし凄く前向き。ベンと正反対な雰囲気も凄くイメージに合っているし、ベンが言う「ブライオニーは凄いよね。泣くだけ泣いて前を向いている」とかエイミーが言う「ダリヤのように華やかでママみたいにお節介」とかっていう表現が凄く似合う人です。

まあ、ママという表現はあゆ美さんのほうがしっくり来るけど、凄く面倒見はいいんだろうなーと思えるお姉さんです。「私の大切な人泣かしたら許さないよ」って言って守ってくれそうな感じなのよ。本当にかっこいいんです…。歌も安定して上手いし、安心して観ていられました。

あとはまちまりさん結構オフマイクが面白い(笑)わりと自由に喋っている印象があって、それこそまちまりさんも田邊さんやゆきみさんと同じくその日その日でブライオニーの人生を生きているように見えました。なので日によって全然お芝居の雰囲気違うし、ブライオニーも「生きている」んだなぁ…と。

デビュー初日に観たときはまだお堅くて自由度も少なく、ガーデンパーティーでベンがラフな格好で来てしまって問い詰めるシーンもちょっと田邊さんに対して遠慮が見えたんですけど、今回は遠慮も一切なくなった掛け合いをしていました。バシッてベンの腕を叩くのもあゆ美さんの仕草を引き継いでくれて、個人的にめちゃくちゃ嬉しいです。どんどん治安が悪くなっていくまちまりさんブライオニーを観るのが楽しくて仕方ありませんでした

そしてブライオニーと言えばデイブとのバカップルなやりとりも欠かせません。エイミーの目の前でやる「早起きは体にいいのよ、ダーリン」以降のアドリブは毎回違うことをやっていて本当に面白かったです。今回は「おはよ♡」って言いながらぎゅーってしていて、可愛い可愛い言いながらきゃっきゃしてたような気がします(忘れた)。日によっては遠くから投げキッスをして、それを長田さんデイブがパクッて食べて「あー、食べちゃったの♡」ってまちまりさんブライオニーが嬉しそうにするなんてやりとりもしていて、凄く癒しの時間でした(笑)

今回は「Free Free」を歌い終えてエイミーに「私の次に素敵なやつ、デイブに紹介させるわ」って言ったらゆきみさんエイミーが「えー」ってジト目を向けてきたので、デイブをけなされたことにちょっとムスッと来ていたのが可愛かったです。可愛いしかっこいいし歌も上手いしお芝居も自由で面白いし、最高でした!素敵なブライオニーがデビューしたなぁ…って感じです。たくさん観ることができて幸せでした!

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