2019年2月3日マチネ 劇団四季『パリのアメリカ人』

パリのアメリカ人
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ゆうき
ゆうき

数年ぶりの最前列観劇です…!

日時:2019年2月3日マチネ公演
場所:東急シアターオーブ
座席:1階S席1列20番

総評

全体の感想です。

演出:★★★★
物語:★★★★
キャスト:★★★★★
歌・ダンス:★★★★★
全体:★★★★★

前回と演出は変わっていませんし、ここは評価変わらず。
やはり映像の使い方がとても斬新ですし、より一層幻想的な世界観が演出されて素敵。
手動で小道具や大道具を動かすアナログ感と、最新技術を使ったデジタル要素が上手く融合しており、観ていて凄く引き込まれるなぁ…と改めて感じました。
あとは、煙草の描写ってそういえば四季では珍しいですし、そういう要素も取り入れて新制四季を感じられるのもポイントの1つですね。

2回目なので初回よりもかなり内容が理解できました。
「芸術」と「恋」、この2つを軸に登場人物たちが葛藤し必死に生きようとする姿は観ていてとても感銘を受けました。
やはりマイロ視点で色々考えてしまうので、物語の結末としてはつらい部分も多いのですが。
何回も咀嚼してみると、とても美しくて儚い物語だな…と、少し好きな気持ちが芽生えました。

前回と変わったメインキャストとしては、アダムが洋一郎さんから俵さん、アンリが唯くんから迪さん、ムッシュが味方さんから増田さん…という感じでしたが、それぞれ良かったと思います。
この人、気になるなぁ…って悪い意味で感じるような方は特にいなかったですし、改めて四季のレベルの高さを感じました。
ガーシュウィンの楽曲がより美しくしなやかに彩られていたと思います。

観れば観るほど味が出る演目だと思いました。
初回に感じたものとは違う気持ちを抱くようになって、より面白さやキャラクターの感情を深掘りしようとする探求心が芽生える作品だな…という印象です。
とにかく、芸術の在り方を美しくも残酷に描いている作品なので、本当に美しいという感想しか浮かびませんが、感性が磨かれるようで凄く素敵です。
上手く口では説明ができないので、とりあえずぜひ観ていただきたいです。

キャストの感想

気になったキャストの感想を書いています。

ジェリー・マリガン:酒井大

前回に続き酒井さんのジェリーでしたが、好きですねぇ。
パンフ見たら、この作品が四季の初舞台なんですね、凄く馴染んでいて素敵だと思います。
彼の何が素敵って、ジェリーの若々しさの具現化のような存在ってところですかね。
何も考えずに思ったまま突っ走るような、そういう危うさが彼にはありました。
ダンスも軽やかなんだけど、脳みそも軽そうな感じの男の子っていうのが凄く感じられて良かったです(誉め言葉)

アダム・ホックバーグ:俵和也

俵さんをまさか四季の舞台で観るなんて思いませんでした…。
以前、東宝系の舞台でよく拝見していた方でしたが、歌とかお芝居とかよく知らなかったので今回がっつり拝めて幸せです。
歌もダンスもさすが上手ですしレベルも高い。
ダンスの軽やかさの点ではさすがに洋一郎さんのが上でしたが、俵さんアダムはその点自然な芝居が魅力的。
足を引きずる加減は若干洋一郎さんのが重めな感じ。
個人的な感覚としては、洋一郎さんのが何も考えてなさそうな天才で、俵さんは努力の天才って感じのアダムでした(分かりにくい)

アンリ・ボーレル:加藤迪

迪さんのアンリは、唯くんのアンリと似ているようで全く別タイプでした。
前回のレポでも書きましたが、唯くんは幼さと愛嬌があるマザコン坊やっていう感じ。
さらに言えば、何も努力しなくても元から才能を持っていたような、そんなチートっぽさも正直感じられたんですよね。
その点、迪さんのアンリは完全努力型でずっと昔からいい子ちゃんだった優等生タイプ。
親の敷いたレールから外れることなく歩き育ってきたクソ真面目タイプですかね。
凄く誠実な感じもしますし、むしろ幼さよりも大人っぽさがあるアンリでした。
超美声を聞けたのが何より嬉しかったですし、迪さんのアンリも凄く素敵。
岡村さんマイロと並んだ時のお似合い感半端なかったですね、身長のせいか。

マイロ・ダヴェンポート:岡村美南

まず、とにかく美しいのと気品に溢れていて凄く素敵ですね。
今回は最前列ということでより一層、岡村さんの表情や仕草に注目してみました。
以前からそうですが、岡村さんは手や指先に至るまで凄く丁寧でしなやかなお芝居をされる方です。
それがマイロでもいかんなく発揮されていて、もう泣きそうになりましたね。
特に素敵だなぁと感じた瞬間は2幕。
「For You,For Me,For Evermore」というナンバーが印象的でした。
この曲では、ジェリーの気持ちが自分に向いていないことに気付きながらも、彼に手を差し伸べようとするマイロの揺れ動く心情が描かれています。
彼がリズに想いを抱いていることを知っても、いつも通りに振る舞おうとする、その見せかけの幸せそうな表情とか。
でもやっぱり振り向いてはくれなくて、ふとした時に見せる空っぽな表情とか。
あぁ、上手いなぁって思いました。
それと、その時にマイロに背中を見せ続けるジェリーの膝にそっと手を置くんです、マイロが。
でも彼は結局振り向いてくれなくて、その手が行き場を失ったように彼の膝から離れていって。
指の先までマイロの寂しさとか動揺が伝わってくるんですよね。
こんな細かいところですら、美しいと感じさせる岡村さんの丁寧すぎるお芝居は本当に素晴らしかったです。
もちろんそれだけじゃないんですよ、岡村さんマイロの魅力は。
すべてにおいて美しく、儚く、愛しく感じてしまうような女性なんです。
だからこそ、カテコで笑顔で楽しそうに歌う岡村さんマイロを観た時に恋に落ちずにはいられません。
彼女には常に笑って生きていてほしい、そんな風に感じました。
今回は割と短くまとめましたが、とにかく岡村さんやっぱりオーラが凄すぎました。
本当に大好きです、まったく。

観劇の感想・考察

先日の観劇で考察というか、ちょっとまとめてみたいなと思ったポイントがありました。
それが、リズとマイロという2人の女性についてです。

結論から言うと、リズとマイロは「ウィキッド」のエルファバとグリンダのようだと感じました。
別に深い意味があるわけではなく、彼女たちのプロセスと結果がそのようだと思ったのです。

リズは、ユダヤ人ということで周りから白い目で見られてきたでしょうし、彼女自身も自由を奪われ制限された世界の中で生活してきました。
エルファバと違う点としては、アンリたちにかくまわれて過ごせたという居場所があった点でしょうか。
彼女は「愛」に素直になれず、自由に生きるジェリーに求愛されるも、自分より地位も富も上なマイロとの幸せを願います。
自分に自信がないことも、自分の生まれ育ってきた環境も、すべてリズを縛っていました。

一方、マイロは裕福な家庭で育ち、何一つ不自由なく育ってきた女性です。
そんな彼女が芸術という世界で名声と居場所を得ていくと同時に、ジェリーにも惹かれていきます。
グリンダと違う点は、確実にマイロはジェリーを金銭的にも芸術的にも支えてきたところでしょう。
ジェリーが成功したのは、マイロがいたからです。
しかし、マイロは芸術において名声と居場所を得たけど彼の愛だけは手に入れられませんでした。
唯一、彼女がこれまで生きてきた中で思うようにいかなかったものが「愛」でした。

結局何が言いたいかというと、この作品で描かれている女性像は、「1人の男性」をめぐって「愛を手に入れられた女性」と「愛を失ったが居場所を得た女性」であり、エルファバとグリンダのようだ、ということです。

とても安直な考えです、はい。

人気や名声、お金があれば何でも手に入るわけではなくて、「愛」はそれ以上に尊いものである。
まさにこの作品においてテーマともいえる部分が、この2人の女性を通して、そして彼女たちに似たエルファバとグリンダにも共通してしっかりと描かれているんだなと再認識しました。

そしてもちろん、最後にはマイロとリズは向き合えるし、マイロがリズを後押しします。
これってマイロが「愛」を知ったからこそできた行動だと思うし、名声や富を見せびらかさないのも魅力的だと思いました。

物語の中で彼女も言っていましたよね。
「私が私だからなのか、それとも私に何か期待しているのか」って。
ジェリーはマイロにとって、初めて「マイロがマイロだから」向き合ってくれた男性なのかな…と思います。

だから、マイロにも絶対に幸せになってほしいです。
誰も幸せにしてくれないなら、私が幸せにします(殴

まとめ

最後の最後で色々雑なレポになってしまったな、と感じております。
深く反省します、ええ。

でも、最初にも言いましたがこの作品は観れば観るほど味が出る作品だと思いました。
まだ、ダンスシーンでは何を表現しているのかとかさっぱり伝わってこないというか分からないんですけど。

そういう部分も含めて、もっと理解していけたらなという気持ちです。

そして。

今回も観れて幸せでした。
彼女が舞台に立っていて、拍手を送れることの幸せをひしひしと感じた公演でした。

これからももっと彼女が舞台で輝く姿を見届けていけたら、と思います。

そんなわけで、6日の公演も観に行くことになりました。
久々のリハーサル見学会もあるので、楽しんできます!

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