2021年6月20日マチネ 劇団四季『キャッツ』千穐楽@大井町




キャッツ
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ゆうき
ゆうき

大井町キャッツ千穐楽です!

日時:2021年6月20日マチネ公演
場所:キャッツシアター
座席:S席11列55番




はじめに

ついに大井町キャッツが千穐楽です。2018年8月に開幕したので、2年10ヶ月に及ぶロングランでした。その中で私は2018年10月に1回観劇しただけで、それ以降は他の劇場に足繁く通っていたのでご縁がなく…。そのまま千穐楽を迎えることになってしまいました。

岡村美南さんが戻ってきたら観に行きたいなと思っていたんですけど、戻ってくることはなかったです。開幕してからの数ヶ月だけの出演なので、あのときもっと観に行けるくらいメンタル強かったらなぁ…と後悔せずにはいられないですけど、1回でも観ることができたのは幸いでした。

また大井町キャッツといえば2019年3月7日に岡村美南さんがりんかい線大井町駅の一日駅長を務めたことも懐かしいです。あのイベントは気合い入れて臨んだので、色々と楽しい思い出ばかりでした。

そんなわけで私にとっての大井町キャッツの思い出は岡村美南さんのことばかり…。千穐楽に観られたらなぁ…という期待もあったのですが、またいつか会えたらいいな。せっかく千穐楽が当選したので、初心に戻って楽しんできました!

りんかい線大井町駅。

大井町をぷらぷらしていたら猫像もありました。

そしてキャッツ・シアター。晴れて良かったです。

入り口までの通路。

ようやくキャッツ・シアターのタングにも会えました。

キャッツ・シアターお馴染みの、トイレの性別も猫仕様。

千穐楽は満員御礼です!!

ということで、キャッツの知識めっちゃ薄いのでレポも浅いですが、ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しいです!

総評

全体の感想です。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

私にとって2年半ぶりくらいの観劇だったこともあって、懐かしさと同時に新鮮さもあって凄く楽しかったです。千穐楽ということもあって観客は訓練された人ばかりでしたし、客席の一体感も感動ものでした。『キャッツ』ってこんなにもたくさんの人に愛されていて、こんなにもたくさんの人に支えられているからこれまで続いてきたし、これからも続いていくんだろうな…というのを感じられた観劇になりました。

コロナ禍以降の『キャッツ』は今回が初めてだったので、ネーミングでの目チカやタガーのペアダンス、ミスナンの手拍子、そしてカテコでの握手といったこの作品ならではの猫たちとの近さを味わえる演出がすべて変更になったことも初めて体験しました。なんか、寂しいですね…。

別に俳優さんと接近できるのが嬉しいとかそういうことではなく、あの近さを体感することで、私たちが猫の世界に迷い込んだ感覚を味わえるわけですよ。だけど今回は他の舞台と同じように、舞台と客席との隔たりができてしまったので遠くから猫の世界を眺めているような感覚でした。だからなんか違和感…。というか、単純に寂しかったです。コロナが早く消える世界になってくれ。

でも猫たちと近付けない演出だとしても、やっぱり『キャッツ』は素晴らしかったです。今回は贔屓が出演していないこともあって、凄く俯瞰で作品全体を見渡すことができました。なので、まずはそのことについて書いていきたいと思います。

私の初『キャッツ』って16年前の五反田公演なんですね。親に連れられて何度か観に行きました。だけど当時小学生の私には、この作品の魅力とか面白さが全然分からなくてハマれなかったんです。五反田の次にやった横浜公演も観に行きましたが、やっぱり正直そこまで面白さを感じられませんでした。

だけど世の中には狂ったように通う人もいる。マニアがとにかく多い作品だということは知っていたけど、みんな何が面白いと感じているんだろう…ってずっと思っていました。そんなジレンマを抱いていた自分に心境の変化が訪れたのは、2015年の札幌公演。岡村美南さんがジェリーロラムとして出演した時期でした。

初めて岡村さんのジェリロを観たときに、魅せられたんですよね…。推しの猫を見つけることの楽しさ。猫たちの絡みの可愛さや面白さ。ああ、これが『キャッツ』にハマる理由の1つなんだなって分かった気がしました。あの日以来、私の推し猫はずっとジェリーロラムです。

そして今回の千穐楽。大好きな岡村美南さんは出演していません。全体を見渡すと言いつつも、やっぱりジェリロを無意識に目で追ってしまいました。誰が演じても、大好きな猫に変わりはなかったので。ジェリロを追いつつも、1匹1匹紹介されていく猫たちを観ていました。

そしたらストン…と腑に落ちることがありました。『キャッツ』は、27匹の猫たちの人生に触れる作品なんだな…と。それぞれの人生を肯定も否定もしない。ただただ次々とこんな猫たちがいるよと紹介をしていく。正解も不正解もない。

命の数だけ生き方があるわけなんですよね。人間と同じように猫にもそれぞれの生き方がある。何億通りある生き方のうちの27つの人生に触れていく作品であって、物語の最終ゴールって多分観た人たちそれぞれに委ねられているんだろうな…って思いました。

自分もあの猫のような人生を送りたいと思うもよし、グリザベラのように自分の過去にしがみつくもよし、誰かに手を差し伸べてもらおうとすがるのもよし。自分の人生は自分が決めること。誰にも決められることじゃないんだよ、色んな生き方があるんだよっていう多様性を認めてくれる作品なんだなって思ったら、泣きそうになりました。

このたった2時間で27つの人生に触れられるんですよね。ただただ猫可愛いきゃっきゃ!っていう作品じゃなくて、それぞれの人生に触れられる尊い作品なんだなっていうことにようやく気付くことができました。そしてこのことに気付いたことで、いかに『キャッツ』という作品が実はとても奥深くて魅力的なのかを知ることができました。小学生の自分では導くことができなかった結論です。

なんかもう…ただただ凄いなって思いました。泣きそうでした。『キャッツ』って何が面白いんだろう、それぞれの猫たちの生き方を知って。そんなことを思っていた小学生の頃の自分に伝えてもきっと理解できなかったでしょう。そして贔屓が出ていたら贔屓に没頭しすぎて気付けなかったでしょう。

贔屓が出る公演を観たことで『キャッツ』の楽しみ方を知って、贔屓が出ていない公演を観たことで『キャッツ』の尊さを知ることができました。いやもう…なんか言葉にならないです。私が想像していた以上に、テーマが壮大でした。凄い。ただただ、この作品って凄い。だから、今回観られて本当に良かった。16年かかって、本当の意味で『キャッツ』という作品を好きになれました。

それがよりによって千穐楽なので、次観ようと思っても福岡まで行かないと観に行けないんだなぁ…って思うとちょっと後悔もあります(笑)もっと早く観れば良かったなーとも思いますけど、でもこのタイミングで観たからこそ気付けた点だと思うので、やっぱり千穐楽を観ることができて良かったです。

そして、贔屓が出ていないということは別の人が出ているということですよね。そうやって、どんどん新しい人たちにバトンが受け継がれていって、『キャッツ』はこれからもずっと続いていくんだなぁ…っていうのも実感しました。

正直私の知っている『キャッツ』ではない、というのが本音です。今回も初見さんばかりだったので、ということはどんどんデビューさんが増えてどんどん新しいバトンが受け継がれているわけですよね。正直寂しさはあります。自分が好きだった時代って多分誰にもありますし、そのときが永遠に続けばいいと思うこともありますけど、やっぱり作品が長く愛されていくのってたくさんの人に受け継がれていくからこそなんですよね。

だから、そういう意味でも新生『キャッツ』を観られたような気がして、凄く興奮しました。中にはお馴染みのメンバーもいれば懐かしい人もいたりするので、贔屓も戻ってきてほしいなというのが本音でもありますけどね!

なので今回はとにかく収穫が多かったです。贔屓が大切にしてきた作品だからこそ、たくさんの出会いとたくさんの魅力に気付けた観劇ができて最高に幸せでした。本当に素晴らしい千穐楽でした。見届けることができて嬉しかったです!

あ、ちなみに四つ葉のクローバーも見つけられましたよ~!やったね!

座席も11列の通路寄りなので観やすかったし、まあ表情はほぼボケちゃっていましたけど全体を俯瞰するにはちょうど良い場所でした。抽選での運を使い果たしたような気がします(笑)抽選倍率凄かっただろうから、マジで行けたの奇跡でした!本当に本当に貴重な観劇ができて幸せでした。改めて、『キャッツ』千穐楽おめでとうございます!

>>次のページからはキャストの感想です!

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