2021年6月20日マチネ 劇団四季『キャッツ』千穐楽@大井町




キャッツ
この記事は約11分で読めます。

キャストの感想

キャストの感想を書いていきます。

グリザベラ:金原美喜

初金原さんのグリザ!『ライオンキング』のラフィキ役のイメージが強かったのでどんなグリザになるのかなぁ…と思ったのですが、とても意志が強くてトゲがあるように感じました。トゲがあるっていうのは周りに牙を向いている攻撃的な意味ではなく、攻撃の意思はないのに周りの人たちが怪我をしてしまうような鋭さで覆われている感じ?

歌声も力強いし1人で生きていけそうな逞しさもあって、私がかつて観てきたグリザに比べたらかなり屈強な印象がありました。だけど、強いがゆえに人を頼れなくて孤独で、だからこそ過去にすがりついて生きている情けなさも感じられました。寂しいとか可哀想とか、そういう感情とは違う…。

「あんな日もあったなぁ…」って半ば諦めている印象だけど、他者のぬくもりに触れたくて仕方ないんだろうな…という内なる情熱も感じられて、なんとなく私の中のグリザのイメージが大きく変わった観劇になりました。強いということは弱いということ、というのをまさに体現しているグリザベラだったと個人的に思います。

メモリーもかなりパワフルに歌い上げていて、めっちゃ強い…と思いましたけど、凄く心に訴えかけてくるものがあったので感情を揺さぶられました。このナンバーって実は歌うの凄く難しいと思うし、力強い歌声の中にも金原さんグリザの心の叫びがしっかり聞こえた気がしたので、とても良かったです。新しいタイプのグリザベラに出会えて、良い収穫になりました!

ジェリーロラム=グリドルボーン:奥平光紀

初めましての奥平さんジェリロ!贔屓が演じていたキャラクターなだけに、ついつい目で追ってしまいました。まず第一印象としては、小さい(笑)背が高いジェリロに慣れすぎてしまって、奥平さんジェリロがめっちゃ小さく感じてしまいました。いや、多分これが普通なんですよね(笑)

そしてジェリロに限った話ではないと思うんだけど、演じる人によってタイプが全然違うのも特徴で…。岡村美南さんのジェリロは包容力に溢れた優しいお姉さん猫っていう印象なんですけど、奥平さんのジェリロは若くて元気いっぱいな明るいメス猫っていう感じでした。タイプはかなり真逆かも。

どうしても贔屓の残像を追いながら観てしまった部分もあって「あ、これやってない…」とか「こんなことしてる!」とか、じっくりと観てしまいました…。こんなに他のメス猫たちときゃっきゃしてる元気いっぱいなジェリロが珍しくて、なんか凄く新鮮でした。個人的にはジェニナンでオーブンの上にジェミマとタントと一緒に座りながら、体を左右に揺らしていたのがすっごく可愛くてキュンとなりました。顔見合わせたりして、ニッコニコしてて、可愛い…。好きです。

タガナンではタガーに頭撫でられてた?そういえば途中、膝立ちしているところで尻もちをつく場面もありましたがほぼ初見みたいな私にとってはそれすらも演出の一部かと思うくらい自然な感じで、本当にやんちゃなジェリロだなぁ…って思いました。

そしてガスナン。ガスとどういう関係なんだろう…と思うくらい、接点が謎でした(笑)奥平さんジェリロがとてもニコニコしていて、ガスを慈愛の眼差しで見つめるというよりも孫…?孫なのか?なんかおじいちゃんの嬉しそうに聞く孫みたいでした。優しい歌い方というより、「聴いて聴いて」という感じでちょっと誇張しながら嬉しそうに歌っていたのも新鮮でしたね。とにかく元気。

ちなみに岡村美南さんがやっていた、「酔っ払い~」のところで酔っぱらったような動きをしたり観客に拍手を促すときに耳を傾けて「うんうん」ってやる仕草とかは奥平さんジェリロはやっていませんでした。観たかった…!笑

そしてグリドルも元気(笑)小悪魔っていうよりも性格悪い女子みたいな感じですかね。ずっと笑っていて、企みの笑顔と言うよりも嘲笑に近しい印象がありました。いやもう何から何まで贔屓とタイプが違いすぎて、本当に新鮮でした。とにかく強い。歌声も態度も強い…。凄く勝気な感じのグリドルで、あまりにも悪女すぎて笑いました(笑)

全体を通しても、優しさとか柔らかさといった温かさを感じられる贔屓のジェリロとは違い、元気で明るくて自我の強さがあるハッキリとしたジェリロで、もう新鮮で観ていて面白かったです。こんなにも演じる人によってジェリロの印象って変わるんだなぁ…っていうのを再認識できました。これはもう他のジェリロも観てみたくなりました。

でもね、やっぱり岡村美南さんが演じ続けてきた役なだけあってジェリロが大好きだなぁ…っていうことも再認識できたんです。今回、久しぶりに贔屓以外のジェリロを観ましたけど、色んな発見ができて嬉しかったです!

ジェニエニドッツ:笠原光希

2年半ぶりくらい2回目の笠原さんジェニです。勝手に初めましてのキャストさんだと思ってたんですけど観ていたっぽいですね。当時岡村美南さんしか観てなかったから全然覚えてなかった…。

とにかくパワフルで元気いっぱいなジェニでした!歌声がとても素敵で、綺麗に伸びるし音域も広いから軽々と歌えるし力強さもあって聴き心地が良かったです。ジェニナンは特にエネルギッシュで、もはやこれはおばさん猫ではないやろってくらい若々しさがありました(笑)

でもジェニってこれくらい元気だと個人的に嬉しいのと、笠原さんの歌声がとても好きだったので、かなり楽しく観ることができました。ダンスももちろん上手でタップダンスもお手の物。元気いっぱいで明るいジェニに、こっちまで元気をもらえました。

そして他のナンバーでは端っこのほうでバブちゃんと遊んであげていたりもして、そういうお姉さん?おばさん?な一面もしっかり観られてほっこりしました。「優しいおばさん猫」の通りですね。2回目の正直で笠原さんのジェニをしっかりと堪能できて良かったです!

ボンバルリーナ:佐藤友里江

初めましての友里江さんボン!友里江さんは『クレイジー・フォー・ユー』のときから観てきた方だったので、こうやって役付きでお芝居をされているのを観られて感動しました。そしてフォロワーさんのお墨付きキャストでもあったので、ひそかに注目していました。

なんとなく友里江さんって雰囲気や顔立ちから声低いイメージってなかったのですが、実際にマキャナンを歌い出したときに初めてちゃんと友里江さんの歌声を聴いて「低!!そして歌上手い!」と衝撃を受けました。いや…とても良い。声の伸びが凄まじいし、力強さも色気もあってビックリです。

腰使いもとても色っぽくて、ただただ力強いだけじゃなくて妖艶さも兼ね備えたボンバルリーナだったので、個人的に凄く好きでした。ちょっと大人の色気を含ませた友里江さんボン、もっと演じていけばもっと良くなりそうだなぁ…とも思うので、これからがさらに楽しみです!

シラバブ:藤原加奈子

実は初めましての藤原さんバブ。自分でも観た気になっていたんですけど、観ていなかったのでビックリでした。2020年のウォーターズ竹芝開設記念のイベントでシラバブ役として出演されていて、凄く歌声が綺麗な人だなぁ…って思っていたので観られて嬉しかったです。

とても透き通った優しい歌声をしていて、メモリーでも藤原さんバブの歌声が凄く心に沁みわたりました。汚れなき純粋な子猫らしさがしっかりと伝わってきて、もうまさにシラバブのイメージ通りでした。歌も上手だし、本当に素敵。

そして結構やんちゃなバブちゃんだなという印象もありました。ちょこまかと動き回っていて、周りのお兄さん猫やお姉さん猫たちに遊んでもらっていたりもして、可愛すぎて目が離せませんでした。マンゴのしっぽを何度もいじったり、ジェニ?に手をスッと出されて掴もうとしたら引っ込められて…と遊ばれていたり。バブちゃんを観ていると凄く愛されているのが伝わってきてほっこりしちゃいますね。とても愛すべき可愛らしいバブちゃんで、個人的に凄く好きなキャスティングでした!

オールドデュトロノミー:橋元聖地

札幌キャッツぶりの橋本さんデュト様!めっちゃお久しぶりです。相変わらず歌が上手で包容力に溢れている素敵なデュト様でした。厚みと温かさを感じられる歌声から伝わってくるメッセージについ泣きそうになりました。まるでこちらに語り掛けるような歌い方も凄く好きです。

2幕始まる前にステージを徘徊してこっちをじーっと見つめていたデュト様がちょっと面白くて笑っちゃったんですけど、なんかうちのじいちゃんに似ててじわじわ来ました。そんなデュト様ですが、マキャに連れ去られて下手に走っていくところ、マキャより足速くてめっちゃ笑いそうになりました(笑)とてもアクティブなデュト様(笑)

また、特別カテコでは藤原さんバブとペアになってパフォーマンスをするところがあったんですけど、藤原さんバブが驚かせるような仕草をして、橋本さんデュト様が「わあ!」って驚いたような仕草をしていたのがあまりにもほっこりしすぎました(笑)孫と遊んであげるおじいちゃん(笑)優しい(笑)なんか今回の観劇はほっこりする瞬間がたくさんあって心がぽかぽかしました。橋本さんデュト様も相変わらず素敵だったので、久々に再会できて嬉しかったです。

マンカストラップ:金本泰潤

初めましての泰潤さんマンク!泰潤さんは2年前の『ノートルダムの鐘』で初めて観て凄く素敵な俳優さんだなぁと思ったので、違う役でも拝見できて嬉しかったです。

とにかく歌が本当に上手。リーダー気質な猫っていう感じではあまりなかったですけど、凄く頼りになるお兄ちゃん猫でした。声の厚みも凄まじいし、その歌声を聴いているだけでも安心感を覚えるほどの逞しさがあったと思います。背中を見せて「ついてこい!」ってするよりも、一歩後ろからみんなを支えて背中を押していってあげるタイプのマンクだなぁ…という印象でした。

とてもかっこよくてガタイの良さも特徴的。一方でヤクマンは優しそうに笑ったりもして、ギャップがいいですね…。泰潤さんマンクも頼れるオス猫でありながら凄く優しそうな感じもして、紳士的でとても素敵でした。

ラム・タム・タガー:上川一哉

初めましての上川さんタガー!上川さんは札幌キャッツのときにマンゴジェリーで観てはいたんですけど、タガーは初です。まあ上川さんのタガーは観なくてもめっちゃかっこいいの容易に想像できたので、実際に観てみたら予想通りにかっこよすぎて最高でした。

でもチャラチャラしてるのかなと思いきや、やっぱり上川さんってどこか真面目(笑)チャラいというかキザでした。ハイテンションなので合間に色々声を上げたりしながら盛り上がっていましたけど、もう確信犯なんですよね…。自分かっこいいって自惚れているんじゃなくて、かっこいいのは当然で、みんなを俺の虜にしてやるよっていう絶対的な自信が凄い。

声の甘さとマスクの甘さも相まって百戦錬磨な感じがするのが本当にやかましいです(笑)ほら、あれですよ。『ウィキッド』のフィエロ。みんな俺のペースに巻き込んでやるよっていう感じのフィエロタイプなタガーでした。いやもうこれは上川さんにしか演じられないです…。上川さんワールドに引き込まれました。とても良かったです!

ちなみにスキナンでバブちゃんを背中に乗せるところ、世界は俺を中心に回っているタイプなので余裕で1人だけ寝転んでいました(笑)そういや札幌キャッツで観たときの飯田達郎さんタガーは、バブちゃんが上に乗ったら潰されてたなぁ…っていうのも思い出しました。余談です。

タガーも人によって全然タイプ変わるから観ていて面白かったです。そして四季が誇るプリンス・上川さんのタガーをようやく観られたので幸せでした!個人的にめっちゃ好きなタガーでした。

ミストフェリーズ:横井漱

恐らく初めましての横井さんミスト!とても小柄で華奢でした…。ちょうど2年半前に観たときは松出直也さんのミストだったので、小柄なミストって凄く安心感あります。ちっちゃいのにこんなに凄いマジックのパワーを持っているっていうのがまたいいですよね。

ちっちゃいながらも動きはとてもダイナミックで、しなやかで軽やか。まさに猫らしいフォルムとパフォーマンスでとても圧倒されました。特にミスナンは美しさ全開で一瞬一瞬を切り取っても凄く美しかったです。歌も上手だったのが好ポイントでした。

また、カテコでは凄く落ち着いた対応で手を振っていたりもして、なんか凄く優等生というか大人だなぁ…とも思いました。なんかいいですね、とてもミストらしいミストだなぁ…って思って、好感度も爆上がりです!

マンゴジェリー:森田一輝

初めましての森田さんマンゴ!いやもう…めっちゃ元気でお調子者(笑)これまで観てきたマンゴジェリーって真面目で大人しめな感じだったので、見事にその印象が覆されました。マンペルってランペが元気いっぱいでマンゴがそんなランペを窘めてる構図が印象的だったんですけど、森田さんマンゴはかなり元気いっぱいなのでマンペルどっちもお調子者で、凄くお似合いのカップルでした。

もうとにかく動きもうるさいし顔もうるさい(笑)目立ちたくて仕方ない小学生みたいなマンゴで、ついつい観てしまいますよね。頭悪そうな感じの振る舞いも最高に面白かったですし、ムードメーカーのような明るさで客席の笑いをかっさらっていて凄かったです。これはもう『キャッツ』に新しい風が吹いたんじゃないでしょうか…。

そういったキャラクター的な部分でもオリジナリティーを発揮しつつ、ちゃんと歌もダンスもレベルは高くて、凄く存在感のあるマンゴだなぁと思いました。個人的にはかなり好きなマンゴでした!

スキンブルシャンクス:小林唯

札幌キャッツ以来の唯くんスキンボ!一緒に観劇した妹の推しなので、妹に唯くんを観ろと言われていたんですけど、まあ唯くんスキンボは唯くんだなぁ…って感じでとてもニッコリしちゃいました。可愛い。

とても爽やかで前向きな姿勢が感じられて、観ていると元気をもらえるようなスキンボでした。唯くんが演じるからもっとお調子者なのかな?なんて思ったけど、思ったよりは落ち着いてたかも。でも自分のナンバーじゃないときに上手の端のほうで好き勝手やっていたり自由奔放な感じは唯くんだなぁ…って思いました(笑)

ミスナンで、ミストがデュト様を生還させたときに怖くてそっちを向けないのを見て、ミストに「あっちあっち」って指差してたのが優しくて笑いました。あとは妹いわく、タガナンのときに猫らしく寝るんじゃなくて完全に人間の寝方をしていたそうで、そゆとこも唯くんらしくて笑いますよね。あからさまなふざけ方をするんじゃなくて、しれっとふざけてくるのが愛らしかったです。

スキナンは低めの爽やかな歌声でスマートに歌っていて、とてもかっこよくて素敵でした。車掌さんや乗車客たちに愛されてきた猫なんだろうなぁ…っていうのが伝わりましたし、それくらい愛嬌抜群でとても良かったです。唯くんスキンボに久々に会えて元気たくさんもらえました~!

>>次のページからは特別カテコの模様などをお届けてしていきます!

1

コメント

タイトルとURLをコピーしました