2021年8月21日マチネ 劇団四季『はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~』




はじまりの樹の神話
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キャストの感想

キャストの感想です!

スキッパー:権藤雄太朗

権藤さんをこんなにガッツリと目で追ったのは初めてだったのですが、とても純粋さ溢れる優しい青年で凄く役にハマっていました。童顔で笑顔がめちゃくちゃ可愛くて、ファミミュ向き〜!って思いましたよね。すっごくしっくり来るキャスティング。

スキッパーは人付き合いが苦手で本を読むのが大好きな青年。私も人付き合いがあまり得意ではないので、冒頭のスキッパーの性格はとても共感できました。家に人が訪ねてきたときの権藤さんスキッパーの戸惑いがちな表情は凄くリアリティがあって、自分の時間が一番楽しくてウキウキしているのも伝わってきて、凄く分かる…ってなりました。

そしてホタルやハシバミと出会ってからは少しずつスキッパーの気持ちも変化してきて、誰かのために行動しようとなるんですが、決して綺麗事に描かれていないのが凄く良かったです。ハシバミを歓迎する森の人々とそんな中に馴染んでいくハシバミを見て、嬉しい気持ち半分と戸惑いも感じていて、本当にこれで良いのだろうか?と疑問を抱くのがいいなーと思いました。仲間になったね、はい解決!ではなく、ちゃんと相手の気持ちを考えられる男の子なんだなーって。

だからなのか、森の人たちに引き込まれるように一緒にダンスを踊るときも権藤さんスキッパーはずっと戸惑いの表情を浮かべながら踊っていました。権藤さんはこういう表情すっごく上手でした。むしろデフォがこの表情(笑)

お芝居そのものはクセも一切ないし、歌も上手だしダンスも踊れるし、オールマイティ。程よく子供と大人の中間あたりの男性像を演じていて、純粋さと優しさも兼ね備えた親しみのある笑顔と雰囲気でグッと引き込まれました。権藤さん自身もなんとなくキツネっぽい顔立ちしてるし、ホタルと兄弟みたいで凄く可愛かったです!

ホタルギツネ:斎藤洋一郎

洋一郎さん、次々と新作のオリジナルキャストに選ばれて凄いなーって思いました。そして今回はキツネ役ということで、俊敏な動きとコミカルな関西弁で作品を和ます存在として大活躍でした。原作は読んだことないですが、原作のホタルは関西弁ではないみたいですね(笑)面白さを足すためにあえて関西弁に変えたということなんでしょうか?

何にしてもやっぱり洋一郎さんは凄い…!軽い感じのカラッとした細めの声色と口調がすっごくホタルのキャラクターに合っていましたし、関西弁も関西の人が聴いても違和感なかったそうです(洋一郎さんは兵庫出身らしい)。気さくでフレンドリーなんだけどスタイリッシュさも兼ね備えていて、友達として凄く欲しいタイプ。

コミカルなお芝居では間合いやテンポ、声のトーンを上手に操りながらバリエーションを持たせて笑いを誘っていました。デフォがひょうきんな喋り方だからか、真面目なトーンになったときのお芝居に落差が生まれて凄く引き締まった印象もあります。緩急がついて、とても引き込まれました。

また、古代に行ってから群れに馴染まないように1人で少し離れたところにいたのに、ハシバミに紹介されてどんどん輪の中に入っていこうとしたときの洋一郎さんホタルのちょっと照れ臭そうな表情も最高でした。洋一郎さん、最近の役の引き当て方が強すぎます。

歌も抜群に歌えるしダンスはお手のものだし、キツネを演じるにはピッタリすぎるキャスティングだなと思いました。あと、キツネのお面をかぶったときのイケメンっぷりはヤバいし、お面を外したときのキツネの化粧もすっごく似合うし、本当に最強。コミカルでかっこよくて可愛らしい洋一郎さんを観られて嬉しかったです!

ハシバミ:若奈まりえ

今回の一番のお目当てはまりえちゃんでした!今年の3月までは我が贔屓・岡村美南さんと母娘役で共演していたので、もう贔屓の娘みたいな感覚でまりえちゃんを愛しく感じるようになってしまっている厄介なオタクです。まりえちゃん自体は5月の『マンマ・ミーア!』大千穐楽以来ですけど、とてもお元気な姿を観られて安心しました。

ハシバミは古代から現代に来た女の子。まりえちゃんのベビーフェイスが活かされて、ちゃんと少女に見えました。背も双子たちよりちょっと大きいくらいだから、ハシバミと双子ちゃんが並んだときの図があまりにも可愛すぎてキュンとなりました(笑)

でも古代の少女らしく、性格面ではとても冷静で聡明な感じが出ているのも良かったです。凄く立派に育てられたんだろうなーっていうのが伝わる育ちの良さがありました。でも最初のほうは古代に帰りたくて故郷に置いてきてしまったみんなのことを想って涙を流してもいて、そういう一面がすっごく少女らしさで溢れていて心を掴まれました。まりえちゃん、相変わらず感情豊かで素敵です。

故郷のことを想いながら歌うナンバーでは目に涙を溜めて歌っていて、自然に涙が溢れてくる感じが歌詞ともリンクしてより一層切なさを増大させていました。まりえちゃんは表情で感情を表現するのがとっても上手な俳優さんなので、ハシバミの繊細な感情が丁寧に表現されていて良かったです。

一方でだんだん現代に馴染んできて、色んなことを教えてもらっているうちに自然と笑顔が増えるようになってきて、年相応の女の子らしさが出るようになってくるという変化も上手に演じていました。お芝居が本当に上手だから、何やっても安定していて安心して観ていられますね。あと、年々歌唱力も上がってきている気がします。音域もさらに広がって高音も難なく出せるし、歌唱力にも魅せられました。

そしてハシバミが結構激しめにダンスする瞬間もあったので、まりえちゃんがこんなにガッツリ踊ってるの観たの珍しくて興奮しちゃいました(笑)ちょうど1幕冒頭で光川愛さんが歌っていた歌をまりえちゃんハシバミも歌う瞬間があったので、そこは(私は実際に観てないけど)シェリダン母娘の繋がりを感じてしまって、それも興奮しましたよね(笑)

何にしてもまりえちゃんにピッタリの役だなーって思ったので、存分にまりえちゃんのお芝居や歌やダンスを堪能できて嬉しかったです。多分今後もずっと贔屓の娘みたいな感じでまりえちゃんを愛しく想っちゃうだろうし、密かにではありますが応援していきたいなと思いました。本当に抜群の演技力と歌唱力で魅了されまくりでした!

トマト:あべゆき

初めて役名を見たときに「トマトとは!?」ってなったのですが、ちゃんと衣装も真っ赤でトマトらしさ全開の女性で凄く印象的でした。私がトマトを世界一大好きな食べ物として挙げているくらいトマト好きなこともあって、ついつい観てしまいましたよね…。

あべゆきさんってガッツリお芝居を観るの初めてだったんですけど、包容力に溢れた温かい人で、みなぎるパワーも持った逞しい女性でした。まさに役名のトマトそっくりな感じの肝っ玉母さんという印象。泣きながら歌うまりえちゃんハシバミを後ろから優しく抱き締めてあげていたときのあべゆきさんトマトの表情がとても温かくて、涙腺にグッと来ました。

あとはソロで歌うナンバーもあったのですが、かなりパワフルで高音もスラっと出していてインパクトも抜群でした。頼れる女性像としては完璧すぎるくらいのキャスティングだったと思います。トマトさんがとても魅力的な女性で、トマト好きの私としては大満足でした!

トワイエ:吉賀陶馬ワイス

トワイエは勉強好きな作家さんとのことですが、まあワイスさんにピッタリな役でしたわ…。ワイスさんって勤勉で真面目な役がなんか凄く似合うんですよね。知的だけど、でも少し鼻につく感じもあって…(笑)

どうしても胡散臭さが出てしまうのは『ノートルダムの鐘』のクロパンを観すぎなせいなのか、それともワイスさんだからなのか…(笑)だけどとてものめり込みがちな性格がしっかり全面に表れていて、少し変わり者な雰囲気が出ているのもしっくり来て良かったです。歌も安定の上手さだったので、もっと歌ってほしいくらいでした。

アケビ:田原沙綾/スグリ:澁谷陽香

双子ちゃん!とってもやんちゃで元気いっぱいで可愛すぎました。身長もほぼ一緒だし声質も結構似ているし本当の双子みたいでキュート。田原さんも澁谷さんも私より年上だと思うんですけど、ちゃんと小学生くらいに見えました。こんなにも子役を演じるのが上手な人って四季以外だとなかなか見かけないので、本当に四季はそういう人をキャスティングするの上手いなと思います。

動きのシンクロ率も高くて、細かい仕草までも完全一致してるのが可愛いなぁと思いました。好奇心旺盛でどんなことにも興味を示して表情も面白いくらいコロコロ変わって、きっとずっと観ていても飽きないだろうな。

こういう可愛くて純粋なキャラクターがいることで物語って円滑に進むし、子供もとっつきやすい気がします。アニメーションみたいな動きも本当に可愛くてクスッとなりました。存在感もあって凄く素敵なキャラクターでした!

カラス:宮下友希

『ロボット・イン・ザ・ガーデン』でよく観ていた宮下さん。終盤であんな美声を奏でる歌うまさんは誰!?と思ったら宮下さんだったのでビックリしました。ハシバミのお兄ちゃん・カラス役としてキャスティングされていて、でも全然カラスとして登場してこないからいつ出番あるんだろう~とは思っていましたけど、まさかあんな大役を務めていたとは。リュウの中の人(笑)

めっちゃハイトーンも綺麗に伸びるし凄く素敵な歌声で一気に引き込まれました。もっと歌声聴きたいです。カラスとしての出番はもちろんですけど、アンサンブルとしてあらゆるシーンで出演しているときの力強いダンスも素晴らしかったです。しなやかなんだけど手足の先まで力強くぶん回す感じのダンスが凄く好きでした。とにかく歌声がとても好きだったので、今後色んな役で観たい俳優さんになりました!

まとめ

とても素敵な作品に出会えて大満足の観劇でした。正直11時半開演は早すぎて、朝起きるのつらかったのですが、眠気も一気に覚めたしこんな昼間っから大号泣して帰るとは思わなかったです。

ここ最近は四季以外の作品も観る機会が増えて、毎回色んな刺激をもらっているんですけど、改めて四季に戻ってくるとやっぱり安心感とキャスト全体のレベルの高さ、そして四季のオリミュのレベルの高さを感じました。何だかんだ自分は劇団四季が大好きだなぁ…と再認識できて嬉しかったです。

残念ながら東京公演はこのあと観られる気がしないので、行けるなら全国公演行きたいです。本当に素敵な作品。ぜひ多くの人に愛される作品となって今後も定期的に上演してくれたらいいなー。

最後に、開演前の幕の写真をTwitterに載せたのでこちらにも引用で載せておきます。凄く可愛らしい幕でデザインも素敵でした!

配信は28日にもあるみたいなので、気になった方はぜひ観てみてください!ブログも最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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