2023年7月6日マチネ 劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター(ジャポネスク)』




JCS(ジャポネスク)
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キャストの感想

キャストの感想です!

ジーザス・クライスト:神永東吾

神永さんのジーザスは2015年からの観劇で4回目なんですけど、もう安定というかドハマりですね。ここまでくると本物の神としか言いようがない佇まいで、静のときの神聖な雰囲気といい彫の深い顔の造形といい、まさにイエス・キリストそのものでした。あの独特のメイクをしても顔の美しさが映えるのはさすがでした。

歌に関してもロングトーンは美しいし綺麗に伸びるしで圧巻。ここ最近で観てきたフィーバスやクリストフとはまったく別物だし、歌い方もジーザスならではの感情が一切分からないような独特の一定の歌声になるのが凄いなと。演じ分けが本当に素晴らしい。かと思えば、「ゲッセマネ」で感情を昂らせて歌う姿にとても心が揺さぶられるし、魂の歌声を聴いているような感覚でした。

ジーザスといえば神永さんのイメージがついてしまっているのでなかなか新しい人がデビューする機会もないのかもしれませんが、それにしたって神永さんのジーザスはやっぱり凄すぎるよ。磔にされてからの干からびていく様も凄くリアルで、神永さん本当にお芝居上手。改めて神永さんの素晴らしさを実感できた観劇になりました。

イスカリオテのユダ:佐久間仁

佐久間さんユダも神永さんジーザスと同じく、もう安定してますね。ジャポのユダは凄く和テイストな動きも多いから演じるの大変だったでしょうけど、とても美しく演じられていてさすがでした。摺り足も難しいとは思うのですが、物音一つ立てずに歩いていく様は思わず息をひそめて観てしまいました。

今回はユダの葛藤に凄く目を奪われ心を惹かれ、とても胸が苦しくなりました。最終的に金に目はくらんでしまったけど、今回の佐久間さんユダは本当にジーザスを心から愛していて、裏切りたくないという感情がとても伝わってきて、だからこそ葛藤する姿に苦しさが混じって非常に人間味のあるユダだなぁ…と。前回公演からさらにパワーアップした佐久間さんユダが観られたような気がします。

「自殺」では目に涙を溜めながら歌っていて、ジーザスを裏切ってしまったことへの罪悪感やジーザスにこれから訪れるであろう苦難に対する懸念など色んな感情がブワッと溢れているんだろうなぁ…というのが伝わってきて、観ているこっちまで苦しかったです。これだけパワーアップしたあとにまたエルサレムで観たら2019年のときとかなり印象変わるんだろうなと思いました。

歌も本当に上手だったし、スーパースターではもっと妖艶に腰を振る色気ムンムンのダンスとかも観たかったのでちょっと物足りなさはあるんですけど(え?)、相変わらずの圧倒的な歌唱力に鳥肌が立ちました。カテコではニコッと笑いながら手を振る瞬間もあって、ギャップ~!となりました。本編あれだけ苦しんでいたから最後に幸せそうな佐久間さんを観られて良かったです(笑)

マグダラのマリア:江畑晶慧

えばちゃんがマリアやると知ったときは嬉しかったですねぇ…。そもそもえばちゃん観るのがかなり久しぶりなので、お元気そうなお姿を観られて安心したし、やっぱりえばちゃんの歌声最高だなぁ…ってなりました。

えばちゃんマリアは、前回観た山本紗衣さんマリアに比べると聖母のような包み込む感じではないのですが、歌声にはとても温かみを感じられて、どちらかといえばそっと寄り添ってくれるような優しさを感じました。えばちゃんの歌声ってスコーンと突き抜ける力強さと同時に、凄く優しくて美しい母性のようなものも感じられるので、「私はイエスが分からない」は特に聴き惚れました。裏声を使わず、えばちゃんらしく地声で歌うところも新鮮だったし、それが逆にマリアのジーザスへの想いの強さを感じられて良かったです。

あと、えばちゃんはあのメイクしてもえばちゃんだってすぐ分かる優しい顔立ちしてますよねぇ。本当に顔立ちがとっても優しい。満を持してマリアを演じましたねぇ…。久々に観られたことも嬉しかったし、とっても素敵な歌声を聴けて嬉しかったです。マリア役デビューおめでとうございました!

カヤパ(大司教):高井治

高井さん、一時的に抜けられてしまったので心配でしたが無事に戻られ、今回はとても美しい歌声を聴けて安心しました。高井さんもあのメイクしててもめちゃくちゃ分かりやすい顔してたのですぐ分かって良かったです(笑)『オペラ座の怪人』1枠でも似たような白塗りの顔してましたもんね。

高井さんカヤパのあのバス?バリトン?ボイスはすっごく聴きながら腹の底から震える感じがするので、本当に凄いです。色気もあるし、深みもあるし、大司教としての重鎮の佇まいを凄く感じさせました。いまいちカヤパとピラト、ヘロデの立ち位置よく分かんないんですけど、カヤパも偉い人なんですよね…?高井さんが演じるカヤパの大物感マジで半端ないので、とても迫力を感じました。あと、久々に歌声をガッツリ聴けて嬉しかったです!

アンナス(カヤパの義父):日浦眞矩

日浦さんアンナス、とても歌上手で素敵でした!日浦さんって『オペラ座の怪人』でしかちゃんと認識したことがないのですが、そのときに凄く歌声が綺麗で好きだな~と思っていたので、今回ガッツリと聴けて嬉しかったです。特別声が高いというわけではないけど、高めの音域も出るし、オペラ座俳優さんってだけで安心して聴いていられました。

というか、アンナスの立ち位置もいまいちよく分からないのですが、偉いんですよね…?カヤパの義父っていう謎の情報しかないから、アンナスをどういう目線で観たら良いのか毎度分からなくて困っています。いや、日浦さんはとても上手でした。高井さんカヤパと揃って出番があるので、オペラ座だな~と思いながら観てました(笑)

シモン(使徒):本城裕二

2019年のときも本城さんシモンでしたが、あの頃はまだそんなに本城さんをどんな俳優さんかと認識できない状態だったので、今回改めて本城さんシモンを観られたことで凄く解像度が上がって個人的に楽しかったです。

本城さんのハイトーン本当に綺麗に出るので聴いていて心地良いですね。「狂信者・シモン」は本城さんの魅力大爆発で凄く聴き惚れました。ジーザスに狂信するも、振られてしまったときの絶望感が背中からでも伝わってきて、シモンもつらかったよなぁ…と観ていて思いました。あれだけ狂ったように崇めた人に振られちゃうと、もう何を信じたらいいか分からないですもんね。

あと、あのメイクしちゃうと本城さん全然分からなくてビビりました。本城さんの顔立ちはよく理解しているつもりなんですけど、群衆に紛れちゃうと探すの難しかったです(笑)なので、本城さんシモンを認識できたのはまさにシモンナンバーだけだったのですが、久々に本城さんのパワフルな歌声を堪能できて幸せでした。

ピラト(ローマの総督):村俊英

村さんも高井さんと同じく一時的に抜けて心配でしたが、戻ってきてくれたので安心しました。村さんも貫禄があるから、ローマの総督であるピラトの重鎮っぷりが本当にドンピシャにハマりますね。村さんピラトのバス?バリトン?ボイスも凄く美しいし深みと重みがあってたまらないです。

村さんピラトって味方なのか敵なのかよく分からないんだけど、「助けてやりたい」って言うところは凄く人情味があるのに、そこから逆上するところでの感情の爆発っぷりが怖くて、ヒエッてなりました。あと、村さんピラト、鞭打ちの39カウントがとても聞き取りやすくて好きです。

今回もピラトのことよく分からなかったですけど、村さんが演じるピラトって優しそうに見えて意外と冷徹な心を持ってそうで不気味だなぁと思いました。水で手を清めようとしたら真っ赤な血で染まったときの驚いた表情もインパクトあって良かったです。個人的に村さんピラト好きなので、観られて嬉しかったです。

ヘロデ王:大森瑞樹

大森さんヘロデ、背が高くてスタイル良くて迫力ありました。というかジャポのヘロデって、青髪なんですね。歌舞伎に登場してきそうな出で立ちで、確かにこれは他の人とは格が違うなぁ…っていうのをビジュアルで見せてきて、とても驚きました。

大森さんヘロデ、とても歌が上手なので安心して聴いていられました。また、ややタガーのような突っ張った印象もあったので、かなり気の短そうなヘロデだなぁという印象でした。怒らせたらすぐに刺されそうなイメージ。

前回公演の阿久津さんヘロデや2015年に観た北澤さんヘロデに比べると、俳優さんならではのクセのようなものはあまり感じられないのでかなりあっさりした印象を受けたんですけど、ジャポだからだよね。これがエルサレムになったらまた全然印象変わりそうなので、次はエルサレムでも観てみたいなと思いました。

まとめ

初見の作品ってなかなか深掘りして書けないですね。キャストの感想なんてありきたりなことしか書けなくて、レポというか小学生の作文みたいになっちゃいましたが、とにかく作品そのもののパワーと美しさに圧倒された今回の観劇でした。

ジャポはずっと観たかった作品の一つだったし、観られたことはとても嬉しかったです。エルサレムとの違いを楽しめるのも凄く良いですよね。ジャポってこうやってやるんだなぁ…っていうのを比較しながら観られたので、凄く新鮮な気持ちで観劇できました。

まあ、観終えたあとにずーんと沈む気持ちはありましたけど、でも今回は演出面に凄く集中しながら観ていたのでいつもよりは傷は浅めです(笑)今期はこれがMy初日でありMy楽なので次回しっかり観るということはできませんが、また上演されることがあればそのときにしっかり演出面と内容を改めて観ていきたいと思います。

あ、あと!加藤あゆ美さんを久しぶりに舞台で拝見できてすっごく嬉しかったです。ソウルガールズの一人でもあったので、たっぷりとあゆ美さんの歌声を堪能できました。やっぱりあゆ美さん好きだなぁ…。また色んな役で拝見できたら嬉しいです。

以上!かなり薄めの内容になってしまいましたが、感じたことは書けたので大満足です。今の私が観たからこそ感じられたこともたくさんあったし、収穫のある観劇ができて幸せでした。浅利さん、本当に素晴らしい功績を残されたんだなと再認識できた1日でした。

10年ぶりに上演してくださって、ありがとうございました!

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