2020年12月30日マチネ 劇団四季『マンマ・ミーア!』@福岡

マンマ・ミーア!
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ゆうき
ゆうき

岡村美南さんドナ役60回目の出演!

日時:2020年12月30日マチネ公演
場所:キャナルシティ劇場
座席:1階S席E列16番

はじめに

千秋楽まで残り5公演となりました。そして今回の公演で岡村美南さんがドナを演じて60回目の出演となります。ついこの前50回目だったのになぁ…っていう時の流れを感じると共に、演じていくごとにどんどんドナとして進化していく岡村さんのお芝居を見届けられることが本当に幸せです。私も今回で32回目の岡村さんドナ観劇なので、実は半分以上観ているっていう…(笑)

回数は観ているものの毎回感じ方が変わるので、凄く新鮮な気持ちで観劇できて楽しいです。今回も、前回の観劇で感じたドナとソフィの関係性、そしてドナとサムの関係性などについて改めて注目していきながら観劇してみました。ざっくりとしたレポになってしまいますが、今回もどうか最後までお付き合いくださいませ!

総評

全体の感想を書いていきます。

キャスト:★★★★★
座席:★★★★★
全体:★★★★★

今回も岡村美南さんをはじめ全体的にテンションが高くて凄く面白い公演でした。皆さんそれぞれに楽しみながらお芝居をしているのが凄く伝わってきましたし、やっぱり千秋楽が近いのもあってハイになっているのがお芝居に活きていました。キャラクターそれぞれがとてもイキイキしていたので、観ているこっちも本当に楽しかったです。

そして座席はE列センターの下手寄り。E列自体座るの久しぶりなのでめっちゃ近いなぁ…ってドキドキしちゃいました。やっぱり近くで観ると情報量が多すぎて思考が停止しちゃいそうになりますけど、表情が見えるとそのシーンでキャラクターがどんな感情を抱いているのかが伝わりやすくなるので良いなってなりました。あとはライブで楽しそうに歌って踊るキラキラ輝いている岡村美南さんを間近で観られたのも嬉しかったです。福岡公演だからできる贅沢かもしれませんね…。

そして前回の観劇でドナとソフィの関係性について色々考察して自分なりの解釈ができたので、それを踏まえてドナとサムについても色々考えながら観劇できて凄く充実していました。どうしてこのシーンでこの曲が流れるのか、なぜここでこのキャラクターがこのナンバーを歌うのか、それを考えることができた観劇にもなりました。こうやってちょっとずつでも作品の重要なポイントを押さえていって、ドナの生き方や感じ方を自分なりに理解していけるのは凄く楽しいです。今回も色んな発見があって楽しい観劇ができました!

キャストの感想

今回は岡村美南さんについて書いていきます。

ドナ・シェリダン:岡村美南

なんだか今回は1幕がいつになく胎児化していて、2幕がいつも以上に感情表現が凄くて、もうひたすら凄かったです。今回で60回目の出演でどんどん良くなっていっているのは実感していましたけど、本当に今回は放心状態になるくらいドナの感情が爆発していてビックリしました。

まず1幕。ファンキーなのも相まって凄く若々しさ溢れるドナではあるんですけど、だんだん胎児化しているのは元カレ3人と再会したあとにソフィを探しにターニャとロージーの元に向かうシーンです。動揺しているからか動くときに足音がダンダンとうるさくて地団駄踏んでるみたいでそれも子供っぽかったです。そして1幕DQで泣きながらベッドに倒れ込むところも横浜公演のときは「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」ってダミ声で叫んでいたんですけど、今回は「うううううう…」って子犬みたいなか細い声で泣きながら倒れ込んでいてそれが凄く子供っぽくて可愛くてにやけました。チラッとターニャを見るのも可愛いんですけど、ひたすら子供っぽい一面が観られて最高でした。

あとはDQの2番の「その気にさせた男の子」の歌詞、いつもやるグラサンを下げて客席をチラ見するやつ今回はやらなかったんですよね。両手を交互に上げる感じでノリノリで踊っていました。なんかやることが毎回気まぐれなので、爆レスを狙って座席押さえるの難しくなってきました(笑)そういうところも岡村さんの愛しいところでもありますけどね。

そして2幕。今回もSlippingからのThe Winnerの流れは凄く良かったです。Slippingはいつも以上に弱々しいというか、凄く感傷的になっていたように思えました。日に日に寂しさが増大している気がするんですよね。ドナにとってソフィを見送ること、そして自分の元から離れていってしまうことがどれほど寂しいのかっていうのが岡村さんの歌声から感じ取れました。20年間一緒にいた唯一の家族がいなくなってしまうことの寂しさは計り知れないでしょうし、ソフィが生まれてからのドナはソフィのためにすべてを犠牲にして彼女に捧げて生きてきたと思うんです。そんな愛しい娘が旅立つ前に自分の部屋を訪れて、ウェディングドレスを着せてほしいって頼ってくれるのって母親からしたら相当嬉しいだろうなって。

だけど不甲斐ない母親であることに負い目を感じていた岡村さんドナは、申し訳ない気持ちも抱えながらソフィと向き合って彼女の髪を梳かしてあげているんだと思います。寂しさにくわえてそういう罪悪感も相まって、岡村さんドナの歌声からは母親としてのあらゆる感情が溢れ出て、結果として感傷的に聞こえるんだろうなと思いました。ふと目を逸らす瞬間があったり、虚ろな目をしていたり、真っ直ぐにソフィを見られないことがドナの母親としての自信のなさの表れです。それでも、彼女には笑顔を見せて一生懸命強がって、最後までもがきながら母としての役目を担おうとする、その健気さに胸を打たれました。

こういうドナのリアルな感情が公演を重ねるごとにどんどん滲み出るようになっています。ただ歌っているんじゃなくて、ドナとして、母親として、しっかりソフィと向き合っているのが感じられます。自立していて自分を反面教師にしているまりえちゃんソフィが相手だからこそ、余計にここのドナが切なく映るんですけど、どんなに反発されてもウザがられても嫌がられても、娘には無償の愛情を与え続ける母の姿を岡村美南さんを通して観ることができて、なんかすっごく胸が締め付けられました。これまで歴代マンマではこのシーンでのドナ側の気持ちや苦悩をこんなに感じたことってなかったので、今はもう観るたびに胸が苦しくなります。それこそ岡村さんドナもデビューしてすぐの頃はこんなに胸が苦しくなることってありませんでした。だから、今のSlippingの歌声による感情表現の増大さは岡村さんの深化の表れなんだと思います。模索している最中だとは思いますけど、確実に「母親」になってきていました。本当に今回のSlippingも凄く良かったです。

からのThe Winner。サムに背中を向けながら結婚式の準備を進めているときに珍しく涙を手で拭っていました。泣かないことで有名な岡村さんがこんなに涙もろくなっちゃうんだから、女性が母親になるって凄いことですよね…。で、The Winnerの歌声も本当に圧巻でした。まず歌が上手い。音程がしっかり取れていたし力強さもあって凄く聴きごたえがありました。でもそれだけなら別にそんなブログに書くほどのことでもないんですけど、やっぱりソフィとの関係性を考えた上でのこのナンバーはドナの想いの丈が爆発している重大な意味を持つ曲であるっていうことを加味しても、とても良かったんです。

The Winnerに関しては、後ほどドナとサムの関係性について書いていく際に詳しく書いていこうと思うのでここでは割愛で…。でも本当にThe Winnerも凄く良くなりました。最後のロングトーンも凄く良くて、聴き終えたあとしばらく放心状態でした。そのあとのロージーとビルのやりとり、マジで箸休めになっちゃって何も考えられなかったです。あれを間近で浴びせられる阿久津さんサムは大変でしょう…。毎回きっと寿命が1年ずつ縮まっていると思います(笑)

そして結婚式のシーン。ソフィをエスコートして着席して「と!ソフィの父親も歓迎してください」と神父さんに言うまでの流れにも、岡村さんドナの覚悟が見られました。ソフィに「誇りに思ってるわ、ママを」と言われたこと、そしてサムに「言ってたよ、お父さんにも来てもらいたいって」と言われたことを受けて、これ以上嘘をつくのはやめようあの子のためにすべてを打ち明けようと決めたような覚悟の表情をしていました。やっぱりね、岡村さんって表情のお芝居が本当に上手い人だと思いました。凄く細かいです。ドナが今どんなことを思っているのかなっていうのが伝わってくるし、とことん感情表現が丁寧だと思いました。

こうやって観ていけば観ていくほどドナとして深みが増していく岡村美南さんのお芝居に、驚きと嬉しさでいっぱいになります。1幕のファンキーな一面も最高ですけど、2幕のお芝居がどんどん良くなっていくから観るの凄く楽しいです。ということで今回も最高の岡村美南さんを観ることができて幸せでした!

観劇の感想・考察

気になったポイントについて書いていきます。

みなまり母娘の絡み

全開の観劇でみなまり母娘はとてもぎこちない部分があるっていう考察をしたんですけど、今回はスパトゥルのナンバーの意味を考えてみてドナの無償の愛がやっぱり尊いなぁ…というのを凄く感じました。ドナにとっては突然元カレが3人一気に現れたことでパニック中でしたけど、それでも気を取り直して愛しい娘のために一肌脱いで昔の衣装に身を纏って1曲披露するっていうのがドナのソフィへの愛を感じて凄くグッと来ました。

だってスパトゥルってドナにとってはソフィのためだけに披露したナンバーなんですもんね。最初こそすっごく堅い表情しているのにソフィが笑顔なのを見て岡村さんドナが表情を和らげて楽しそうに歌い出すんですよ。ソフィが喜んでくれることがドナにとっての何よりの喜びなんだなぁ…っていうのが凄く伝わってきて、岡村さんドナへの愛しさが募りました。本当に、このナンバーの岡村美南さんドナがキラッキラした表情しているんです。それがドナ自身が楽しんでいるのもあるけど、すべてソフィに向けられたものなんだよな…って思うと、どんだけソフィのこと好きなのよって愛しくなっちゃいました。本当に、スパトゥルの母娘は尊いです。

そしてそんなスパトゥルの絡みは、まりえちゃんソフィが綱引きをするみたいにして岡村さんドナを一生懸命引き寄せようとしてたんですけど岡村さんドナはそれに気付かず(笑)そして岡村さんドナの元へやってきて「わ!」って驚かせようとするまりえちゃんソフィ。「ビックリした?」って嬉々として聞くも、いつも通り岡村さんドナに窘められてました(笑)

ダズユアカテコは相変わらずくっつき虫なまりえちゃんが岡村さんにぎゅーってくっついてました。阿久津さんも交えて一緒に何か喋ってたんですけど、何喋ってるかは分からなかったです…。でもみなまり母娘は阿久津さんも巻き込んで3人で仲良しなことしてるので、とても眼福でした。

ドナにとってのサムの存在

今回はドナとサムの関係性についても色々考えながら観ていたので、ここのナンバーってこういう意味があるのかなぁ…とか自分なりの解釈を少しでもすることができました。岡村さんドナって本当にソフィのことが大好きなママなので、正直今のドナからはサムに対する愛情がそこまで見えないんです。もう終わったことだ、過去のことだと蓋をしてしまっている印象。でも蓋をしているだけで、決して未練がないというわけではないし、許してもいません。

ずっと、「彼が私を捨てなければ」という想いは抱いていたんだと思います。そうすれば自分がこんなに苦しい想いをすることもなかったし、何より父親が分からないからとソフィを悲しませることもなかった、と。もちろんサムと関係が続いていたらソフィは産まれていなかったかもしれないし、ドナには別の人生があったかもしれません。だけど、単にドナが寂しさゆえにOne Of UsやS・O・Sを歌っているわけではないんだろうなっていうのも今回感じられました。

いつもどうしてあのタイミングでOne Of Usを歌うんだろうなぁ…って思っていました。だってドナにとっては直前でソフィから色々言われて傷心して、スカイやペッパーやエディに当たっちゃうほどイラついていた心理状態です。バグパイプを見たからって急にサムへの想いのラブソングを歌い出すのは個人的にはちょっと違和感がありました。でもこのナンバーに、「もしサムが私を捨てなければ、きっと結婚もして父親と共にソフィを愛してあげられたのに…あの子を苦しめることもなかったのに」っていうドナのソフィへの想いが込められているのであれば、凄く自然な流れになるなと思いました。「ママには結婚だの男だの関係なかった。自分のために子供だけ手に入れたのよね!」「自分の父親が誰だか分からないなんてことは嫌!そんなの最低だもの!」とソフィに言われた直後ですから、相当参っていたと思います。ソフィにそんな苦悩を強いていたのかってようやく自覚したあとなので、サムとの思い出や彼への想いを歌うことでソフィを幸せにできたかもしれない未来を彼女はぼんやりと考えていたんだろうなぁ…って感じました。

いやもうこれは完全に強引な解釈だって分かってはいますけどね。あとは、私だって別に子供を手に入れるためにサムと付き合っていたわけじゃないもの。今のあなたのように、たった1人の男性を愛していたときがあったんだよっていう、ソフィへのアンサーソングの意味もあるかもしれません。決して、当時付き合っていた頃の孤独感や別れた頃の虚しさを感じていた自分の想いを、ずっと蓋をしていた思い出を引っ張り出すように歌っているだけじゃないんだろうなって考えれば、納得ができました。One Of Usはサムのことを歌っていますけど、その延長線上にはソフィがいるんだと思います。

ドナの人生が大きく狂ったのはサムと別れてからです。そのあとサムのことを忘れようとビルやハリーと関係を持っちゃって、妊娠してしまって、結局誰が父親かも分からないままソフィを産んでしまって、1人でソフィを育てて、借金を抱えながらホテルを切り盛りして…ドナは大変な人生を送ってきました。自分勝手な言い分だけど、サムが私の人生を大きく狂わせたんだ!って思ってる節はあるんですよね(笑)

だからThe Winnerはサムへの怒りと軽率だった当時の自分への怒りを歌っているんだと思うんですけど。別にドナは今の暮らしを嫌だとは思ってないし、ソフィと生きてきた20年間に少なからず幸せを見出してはいました。でも、やっぱり父親という存在がいればもっと違った暮らしができたのに、あの子を悲しませずに済んだのに…っていう後悔もあって。結局はすべてソフィに繋がっているなって感じました。まあ、「誇りに思ってるわ、ママを」とソフィに言われた直後なのでThe Winnerのシーンはサムがやってきてあんなこと言い出すのは間合いが悪すぎたんですけどね(笑)そりゃドナも怒り爆発だよって感じです。

なので今回のThe Winnerは、サムへの怒りや自分の軽率な行動の後悔がすべてソフィに繋がっていると考えた上で聴いてみたら凄く苦しくなりました。サムが「聞いてくれ、これは僕たちの話なんだよ」と言いますけど、ドナにとっては「僕たち」の話ではないわけです。彼と別れずにいれば、とか彼との愛をもう一度取り戻したい、とか色々なifを考えたこともあったけど、ソフィとしっかり向き合ったことで母親として覚醒したドナがサムを受け入れようとしないわけですから、相当な覚悟があったんだと思います。今回の岡村さんドナの歌声からは、その覚悟が感じられるほど力強いエネルギーを感じました。キッと睨んでいて、絶対に何が何でもあの子を守るって決めたような覚悟と戦う意思が感じられました。

あなたと過ごした日々がいかに愛しくて、あなたと別れてからの日々がいかに苦しくて、ソフィを産んでからの日々がいかに尊くて…と色んな感情が溢れていました。怒り、悲しみ、寂しさ、苦しさ、呆れ、我慢、そして覚悟…。もう、母としての強さを感じられる佇まいでした。多分、あれはサムの知っているドナ・シェリダンではなかったと思います。1人の女性としてのドナではなく、ソフィの母としてのドナとして対峙していたんだなって思えた観劇になりました。それくらい、岡村さんドナの母としての側面が強まっていて凄く苦しくて切なくてかっこいいThe Winnerになっていたと思います。

で、結局話が色んな方向に飛んで訳分からなくなりましたが、岡村美南さんドナの場合はサムのことが確かに好きだったし彼との未来を考えてはいたっていうのが凄く伝わってきました。それは自分のためというより、自分とソフィのため。とにかく、今の岡村さんドナにとって一番はソフィなんです。突然サムがやってきて久しぶりに彼への想いが再燃しかけてドギマギさせられていますけど、それでも今は何よりソフィをしっかり送り出すことが最優先。自分の幸せは二の次で、今はソフィの幸せを守ることが岡村さんドナにとっての幸せなんだと感じました。

というかこれは別に岡村さんドナに限った話じゃないですね、すべてのドナに言えることだと思います。サムはサムで自分に非があるとそこまで思ってないからデリカシーなくドナやソフィに口出ししまくるし、要はこの2人に足りなかったのはちゃんと話し合うことだったんですよね。ちゃんと冷静に話し合えば、結婚式のシーンみたいにスムーズに和解ができたはずなのに。ソフィが産まれてしまったことで余計にこじれてしまいましたけど、結局円満な別れ方ができなかったのでお互いわだかまりと未練があって、捨てられたと思っているドナは素直になれずに牙を向けちゃうし、サムは離婚してドナへの想いが再燃してグイグイいっちゃうし、こんなことになっちゃったんだろうなって思いました。本当にめんどくさいカップルです。

ということで、なんだか全然考察なんだかよく分からないドナとサムの関係性についてのレポでした。阿久津さんサムが凄く包容力あって大人っぽいから、こうやって子供っぽい岡村さんドナをしっかり包んで支えてくれそうなのが凄くありがたいです。どうか末永くお幸せに…!

まとめ

毎回そうなんですけど、気付いたらあっという間に終演しているんですよね。福岡公演まだまだあるなぁ…って思っていたのに、もう残り4公演です。今回も気付いたらヴレヴが始まっていたし、気付いたらカテコになっていました。本当にあっという間です。

でもその限られた中で自分なりの楽しみ方ができて、何より大好きな岡村美南さんのお芝居を堪能できて、凄く幸せな3時間だなぁって思いました。マンマは観れば観るほど楽しさが広がるし、作品への理解が深まる作品なので、本当に何度観ても飽きないです。千秋楽までの残り4公演も、しっかり見届けていきます。

そしてついに次は2020年ラストの観劇!岡村美南さんで締められることに感謝し、年内最後の観劇も楽しんできますー!!!

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